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亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成21年10月30日(金)09時38分~09時53分 場所:国会内)

【大臣より発言】

今日の10時に、郵政見直しのための株の売却凍結法案(日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律案)、それと、通称、貸し渋り・貸し剥がし防止の中小企業に対する資金の円滑化(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律案)、この2法案を10時に(国会に)提出をいたします。いよいよ、今から国会の場で見直しが本格化し、また、今の中小・零細企業、また商店、サラリーマンの皆さん方が大変苦労しておられる状況から、頑張っていただく、そのための一つの一助となる法案が審議に入るわけでありますので、速やかにこれを成立させていただき、同時に、金融(検査)マニュアルも改訂いたしますので、あわせて、年末以降、そうした方々の状況がきちんとなるように全力を上げていきたいと思っています。

また、前から言っておりますように、金融庁の狭い守備範囲の中でやることはそういうことでありますけれども、将来、中小・零細企業等に仕事がちゃんと出ていくような、そうした経済対策、これを内閣はきちんとやっていかなければいけないわけであります。また、このあいだ、公正取引委員会においでをいただきましたけれども、そうした仕事が下請け、孫請け等々にきちんと適正価格で発注をされていくと。下請けいじめが起きないような状況をつくる、麻雀で言えば「一気通貫」、これをやらなければいけないわけでありますので、そういうことを含めて、私ども全力を上げていきたいと思っています。

以上です。

【質疑応答】

問)

今回、郵政凍結法と貸し渋り・貸し剥がし法案2本ということで、政権発足からだいぶ短い期間で仕上げられたかと思うのですけれども、法案の中身に対して大臣がどの程度評価していらっしゃるか、満足度と言いますか、どれぐらい評価していらっしゃるかというのを。

答)

郵政見直しについては、これで土俵をつくるわけですから。株の売却を凍結したという最中で、あの有能な齋藤社長が一昨日就任されて、本当に有能(な方)ですよ。元大蔵事務次官として、大変な統率力、辣腕(らつわん)を振るわれた方でありますけれども、今、そのもとでの新体制が始動を始めているわけでありますので、新しい理念のもとで頑張っていかれると思います。新しい政治理念のもとで、ある意味で、新社長には自由奔放にやっていただきたいと思っています。

それと、モラトリアム法案については、今、申し上げましたように、これだけでは中小・零細企業というのは、今の苦境から脱することにはならないわけですから、政府全体として、いかに後の仕事を出していくかということ、それと、その仕事の出方がちゃんとしていくということまで政府は責任を持っていかなければいけないと思っておりますので、その後半の面で、今から来年度の補正予算、また本予算の作成等々、そういうことが今から行われますので、そういう問題へきちんと我々の立場からも取り組んでいきたいと思っております。

そういう意味では、取っ掛かりとしては、3党の皆さんはもちろんですけれども、短い期間に、職員の皆さん方が法案づくり等について全力を上げて、本当に夜遅くまで頑張ってやっていただいていると思います。非常にありがたいことだと。マスコミの皆さんが相当水をかけて邪魔しましたけど、そんなことは関係なく、粛々と良い法案が2つともでき上がったと。まあ、皆さんの批判が良い刺激にはなりましたけど、今後とも建設的な批判をよろしくお願いいたします。

問)

日本航空が企業再生支援機構の活用ということで、再建の方向が決まったわけですけれども、金融機関が2,000億円以上の債権放棄ということで、金融機関の経営に与える影響と言いますか、その辺を今、どういうふうに見ていらっしゃるでしょうか。

答)

JAL(日本航空)がANA(全日空)とともに、日本の国民生活にとっても、経済にとっても大変な役割を担っているわけでありますから、これがきちんと再建されていくということは極めて大事だと思います。

前原(国土交通)大臣のところでチームができたのですね。それにはうちの大塚副大臣が参加を要請されましたので入っていき、彼がいろいろな形で知恵も出していくと思います。

問)

日銀の関係なのですけれど、CPと社債の買い取りについて年末でおしまいにする、ということを今日にも決定するようなのですけれども、この議論について、今日、中小企業金融円滑化法(案)を提出され、中小企業の資金繰りを支援するという法案を出す一方で、日銀がそういう動きを示そうとしているのですけれども、どのようにお考えですか。

答)

日銀の独立性という問題がありますから、私が干渉的なことをとやかく言うつもりはありません。

しかし、日銀は、経済の実態をきっちりと見ていただきたいと。短期的な、一時的な数字の変化だけに囚われないで、経済の今の底流がどうなっていっている、未来に向かってどうなっていっているか、そういう状況を踏まえた上で、日銀としてのいろいろな政策決定をしていただくことを期待しております。

問)

沖縄の米軍基地の移設問題についての大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

答)

これは、三党連立協議を含めて、3党でもどうするか長い間いろいろ検討もしていることですけれども、これは、やはり日米間の過去の取り決めもありますね。それと、沖縄県の皆さん方の、大変な、日本の基地の75%を引き受けていただいていることについての思いもおありですし、また我々もそのことについて思いを抱かなければなりません。

そういうようなことを含めて、やはり、もう自公が13年間、これを放置したとは私は言いません、努力をしてきたのでしょうが、決着をつけられなかった問題でありますから、新政権もこれについてはいろいろ検討し、議論をして、鳩山総理が最終的にお決めいただくことだと。新政権が生まれたからパパーッと、そう簡単に結論が出るようなことにはならないと。また、そう拙速すべきことではないと思います。これはアメリカとの折衝もあるわけですからね。

問)

先ほど出た日本航空の件で一点お伺いしたいのですけれども、企業再生(支援)機構に支援を要請するところまでは出たのですけれども、今、ほかにつなぎ融資のために公的資金が必要ではないか、というところと、年金の支払いの削減が避けられないのではないか、ということで、そこの年金の支払いに際して特別立法の検討もされていますけれども、そういった方向性について、大臣として、今のところ、ご見解としてどのように思われていらっしゃいますか。

答)

これは、私が直接所管している事項ではありませんので。もちろん、全部連帯して責任を持っている立場ですが、前原大臣が一生懸命考えて、頑張っているわけですから。優秀な大臣ですから、再建への良い知恵を出されると思っています。まだ具体的なことは聞いていませんからね。

問)

先ほどの公正取引委員会の話なのですけれども、要請して、公正取引委員会としては今後どういうふうに動くか、というお話を聞いていらっしゃるかということと、それからもう一つ、やはり大企業から中小企業への仕事が回らないと、ということなのですが、実際問題、大企業は海外、東南アジアとか中国に仕事を出してしまっているので、中小・零細の仕事がどんどん減っているということなのですけれども、その辺も含めて、大臣から要請したり、お考えがあるのかちょっとお伺いしたいのですけれども。

答)

あのときも委員長以下幹部をお呼びしてお話ししたら、「今までもそうした不公正取引が行われないように努力はしたけれども、さらに一層そういうことが行われないように公取としては力を入れます」というお話がございまして、今後、それが具体的にどういう形をとってくるか。あの委員長も豪腕な方ですから、私の要請も正面から受けてくれていると私は思っております。

それから、今のあれ(お尋ね)は、空洞化の話ですね、一つは。これは、空洞化していっていることには、いろいろな要因があると思います。一つは、労働コストの問題もある。その観点で、下請け、孫請けに対するきついしわ寄せが起きているという現実があるわけですけれども、やはり日本の経営者が、「もう日本は外国に工場をつくって、そこで生産をやればいいのだ」と、「部品調達もそこでやればいいのだ」という、「東京に本社があればいいのだ」という割り切り方は、基本的にはできないだろうと私は思います。

日本の会社ですからね。籍も外国に移しちゃえば良いという、タックス・ヘイブンでね、というような暴論を言う人もおりますが、私は、やはり日本企業が世界の中できちんと発展をしていくためには、やはり日本の文化、伝統、風土、こういうことを踏まえた経営を、日本の経営者がおやりになることが、やはり世界の中で発展していく(ことだ)と。

かつて日本は、そうした日本型経営の中で、当時も相対的に賃金が高かったのでしょう。それに比べて、ある面では不利な状況の中で、当時、日本は世界一になったのです。だから、そういう経験もあるわけですから。下請けに安く仕事を出して生産コストを落とせば、その企業が発展するというものではありません。技術革新をやっていくとか、外国とは違って、日本の場合は企業自身が、独自に、思うように開発をしていけるという面もあります。外国につくった工場と違って、日本の場合は、それがある程度自由にできる面も、そういうメリットもあるわけですから、そういう意味で生産性を高めていくということは、不可能なわけではない。可能なことだと私は思っていますので、もう単純な理由だけで外国に生産拠点を移していくということだけで企業がうまくいくかどうか。逆に、日本に回帰している企業もあるでしょう。生産拠点を、日本にまたもう一度戻しているところもありますね。

そういう意味では、私は、空洞化しない努力を、またそれを政府がバックアップしなければいけないと思います。そういう努力をしている企業に対して、政府として、やはりいろいろな形で応援するという体制をとるべきだと思います。これは、経済産業省が中心になってやると思います。

(以上)

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