宇野金融担当大臣政務官挨拶
(平成20年12月2日(火)地域密着型金融に関するシンポジウム(石川県))

地域密着型金融に関するシンポジウムの開催に当たり、一言、ご挨拶申し上げます。まず、はじめに、本日は、ご多用の中、本シンポジウムに多数の皆様方にお集まりいただき、感謝いたします。また、日頃から金融行政にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。

ご承知のとおり、現在、国際金融は数十年に一度の困難に直面しております。その影響は世界経済に及んでおります。また、我が国経済も輸出が減少するなど、厳しい局面に立たされております。先行きについても、米欧金融市場の動揺の深刻化や景気の一層の下振れ懸念、株式・為替市場の大幅な変動などから、経済状況が更に厳しいものとなるリスクがございます。

政府といたしましても、ご承知のように昨今の内外金融・経済情勢の変化等に対応するため、10月30日、「生活対策」を策定したところであり、金融・経済の安定強化を図るために各般の施策を講ずることとしております。

本日、このシンポジウムを通じて、今の政府の施策について、しっかりとお話をさせていただきたいと思います。

一つには、金融不安や景気後退の影響を受けやすい中小・零細企業について十分な資金繰り対策を実施することとしておりまして、(1)セーフティネット貸付・保証枠について、先般措置した9兆円の事業の早期実施とともに、合計30兆円規模に拡大させていただいております。

また、(2)中小・零細企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行われるための措置を講ずることとしております。それにつきましても、既に11月7日に金融検査マニュアル等を改正するとともに、金融機関に対しましても、中小企業の実態を踏まえた柔軟な対応をお願いしているところでございます。是非、金融機関の皆様にはよろしくお願い申し上げたいと思います。

また、我が国金融システムの安定性強化に万全を期すための措置としまして、(1)自己資本比率の急激な変動により、金融機関の金融仲介機能を低下させないよう、規制の一部弾力化を図ることとしているほか、(2)国の資本参加によって、金融機関の資本基盤を強化し、地域経済・中小企業に対する適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮を可能とする観点から、金融機能強化法の活用・改善を図ることとしております。

この金融機能強化法につきましては、現在、国会の参議院の方でご審議いただいている状況でございます。早くこの強化法が施行され、金融機関が潤沢な資金供給をできるような体制にしていくことが今の大きな課題でございます。

金融機関は、経済の血液ともいえる資金の円滑な流れを確保するために重要な役割を担っていただいております。現在の厳しい環境の中、金融機関が担うこの役割の重要性、そして寄せられている期待の大きさは、強調しても強調しすぎるということはございません。そして、今申し上げた政府の施策を実効あるものとするためにも、金融機関の皆様方には、その役割を適切かつ積極的に果たしていただきたくお願いするところでございます。

特に、本日の大きなテーマであります地域金融の担い手であります地域金融機関においては、顧客との長期的な取引関係を維持する中で、早め早めの経営改善を実施して事業再生を図るとともに、中小企業に対する貸出機能を強化する「地域密着型金融」の推進を図っていくことにより、借り手企業の経営実態や特性に応じたきめ細かな対応を行っていくことが一層重要となってまいります。

本シンポジウムは、地元の金融機関の方が自らの地域密着型金融への取組みを具体的にご説明いただき、その取組みに関して、地域関係者の方々を交えたパネルディスカッションなどにおいて議論・評価を行っていただくことを通じて、地域金融機関の取組みの深化・定着を図るものでございます。

どうか本日のシンポジウムにおきまして、地域金融機関及び地域関係者の皆様方による積極的かつ活発な議論が行われ、そのことが、更に地域金融機関による地域の金融ニーズに的確に対応した積極的な取組みにつながっていくことを期待するところでございます。

冒頭にお話ししました現下のこの厳しい金融経済情勢の中で、是非、ご意見を、本日のシンポジウムの進行の中でお聞かせいただければ幸いでございます。

どうかこのシンポジウムが実り多いものになり、皆様方の発展に寄与するものにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、私の冒頭の挨拶にさせていただきます。

ありがとうございました。

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