渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年2月26日(火)9時03分~9時24分 場所:会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。

先週末、北京において東京証券取引所北京駐在員事務所の開設式典が行われましたので出席をしてまいりました。これによって、東京市場へのアクセスが改善し、中国の企業や投資家の方々が我が国市場を一層、積極的に活用していただけるものと考えます。

また、式典の前に中国証券監督管理委員会の尚福林主席と面会をいたしました。日中両国の金融当局間の一層の連携強化についてお話をしてまいりました。

また、中国銀行業監督管理委員会との間でいわゆるQDII(適格国内機関投資家)制度に係る監督協力の枠組みを構築いたしました。細かい話は事務方に聞いていただきたいと思います。これによって、中国の投資家の方々が中国の商業銀行経由で、日本のマーケットで海外資産運用をすることが可能となります。現在、中国企業の日本市場での上場は、たしか3社ぐらいですが、もっとたくさんの企業の日本市場活用が期待されるところでございます。

私の方からは以上であります。

【質疑応答】

問)

昨日、信金中金のシステムトラブルが発生しました。約74万件の振込みが積み残し、復旧の目処がたたないという非常に大規模なものですが、これについて、金融庁が今までどのような対応を取られたか、今後どうされるのかについてお願いします。

答)

信用金庫のシステム共同センター、これは信金中金の子会社と聞いておりますが、ここで昨日システム障害が発生し、信金から他業態金融機関宛の振込みが滞留しているという報告を受けております。本日未明、システムが復旧し、本日は朝、午前8時半から正常に取引が行われているとの報告も受けております。

徹底的な原因究明と適切な顧客対応を指示いたしております。顧客対応については、信金中金より各信金に対して、相談窓口を設置し、これをホームページに掲載するなどの方法により顧客に周知し、相談を受け付けることを指示したところであります。また、不渡りが発生した等、各信用金庫において対応が困難な相談については、信金中金において信金向けのヘルプデスクを設けて真摯に対応をする方針であります。

障害の原因については、信金中金の話によれば、現段階においては信金情報システムセンターと全銀システムとの間を繋ぐ回線に何らかの不具合があったのではないかとのことであります。私の方からは以上です。

問)

報告徴求命令等は、もう出されていらっしゃるということでよろしいでしょうか。

答)

銀行法第24条に基づいて、障害の概要、発生原因、復旧までの対処状況について、障害等発生報告書を提出することになっております。また、大規模な障害の場合には、銀行法第24条に基づいて追加の報告を求めることになっております。本件についても、適切に対応してまいります。

問)

今回のシステムトラブルでの当局への報告・連絡等で、今のところ問題といいますか、これは順調にきているのでしょうか。

答)

報告が遅れたという報告は今のところ受けておりません。2月25日の発生でございますが、報告が遅れたという報告はないということであります。今のところです。

問)

これは、何時に報告があったのか、もしお分かりであれば教えてください。

答)

そのあたりは私の手元に時間がどういう具合になっているか、クロノロジカルの(時系列的な)報告は来ておりませんので、事務方に聞いてください。

問)

2週間ぐらい前に中国のCIC(中国投資有限責任公司)の高西慶氏とお会いになったと思いますが、そのCICが日本の国際石油開発(INPEX)の株を買う予定だというようなことが、イギリスのタイムズ紙で報道されています。これについて、日本の当局者の話であるということで報じられているのですが、こういった事実関係というのは把握されていますか。

答)

知りません。

問)

先日ご質問が出たかと思いますが、東京都が出資している新銀行東京の増資話は、今日から都議会が始まって本格的な論戦が始まるのですが、再建計画も銀行側から出されたこともありますので、改めて大臣のご所見をお伺いしたいのですが。

答)

これは、前にも申し上げましたように、当初考えられていたビジネスモデルが相当違ったものだったと思います。したがって、当初のお考えがうまくいかなかったということだろうと思います。例えば、Suicaカードとかああいったカード金融ビジネスに相当取り組まれると聞いておりましたが、こちらの方が全くうまくいかなかったのはなぜかということもあろうかと思います。また、ミドルリスク・ミドルリターンのビジネスモデルがうまくいかなったのはなぜかという問題点もあろうかと思います。新銀行東京ではありませんが、先週金融関係者を集めた席で私が申し上げましたのでご記憶かと思いますが、いろいろな取組みがあるのです。例えば、リース会社とか、あるいは貸金業者とか、信用情報機関の情報を持っているいろいろなところが保証ビジネスを既に行っております。そういったことをやれば、このミドルリスク・ミドルリターンの世界が新しいビジネスとしてうまくいく可能性がかなりあるわけであります。残念ながら、新銀行東京においては、そういった取組みが不十分であったのではないでしょうか。ミドルリスク・ミドルリターンの金融ビジネスはもっと成長してほしいと思いますので、失敗の教訓というのは大いに究明する必要があるかと思います。

問)

再建計画では人を4分の1に減らす一方で、粗利が倍になるというような楽観的なもので、本当に再建できるのかというのが、実は内部でも話になっておりまして、都による再建指導が失敗すると御庁のイニシアティブも必要になってくるかと思いますが、再建可能性と今後の御庁のご姿勢について伺ってよろしいでしょうか。

答)

そのあたりは、まずは当該金融機関において考えるべき経営判断になりますので、私の方からはコメントは控えたいと思います。

問)

CICの国際石油開発帝石ホールディングスへの投資という報道なのですけれども、経済産業省の事務次官が「状況を注視していく」と会見で発言したそうなのですが、この行動が事実とすれば、日中で東シナ海のガス田やエネルギー問題を抱えている中で、先日CICの総経理が大臣におっしゃった純投資というカテゴリーに当てはまるのかどうか、その点は心配ございませんでしょうか。

答)

その報道自体存じ上げませんのでコメントは控えます。

問)

公務員制度改革なのですが、キャリア制度廃止、内閣人事庁の設置などいろいろな論点があると思うのですが、この前、全閣僚と協議されて各省からもヒアリングをされていると思うのですが、どの部分が一番反対意見が強い、難色を示しているなどというのはございますでしょうか。

答)

閣僚懇談会の議論は表に出さないことになっておりますので申し上げませんが、一般的に誤解が非常に蔓延しています。今、各省官房長のヒアリングを行っておりますが、例えば政官の接触が著しく困難になるという理解をしているところが多いです。これは誤解に基づく反応でありまして、我々の基本は、政と官の接触については、ルールとプリンシプルを確立しようと言っているだけなのです。したがって、これは集中管理というのが正しい表現でございまして、これを禁止する、制限するということはちょっと当たらないわけであります。例えば政務専門官という接触の部隊を作る、あるいは大臣の威令が行われることによってこの接触をするチームが別途認められるということはあり得るわけでございますから、まさに内閣主導の体制を実現していくというだけのことであって、政官の接触が制限される、著しく困難になるということはあり得ないことだと考えています。

また、内閣一括採用になると、つまり内閣人事庁採用という総合職のレベルでございますが、このようなことになると、例えば防衛省に行きたいのに厚生労働省に配属されてしまうということが起こるのではないかとも言われます。これも誤解に基づくご意見なのです。内閣人事庁採用を行う最大の目的は、各省に対する忠誠心から国家・国民に対する忠誠心に方向を変えていこうというだけのことであります。したがって、例えば防衛省に行きたいという場合には、まず行きたい役所での面接を受けるわけです。その面接をクリアした人について内閣人事庁が面接をし、「これはいいね」という人にお墨付きを与えるということになるわけでありますから、当然合格すれば希望先の省庁に配属されるということになるわけであって、防衛省に行きたい人が厚生労働省に回されるなどということはあり得ないことなのです。そのような誤解が非常に強いようです。また、幹部公務員の5割は民間から入ってくるというのは、アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)を言っている話ではないのです。そのような誤解がたくさんあって、このような誤解を解く上でも官房長ヒアリングは非常に有効だと考えております。

また、同時並行で閣僚に対する誤解を解く作業も進めたいと思っておりまして、これは官房長官の指示があってバイの会談でやるようにということでございましたので、閣僚に対してもアポイントの申込みはやっているところでございます。

問)

閣僚との折衝というか説明はいつから始めるご予定でしょうか。

答)

今週から始めます。ただ、先方様のご希望もございまして、クローズ(非公表)にしたいというところはクローズにさせていただきます。

問)

公務員制度改革なのですが、これも誤解なのかもしれませんが、改革の方向性で内閣人事庁を設置すると、大臣の人事権が阻害されるのではないかという主張が一部にあるやに聞いています。これに対してはどのように説明されるおつもりでしょうか。

答)

これも全くの誤解に基づく話です。つまり、内閣主導体制を実現しようとしているわけでありますから、内閣の一員である大臣の人事権は強化されるというのが今回のプランであります。大臣の威令が行われるように政官接触を行うわけであって、またその接触部隊は内閣人事庁に属する部隊が担当するということであります。各省における大臣の人事権というのは、今は非常に形式的なところに甘んじている場面が結構見受けられます。しかし、このプランが本格的に動き出しますと、まさに内閣の一員として大臣が各役所にきちんと威令を行っていくようになるわけでありますから、大臣の人事権はむしろ実態的に強くなっていくということが言えるわけであります。今は大臣がころころ替わってしまうというので、役所の仲間内人事というのが幅を利かせているのです。大臣の人事権と称して実は仲間内人事をやり続けているという実態があるわけです。ですから、大臣がきちんと威令を行うことによって、例えば内閣が郵政民営化と言っていたら、郵政民営化に反対する人は課長になれないということになるわけです。

(以上)

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