衆議院財務金融委員会における山本金融担当大臣の所信表明

(平成19年2月21日)

金融担当大臣の山本でございます。よろしくお願い申し上げます。本日は、現下の金融行政について一言申し述べさせて頂きます。

(金融仲介機能の充実と利用者の安全・安心の確保について)

我が国の金融システムを巡る局面は、不良債権問題の正常化を達成し、活力ある金融システムの構築に向けた時代へと本格的に移行しつつあります。こうした中で、金融機関が自らの責任と判断で適切にリスクを取って金融仲介を行い、資源の適正配分機能を果たしていくことが重要となっております。また、幅広い金融サービスの利用者の安全・安心を確保することも、活力ある金融システムを実現するうえで不可欠であります。

金融庁は、これまで地域密着型金融の機能強化を推進してまいりましたが、今後とも、金融仲介機能の更なる充実を図る観点から、不動産担保・個人保証に過度に依存しない融資や融資手法の多様化を促すことが重要であると考えております。また、事業者の資金調達環境を整備するため、電子的な手段による債権譲渡等を可能とする電子登録債権制度の導入を進めてまいります。

利用者の安全・安心の確保の観点からは、多重債務者対策を更に推進してまいります。深刻化した多重債務問題を解決するため、昨年の臨時国会で成立した改正貸金業法の円滑な施行を図るとともに、内閣に設置された「多重債務者対策本部」において、カウンセリング体制やセーフティネットの充実、金融経済教育の強化、ヤミ金融の徹底した取締りを含む執行体制の強化に政府を挙げて取り組んでまいります。

(金融・資本市場の構造改革と活性化について)

続いて、金融・資本市場の構造改革と活性化についてご説明致します。少子高齢化、グローバル化が進み、人口減少時代の到来を迎える中、一人当たりの所得の向上を目指すことが重要と考えております。これに伴い、我が国経済の基礎インフラである金融・資本市場の利用者利便を更に高めるとともに、金融サービス業を、経済の一層の発展を支える中核的な産業として位置付けていくことが求められております。

そのためには、「貯蓄から投資へ」という流れをより一層確かなものとし、我が国金融・資本市場の国際金融センターとしての魅力を更に向上させていくことが重要であります。このような問題意識の下、今般、金融審議会に「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」を設置致しました。今後、我が国市場の国際競争力の強化に向けた方策を、本スタディグループでも御議論頂きながら検討してまいります。

活力ある金融・資本市場の形成や、公正・透明な市場の確保に向け、制度インフラの整備も重要な課題であります。こうした観点から、監査法人のガバナンス等の強化、監査人の独立性・地位の強化、監査法人等に対する監督・責任の見直し等を内容とする公認会計士・監査法人制度の充実・強化を進めるほか、金融商品取引法制の適切かつ円滑な施行に努めてまいります。

(結び)

本国会には、只今申し上げた公認会計士・監査法人制度の充実・強化を図るため、「公認会計士法等の一部を改正する法律案」の提出を予定しております。当委員会の伊藤委員長及び委員の皆様におかれましては、よろしくお願い申し上げます。

(以上)

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