亀井金融担当大臣挨拶「全国証券大会」(21年9月17日(木))

本日は、全国証券大会がこうして盛大かつ熱心に行われましたことを、心からお慶び申し上げます。朝からセミナーも開かれて、大変な勉強もされておるということをお聞きいたしました。皆様方のそうした取組みに対して、心から敬意を表します。

申し上げるまでもなく、皆様方は、直接金融という我が国経済にとって欠くことのできない重要な部門を担当しています。そうした皆様が、今後、この日本経済を自分たちの力で引っ張っていくという気概を持って、前向きに対応いただきたいと思います。

安東(日本証券業協会)会長からもお話がございましたが、世界的に、また日本においても、経済の大変な低迷が続いているわけであります。これは簡単にいえば、人災によってもたらされたものであります。我々国民1人1人がもたらした災害であります。そうした反省なくして我々の前進はあり得ないと、このように私は思っております。改革という名の下で、経済が事実上破壊されてきた。こうした状況を我々は深刻に受け止めていかなければならない、惰性に基づいて我々は出発するわけにはならないということであり、新政権が生まれたのは、まさにそういうことであると思います。

アメリカにおいて、今までの生活の仕方や政治のあり方が「これではダメだ」ということで、神の手が動いてオバマ大統領が生まれたと思います。私は、鳩山総理にも、「あなたの政権もまた、神の手が動いて誕生したという、歴史的な責任をきっちりと自覚されるべきだ。」ということを申し上げたところです。

当面は、こうした状況の中で苦しんでいる方たちに対するセーフティネットを、きっちりとやらなければならないと思います。また、格差の是正、これは東京・地方の間の格差や所得間の格差と、色々な問題がありますが、こうしたことをきっちりと解決していかなければなりません。私は、お金持ちを貧乏にすることが格差の是正ではないと思います。そうではなくて、恵まれない人たちが豊かになっていくことが、格差是正であります。そのために、政治が何をやっていくのか、国民がどういう努力をしていくかということが、今問われておると思います。

経済が成長を遂げていかなければ、セーフティネットがあったとしても、国民生活が将来に向かって豊かになっていくことはあり得ないと思います。どのようにして経済を将来に向けて躍動させて成長させていくかということを、鳩山政権もしっかりとやっていかなければならないと思います。ただ単に成長率だけを伸ばすだけでもいけません。3%以上の成長率を目指さなければならないとは思いますけれども、ただ年率いくらになったから結構だというわけにはいかない。将来に向かって、日本が力強く成長していけるという中で、成長率を確保しているのか。また、成長率の中身において、富の分配がしっかりと行われながら成長を確保しておるのかということもきっちりと検証しながら、経済成長をしていかなければならないだろうと思っています。

私が今度担当いたします金融庁は、例えて言えば、財務省が胃袋であれば、全身にくまなく血液を送り流していく心臓の役割を果たしていると思います。そうした役割をきっちりと果たしていくために、私自身も全力を挙げて頑張っていきたいと思います。

証券業界の皆様方が、もっと元気に、こんなに空席が目立つような大会ではなくて、来年はもっと元気のある大会を実施していただける状況になるために、私どもも金融庁も頑張ります。先ほど安東(日本証券業協会)会長からも色々とお話がありましたが、是非、具体的に何をすればいいのかということを、現場を担当しておられる皆様方から、是非私どもにお教えをいただきたいと思います。私は、霞ヶ関が机の上で勉強してどうこうやったとしても、うまくいかないと思っています。現場の皆様方から、具体的な、「これをすれば良くなる」「先が見えてくる」といったご意見を、是非ともいただきたいと思っております。私も全力を挙げて頑張ります。

今度の政権においては、閣外で3党の政策協議会を作り、そこで決めたことを政府が実施をしていくという方式ではなく、閣内で閣僚委員会を設置いたしました。鳩山総理が頻繁に出てくるわけには参りませんから、菅副総理、福島大臣、そして私、3名で閣僚委員会を構成して、予算からあらゆる政策について、基本的な問題はここで最終的に決めるということでございます。そういう立場からも日本経済がどう今後躍動していくかということについて、私は大きな責任を持っておると、このように自覚をいたしております。

少々「行儀が悪い」と言われる亀井静香でありますが、世の中を良くしていくためには、場合によっては思い切り行儀を悪くしながら、全力を挙げて頑張ります。

是非、皆様方から、具体的に「どうすればいいのか」というご意見をいただければありがたいと、このようにお願い申し上げます。

本日はどうもご苦労様でございました。

(以上)

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