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与謝野財務大臣兼内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)閣議後記者会見の概要

(平成21年5月15日(金)10時21分~10時37分 場所:金融庁会見室)

【冒頭発言】

特にこちらのほうから申し上げることはございません。

【質疑応答】

問)

昨日の景気ウォッチャー調査、今日の機械受注等、まだ景気の現状は依然厳しいものの、悪化テンポが緩やかになっているような指標がこのところ示されているんですが、景気の現状とその先行きについて、現在どのようにご判断されていますでしょうか。

答)

景気というのはある日突然良くなるというものではなくて、少しずつ色々な兆候が出て、それが最後に大きく景気上昇というところに結びついていくわけですから、例えば、在庫調整が進んで一部の企業で生産が上がっているとか、街角の景気ウォッチャーが4回連続して上向きのことを言っておられるとか、いいニュースもちらほらと入ってくるようになったというのは慶賀の至りでございます。

しかし、1次補正を国会で通過させていただいた後、それが実際の社会の色々な経済活動に結びつくというところまではなかなか…。回復基調に戻ったということを断言出来るというところまでは行きません。ただ、悪いニュースよりいいニュースが入ってきているというのは喜ばしい限りであります。

問)

今出ました補正予算ですが、今週、衆議院を通過しまして、恐らく来週から参議院でまた審議が始まると思うんですが、参議院での審議に向けて大臣のお考え等ありましたらお願いしたいんですが・・・。

答)

それぞれの政策の本質論を突いてくるというよりは、やや手続的な議論が衆議院で多かったように思います。したがいまして、参議院では、やはり審議を通じて国民にこの補正予算の内容を明らかにするということは、予算案の賛否にかかわらず与野党にとって大事なことでございますから、個別政策の本質を突いたご質問をしていただくと、国民の理解に資するのではないかと思っております。

問)

その民主党ですが、今週末、代表選をやるということが決まっておりまして、民主党の中にも消費税増税をきちんと口にする候補者も出てきたようなんですが、何となく一般の人気もその方のほうが高いのではないかというようなことも言われていて、民主党の中でも消費税増税を口にする方が代表選に名乗りを上げたことについて大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。

答)

まじめな人はみんなそうなんです。

問)

今日、大臣が財務・金融・経済財政の3大臣を兼務されてからほぼ3カ月が過ぎたのですが、3カ月を振り返ってみてのご感想等ありましたらお願いしたいんですが・・・。

答)

委員会の席に居眠りをしないで座っているということはなかなか努力が要ることで、そこはちょっと辛いんですけれども、仕事の内容は今までやってきたことの延長線ですし、金融庁の仕事は、私は大臣といっても金融庁長官が金融行政全体の責任者ですから、そういう点では金融担当大臣というのは何か本当に大きなことが起きた時のみ仕事をするということなので、あるいは法律を国会に通す時に仕事をするということで、通常の金融庁にかかわる行政はすべて佐藤長官の責任でやっていただいているので、私としては3大臣というよりは2.1大臣ぐらいの感じで仕事をやっています。

問)

民主党の代表選についてなんですが、昨日お二方それぞれ会見をされたんですが、その中で社会保障の将来的な財源について民主党の前からの持論でもある全額税方式を20年もしくは40年かけて移行していくんだということをおっしゃったわけですけれども、この民主党の全額税方式について大臣はどのようにお考えかということと、あと消費税に絡めて鳩山候補のほうは今は議論すらすべき段階ではないというお考えだったんですけれども、「中期プログラム」や「骨太の方針」を策定しつつある今の大臣の消費税に対するスタンスも踏まえてお聞かせいただけないでしょうか。

答)

岡田さんの持論は前からの持論なので、そういう意味では非常にさわやかなきちんとした議論だと思います。鳩山さんのはややあいまいで、景気が悪いから今消費税なんていうことを議論するのはとんでもないと、こうおっしゃっているんですけれども、財源のところは、彼が正直に言っていたように、まだ整理整頓がついていないのでうまく説明出来ませんと、こうおっしゃっていたので、そちらのほうの議論は昔からおとぎ話だと私は聞いていましたから、別に驚きもしない。

ただ、やはり政権を担おうと自ら宣言している政党というのは、やる政策についてのきちんとした裏付け、方針、こういうものをご表明になるということはしなければならないことだと思っています。そういう意味では、岡田さんは逃げない、鳩山さんは逃げる。これが私の率直な印象です。

問)

今、鳩山さんは逃げている、岡田さんは逃げていない、というお話でしたけれども、その中で改めて恐縮なんですが、与謝野大臣としてはどういうお立場でいらっしゃいますか。もう1回お聞かせいただけないでしょうか。

答)

消費税の議論は税法附則第104条に書いてあるとおりに私は行動いたします。

問)

それに関連してなんですが、今、「中期プログラム」の改定と「骨太の方針」を新しく作るということをやっていると思うんですが、それはタイミングとしてはどっちが先に出てくるかというのはあるんでしょうか。

答)

色々な仕事を同時にやっていまして、どちらが先に出てくるというか、一遍に出てくるというふうに考えていただいたほうが正解です。というのは、「中期プログラム」の改訂も研究しているし、あるいは色々な財政の計算もやっているし、経済の見通しもやっているし、みんな同時に働き者達がやっていますから、出てくる時はそれを統合するという形になる、同時に出る、とお考えになったほうがいいんじゃないかなと思います。

問)

民主党代表選に絡んでなんですが、両候補の公約の中に現下の経済危機に対する言及が、岡田さんの場合は主要政策の6項目のうちの4番目、鳩山さんについては見られない、こういうことなんですけれども、これについて大臣のコメントをいただけないでしょうか。

答)

権力闘争をやっているわけですから、経済政策はどうでもいいという、そういう関係にあるんだと思います。

問)

冒頭の景気の認識のところで確認させていただきたいんですけれども、まだ回復基調に戻っているとは断言出来ないというふうに認識されていらっしゃるんでしょうか。

答)

ちらほらといいニュースが入ってきているという程度で、これをもってして全体を判断する段階には至っていない。こういうことでございます。

問)

そうすると、これからのリスク要因ということについてはどのように認識していらっしゃるんでしょうか。

答)

リスク要因は日本国内に存在しているのではなくて、むしろ海外の市場がうまく回復してくるかどうか、アメリカの金融システムの色々な解決方法がそのままでうまく動いていくのかどうか、あるいは東南アジアの経済が十分回復していくのかどうか。日本の今の不況は専ら外需が原因ですから、リスク要因は国内で存在しているよりは海外に存在している。特に金融システムの安定性がどれほど確保出来たかということに関しては色々な見方があるわけですから、それは下振れリスクの1つになり得ると思っています。

問)

今日銀行の決算が相次いで発表されます。以前も聞きましたが、今回の銀行決算についてのご感想と、それに関連して大手行が普通株式の発行による資本増強を相次いで打ち出す見通しです。それについてのご見解もお聞かせください。

答)

こういう不況ですから設備投資等に貸しているお金も劣化しているでしょうし、また時価評価の対象となる金融機関が持っている株式の評価も下がっているでしょうから、赤字になってもやむを得ないし、むしろこういう際にはきれいさっぱりと積むべき引当金は積む、あるいは償却すべきものは償却するということで、すっきりした態勢になられたらいいと思います。

それから銀行の資本のレベルについては、我々かねがね心配しておりましたし、現に地銀の一部では公的資金を取り入れて資本増強をやろうということですが、大きなところは自らの力で資本を調達されるということですから、これほどお祝いすべきことはないと思っております。

問)

大手行については金融機能強化法による公的資金の活用というものも大臣も官邸で促されたことがあったかと思うんですが、メガバンク3行共自力による資本増強という方向に行くことについてのご意見はございますか。

答)

メガバンクは民間銀行ですから、資本が必要であれば資本を自分達の手で市中から調達したいという思いになるのは当然と言えば当然なので、その当然のことが今の市場で可能かどうかという問題を心配していたわけですが、どうやらそれぞれ市場から調達出来るという目処が立ったというのは慶賀の至りであって、政府の用意したお金を無理やり使っていただく必要はない。これはいざという時のお金ですから、市場から調達出来ればこれに勝るものはないと思っています。

(以上)

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