山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成18年11月7日(火)9時05分~9時14分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議の前に自殺総合対策会議第1回の閣僚会議がございました。自殺総合対策大綱の案の作成方針についての話し合いがございまして、高市大臣の原案通り決定いたしまして、19年6月までに自殺対策基本法8条に基づく自殺総合対策大綱の案の作成を行うということでございました。スケジュール的には自殺総合対策のあり方検討会が発足して、19年4月頃から自殺総合対策会議が開かれて、6月までに大綱案ができるようでございます。

次に閣議でありますが、法務大臣から犯罪白書についてのお話がございまして、一般刑法犯の認知件数は、平成14年のピークを過ぎましたけれども、ピークではないものの相変わらず認知件数の高水準のまま推移しているということでありまして、特に社会的関心の高い性犯罪等について再犯状況、こういったものを明らかにするという対策を採り、また裁判員制度の導入等の進捗状況も知らせていくようにするというようなコメントがございました。以上が閣議でございます。

【質疑応答】

問)

本日、政府税調の総会が開かれると聞いています。会長になられる阪大の本間教授が、証券税制の10%優遇措置について、07年度の期限切れで廃止すべきとの考え方を示しているとされているようです。金融庁は、この10%優遇措置については延長要望をしているかと認識していますが、大臣、改めてこの税制措置について考え方がございましたらお聞かせ下さい。

答)

貯蓄から投資へ、という方向付けに誤りはないと思います。その方向付けを強力に推進してきたものがこの10%の証券税制であったわけでございます。それを急に本則に戻すということになるならば、貯蓄から投資へのものの考え方が、そもそも、もう十分だということに繋がりかねないと思います。従いまして、目的達成、目的が是とするならば、証券税制はやはり10%で維持すべきだろうと考えています。

問)

閣議の前に自殺総合対策会議が開かれたのですが、再チャレンジと関連づけてどのように考えおられるか教えてください。

答)

再チャレンジの概念的スキームで、まず一番にマン・オブ・アビリティ、つまり個体としての個人の能力や資質を見極めるということが大事でありまして、生を受けた時からそもそも身体能力や知識能力について、個々に差があることは否めません。そういったことからして、自分自身で、自分の能力評価をきちんとするということがまず大事であります。そして、その評価が正確にできたならば、主観客観を含めて次にドアを開ける、ドア&ステップでありまして、つまり社会に打ち出して行く時、あるいは、上位の教育機関に進学する時に、どこのドアをどう開けるかということについては、それは公平公正、透明でなければならない。広く容易にアプローチができなければならない。やはり能力に応じて、体操が好きな人が体育系の学校に容易に進学できるような能力を発揮できるシステムになっていなければならない。三番目が、パワーカーブ、すなわち人間、人それぞれ能力を活かすにも周期的に体調がいい時悪い時、あるいはチャンスに恵まれる時恵まれない時、パワーカーブがあるはずであります。その意味で、私はニート対策、自殺対策というのは、このパワーカーブの問題だろうと考えております。特に、大学受験の時に当日熱が出た、当日咳が止まらないというようなことは、やはりそこでチャンスに恵まれなかったわけでありまして、もう1回体を治して再チャレンジすれば合格することもあるでしょうし、また、たまたま健康以外で例えば交通事故に合うということもあるでしょうし、やはりそこに偶然性の中での不幸をクリアしていくということは大事でございます。その意味で、再チャレンジにおけるパワーカーブの場面で自殺ということは、以前にその場所でパワーカーブという概念の中で、私は解消すべき場面であろうと思っております。

本日、特に私が会議で申し上げたのは、自然科学的アプローチと社会科学的アプローチ、2つあるだろうと。社会科学的アプローチというのは、人為的なものに対する政治経済、その他社会学等のアプローチがあり得るだろうけれども、3万人という数字は、いかにも数的に多いのではないかと。そうするといじめた人がいていじめられた人がいて自殺するという因と果の関係を超えた部分に何か原因はありはしないか。そこに環境の問題、大気や水質やその他環境ホルモンの問題等々がありはしないか。そういった点で、自然科学的なアプローチを特に重点的に頑張ってみてほしいとリクエストをさせてもらったわけであります。そして、自然科学の中でも医学、医学の中でも脳科学、脳科学の中でも前頭葉に関する脳科学について、詳細に研究をお願いしたところでございます。このように申し上げましたが、結論的に申し上げれば、再チャレンジの場面の中で、人それぞれの持っている能力を発揮するために、パワーカーブ、サインカーブで我々は生きているわけでありまして、いい時もあれば悪い時もある、悪い時をクリアするための手法の一つに自殺対策というものを位置付けているわけであります。

問)

四国で営業停止となったベルル共済の問題ですけれども、昨日、家宅捜索が入るとともに、昨日が改善計画書の提出期限だったと思うのですけれども、監督官庁として金融庁のこれからの考えとともに、どのように考えていらっしゃるのかをお聞かせください。

答)

改善命令の期限が来ましたけれども計画案は提出されておりません。今後は事件の推移等を見守るということになろうと思っております。

(以上)

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