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渡辺内閣府特命担当大臣記者会見の概要

(平成19年9月18日(火) 10時30分~10時46分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。今朝の閣議について、私の方からご報告はございません。

【質疑応答】

問)

自民党の総裁選挙に、福田氏と麻生氏が立候補しまして、先週、両者の政策メニューが出揃いました。大臣は、先週、次の首相が何をするかが大事だとおっしゃっていましたが、両者の政策を踏まえて、現時点ではどちらの候補を支持されるのか。さらに、現状で優位とされる福田氏が(首相に)就任した場合の組閣について、「あまり変わったことはできない」として、閣僚の交代を小幅に留める考えを示唆しています。現職の大臣として、この発言をどう捉えていらっしゃるのでしょうか。

答)

まず、政策は詳細に検討したわけではございませんが、それほど大きな差はないように思います。また、次の組閣について、私がコメントする立場にもございませんので、これは、それぞれの候補のご判断だと思います。

私が考えます基準というか、いつも総裁選になると勝手格付けをやっていたのですが、今回は閣僚ですから発表いたしませんけれども、いろいろな基準、つまり、信頼性とか、リーダーシップというものを、事細かに分析をして、10個くらいの基準を作ってみたらどうかと思っています。例えば、派閥度。これはセピア色対決になっていますけれども、民主党がレトロ色になっていますので、セピア色もしょうがないかな、という気もいたします。派閥度でいったら似たようなものだと思います。マイナス点だと思います。次に改革度、改革志向性が高いのか、低いのか。少なくとも、私の立場でいきますと、公務員制度改革、行政改革、こういった改革の志向性を持ち続けていただけるのかどうか、そういう観点がございます。それから、先の選挙の反省にたてば、生活実感度といいますか、庶民性といいますか、民の竈(かまど)が分かる度合いといいますか、そういう観点が求められると思います。それから、説得力、これは非常に大事だと思います。つまり、言葉に魂が宿っているかどうか、という観点です。総理の言葉に魂が宿っていれば、この言葉が国民の心にすとんと落ちるわけです。そこで住み着くわけです。そうすると言霊の幸ふ国、皆ハッピーになるということです。次に、運と愛嬌。これは松下幸之助さんの有名な言葉でありますけれども、運気は大切です。この人についていったら幸せになれそうだと言うんだったら、リーダーとして大変強い資質を持っている。今回、運気は福田さん、愛嬌は麻生さんの方にありそうかな、という感じじゃないでしょうか。それから、クリーン度ですが、排気ガスモーモーというのが、昔の派閥領袖の対決だったのですが、今回はどちらも電気自動車のようなクリーンさだと思いますけれども、バイオエタノール燃料なのかどうか、そういった観点もあろうかと思います。次に、政策立案能力。これはご本人のというより、良いスタッフに恵まれているかどうか、スタッフ、あるいはブレインに良い人達がついているかどうか、という観点だと思います。そして、交渉可能性。これは民主党との衆参ねじれ現象があるわけですから、まさしく民主党との交渉可能性が高くなければ政治運営がうまくいかないわけです。そういった技を持ち合わせているかどうか。そして、戦略性。これは、やはり内政、外交、政治運営、それぞれにおいて、戦略的な仕掛けができるかどうか、ということだと思います。とりわけ、こういった注目度の高い場面になりますと、良い悪いは別として、「劇場型政治」という観点がどうしても出てきてしまします。そういう中で、カタルシスが得られるのかどうか、という観点も、良い悪いは別として、必要になろうかと思います。最後に決断力、潔さですね。出たとこ勝負の直観力みたいなもの、これがあるかないか、というような観点ではないでしょうか。こういう観点から私は勝手格付けをいたしますが、格付け規制を研究し始めた大臣でございますので、発表はいたしません。

問)

今回、日銀が金融政策決定会合を開き、FRBも本日、連邦公開市場委員会を開催します。今週はベア・スターンズやゴールドマン・サックスなど、有力金融機関の四半期決算もあります。大臣は、世界の金融市場の現状についてどう見ていらっしゃるのか、日米の中央銀行の会合の見通し、またそれが市場に与える影響をどうお考えでしょうか。

答)

決定会合についてはコメントいたしません。ECBが利上げを見送ったとか、FRBがどうするのか、こういったアメリカ、ヨーロッパ中央銀行との連携というのは当然、(日銀は)お考えになられていると思いますので、私の方からは、金融政策についてのコメントは申し上げません。いずれにしても、九月の中間決算、あるいは、四半期開示、こうした場面を通じて、いったい損はどのくらい出ているのか、ということは明らかになっていくわけでありますから、そういうことが出てきて驚いたりしないように、前広にきちんと情報収集はやっておく必要があろうかと思います。いずれにしても、今のところ日本の金融システムに大打撃を与えるような状況にはなっていない、ということだけは確かだと思います。

問)

最後にその関連で、イギリスのノーザン・ロックという中堅銀行で、サブプライムローンの損失で資金繰りが悪化しまして、イギリス政府が緊急的に、預金全額保護と表明しているわけですが、今の関連で申しますと、万が一日本の銀行にもそういう場合があったら、日本政府として、どういう対応をされるのかということを教えていただけますか。

答)

これは、要するに、リクウィディティー(流動性)の問題なのか、ソルベンシー(財務の健全性)の問題なのか、という議論に行き着くんでしょうね。日本は、幸か不幸か、そういう議論と経験を1990年代にずっとやってきましたので、そういった問題には、預金保険法をバージョンアップすることによって、いろいろな制度整備をとっくにやってきてしまっているわけでございます。したがって、全体として、金融システムに影響を及ぼすような事態には全くならない、と考えておりますが、制度整備は万端に整っておりますので、ご心配にはおよびません。

問)

アメリカの司法当局が三菱UFJのマネロン関連について課徴金、民事制裁金を課すということが発表されていますけれども、これについてのお考えと、日本の金融監督当局としてこれにどう対応されるのかという点についてお聞かせ下さい。

答)

私も詳しく承知はいたしておりませんが、今回初めての処分というわけではないですから、きちんと米当局の指示というものを真摯に受け止めて、業務改善が行われることが大事だと思います。一般論として申し上げると、邦銀の海外拠点の業務については、外国当局の行政上の処分が行われた場合、本店の海外拠点に対する管理・監督に問題がなかったかどうか確認をしていくことになろうかと思います。

問)

勝手格付けについては、発表されないということでしたが、新総裁候補というのはある程度固めておられるのでしょうか。

答)

政策は、そんなに大きな食い違いというのはなかなか見受けられないようでございますので、私としては、先ほど申し上げた10項目の勝手格付けをやらせていただいて、その中で重み付けをやるかどうかはまた別でありますが、それで決めさせていただきたいと思っております。あくまでも、私の1票についての判断になります。

問)

既に決めていらっしゃるのでしょか。

答)

いえ、これから勝手格付けに取り掛かるということであります。

問)

今おっしゃった10項目のうち、重み付けとおっしゃいましたけれども、今回特に重視すべきと思われる点がありましたら教えて下さい。

答)

冒頭申し上げたように、10項目の前提となるところ、つまり信頼性やリーダーシップなどの観点は非常に大事だと思います。おそらく10項目全ての中に含まれるのだと思いますけれども、そういう観点から判断をしていきたいと思っています。

問)

以前おっしゃっていた、サブプライムローン関連の私的懇談会の件は、現在は止まったままでしょうか、それとも勉強会は進めていらっしゃるのでしょうか。

答)

きちんと仕事はやりますので、今週中に第一回会合は開けると思います。二回目以降はわかりません。次の大臣に聞いて下さい。

問)

今日の閣僚懇談会では、安倍首相の容体について何か説明はあったのでしょうか。

答)

それは官房長官にお聞きになって下さい。

問)

大臣は、これまで安倍首相に接していらっしゃって、体調が悪いな、など異変を感じたことはおありでしょうか。

答)

ありませんでした。

問)

足利銀行の第三段階移行というのは、誰が大臣になろうと関係なく粛々と進められていくという話だったと思うのですが、だいぶ第三段階の移行は見えてきましたでしょうか。

答)

これは、私が大臣になりました時に申し上げましたように、私が大臣になったから路線が変わるなどということは全くございませんで、秋口には第三段階に移行することになるでしょうと申し上げた通りでございます。

問)

現段階では、日程的なものはまだ見えてこないのでしょうか。

答)

粛々と審査は進めていると思います。

(以上)

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