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渡辺内閣府特命担当大臣記者会見の概要

(平成19年9月21日(金) 10時27分~10時53分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。本日の閣僚懇談会についての私の報告事項はございません。

足利銀行の受皿でございますが、金融庁が本日、足利銀行の各受皿候補に対し事業計画書の内容について審査結果を通知するとともに、審査を通過した受皿候補に対し、譲受条件等の提出を要請したところであります。これにより、受皿選定作業はその最終段階、いわゆる、第三段階に移行をしたことになります。

本年4月より、厳正に審査を進めてまいりました。足利銀行については、受皿への移行後においても、栃木県を中心とする地域において利用者の信認を得て、金融仲介機能を持続可能な形で発揮できることが何よりも重要であると考えております。第三段階においても、金融機関としての持続可能性、地域における金融仲介機能の発揮、公的負担の極小化、という3つの基本的な審査基準に則り、審査を行うことに変わりはございません。第三段階においては、公的負担の極小化という観点からの審査がより具体化することになります。今後、審査を通過した受皿候補におかれては、足利銀行の企業価値を適正に評価していただき、それを譲受条件等に適切に反映をしていただくことを期待しております。

【質疑応答】

問)

足利銀行のことですけれども、選定にあたって地元の意向に配慮して外資を排除するというような話もあるようですけれども、これについてどのような見解かということと、決定のメド、いつまでに決定できそうかという見通しがありましたら、お聞かせ下さい。

答)

これは、以前から申し上げておりますように、外資をとりわけ違った観点で見てきたわけでは全くございません。内外無差別という大方針の下に、厳正に粛々と行ってまいった結果でございます。また、栃木県の意見は、与謝野大臣のときから聞いてまいりました。先ほど申し上げたとおりの三原則に則って厳正な審査を行ってきたところでございまして、政治的な意見が反映されたとかというようなことは一切ございません。

問)

日程のメドはどうなのでしょうか。

答)

日程のメドは、今ここで申し上げられませんが、三年以上かけて受皿移行を進めてまいりましたので、急がず慌てず、というところではないでしょうか。

問)

自民党の総裁選ですが、いよいよ目前に迫っているわけなのですけれども、告示から数日たちましても、福田氏の優勢が変わらない、という報道が相次いでおります。こういった状況についてどうご覧になっているか、福田氏優勢の要因が派閥以外に考えられるとすれば、どんなことが考えられるか、お聞かせ下さい。

答)

優勢かどうかは、私より皆さんのほうがお詳しいのかもしれませんが、派閥以外の優勢要因は何かと聞かれましても、咄嗟に思い浮かびませんが、おそらく、派閥以外の要因で福田さんが優勢だとすれば、やはり、この前の参議院選挙の反省に基づいて、ご判断をされておられる方が多いのではないか、という気がいたします。私の感想といたしましては、民主党は小沢代表が国会議員歴38年目、麻生幹事長は、国会議員歴が28年目でありまして、福田候補は国会議員歴が18年目です。そういう観点でいくと、福田康夫氏が一番若いということになるのかもしれません。それが私の感想でございます。

問)

先日の会見でおっしゃっていた勝手格付けの進捗状況と、その現状との合致点、相違点、あれば教えていただけますか。

答)

勝手格付け10項目は、忙しいためまだ終わっておりません。明日、一日ありますので、ゆっくり評価をさせていただきたいと思っています。大事なことは、やはり、10項目のうちで、改革度というのを挙げておきましたけれども、私の立場でいけば、やはり、官僚主導から政治主導へ、中央集権から地方分権へ、結果の平等主義から機会の平等へ、という改革の根本原理をきちんと踏まえて政策を打ち出していただくことが、極めて大事だと考えております。その他の、例えば、地域格差という問題は大いに、考えていかなければいけませんが、この地域格差がなぜ起きているのか、ということも併せて考える必要があると思います。つまり、これはまさしく中央集権型の官僚主導体制の下で起きている話なのであって、政治主導、地方分権改革、こういったことが改革のポイントになると思っております。結果の平等主義という中央集権の裏返しの政策を進めていっても、この地域間格差の問題はなくならないと考えております。

問)

保険商品の銀行窓販について、金融庁のモニタリング結果では、弊害防止措置が有効に機能しているという判断が示されたのですけれども、大臣は12月22日の全面解禁にあたっての条件が整った、というふうにお考えでしょうか。あるいは、金融審では一部慎重な意見もありましたけれども、全面解禁にあたってクリアすべきハードルがまだあるというふうにお考えでしょうか。

答)

これは、最初から見直しありき、ということで進めているわけではございません。金融庁としては、関係者からの意見も十分に聞いていきたいと思っております。モニタリング結果については、丁寧にご説明をしていきたいと思っております。12月と今言われましたけれども、12月に私が大臣をやっているかどうか、非常に不確かでございますので、また来週以降、次の大臣にでも聞いていただければと思います。

問)

足利銀行についてですが、数多い陣営の中から今回絞込みをされて、通知をされた顔ぶれをご覧になって、どこが他の陣営よりも優れているというような印象をおもちでしょうか。また、残った顔ぶれを見て、プレーヤーがたくさんいると思うのですが、その印象をお聞かせ下さい。

答)

これは、私が政治的に選んだわけでもなんでもなくて、粛々と三原則にしたがって選んできたわけでございまして、極めて客観的な評価に基づいて行われているわけであります。したがって、私がこの顔ぶれをみて、印象を申し上げるのは適切でないと思いますので、言及は避けたいと思っております。

問)

来年4月から新体制で新しい銀行業務が始まるという当初の予定もあったと思うのですが、スケジュール的にそれは間に合うのでしょうか。

答)

来年4月ということに決め撃ちしているわけでは全くございませんが、第二段階から第三段階への移行は秋口に行います、と大臣に就任したときに申し上げたとおりでございまして、スケジュールにとりわけ遅れがでているということにはならないと思います。

問)

今日が組閣前の大臣最後の記者会見になりますが、安倍首相は辞任されましたけれども、これまでの安倍さんの政権下での政策運営、自らの政策運営についての評価をお聞かせ下さい。

答)

これは、私の担当からいけば、先ほど申し上げましたように、行政改革、規制改革を最初の8ヶ月、ピンチヒッターではありますが、担当してまいりました。この観点からいけば、安倍内閣は大変な成果を残した、と言って差し支えないと思っております。60年ぶりに国家公務員法の大改正を行って、今年の初めには、誰もできると思っていなかった天下り規制まで導入したわけです。これは、大変ハレーションが大きく、またすごい摩擦がありました。しかし、それを乗り越えて行ったわけですから、これは金字塔だと思います。安倍総理が辞任の記者会見をした後、電話で直接、安倍総理とお話をしましたけれども、これは、褒めてあげてよい点ではないでしょうか。また、その後、101独法の全面見直しという指示も併せて、私の方にいただいております。こちらの方は、まだ仕掛り、途上ではありますが、是非、次の大臣にはしっかりと受け継いでいただきたいと思っております。こうした改革マインドは、是非、安倍内閣から次の政権にしっかり引き継いでもらいたいと思っております。

問)

足利銀行ですけれども、地域で金融仲介機能を持続的に発揮することが何よりも大事ということでしたけれども、これは三原則の中でも、公的資金の極小化もさることながら、そういった要素を重視して第三段階で決めるべきであるというような考えをお持ちだということでしょうか。

答)

三原則に基づいて選んできているわけですが、これは地域銀行ですから、栃木県を中心とした地域で、利用者の信認が得られなければ、商売にならないわけです。ですから、シェアが大きいこともありまして、先ほど申し上げたような観点からの切り口も入れたということでありまして、これは三原則そのものを度外視して言っているわけでは全くありません。今の栃木県を中心とした地域で利用者の信認が得られることは大事でございますが、先ほど申し上げたように、この第三段階になりますと、国民負担の極小化、という観点が具体的に俎上にのぼってくるわけです。ですから、足利銀行の企業価値というものを適正に判断をしてそれぞれ提案を行っていただきたいと思っております。

問)

今回手を挙げている候補の陣営の多くは、投資目的で資金を出したいということもあると思うのですが、そういう意味で、ある一定期間経営にタッチしてもらわないといけないという、地元からすればそういう考えもあると思うのですが、その辺については、どのくらいのスパンで経営に携わってもらわないといけないというような考えをお持ちでしょうか。

答)

それはまさしく、第三段階でどういう中身の提案がでてくるか、その中で、判断をしていく話になろうかと思います。当然、栃木県などからも新たな要望が出てくると思いますので、そうした要望に対してどう答えていくのか、という受皿サイドの判断もあろうかと思います。

問)

長期的にコミットするというのは重要な観点でしょうか。

答)

当然地元としては、そういった要望を出してくるものと思われます。それに対して、どういう判断を受皿候補がするか、見ていきたいと思っております。

問)

官民人材交流センターの懇談会のときに、「安倍内閣の懇談会は全てなくなるという噂がある」という話がありましたけれども、新内閣での改革の方向性についてご懸念をお持ちでしょうか。

答)

是非、安倍内閣のよいところは受け継いでほしいと思います。懇談会が全部なくなるというのは、昨日も申し上げましたように、単なる噂ですから。その中でどういうものが廃止されるのか、25日の総辞職までまだ間がありますので、どういうことになるのか。私としては、懇談会、有識者会議、専門調査会を合計5つ抱えております。公務員の人材センターだけではなくて、全体パッケージ懇もありますし、行政減量・効率化有識者会議もあります。それから、労働基本権の専門調査会もあります。これは、政令(の規定に基づき設置されたもの)です。年金業務・組織再生会議もあります。政令でできているのは専門調査会ですが、あとは総理や官房長官の決裁でできておりますので、このあたりが突然廃止されたりしないようにしっかりウォッチしていかなければならないと思っています。

問)

足利銀行の件ですが、第三段階で国民負担の極小化ということなんですけれども、これは、より高い金額を出してくれるところが優先順位が高くなるということでしょうか。

答)

先ほど申し上げたように、国民負担の極小化という三原則のうちの一つが第三段階ではより具体化してくるわけですね。この場面では、足利銀行の企業価値というものをきちんと判断してください、という期待を申し上げたまでのことであります。

問)

公務員制度改革については、ある種の達成感みたいなものがおありなのかと思ったのですが、足利銀行についてはどのようなお気持ちでしょうか。

答)

いずれも仕掛かりだと思います。公務員制度改革も、天下り規制と能力実績主義は導入しましたが、それで全てが終わるわけでは全くないわけです。今、全体パッケージ懇のほうで、あるべき公務員制度について大議論をしていただいています。これをまとめて来年の通常国会にプログラム法として出したいわけでして、達成感は全くございません。要するに、第一歩を踏み出したという意味において、金字塔だと申し上げたわけでございます。一方、足利銀行も第二段階から第三段階に移行するということであって、これもまだ仕掛り中の仕事だと思っております。したがって、達成感というものはございません。

問)

こういう形で25日に安倍内閣が総辞職をすることになったことについて、改めてどうお考えでしょうか。

答)

非常に残念です。総理のご健康ということもあるのでしょうけれども、いずれ、真相が明らかにされると思いますが、仕掛り中の仕事を抱えている身としては、途中で安倍内閣が終わってしまうということについて、残念至極であります。

問)

アメリカのゴールドマン・サックスなどの大手の投資銀行の決算が出ておりますが、これをご覧になって、これはその後も尾を引きそうだと思っていらっしゃいますか。

答)

まだ詳しく決算内容について把握しておりませんので、個別の判断は控えますが、バーナンキFRB議長なども議会証言で言及しているように、やはりサブプライムローン問題というのは、簡単な話ではないという感じは受けております。今日も金融市場戦略チームの会議を同時進行でやっていただいておりますが、そこでも「この問題は長期化する」という見通しを述べる委員もいらっしゃって、油断大敵だと考えています。今後、四半期開示、9月中間決算等で具体的な損失額が続々出てくると思いますが、そのあたりは注意深く見ていきたいと思っています。

(以上)

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