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亀井内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要

(平成21年12月17日(木)10時04分~10時26分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。

今日は、特別に皆さん方にご報告することはありませんが、予算編成がいよいよ、「佳境に入った」とまでは言わないけれども、今から、具体的な内容の詰めを、それぞれ、党と政府との間で始めているわけで、国民新党は、今日、政府に対して、そうした党としての要望を出す予定にしております。昨日、民主党が要望した中にダブっているものももちろんありますけれども、こんな現下の経済情勢下において、何といっても本予算が経済に大変な影響を与えるわけでもありますし、国民生活の根幹にもふれていくお話でもありますから、鳩山政権最初の予算、もう全力で取り組んでいかなければいけないと思っております。

皆さん方から何かありますか。

【質疑応答】

問)

昨日、民主党が、まさにその予算について重点要望というものを出しました。この内容なのですけれども、子ども手当の所得制限だったり、自動車関連の暫定税率の維持といった内容が含まれています。大臣のご感想をお聞かせください。

答)

友党ですけれども、連立を組んでいる相手ですけれども、他党のことには干渉いたしません。

問)

冒頭、大臣が、「今日、国民新党の要望を提出する」というお話をされましたけれども、これはどういった内容になるのでしょうか。

答)

だから、うち(国民新党)は、何度も言っているように、「非常に厳しい情勢下にあって、当面の国民生活をきちんとすると同時に、中長期的に日本経済を上向きにさせていく、そうした予算を組め」ということを言っているわけで。特に地方ですね。これは、補正予算でもうち(国民新党)が強く言って積み上げたわけですけれども、「特に、地方で自由に使える交付金という形での思いきった処置をとってくれ」ということを言っていますし、また、直接、地方の内需になっていく、そうした予算、また刺激になる予算、そういうものを補正予算に次いで、こちらのほうとしては強く要望をいたしております。

個々の家庭支援というような意味では、子ども手当をやることは、私どもとしては賛成ですけれども、それを鳩山総理が「私の孫にまで出します」と言われても、もっと経済的に困っておられる家庭があるのではないか、という思いもありますし、そういう思いを多くの国民の方は持っておられると思いますから、そういう意味で、所得制限をかけていくということは、私は必要だと思います。

所得の捕捉ということが問題だと、(捕捉する)事務が大変だという(けれども)、これはやり方があるのですよね。一応、所得制限をかけた上で、申告した人に支給するという形にしていけば、所得の補足ということについても…。最初から疑ってみればあれでしょうけれども、そうでなければ、非常に所得の実態に合った中で、しかも本人の申告ということで支給していくということにすれば、これはほぼクリアできるのではないかなと思います。

また、道路特定財源の問題。私どもは、これはあくまで道路特定財源との関係で暫定税率を維持する、ということを言っていたわけなので、暫定税率を維持するというのであれば、それはやはり必要なところ、高速道路の建設等を含めて、どうしても地域において、また国家にとっても必要な整備、その他に使っていけば良いし、また高速道路の無料化というようなことへの、一つの大きな財源というような形で考えていけば良いと思うので、今後の、一つのどうするかということが課題になっていくと思います。

問)

予算の規模なのですが、90兆円台前半だという見方も出ていますけれども、亀井さんは従来、「100兆円を超える規模が必要だ」と…。

答)

それは、私は、麻生前政権のときの経済情勢、そのときの経済展望等の中で、麻生内閣なりに対応したわけですけれども、トータルとしての102兆(円)を、ちょっと、今度の補正を含めて下回るというようなことがあれば、これはどういう財政やら経済見通しを持っているのかということにも繋がってくる話なので。デフレの深刻な状況を踏まえて、経済の見通しとの間で、それと麻生内閣から減額した財政支出で大丈夫だ、という判断をするのかどうかということを、私は、それ(減額)ができるような生易しい状況ではないと思っておりますから、少なくとも95兆円まで、それには特別会計…。何でもいいや、こんなものは幾らでも出るんで…。まあ、「幾らでも」とは言わないけれども、上限があるけれども、ある程度、これは可能なのであって、役人のポケットの中にしまわせたままにしていくことはおかしい。やはり、それをきちんと使えるものは使った上で国債発行ということでないと、順序としても私はおかしいと思うので、今から、特別会計にどう切り込めるか、というのが勝負ではないですか。

問)

特別会計のところですと、外為の積立金とか具体的に想定されているものはございますか。

答)

外為の積立金だって余裕がありますよ。それは、ご承知のように、日本なんていうのは黒字国ですからね。ある意味、中国と並んでべらぼうな黒字国なのですから。そうした、全体の森の中の木をどうするか、みたいな話について、財務当局が言っているような、そんな余裕のある運用をする必要はないので。こういう時代ですから、財政事情が悪いときには、思いきってそれを使うということは、私は当たり前なことだと思っています。

問)

暫定税率の件で、民主党のこれまで出してきたマニフェストや主張を聞く限りでは、国民の方には「ガソリンが下がるのではないか」という期待をされていた方もいると思うのですが、そうすると、今回の暫定税率の維持という文面を見ると、そこでやや、「あれ違うのかな」と思われる国民の方もいると思うのですけれども、その辺りはどういうふうにお考になりますか。

答)

それは民主党に行って聞いてください。民主党がそこらを判断して、政府に要求していることだと思います。

問)

大手銀行に対する自己資本比率の規制の強化についてちょっと教えていただきたいのですけれども、かねて大臣は、「各国の情勢に配慮して規制の強化については慎重に検討をしていくべきだ」というご趣旨の発言をされていると思うのですけれども、今、バーゼル委員会で、今後の新しい規制強化について、実際に完全実施するまでに相当程度長い期間の移行措置を設ける方向で調整しているようですが、これについて大臣のご所見を教えてください。

答)

これは出発前から、日本としては、我が国の経済の実態、金融機関の現在の状況を踏まえて、アメリカが言っているような、そういう規制に歩調を合わせる必要はないと。むしろ、「アメリカは(自分の)頭のハエを追え」と、これは言葉が悪いけれども、私はいつも言葉が悪いのですけれども。ヨーロッパ等に対して、そういうのはアメリカが言っているわけですけれども、まず自分の国の、そうした意味での金融秩序を含めて、そういうものをきちんとやることが先決であって、我が国は我が国の事情もあるわけですから。もちろん将来的には、一つの国際的な基準、協調、それが一つになっていき、それが、それぞれの金融機関の体質強化、そういうものを目指したものになるということは、私どもは異存がないことですけれども。今、日本においての状況から見て、「アメリカが言っているような、そういうところに合わせていくような状況ではないということを主張しろ」と私は言いました。

ヨーロッパ辺りも同調して、日本の主張が通ったみたいな感じですね。

問)

昨日、大臣は、会見を含めて、沖縄でのカジノ特区の構想をお話になりましたけれども、そもそもいつごろからこういった構想をお考えになっていたか、ということと、これは実際に実現するとなると法改正もまた必要になってくるのですが、大臣は昨日、「私は旗振り役だ」とおっしゃっていたのですが、その辺の検討、今後の考え方の方向性、進め方などはどういうふうにお考えでしょうか。

答)

これは、やはり沖縄が、基地を75%引き受けてくれて、安全性の問題、騒音の問題を含めて、相当な犠牲を払ってくれている。その状況に対して、ずっと、ある程度、財政出動もしながら地域振興に対して力を入れてきたわけですけれども、今も、相変わらず県民所得というのは日本の最下位ぐらいでしょう。そういう状況から抜け出していない。その状況から脱していくには、地政学的ないろいろな条件、いろいろなものを考えて、島だということもあるし、そういうことの中で、今、世界に、今度はシンガポールもやるのですね。フィリピン、シンガポールもやるわけですし、アジアにおいても、そういう形でカジノというのは非常に広がっているし。これは別に何か、カジノとか何とかと言うと、若干、博打場みたいな印象があるのですけれども、でっかい(シルクド)ソレイユと言うのか、ああいう大きなサーカスみたいな大ショーとか、ああいうものがどんどん、毎日のようにあれされて、子ども連れで集まっているという、暗いイメージというのはなくなっているのではないですか。裏世界との関係についても、アメリカなんかにしても。これはやはり、そうしたカジノの性格も暗いイメージからだいぶ変わってきていると思いますね。レジャーみたいな形に変わってきているので、沖縄が総合レジャーのメッカみたいな形になっていけば、雇用の面、所得の面で大幅なアップがあるのではないかと。

今までのような産業振興ということの中だけでは、現実問題として、なかなか所得が上がっていかないということで、こういう面にも観光立国、観光沖縄ということなのでリゾート開発も当然やらなければいけないけれども、考えて良いのではないかなと。割と賛同者が多いですよね。だから、沖縄を中心に、喜納昌吉(参議院議員)先生と話をしたのだけれども、「良いじゃないですか、やりましょう」と言っていたし、うち(国民新党)の下地(政調会長)なんかも言っていたし。沖縄でも、相当、良いのではないか、という空気が非常に強いので。(前原)国交大臣に話をしたら、「まず沖縄で検討して、沖縄から声を上げてもらえれば、自分たちとしても観光立国という観点から取り上げても良い題材だ」というようなことも言っているし。もっといろいろな方とも話をしても、非常に前向きな感触を持っていますね。

総理なんかも、これはお酒を飲みながらですけれども、「そういうのも一つのあれではないのかな」というようなことも漏らしておられましたから、私は、内容をきちんとしていけば、沖縄特区という形で手がけていけば実現可能ではないかなと思っています。

石原慎太郎(東京都知事)が、前に、13号地でのカジノ(特区構想)をぶち上げていたけれども、私は、沖縄ということであればコンセンサスが得られるのではないかなと思っています。

問)

子ども手当に所得制限を設ける件なのですけれども、財源の一部に扶養控除の廃止分を充てるという方向もあるようですが、そのことによって手当を受けられない世帯というのが、実質、増税になるのではという、その負担増のみ強いられる世帯が出てくるという懸念があると思うのですけれども、それについてのご見解を教えてください。

答)

だから、扶養控除の考え方と子ども手当の考え方は、思想的にも理念的にもちょっと違うところがありますよね。扶養控除というのは、やはり自分がやっている扶養の負担ということで、やはり軽減したいということでやっているのですけれども、そこを削って、では子ども手当の財源に回すという、私はリンクした考え方ではない考え方で扶養控除の問題と子ども手当の問題は考えたほうが良いのではないかと。

リンクした形ではなくて、扶養控除を廃止して、その財源をこちらに回すというのは、子ども手当と扶養控除が必要なのかどうか、そういう形で検討すべき性格のものではないかなと思います。子どもを扶養していると言えば扶養しているのですけれどもね。

問)

今回、昨日の民主党の要望を受けて、政府のほうがそれを尊重するという形になりますが、政府・与党一元化というふうに民主党は掲げてきたのですけれども、政府・与党一元化の観点から、今回のように民主党の重点的な要望事項を予算に反映させるということについては、大臣はどういうふうに見ておられますでしょうか。

答)

これは本来、予算は政治なのです。政治はやはり予算という面があるからね。国民から選ばれた国会議員がそれを決めていくというのは当たり前の話で、だから国会議員を通じて国民の意思が反映されていくと。

それで、現在は政党政治ですから、選挙制度だってそうでしょう。国会の運営だってそうですしね。政党単位で政治が行われている場合は、国民の意思を、一応、政党が集約をして、それを予算に反映していくという、これは当たり前の動きなのですよね。それを民主党が民主党なりの一つのルールを作っておられるようですが、それは民主党のルールであって、これは国民新党のルールではありませんから。私どもは、今日、政府に対して、国民新党としての予算要望を出していきます。それは、民主党のルールであって、国民新党のあれとは全然関係ありません。そういう面で、理解をしているわけでもありません。「考え方が違うな」と思っているだけの話なので。

問)

子ども手当については、「所得制限が必要だ」というお考えだと思うのですけれども、高校無償化については、所得制限はいかがお考えでしょうか。

答)

高校無償化ということについては、私は、所得制限ということを掲げなくても、高校教育そのものが、これは言えば義務教育は中学校までですけれども、その延長という意味においては、やはり国家が責任を持って、できるだけ義務教育を延長するような形で経済的にも対応していけば良いと思いますから、子ども手当とは少し性格が違うのではないかなと思いますね。

教育について、いろいろな分野で所得制限を掲げていくということになるとややこしくなりますよね。そういう、義務教育だって給食費の問題なんて出てくるかもしれないし。そういうものは、やはり均一的に、給食費なんて同じように、同じ弁当を食べていて、お金持ちの子からたくさん取ってしまえとか、お金持ちではない子は補助するというようなわけにもいかないでしょう。それと同じように、やはり高校教育の無償化というのは、それは所得と関係なしに、国が教育に対する責任を果たすという意味において、私は無償化ということで良いと思いますね。

問)

子ども手当の所得の捕捉というところで、ちょっと細かいところを確認したいのですが、要は、「申告によって所得の証明のようなものを出してもらうことで、その所得の捕捉を行うのだ」と、こういうことを想定していらっしゃるという理解でよろしいのでしょうか。

答)

だからそれは、これはまだ国民新党で中身を詰めているわけではないし、あれですけれども、考え方としては、そういう形で事務的に詰めていけば、申告制にした場合は、子ども手当を要望しておられる方について所得が制限内に入っているかどうか、というようなことは、事務的に考えて、割と楽になるのではないですか。それは「人を見れば泥棒と思え」と言えば別ですけれども、そうではない限りはね。

(以上)

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