渡辺内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成20年3月18日(火)9時14分~9時24分 場所:国会内)

【大臣より発言】

おはようございます。私の方からはございません。

【質疑応答】

問)

サブプライム問題ですが、米国のベアー・スターンズをJPモルガンチェースが救済合併という事態になって、米国では金融不安の懸念が非常に強くなっていますが、大臣はかねてからソルベンシー(支払い能力)の問題を指摘されていると思いますが、日本の教訓を踏まえて、米国政府に対して機会をとらえて、公的資金注入ということについて呼びかけられるというお考えはありますでしょうか。

答)

これは基本的にはそれぞれの国のご判断であります。私がかねて申し上げてきたのは、日本の教訓として、流動性の危機の背景にはソルベンシーの問題があると、これが歴史的現実だったということです。今回(の事態は)、多くの報道のように10年前の日本を見ているようで、まさに「デジャヴュ(かつて見たこと)」です。ですから、こうしたコール市場、あるいはFF(フェデラル・ファンド)マーケットでお金が取れないということの根底にあるのはやはりソルベンシーの問題に他ならないと思います。公的資金を投入するかどうかについては、それぞれの国の監督当局、政府の判断になろうかと思います。いずれにしても公的資金の投入というのはそう簡単な話ではありません。日本の場合には、最初の金融危機から資本注入スキームができあがるまでに6年かかっています。その間、住専処理のように公的資金の使い方が極めて中途半端であったという大教訓もありました。そういう日本の教訓が活かされれば大変幸いだと思います。

問)

日銀総裁人事が迷走している背景として、福田総理の政治的な先読みセンスのなさとか、決断力の不足といった声がいろいろ聞かれますが、大臣はその辺の福田総理の姿勢についてはいかがでしょうか。

答)

これは総理官邸、総理がお決めになる話ですから、そのことについてはコメントいたしません。次期日銀総裁はいきなり金融の非常事態の中でお仕事を開始されるわけでありますから、即戦力でないといけません。国際金融や資本市場の動向をよくわかっている方、これが必須条件です。いきなり総裁になって、一からお勉強し直しというのでは話にならないわけであって、こうした国際資本市場のエマージェンシー(非常時)モードについてわかっている人材はいらっしゃるのではないでしょうか。民主党の方からも何かしらのメッセージは出ているわけでございますから、そういうあたりで人選をすることは可能だと思います。

問)

いよいよ明日が任期で日銀総裁が空白という事態が現実味を増してきましたけれども、この金融の混乱の中で空白という事態、これはどのような影響があるのか、いかがでしょうか。

答)

空白は好ましいことでは全くありません。空白はない方がよいです。とにかく金融・資本市場の非常事態が起こっているのは紛れもない事実でありますから、そうした中でマクロ政策の一翼を担う日本銀行の司令塔がいないというのでは非常に困る話です。G7が4月12日ごろに開催されるのではないかと思いますけれども、おそらくその前に各国中央銀行あるいは財務当局間でかなり突っ込んだ話合いをしていく必要があるのだろうと思います。したがって、空白はぜひ避けるべきだと思います。

問)

足利銀行の問題で、野村グループからは今回の投資について、純投資であるとの話がありました。それについていかがでしょうか。

答)

受皿の方がどのようなことをお考えになっているかは、公表の資料で既に明らかでございます。受皿の基本的な構想については、大変結構なことです。純投資とどなたが言ったのか分かりませんけれども、受皿の考えというのは公表どおりでございますから、それはそれで大変結構なことではないでしょうか。

問)

足利銀行に大手証券会社グループの資本が入ることになります。証券会社グループの資本が地方銀行に入ることについての効果なり期待なりを大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

先ほど申し上げたように受皿の基本コンセプトについては公表のとおりであって、リレーションシップバンキング(地域密着型金融)をきちんと進めるということをおっしゃっているわけでございますから、それはぜひ進めていただきたいと思います。

問)

日銀総裁人事の件ですけれども、今まで大臣は「誰がではなくて何を」とおっしゃっていたのですが、いよいよ「誰が」というところが焦点になってきたと思います。空白を避けるために当初政府としてベストだとして出した案を取り下げてでも空白を回避すべきなのか、あるいは一部で出ているように日銀法を改正して少し冷却期間をおいてという案もあるようです。大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

非常事態のときにあまり姑息なことはしない方がよいと思います。候補がいないわけではないと思います。「誰を」というのは総理がお決めになることですから私は申し上げませんけれども、このような、国際金融情勢が非常に不安定な中で民主党も呑める人材というのは容易に想像がつくのではないでしょうか。

問)

関連して、官邸は福井総裁の継続を打診したようです。それについてはどう思われますか。

答)

任期がきてお辞めになる方ですので、任期がきたらお辞めになるということが当然ではないでしょうか。

問)

公務員制度改革ですけれども、いよいよ構想、案作りも大詰めにさしかかってきたと思いますが、今週の進捗状況についてどう考えていらっしゃいますか。

答)

昨日の夜から官房長官の承認を得まして各省協議に入っております。ぜひ各省協議を早く終えて政府としての成案を得たいと考えております。

(以上)

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