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亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成21年12月4日(金)9時22分~9時55分 場所:国会内)

【大臣より発言】

今日で、一応、4年越しの小泉(元総理)との戦いで、第一ラウンドは決着付きますね、10時から(の参議院本会議で)。

今日の閣議、閣僚懇では、特別に皆さん方にご報告するようなことはありませんが、今、申し上げましたように、4年前、郵政民営化という「凶暴」とも言ってもいいような手段で、いわゆる民営化なるものを強行したわけですが、これを、抜本的に、郵政事業をやり直す第一歩の法案が、おかげさまで、このまま順調にいけば10時からの(参議院)本会議で成立すると。

4年ですよ。あなた方も、一生懸命、小泉(元総理)をよいしょ、よいしょしてくれましたけれどもね(笑)。マスコミも反省しなければ駄目です。「ガタガタにした(なった)今の郵政事業を、今なおそのままやるのが良い」みたいな論説まで書いている社がいますね。しかし、もう、天はちゃんと見ている。こういう形で郵政事業も新しい出発をしますから、今日、この後、原口(総務)大臣も入れて、(日本)郵政の齋藤社長も一緒に、新しい事業展開の何をやるか、という作業を、正式に出発させる打ち合わせを、私の部屋(金融庁大臣室)でやることにしております。本会議で可決をされたら、その後、やることにしています。

来週の金曜日の12時から18時まで、郵政改革に関するヒアリング、これを、民間の方々にも公開の下で、ヒアリングを6時間実施いたします。これを手始めに、全国各地域で地域の活性化、また、日本経済のために郵政事業が寄与できる方法はないか、ということで、広く意見をお聞きするということを含めて、そういう展開もしてはいます。そうした中で、来年の通常国会を目指して、改革の基本法、また、それに関係する法案を提出していくと。いよいよ、そういう形で本格化いたしますから、皆様方、ひとつよろしくご協力を。

補正予算については、今、ワーキングチームで、「鋭意、中身を詰めているという最中だ」と、そういうように下地(国民新党政調会長)君から報告を聞いています。

今、私のほうから皆さん方にご報告するようなことは、そういうことですかね。何かあったら。

【質疑応答】

問)

まず、最初にお話があった郵政の関係なのですけれども、今回凍結をするということで、世論というか、一般の方からその先がなかなかよく分からない、見えないという声をよく聞くのですけれども、日本郵政の新しい事業というのは現段階でこれから検討するということなのですけれども、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

答)

もう今まで答弁でも申し上げていますし、記者会見でも申し上げていますように、私は、かつての郵政事業に戻す気は全然ありません。もう地域の皆さん方のご生活のために、地域経済のために、また日本、国民全体のため、経済のために、また世界のために、この巨大な組織がその力を発揮できるように、組織を含めて、これをきちんと変えていくということですので、その間、この国民の皆さん方のいろいろなアイデア、意見をどんどんお寄せいただいて、我々は、それを貪欲に吸収しながら進んでまいりたいと考えています。

問)

二次補正の関係なのですけれども、なかには中小企業の資金繰り対策の拡充なんかも入るようなのですけれども、現時点で、これも規模だったり、いろいろと政府の中にも考え方の違いがあるようなのですけれども、大臣は、現時点で、どのようにお考えになっていますか。

答)

政府というのは誰ですか。私が政府です。

問)

その規模をめぐって、いわゆる真水と言われる直接の政府支出の規模について、「もっと必要ではないか」というような大臣のようなお考え方もあるでしょうし、「そうするとなかなか財政的に問題があるのではないか」という考え方もあるでしょうし。

答)

誰がそんなことを言っているのですか。教えてください。言う以上、責任を持たないと駄目ですよ。誰が言っているのですか。

問)

例えば、そもそもの話になりますけれども、菅副総理の…。

答)

菅副総理は、この問題について、所管が関係ありません。「政府」と言ったって、それぞれが総理から権限を与えられて、それに基づいてやっている。それが政府であって、もちろん協議をすればやりますよ。現段階においては、私は、必要な閣僚、必要な関係とは常に協議をして進んでいく。原口(総務)大臣とも密接な関係で協議をします。

問)

ちょっと補足ですけれども、その二次補正なのですけれども、今の時点で、経済対策としてどのような効果が出てくるものと見ていますか。

答)

とにかく、今のままで放置すれば、国民生活が大変な事態に追い込まれていくという認識を私は持っていますから。このマニフェスト、法案で、借金を先延ばししたからといって解決する話ではない。また、セーフティネットを張っても、仕事をしないで、国からお金を支給されるということだけで、今後、いける話ではない。仕事をして、その対価としてのお金をそれぞれ受け取って、それを消費していくという形でないと経済なんか回っていかないですよ。セーフティネットだけでいったら経済というのは回らなくなってしまう。当たり前の話であってね。だから、民主党が、マニフェストを実現することを頑張っているのは、これは結構で、おやりになれば良い。しかし、それと同時に、今、外需に期待できないでしょう。誰が考えたって。アメリカだってあんな状況ですね。中国があれしたことも、あれも中国の場合、人為的な経済という色彩が強いですからね。アジア等にしても、今、アジアに、日本のお金を含め、世界の資金が流れ込んでいるという状況があるから、活況を呈している面があるけれども。それが、将来とも続いて日本の輸出を引っ張ってくれるという保証があるわけではないでしょう。そうすれば、やはり日本の内需をどう堅調にこれを拡大していくか、ということが、経済の基本原理になるべきことなので。それをやらないで、あの民主党が、選挙の時の公約だけにこだわってそれを実現するための費用、そのための予算支出はするけれども、経済(下支え)についての算出をしない。「お金よりも知恵だ」って言ったって、知恵を実施するにはお金が要るのであって、お金の全然かからない知恵で経済を動かせるというのは、これは、人類初の実験、大実験です。実験は平時にすれば良い。私は、こんな危機の時に、そんな国民生活に影響が及ぶような実験をしていくべきではないと思います。やはり、着実に国民生活に責任を持つ政策をこの政権は実行していくべきだ、私は、このように考えています。

問)

二次補正の件で、今日の朝、下地(国民新党政調会長)さんも含めて、ワーキングチームの会合をやったと思うのですが、その結果について報告を言っておられたりとか、それを受けて、何かどんな報告があるのか、そういうことがあったら教えてください。

答)

下地(国民新党政調会長)君は、常時、私に報告しておりますが、引き続き継続して、今から議論をしていくということですから、「それでやってくれ」ということを言っておきました。

問)

額ですとか、具体的な話については、どういった…。

答)

これは、国民新党、既に、11兆円の案を出しておりますから、下地(国民新党)政調会長も、恐らくそれを軸に話をしていると思いますから。

問)

その11兆(円)という額ですけれども、(国民)新党としては最低限譲れないラインという認識でしょうか。

答)

これは、譲る、譲らぬと。うち(国民新党)も、酔っぱらって適当に作った案ではないですからね。真剣に、我々としては、現下の経済情勢、国民生活の実態において、「最低限、今の時期にこれをやるべきだ」ということで、最低限、とりあえずですね。「とりあえず補正で」ということで考えた案ですから、これを軸に下地(国民新党政調会長)君が、今、話をしていると思いますよ。

問)

今の関連で、今朝のワーキングチームでの二次補正についての議論の中身、民主党との間で、規模をめぐって、溝がまだまだ大きいという認識なのでしょうか。まだ、今朝の段階で。

答)

そうですね。まだ、うち(国民新党)と民主党との議席差ぐらい差が開いているのではないですか(笑)。そんなことは関係ないですよ。

問)

では、かなりまだ大きいと…。

答)

と思うけれども、分からないですね。だけど、民主党も真剣に現在の経済情勢、国民生活の実態を直視すれば、もう当然、最低限、国民新党の考えていることに近寄ってくると思っていますよ。「まず財源ありき」なんて議論をするから駄目なのです。子供が、もうお腹を空かして泣いている時に、親としては、それをちゃんと飢えさせないように、とりあえずご飯を食べてもらうためにどうするか、ということを考えれば良いのでね。「お父さん、お母さん、お金がないのだから、我慢していてよ」と言うわけにはいかない。こんなことは当たり前のことなのです。そのために政府があるのです。国民が勝手に苦しんでいれば良いというのだったら、政府なんか要らないですよ。政党なんか要らない。そのことが今問われている、ということを、民主党も自覚するべきなのですよ。そういうことですから、私は、民主党が良識ある判断をしてくれると、このように期待しています。

問)

日本郵政なのですけれども、昨日の参議院の総務委員会の審議でも公明党の澤議員が指摘されておられましたが、つまり、この凍結法案は、そもそも来年出す改革法案と一緒に出すべきではないか、という議論があります。つまり、今、考えても、セットで出したほうが、より国民にも分かりやすいのではないか、という選択肢はなかったのでしょうか。

答)

もう10時になったら(法案が)成立するのですよ。だから、あなたの社は、2周遅れの記事ばかり書いているのですよ。時代はどんどん前へ進んでいるのです。これは、そういう批判もあるのですよ。何事についても、批判がないわけではないけれども、それは一つの見方なのです。公明党の見方、あなたの社の見方なのです。そんなことで今の郵政事業の実態を見ていたら、もう、そうした郵政民営化の「民営化」というのは、結局は、株の売買でしょう。民間に(株を)売るということでしょう。その基本的な部分を「しない」ということを決めることが、見直し改革の核心でしょう。そう思わないですか。

問)

つまり、昨日の議論でもありましたけれども、今、政府が(日本郵政の株を)100%持っているわけですから、無理に凍結をする必要はないという…。

答)

だから、そういう便宜の問題ではなくて。小泉(元総理)さん、憲法違反までやって…。あなたの社も、その時支持したのだろうけれども…。最初は、そうでもなかったか。途中からぐにゃぐにゃになったけれども。やり方を言っているのだけれどもね。あの時のあれは、民間に株を売買して民営化をしていくということが基本だったわけでしょう。その骨格は、やはり何といったってあれですよ。株を民間に売買するとか、これが心臓部ですよ。今すぐそれをやるかどうかは別として、心臓部であることは間違いないでしょう。あなたは認めますか。

問)

そうですね。

答)

その心臓部を変える。当たり前の話でしょう。心臓が間違った形で、左心房と右心房を逆にしておくわけにいかないでしょう。きちんとした上で、全体の改革に着手しないといけないと。分かってくれますか。

問)

ご意見は分かりました。

答)

そう思わないですか。やはり民営化ということの心臓部なのですよ。これは、それを変えるという象徴的なことなのです。昨日、私も言ったけれども、それをしないでおいて「事業形態どうするか」とか、「組織をどういじるか」と言ってみたって、その基本だけはきちんと置いた上で、その結果として、また株をどうする、全額政府が持つことにするのか、あるいは形態によっては部分的に民間が持つという形態があり得るのか、これは、今から検討すれば良いことだと思っています。

すみません。ちょっときついことを言って申しわけないけれども、私はあなたの社だけ目の敵にして当たっているわけではないですから(笑)。

問)

補正予算なのですけれども、下地(国民新党政調会長)さんから、さっき「政府からもともとの案が提示をされた」という報告等が、恐らくあったと思うのですけれども、額の面では、まだ国民新党の案と開きがあると思うのですが、それに対してどう「調整しろ」というような指示をされたのでしょうか。

答)

「調整する」、「しない」と言ったって、これは、原案を作成するところが考えるべきことであって、協議、3党連立なのですから、連立、他の2党の意見と民主党もよく調整をしながら、そして財務省でしょうかね、原案を作っていくというプロセスを経ると思うのですけれども、そのプロセスの過程としてやっているわけですから。うち(国民新党)が、最初から「これでは、梃子でも動かないよ」という、そんなことを言っているわけではないので、協議した結果、そうした良い補正ができれば良いと。

問)

その、もともと11兆(円)というラインが、もちろん国民新党あると思うのですけれども、政府の、仮に出してきたものが11兆(円)ではないとしても、中身として、国民生活に資するような経済対策が含まれるようであれば、考える余地はあると…。

答)

だから、さっきも言っているように、うち(国民新党)は、それは11兆(円)の対策でパッと国民生活が当面明るくなると思ってはいないのですよ。だけど、当面、補正なんて緊急なのですから、当面、最低この程度のことはやったら良いということで積み上げた結果が、大体11兆(円)ぐらいの話ですから、もうこれが、場合によっては、12兆(円)になれば、それは結構な話ですけれども。もともと私は最初から言っているでしょう、「額ありき」というのは間違っているのですと。だから、結果として、それが11兆(円)なのか、12兆(円)なのか、その辺りは分からないし、私も、あなた方に揉まれるうちに、30年間で、若干ずるくなったから、妙なことを言ったら、「トーンを落とした」なんて書くに決まっているから、そういうことを言わない。

問)

郵政に関しまして、来週、公開でヒアリングをされるということなのですけれども、そうしますと、それに向けて、政府としての、会社形態をどうするか、サービスをどうするか、あるいは事業内容をどうするかという、ある程度の骨格というものをその前にお示しになるのでしょうか。それとも、こういったヒアリングを通して練り上げていく形になるのでしょうか。

答)

私は、もともとファッショ的な思考をとりませんから。もう、そうしたヒアリングとか、今から、そのヒアリングの場だけではないですよ。いろいろなご意見を幅広く聞く中で、この、さっき言ったような目的に従った事業、また、経営形態を考えていくということで。まず最初(こうありき)にということではないですよね。まず最初に「こうありき」で、それについて批判してくれ、そういうやり方もありますね。やり方もあるけれども、その前に、まず皆さん方のいろいろな意見を聞いた上で決めていく。またいろいろな形で議論をしていくことになる。

問)

確認なのですけれども、二次補正は、今日の閣議決定で目指している部分があったと思うのですが、そこは、大臣は納得されないと、やはり今日は難しいということもあるのでしょうか。

答)

「なるべく、できるだけ早く」というのは私だって同じですよ。どうせ1月に議決することであっても、国民の方から見たら、「あ、こういう仕事が出るのか」と、「ああいう仕事、こういう対策が打たれるのか」というのが、1日も早く分かることが、やはり「頑張っていこう」という一つのあれになりますから。早く決めることは大事な話で、だけど中身がどうしようもなかったら逆にがっくり落胆をする話ですから。だから中身を、やはりきちんとしていくということをしないで、日まで言ったって、もともと来年の1月でしょう。議決は、通常国会マターの話で。だからって、できるだけ早く決めたほうが良いですよ。ちゃんとしたものであれば、国民の方々に元気が出ますから。逆に、ちゃんとしたものでなければ、逆に落胆されるわけですからね。

問)

中身は、良い線まで来ているというご認識ですか。

答)

私はそんなに楽観的でもありませんし、また悲観的でもありません。

問)

今日、返済猶予法案ができて、中小企業対策の一つが整ったと思います。一方で、貸金業PTを精力的に金融庁のほうで開かれ(てい)るようなのですけれども、前回のヒアリングでは、弁護士会の皆さんが「多重債務者問題もあるので、完全施行してください」と言っておられる一方で、貸金業界の方々が、「規制強化で借りられなくなった方たちもいらっしゃるので、何とか見直しをしてください」と、ちょっと平行線をたどっていて、落としどころが見えにくいのですが、大臣、今、どのような対策といいますか、一方で、中小企業対策の一つになると思うのですけれども、貸金業で借りられなくなった方たちのために何をすべきか、というお考えはございますでしょうか。

答)

だから、これは、6月実施することに伴ういろいろな負の部分が出てきますよね。何だってそうですね。ヤミ金に走るのではないかという心配もあるだろうし、いろいろなこともあるけれども、しかし、その負の部分をどういう形でやるか。その政府系金融機関や一般の金融機関自体が、そういう短期の、即座の、少額の融資をやるという状況になっていないということが、一つの大きな問題点なので、その辺りをきちんとしていかなければ。「そこらがちゃんとしないからサラ金の条件を緩和する」という話にはならない。

問)

今日、返済猶予法案が施行されますが、これから実効性が問われると思うのですけれども、大臣のお考えを…。

答)

だけど、私は、私のところの個人事務所に「万」というファイルが(届いて)、こんなこと初めてですね。うちの秘書では読み切れません。また、電話を含めて、大変な期待感というか、これで資金繰りが楽になる。しかし、「しかし」という声が多いのは「仕事がない」という。何度も私が言っているように、もうどうやって仕事を出していく、ということを現にやるか。その努力をしなければ、この法案を施行したって、そういう中小・零細企業や商店やサラリーマンの皆さん方にとって生きる力にならない。仕事を出すこと。私は、そのように考えています。これは、これなりに、また、おかげさまで金融機関が、最初は、「何てことを、ひどいことをやるんだ」と言って。あなた達が間違った報道をするからいけないのですよ。本当に間違ったことをしているのですよ。あなたの社も。

問)

いや、私の社は間違ったことをしていません。

答)

していないのですか。

問)

これはもうはっきり言います。一貫してそれははっきり言います。

答)

私を批判したことが、正確に批判していれば間違ってないのです。あさっての批判をしているから間違ったことを…。

批判は良いですよ。だけど、私はあなたの社が言っているような、あんな中身の法案を作ろうという気なかったけれどもね。

問)

少なくとも、うちは。これは大臣、はっきり言っておきますけれども、私の社の私が書いた記事で、「強制的云々」という言葉は一言もないですよ。最初の一発目から、私は正しい記事を書いたと思っています。

答)

いや、「あなたが」というのではなくて。あなただけがあなたの社(のすべて)だと言っているわけではない。論説を含めていろいろなのがね。最初から水を掛けているのですから。これは、認めるでしょう。

問)

批判はありますけども、事実関係を含めて…。

答)

だから、そういうことを含めて、この法案について、いろいろな誤解があったことに対して、舌足らずな面があったかも知れないけれども、私は、最初から終始一貫変わっていないのですから。認めるでしょう。私は、そんなあなた社の論説が危惧しているようなことは、考えていたわけでも何でもない話ですよね。一方的に危惧しただけなのですから。そんなのは、一方的な危惧なのです。そんなことに水を掛けるからあれだったのだけれども、そんなことはどうでもいいですね、あなたとやりとりしたってしょうがない話で(笑)。おかげで、あなたの名前も覚えてしまったけれども(笑)。

私は、この法案が、ある意味では、金融機関にとっても意識改革をする契機になったという自信を持っています。やはり、社会的責任を果たすということが金融機関にとっていかに大事か、ということを、残念ながら、今まで検査等において金融庁が指摘してこなかったのですよ。今度はご承知(の通り)、皆さんのお手元に届けた金融(検査)マニュアルでも、社会的責任を末端の行員が具体的な業務で果たしているのかどうかを、人事考課(の基準)にまでしているかどうかまで検査の対象とするところまで踏み込んでしまったのです。そういうことによって、金融庁のいわゆる監督・検査姿勢もがらりと変わったということを、「金融庁が言っているから」というのではなくて、「社会的責任を果たしていかなければいけないな」ということを、改めて認識をしてくれたと。私は、「改めて」とあえて言っているのですよ。ちゃんとしていた金融機関もあったわけですから。そういう面で、私は、別に自画自賛しているわけではないのだけれども、金融界が、「この際、過去の自分たちのやったことに対する反省を含めて新しいこの金融業務をやろう」という出発点に、ある面ではなっているのではないかと思います。現に、各金融機関とも態勢もどんどんとってくれていますね。ほとんど今日に合わせてというよりも、非常に早くから、この本社レベル、支店レベル等でこの法律の施行をきちんと実行していくという態勢をとってくれているというのは、非常にありがたいと思っています。

問)

ちょっと確認なのですけれども、「貸金業法の完全施行に伴う運用上の問題については、政府系金融機関、一般金融機関の対応で解決をするのだ」というような理解でよろしいのでしょうか。

答)

いや、だから、そのことを含めて、そういうことがパッと、我々の検討の中で「それが必要だ」という一つの方向と結論を出したからといってすぐやれるのなら…。前から少しはやってくれていると思うのですけれども、やらなかったかも知らない。ご承知のように、ダミーにばかりに使っていたのですから。メガバンクは自分のところでやったり、あるいは資金を出してやらせていたのですから。だから、自分たち自身が、そういう非常に低い利息で、普通の利息で、あるいはリスク負担があるから若干はそうはいかないにしても、リーズナブルな範囲での貸出しということをやってくれれば、私は、一番良いと思いますよ。あるいは、政府系金融機関も。そういうことも当然、我々としては、これは検討の対象にしていかなければいけないと思いますし、そういう新たな仕組みが必要なのかどうか、そういうことも含めて検討しなければいけないと思いますね。

これはちょっと先になるかもしれないけれども、例えば、郵貯のお金の使い方にしても、国債の引き受けとか、そういうことだけで、今、8割以上いっているわけですけれども、そういうことではなくて、もうちょっと小口の、手軽な、「今日お金が要る、どうしても要る」というので、「隣の家の親父さんに借りるのはあれだから、親戚にもあれだから」と。郵便局というのは、そういう即座の資金事業にも割と手軽に対応できる立地条件にもあるわけでしょう。手足もいるのですから。そういうことにまできちんと対応でき、かつ信用金庫とか信用組合の経営も妙に圧迫しない形での、そういう小口の迅速な融資活動を郵便局自体が、今もやれるのです。やれるようになっているけれども、それをきちんと本格的にやれるような形にしていく、ということも、私は、非常に、ああいう小回りの利く形で。しかし、残念ながら、融資をするノウハウを持っていないと。そういうものの審査を含めての判断を。だから、そこらがないのにやってしまうと、大変な結果が起きる可能性もないわけではないですから。だから、そこらの問題があるけれども、これは郵政の新しい事業展開の中でも、これは、当然、考えていくことだと思います。

何かあったら言ってください。今日は記念すべき日ですから、私は機嫌が良いから何でも言ってください。私、機嫌が良いでしょう(笑)。

(以上)

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