渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年3月4日(火)8時46分~8時56分 場所:国会内)

【大臣より発言】

本日の閣議で、「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」の国会提出が決定されました。

本法案は、我が国金融・資本市場の競争力の強化を図るため、プロ向け市場の枠組み整備、ETF(上場投資信託)の多様化、証券・銀行・保険間のファイアーウォール規制の見直し、銀行・保険グループの業務範囲の拡大、金融商品取引法上の課徴金制度の見直し等の措置を講じるものであります。

我が国金融・資本市場の競争力強化は1,500兆円に及ぶ家計金融資産への適切な投資機会を提供するとともに、内外企業への成長資金を適切に供給する等の観点から極めて重要な課題となっています。また、金融サービス業には、より高い付加価値を生み出し、我が国の経済成長に貢献していくことが期待されています。

本法案はこのために必要な制度整備を行うものであり、今後、国会でのご審議を経て、法案が早期に成立することを期待しております。

私からは以上です。

【質疑応答】

問)

円高が進み株も大きく下げています。輸出企業を中心に影響が懸念されるところですが、改めて現在の景気の認識についてお聞かせ下さい。

答)

この間の景気拡大が輸出に相当支えられてきた部分があったかと思います。円ドル相場が昨年1年間の平均レートで確か113円くらいだったかと思います。輸出企業の採算レートがどれくらいなのかは存じませんけれども、だいたい昨年の平均より10円切り上がっているということですから、景気自体が非常に苦しい状況に差し掛かっていると考えなければなりません。輸出に依存していた分を内需でどれだけ取り返せるかということがおそらく日本の経済成長、政府見通しが達成できるかの鍵になるのではなかろうかと思います。

問)

日銀総裁の任期があと2週間あまりという状況にきています。ねじれ国会を背景になかなか与野党の着地点が見えないという状況です。このような事態を打開する良い知恵というのは何かお持ちでしょうか。

答)

総理官邸で次の人選というものが当然行われているものと思います。次期総裁が不在のまま推移するというのは非常に良くないことだと思います。金融・資本市場が不安定なときに、我が国のマクロ政策の一翼を担う金融政策の方向感が不透明になるという印象を与えるだけでも非常に良くないと考えます。是非、国会においては同意人事に向けて合意をしていただくように期待をいたします。

問)

昨日の午前中の会見で、新日本監査法人の元社員、公認会計士がインサイダー取引をした件について発表がありました。大臣としての率直な感想と、金融庁としての今後の対応について教えて下さい。

答)

このような事件が後を絶たないのは非常に残念であります。監査法人については、様々な問題点が噴出し、我々も法改正を通じて弊害の除去に努めてきたところであります。その監査法人の一社員がこのような問題を引き起こすことは言語道断であります。厳しく対処いたします。

問)

年金業務・組織再生会議のスケジュールの件ですが、一部前倒しという声もあるのですが、現段階でのスケジュール感をお伺いします。

答)

最初の計画通りやってまいります。

問)

足利銀行についてですが、前回の会見で着実に検討を進めていくということでしたけれども、既に3月になりましたが、スケジュール感として4月の新体制に間に合わないということが起りうるのかお聞かせ下さい。

答)

これはいつも申し上げますように、だらだらやるのもよくありませんが、拙速もよくないと思います。時間を区切って交渉をやるということにはなっておりません。したがって着実にやっております。

問)

4月の新体制に間に合うのでしょうか。

答)

4月の新体制というのは意味がよくわかりませんが、新年度までにという期限を区切った交渉はやっておりません。

問)

経営不振の新銀行東京ですけれども、財務内容を洗い出すために金融庁が検査すべきではないかという声もあるのですが、そのへんの見解についてはどうお考えですか。

答)

検査についてはいちいち個別行の問題についてコメントはいたしません。新銀行東京の経営判断は、まさに当該銀行において行われるものであります。過去のビジネスモデルの失敗から、新しい経営計画をお持ちのことと思いますが、それらの中身について今、議会で議論をしているところでしょうからそれらのウォッチをしてまいります。

問)

400億円の追加出資をすることで今後、新しいビジネスモデルとして生き返るということは考えられるのでしょうか。

答)

まず、これについては大株主である東京都が経営の責任の一端を担うわけでありますから、まさにこういう具合に経営がおかしくなってしまったところについては、株主として責務を果たしていただくことは銀行法上の規定であります。したがって、そういうところに増資の要請があったと、その問題について都議会で議論をしているということでございますから、この議論を待ちたいと思います。

問)

一義的には主要株主ということで都に責任があるのかもしれませんが、金融庁が新銀行東京に対して傍観しているのではないかという指摘もあるようです。その点についてはどうお考えですか。

答)

傍観はしておりません。きちんとウォッチをしております。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る