東金融担当副大臣挨拶「全国信用組合大会」(平成22年10月15日(金))

只今ご紹介いただきました、金融担当副大臣の東でございます。本来、自見金融担当大臣が来られる予定でございましたが、皆さんご存知のとおり、参議院で、予算委員会に出席されておりますので、親しく皆様方にご挨拶させていただきたい、こういう気持ちでいっぱいだったのですが、私が金融庁を代表して、本日参加させていただきました。まず初めに、金融庁を代表して、本大会のご盛会を心から、お喜び申し上げるとともに、折角の機会をいただきましたので、一言ご挨拶をさせていただきたいと思います。

金融庁におきましては、中小企業金融の円滑化に向け、地方における中小企業等の業況及び資金繰り等の実情を把握するため、本日、ご来会いただいております、全国中小企業団体中央会鶴田会長、いらっしゃいますが、商工会議所等の中小企業団体の方々や、信用組合を含む金融機関の経営陣の皆様方と、意見交換を行ったところでございます。

意見交換の中では、製造業の一部には業況が持ち直してきているところも見受けられるものの、特に輸出企業については、円高の影響もあり、先行きに不安感があるなど、中小企業を巡る状況はなお厳しいものであるとのご意見をいただいているところでございます。

金融庁といたしましては、そういったご意見を踏まえ、今後も全力をあげて中小企業金融の円滑化に取り組んでいく所存であります。なお、昨年12月に施行いたしました「中小企業金融円滑化法」については、昨年秋の厳しい経済金融情勢及び雇用環境の下、中小企業に対する金融の円滑化を図るための臨時の措置であり、中小企業等の資金需要が高まる年末・年度末を2回ずつ含めることができるよう、来年3月末までの時限法としているところでございますが、同法の期限を延長するかどうかについては、我が国経済及び中小企業等の資金繰りの状況、そしてまたその見通しや、金融機関の金融円滑化に向けた取組みの進捗状況など、総合的に勘案したうえで、その延長も視野に入れつつ、検討をしてまいりたいと考えております。

その際には、引き続き各種統計を注視・分析するとともに、中小企業者や、信用組合の皆様方をはじめとする金融機関の生の声をお伺いするなどの実態把握を行ってまいりたいと考えております。

次に、6月18日に閣議決定されました「新成長戦略」について申し上げます。

新成長戦略においては、「金融戦略」が7つの戦略分野のうちの1つとして取り上げられ、また、金融の役割として、「実体経済、企業のバックアップ役としてのサポートを行う」とともに、「金融自身が成長産業として経済をリードすること」が掲げられておりまして、非常に画期的な内容と考えています。金融産業の一翼を担う信用組合の皆様方におかれましても、その実現に向けて、積極的に役割を果たしていただくことを期待しているところでございます。

これに関連して、今月8日には「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプランの策定」の進め方について公表したところであります。

金融庁では、

  • (1)企業の規模・成長段階に応じた適切な資金供給、
  • (2)アジアと日本とをつなぐ金融、
  • (3)国民の資産を有効に活用できる資産運用、

の3点を、アクションプランにおける中心的な検討項目として考えており、今後、施策の具体化や、新たな施策の検討に取り組んでまいります。その上で、年内を目途に、アクションプランを取りまとめたいと考えています。

現時点で盛り込むことを想定している具体的な施策としては、「証券・金融と商品を一括して取り扱うことのできる総合的な取引所創設を促す制度・施策の検討」、そして「地域密着型金融の促進」など、新成長戦略の工程表に記載された施策を中心に考えておりますが、各方面の関係者からのご意見を踏まえ、必要に応じ、新たな施策を盛り込む予定でございます。

信用組合の皆様方におかれましては、ご意見等ありましたら、積極的にお寄せいただきたい、このように思っている次第でございます。

最後になりますが、もう既に、中津川会長からお話があったところでございますが、信用組合業界への期待について申し上げさせていただきたいと思います。

信用組合の皆様方におかれましては、これまでも地域金融の担い手として、借り手の立場に立って地域の中小企業の再生や地域経済の活性化にご尽力をいただいているものと承知いたしております。

地域の中小企業が元気を取り戻し、地域経済が発展するため、知恵と工夫がますます求められる中、信用組合の役割はより一層重要になっているものと考えます。

皆様方におかれましては、地域の身近な金融機関として、中小企業に対する円滑な資金供給に努めていただくとともに、これまで以上に、積極的に中小企業の経営課題の解決に役立つアドバイスや支援を行い、地域経済の活性化に貢献していただくことを心から期待しております。

最後になりましたが、中津川会長をはじめ、ご列席の皆様方の益々のご健勝とご発展を心から祈念いたしまして、私のご挨拶に代えさせていただきます。

本日は誠におめでとうございます。

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