参議院財政金融委員会における麻生財務大臣兼金融担当大臣の所信表明
(令和3年3月9日)
(はじめに)
財務大臣兼金融担当大臣の麻生太郎でございます。
本委員会の開催に当たり、財政政策及び金融行政等の基本的な考え方について申し述べます。
(日本経済の現状と財政政策等の基本的な考え方)
日本経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。令和二年度第一次補正予算及び第二次補正予算の政策効果等もあり、足もとでは一部に弱さが見られるものの、持ち直しの動きが続いております。引き続き、新型コロナウイルス感染症が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要があります。政府としては、昨年十二月八日に、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を閣議決定いたしました。総合経済対策を通じて、雇用と事業を支えながら新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するとともに、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図り、防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発出されております。今後も感染状況や経済・国民生活への影響を注意深く見極め、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策予備費を含めた累次の補正予算、令和二年度第三次補正予算及び令和三年度予算の着実な執行により、適切に対応してまいりたいと考えております。
日本の財政は、少子高齢化に伴う構造的な課題にも直面しております。「経済財政運営と改革の基本方針二〇二〇」等を踏まえ、二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化目標等の達成に向けて、引き続き、これまでの歳出改革の取組を継続し、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいります。
(令和三年度予算及び税制改正の大要)
次に、令和三年度予算及び税制改正の大要を御説明申し上げます。
令和三年度予算におきましては、感染症危機管理体制や保健所体制の整備等によって感染拡大防止に万全を期すとともに、予期せぬ状況変化への備えとして、新型コロナウイルス感染症対策予備費を措置することとしております。また、デジタル社会・グリーン社会の実現や、全世代型社会保障の構築など、中長期的な課題にもしっかり対応するものとしております。
同時に、歳出全般にわたり見直しを行い、一般歳出等について、「新経済・財政再生計画」の目安を達成するなど、歳出改革の取組を継続しております。
令和三年度税制改正につきましては、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図るため、企業のデジタルトランスフォーメーション及びカーボンニュートラルに向けた投資を促進する措置を創設するとともに、こうした投資等を行う企業に対する繰越欠損金の控除上限の特例を設けることとしております。また、中小企業の経営資源の集約化による事業再構築等を促す措置を創設することとしております。さらに、家計の暮らしと民需を下支えするため、住宅ローン控除の特例の延長等を行うこととしております。
令和三年度予算におきましては、感染症危機管理体制や保健所体制の整備等によって感染拡大防止に万全を期すとともに、予期せぬ状況変化への備えとして、新型コロナウイルス感染症対策予備費を措置することとしております。また、デジタル社会・グリーン社会の実現や、全世代型社会保障の構築など、中長期的な課題にもしっかり対応するものとしております。
同時に、歳出全般にわたり見直しを行い、一般歳出等について、「新経済・財政再生計画」の目安を達成するなど、歳出改革の取組を継続しております。
令和三年度税制改正につきましては、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図るため、企業のデジタルトランスフォーメーション及びカーボンニュートラルに向けた投資を促進する措置を創設するとともに、こうした投資等を行う企業に対する繰越欠損金の控除上限の特例を設けることとしております。また、中小企業の経営資源の集約化による事業再構築等を促す措置を創設することとしております。さらに、家計の暮らしと民需を下支えするため、住宅ローン控除の特例の延長等を行うこととしております。
(今後の金融行政の在り方)
続いて、金融行政について申し述べます。
新型コロナウイルス感染症による厳しい環境が続く中、実質無利子・無担保融資や資本性劣後ローン等も活用した、事業者に対する資金繰り支援の徹底や、本業支援の積極的な対応を図ります。また、金融機関が地域経済の回復・再生に一層貢献できるよう、業務範囲規制等の緩和や、事業の抜本的な見直しを行う地域銀行等への支援措置の創設に取り組みます。あわせて、地域金融機関等による人材マッチングを推進し、大企業から地域の中堅・中小企業への人の流れを創り出します。
また、日本の金融資本市場を国際金融センターの一つとして発展させるため、金融行政の英語対応や海外事業者の簡素な参入手続の創設を進めるとともに、政府一体となって、金融資本市場の魅力向上や、ビジネス環境の整備に取り組み、所要の税制上の措置を講じてまいります。企業の更なる成長のため、独立社外取締役の一層の充実等を通じた取締役会の機能発揮や、女性、外国人、中途採用者の登用を通じた企業の中核人材の多様性の確保等を促し、コーポレートガバナンス改革を進めてまいります。
さらに、ポストコロナの新たな経済社会の構築に向けて、金融デジタライゼーションを推進するとともに、国内外の資金がカーボンニュートラルに取り組む企業に活用されるよう、国際的にも協調しつつ、金融面での取組を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症による厳しい環境が続く中、実質無利子・無担保融資や資本性劣後ローン等も活用した、事業者に対する資金繰り支援の徹底や、本業支援の積極的な対応を図ります。また、金融機関が地域経済の回復・再生に一層貢献できるよう、業務範囲規制等の緩和や、事業の抜本的な見直しを行う地域銀行等への支援措置の創設に取り組みます。あわせて、地域金融機関等による人材マッチングを推進し、大企業から地域の中堅・中小企業への人の流れを創り出します。
また、日本の金融資本市場を国際金融センターの一つとして発展させるため、金融行政の英語対応や海外事業者の簡素な参入手続の創設を進めるとともに、政府一体となって、金融資本市場の魅力向上や、ビジネス環境の整備に取り組み、所要の税制上の措置を講じてまいります。企業の更なる成長のため、独立社外取締役の一層の充実等を通じた取締役会の機能発揮や、女性、外国人、中途採用者の登用を通じた企業の中核人材の多様性の確保等を促し、コーポレートガバナンス改革を進めてまいります。
さらに、ポストコロナの新たな経済社会の構築に向けて、金融デジタライゼーションを推進するとともに、国内外の資金がカーボンニュートラルに取り組む企業に活用されるよう、国際的にも協調しつつ、金融面での取組を進めてまいります。
(提出法律案の概要)
今後、御審議をお願いすることを予定している財務省関係の法律案は、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」、「所得税法等の一部を改正する法律案」及び「関税定率法等の一部を改正する法律案」でございます。また、金融庁関係の法律案は、「新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案」であり、以上、四法律案でございます。
法律案の内容につきましては、今後改めて御説明をいたしますので、よろしくお願い申し上げます。
(むすび)
以上、財政政策及び金融行政等の基本的な考え方について申し述べました。今後とも、皆様のお力添えを得て、新型コロナウイルス感染症の状況や内外の経済情勢を注視しつつ、政策運営に最善を尽くしてまいる所存であります。佐藤委員長をはじめ、委員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。