与謝野財務大臣兼金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成21年7月14日(火)10時40分~10時56分 場所:財務省会見室)

【冒頭発言】

閣議は案件通りでございまして、特段ご報告することはございません。

【質疑応答】

問)

先週イタリアでサミットが行われて、景気の下振れリスクに関する言及がありましたが、今後日本の経済の下振れリスクに関して大臣の現在のご所見をお願いします。

答)

日本の下振れリスクは、国内要因で起きる部分は少ないと思っております。結局は日本の経済の回復というのは海外での経済回復を前提にしたものでありまして、しかし海外での経済の中にも、金融システムの安定は図られたと考えますけれども、これについてもまだまだきちんとやらなければならない部分が残っていると思います。それからアメリカ、ヨーロッパの金融を除く実体経済の部分もやっぱり会社の決算等も非常に悪いですし、あるいは、例えばアメリカをとれば貯蓄率が上がって家計支出が収縮しているとか、色々な国内で起きていない、国内ではなくて海外で起きている要因でやっぱり下振れリスクというのはまだ残っていると思います。もう1つ、やはり遅行指標として出てくる失業、これは失業率が4.8%から5.0%になり、5.2%になって、この部分は相当、政府としては警戒しながら経済運営をやっていかなきゃならない、そういう問題はあると思います。下振れリスクは専ら海外的な要因ですけれども、現象として起きてくるものは国内での失業率の増大、これにどう対応するかということがこれからの政府・与党の一番大事なところだと思っております。

問)

昨日、麻生総理が衆議院総選挙の日程を表明されましたが、これに関して与野党で政策議論が今後行われていくと思いますが、大臣としては今後どのような議論を期待されますか。

答)

これは与党の、政府と党ではなくて、それぞれの党の間で議論がされますけれども、やっぱり地に足のついた、現実に立脚した政策を議論していただきたい。もちろん政治ですから、理想を持つ必要がありますけれども、やっぱりお一人お一人の生活や暮らしを守るためには地に足のついた、現実感のある、そういう政策論を戦わせていただきたいと、そういうふうに思っております。

問)

先日の大臣会見の時に大臣が、都議選のことなんですけれども、都議選が終わった段階で改めて自分の所属する自民党、閣僚をやっております麻生内閣としてどういうことを考えるべきかということを静かに考えたいとご発言いただきましたけれども、終わってみて、大臣の地元をはじめ自民党にとってはかなり厳しい、苦戦の結果となったわけですけれども、ご所見とここで先日おっしゃっていただいた自民党もしくは閣僚としてのお考えについてお聞かせください。

答)

自民党の候補者はそれぞれよく戦って、また都議会与党の掲げる政策もきちんとしたものだったと私は思っております。一時的な現象といえ、我々の止めることの出来ない大きな風が民主党を中心としたところには吹いていたと、これは非常に大きな力なので止めようがないと。しかし、そういう現実を目にした我々としては、それじゃあどうするのかと言えば、やはりそれでも愚直に政策を訴えるというオーソドックスなやり方、生真面目さ、愚直さというのが自民党の今後の取り柄であるべきであって、何かこのことさえやればすべてがうまくいくというような種類の脱出手段はないので、やっぱり愚直に一歩ずつ行くしかないと、そういうふうに考えております。これは自民党もそういう姿勢を持たなきゃいけないし、我々選挙区で戦う候補者としても、そういう生真面目さというものが最後は勝利するということを固く信じてやる以外道はないと思っています。

問)

確認ですが、昨日麻生総理は来る衆院選についても、これまで麻生政権が掲げてきた経済政策を1つの争点に掲げたい、中心の争点に掲げたいとおっしゃいましたけれども、来る総選挙でも与謝野大臣のお考え、ご姿勢は今お話しいただいたものと同じということでよろしいでしょうか。

答)

結局、選挙に勝ちたいために絵空事を言うということはやっぱり責任ある政党としてはやってはいけないと。そこが今の与党と野党の大違いなところだと思います。ただ、これは情報の伝達スピードというのがあって、こちらが正しいことを言っていると思っても、全然スピードに乗らないというのがありますし、その辺は多少の工夫も必要ですし、愚直さも必要ですし、ベースは各党の基本的な政策の部分が争われるべきものだと私は思っています。

問)

前回の05年の小泉内閣の解散の時に、小泉さんが解散をお決めになった後、閣僚のいわゆる解散詔書への署名を閣僚に求められた時に、当時の島村さんが最終的に拒否をされて、小泉大臣が兼務されるという事態になったわけですけれども、今回麻生さんが解散を各閣僚に求めた場合、与謝野大臣としてはどのようなご姿勢で臨まれるかを確認させてください。

答)

そんなことは考えたこともないので、お答えのしようがないということです。

問)

それは、そうなった時に考えるということでいいんでしょうか。

答)

そういうことが起きていないので、何も考えていないということです。

問)

その件で、今そういうことが起きていないとはおっしゃいますが、総理自体はもう来週早々にも解散をするということをおっしゃっていて、その時に態度をどうするか決めなきゃいけないと思うんですが、どの辺を判断基準に…。

答)

まだ皆さんお気づきになっていないんですけれども、8月30日投票というのは任期満了選挙という意味と同一なんだと私は思っています。解散・総選挙という意味とは全く違っていて、所詮9月9日で任期満了になるわけですから、8月30日に投票日をセットしたということは任期満了の選挙と同一の意味を持っていると思っていますので、解散・総選挙と、何か突然起きるような話とは全く異質のものだというふうに私は思っています。

問)

それは麻生総理のもとでは解散は出来ないというわけでしょうか。

答)

8月30日という日がセットされたというのは、任期満了と同一の内容を持っていますということを申し上げたので、それ以上のことを申し上げたつもりはありません。

問)

与謝野さんとしては、麻生さんのもとでやはり戦うべきだと。ここはもう一度総裁選をやるという選択肢ではなくて、やはり麻生さんのもとで戦うべきだ、そういうお考えでしょうか。

答)

これは、党執行部と官邸の方は色々な日程は合意していますけれども、党というのは衆議院議員300人、参議院議員100人近くで構成されているわけですから、そういう方々に対して執行部はよく説明をし、やっぱりそれじゃあみんなで頑張ろうと、そういうコンセンサス作りをするというのが幹事長をはじめとした党執行部の使命と役割なので、そういう使命と役割を執行部にはよく果たしていただきたいと思っています。

問)

金融政策のことについて伺いたいんですが、日本銀行が緊急対応としてやっているCPの買い取りとか、緊急対応の延長の議論をする見込みとされていますけれども、目下の金融の危機の情勢がだいぶ緩和されたという見方もありますが、やはり危機対応を続けなきゃいけないという見方もあって、そのあたり大臣はどのような所見を持っておられますか。

答)

CPの入札では札割れが起きているというふうなことで、CPなどは十分市場で消化できる体制になっていますので、去年の暮れ、今年の初期の段階とは、雰囲気が全然変わっていると思っております。社債もAAAはもちろん発行出来ているんですけれども、一番最近の統計ですとAAのところまで相当社債が発行出来るようになっていて、最近では、多分6月の統計だと思いますけれども、過去最高水準に近いところでの社債が発行出来ているので、社債市場も機能は回復したと思っていますけれども、やっぱり日銀は危機対応としてのCP、あるいは社債の買い入れという窓口だけは、使われないかもしれないけれども開けておいていいんじゃないかなと、そういうふうに思っています。

問)

今日閣議が予定より20分ほど延びたと思うんですが、閣僚懇なりで解散なり、あるいは都議選の結果なりについて閣僚間のやりとりというのは何かあったんでしょうか。

答)

閣僚懇はございましたけれども、中身は言わないということになっていますのですみません。

問)

先程大臣がおっしゃった官邸と党執行部はほかの与党構成員に対してコンセンサスをとる努力をなさらなくちゃいけないということについては、今、閣僚懇についてはおっしゃれないということでしたけれども、閣僚懇その他の場で既に執行部もしくは官邸の主要な方々に大臣の方からおっしゃったのか、これからおっしゃるお気持ちはあるのかどうかについてお聞かせください。

答)

自民党執行部は優れた方々がそろっていますから、そんなことは私が言わなくても分かっておられると思っています。

問)

昨日大臣、朝出られる時に麻生総理に関しては澄み切った気持ちで日本の将来をよく考えてほしいというふうにおっしゃったと思うんですが、今回のこの来週の解散、30日の投開票というのは澄み切った気持ちでのご決断と考えられますか。

答)

私の願望を述べたので、麻生総理がどういうご心境で物を考えられたかというのは全く分かりません。

(以上)

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