渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成19年10月30日(火)9時25分~9時41分 場所:院内)

【大臣より発言】

本日の閣議後、随意契約の適正化の更なる推進について総理大臣から発言がありました。「行政に対する国民の信頼を取り戻すためには、政府における無駄を徹底して排除するよう取り組んでいく必要がある。国及び独立行政法人の締結する随意契約についてはこれまでも、競争性・透明性を高め、適正化を図るべく見直しを鋭意進めてきたが、その趣旨に照らして十分でない運用が見られるとの指摘がある。行政に対する信頼の回復のためには、真の意味での適正化を推進していかなければならない。したがって、これまで進めてきた随意契約の適正化に向けた取組が厳正に実施されるよう、一般競争入札への移行など契約形態が適切なものになること、移行後はそれぞれの契約形態において競争性が十分確保されること、特に公益法人に対する随意契約については重点的な見直しが行われることについて、各府省において徹底されたい。また、契約を監視する第三者機関については、これまでも一部の府省に設置されてきたが、その監視対象は基本的に工事に係る入札契約に限定されていた。今後は、全ての府省に全ての契約の監視を行う第三者機関を設置するとともに、総務省が横断的立場から、監視を行うことなどにより、各府省及び政府全体の監視体制の構築を図られたい」との発言でございました。

私のほうからは以上です。

【質疑応答】

問)

金融商品取引法の施行から1ヶ月ですが、今のところ問題は出ていないかどうか、大臣の見解をお願いします。

答)

スタート前後においては、若干の混乱もあったようでございます。また、金融庁へのお問い合わせも、1日200件ほどあった時期もございました。1ヶ月たちまして、お問い合わせの件数も15件程度と、かなり減ってきております。金商法は日本の貯蓄から投資への流れを加速するものであり、利用者保護という大きな柱を立てたまさしく金融行政の大転換のツールでございます。その意味でも、早くこの体制に馴染んでいただくということを希望いたします。

問)

金融危機から10年と言われていますけれども、現在の日本の銀行株が依然として高くないのはなぜなのか、また大臣は今後どのような取組が必要と考えておられるのか、お聞かせ下さい。

答)

随分高くなった金融機関の株が少し下がったのは、おそらくサブプライム・ローン問題の影響だと思います。こちらのほうは、再三申し上げていますように、油断大敵ではありますが、今のところ日本の金融システムがダメージを受けるということにはなっておりません。いずれにしましても、この問題はよくウォッチをしていくことが大事であって、早期発見、早期治療、これに心掛けたいと思っています。

10年前の混乱を見れば、日本の金融システムがこの10年間の間にいかに試練をくぐり抜けて生態系の秩序を確立してきたかということがわかると思います。たまたま10年前、私は1年生議員でした。11月くらいに三洋証券がコール市場でデフォルトを起こしました。まさしくあの時、平成金融恐慌が勃発したと思いました。当時のコール市場は、いわゆる時点決済、ネッティング方式というもので、誰の分がデフォルトされたのか分からなくなってしまうという代物だったわけです。私はその直後に、これは銀行の資本が痛んでいると考えまして、優先株の買取機構を作ろう、つまり銀行に対する公的資本注入の仕組みを作るべきであるという提言をしたのであります。その頃は、この提言に耳を傾けて下さる人は僅かしかいらっしゃいませんでした。その直後に、山一證券や拓銀が破綻をして、これは大事になったということが分かって、ようやく対策本部が当時の自民党に置かれたわけであります。確か第一回目のプレゼンテーションをやったのは、1年生議員の私だった記憶がございます。

こういう10年前の騒ぎを経て、随分時間はかかりましたけれども、日本の金融システムは安定化に向かって動き出しました。そして、不良債権の処理という大課題に積極果敢に取り組み、ようやくこのハードルを越えてきたと思います。世界経済は堅調に推移をしておりますが、マネーの世界で先ほど申し上げましたサブプライム・ローン問題の広がりから、決して堅調でない、平穏でない事態が推移をしているということについては、油断大敵でかからなければならないと思います。

問)

サブプライム問題で、今でも損失が拡大しておりますけれども、今後、リスクがあるとするならば、どういったものでしょうか。

答)

海外のラージ・アンド・コンプレックス・フィナンシャル・インスティテューション、巨大複合金融機関の決算状況を見ますと、サブプライム・ローン問題がいろいろなところに広がりをみせているということがわかります。例えば損失がLBO(レバレッジド・バイ・アウト)の世界にも及んでいるということでありますから、この問題はそう簡単に収まる話ではないと改めて認識をいたしました。私のところでやっております金融市場戦略チームへも、今週は格付機関においでいただいてヒアリングをいたしますけれども、とにかく、日本としてどういう危機管理を行っていくか、その戦略についての第一次レポートを来月中には出したいと思っております。

問)

日本の金融機関もサブプライム損失を一部開示し始めておりますけれども、それについてはいかがお考えでしょうか。

答)

個別の話はいたしませんけれども、先ほども申し上げたように、日本の金融システムが安定化に向かってきている。そういう中で、日本の金融機関がそれほどリスクを取れる状態にはまだなっていなかったという不幸中の幸いもあったかと思います。また、バーゼルIIをいち早く実施をしてきたという効果もあったのではないかと思います。そういったことが重なって、日本の大手金融機関のサブプライム関連損失が欧米に比べて、比較的軽微で済んでいるという認識を持っております。

問)

先ほどの随意契約の適正化ですが、全ての府省ということですが、金融庁については関連する部分等はございますでしょうか。

答)

金融庁に、具体的に随意契約がどれくらいあるのかというのは、私は把握しておりませんが、早速、事務方に指示をおろしたいと考えております。

問)

全ての契約の見直しに第三者機関というのをどちらに設置されるのでしょうか。

答)

「今後は全ての府省に全ての契約の監視を行う第三者機関を設置する。」と総理発言では言っております。それとともに、総務省が横断的立場から監視を行うことなどにより、各府省及び政府全体の監視体制の構築を図られたいということであります。

問)

今から、福田首相と民主党の小沢代表との党首会談が予定されておりますが、大連立とか解散という噂も出ておりますが、大臣はこの会談で何を期待されますか。

答)

やはり、衆参のねじれがしばらくの間、続くわけですから、次の選挙がいつになるかわかりませんが、このねじれが次の選挙も続くとするならば、これは大変不幸なことだと思います。この党首会談において、事態の打開が図られるという方向性が示されるのであれば、これは大変結構なことではないかと思います。いずれにしても、私の担当する立場でいきますと、金融の方は野党と対立するような問題は比較的少ないのではないかと思います。一方、公務員制度改革についても、参議院の第一党である民主党との対立点は、ないわけではございませんが、方向性として全く逆方向を向いているとは到底思えませんので、ぜひ民主党との前向きの関係構築ができることを、党首会談において望みたい気持ちでございます。

問)

昨日開かれた公務員制度改革の官民人材交流センターの件で、結論が先送りになりましたけれども、今後、予算要求に向けて、どのように取り組んでいきたいというふうにお考えでしょうか。

答)

結論が先送りというのは、正確ではないと思うのですが、確かに10月中に結論を出す予定に、当初なっていました。しかし、議論を慎重に丁寧にやってほしいという福田総理からの指示もございまして、パッケージ懇の方は、あまり拙速に結論を出してしまうと、せっかく現状変更モードで議論が進んでいるのに、現状維持モードに切り替わってしまう心配がありました。したがって、理念の議論をしっかりとやって、多少結論が遅れてもきちんと改革の方向性を出して、議論を進めていただくということにしたわけでございます。センター懇の方は、まさに議論をやればやるほど、パッケージ懇との議論の関連性が出てくる話題がたくさんあったのです。したがって、そういう議論をやっていく中で、結論が来月に持ち越されたとご理解いただくのが正しいことではないかと思っております。したがって、今月中に結論がでないから改革が先送りされたとか、後退したとかということにはならないのだと思います。一方、予算の方は、10月に予算当局に要求を出すということが普通でございますので、これは、次回会合、明日31日と聞いておりますが、こちらの方で何らかのシミュレーションが出されるものと思われます。

(以上)

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