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亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年1月19日(火)10時47分~11時09分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日の閣議は、別に皆さん方に取り立ててご報告するようなことはありません。何かあったら手短に。

【質疑応答】

問)

今日午後、JAL(日本航空)が(会社)更生法の適用を申請する予定です。取引金融機関、それから日本国内の経済への影響をどういうふうにお考えでしょうか。

答)

日航が再生するために、政府、また民間金融機関をはじめ、そういう意味では、やはりあらゆる国民が協力していくというのは当然のことだろうと思います。金融機関について、私は、事務方から状況の報告を受けましたが、直ちに、金融支援等をやっていく中で、それぞれの金融機関が、いわゆる困難な状況ということはもちろんあり得ないのですけれども、大変な状況になるという危険性はないだろうという予測をしておりますので、今のところ心配はしておりません。

問)

元運輸大臣として、JALの経営にもお詳しいと思うのですが、そもそもJALがここに至った原因というのをどうお考えでしょうか。

答)

JALの経営自体に…、ANA(全日空)は四苦八苦しながらでも、ある程度健全な経営を続けているわけですから、そういう面では、経営全体についての厳しい反省は、やはりあってしかるべきだろうと思いますけれども、一方、私は運輸大臣をしていたのですけれども、空港に、「とにかく採算はある程度度外視しても飛行機を飛ばしてくれ」というような、その地域からの強い要望、それに対して政府が対応してきたという面もありますし、また着陸料などというのは、日本の場合は、世界に比べても極めて高いというような状況もあるわけでありますから、日航がこういう状態になったことについて、すべて日航だけの責任だというわけにはいかないので、今後、こうなった経験を航空行政全体に活かしていくという努力は必要だと私は思います。

問)

郵政について伺います。今日、報道で、「郵貯の預入限度額の引上げの方向で検討」とありますけれども、それは事実なのかどうかというのが1点と、将来的に政府出資というのは過半数必要か、今時点で大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

これは、今、精力的に公聴会もやって、国民の各層各位のご意見、地域のご意見、これを能(あた)う限り吸収していきながら、また我々としては、経営主体である日本郵政の齋藤社長をはじめ幹部の皆さん方、また3党の政策責任者との間で、今、精力的に協議を重ねている最中でして、今週から来週ぐらいかけて、できれば月内に一つの方向を出したいということで、精力的にやっております。しかし、一度決めて、またがらっと変えるみたいなことはやってはならないわけでありまして、そういう意味では、我々としてはもう徹底的に、あり方についての議論を、今、やっている最中ですので、確定的にどうだこうだということを、大臣の立場で、今、申し上げるわけにはいきませんが、限度額の問題等についても、従来もいろいろ言われてきたわけでありますけれども、新しい日本郵政が金融業について新しい出発をしていくという観点から、簡保を含めて、今の限度額で良いのか、そういう問題というのは、やはり、当然検討していく課題であることは間違いないので、この点についても、今、いろいろな方面の意見も聞きながら検討をやっている最中です。

問)

小沢(民主党)幹事長周辺の政治資金規正法違反事件について伺いますけれども、一部報道で、「(捜査当局の)事情聴取に応じる意向だ」と報じられていますが、国会でも、小沢さんについて、参考人招致など説明が必要ではないかというふうにはお考えになりませんでしょうか。

答)

これについては、現在、捜査が進行している最中ですから、私は、やはり捜査機関の捜査を待つというのが基本的なあり方だろうと思います。小沢さん自身が、全面対決、潔白だということで対決しておられるわけですから、当然、事情聴取等には応じられるのではないですか。これは、あくまで推測ですけれども。

国会としてどう対応するかということを言われるけれども、いつもこういうときにそういう問題がよく提起されるのだけれども、一方で、捜査機関が捜査を進めていっている場合、国会としてそれに対して、やはり対応できる範囲というのは非常に限られると思います。事実関係が確定していかないでしょう。事実関係が確定しないのに、中身の詳細を分かっていない国会議員が、それについて、探偵ごっこではないけれども、そんなまねをしたってしようがないので。

そんなことよりも、私は(原口)総務大臣にも言っているのですけれども、私自身も30年以上、ずっと国会議員の仕事をやっていますが、その間、いろいろな「政治とカネ」の問題が起きる度に政治資金規正法が改正されていくのですけれども、こんなことを言っては…、もうつぎはぎだらけですね。木造にプレハブを継ぎ足して、今度はコンクリートを継ぎ足してみたり、そういうことを重ねて現在の政治資金規正法が存在しているので、私は、今の政治資金規正法というのは抜本的に改正していくべきだと思います。そうしたつぎはぎだらけの、極めてテクニカルな、本当にテクニカルな法律ですね。そういうもので、この政治資金規正法は、あえて犯罪人をつくっているみたいな面がありますよ。(改正政治資金規正法が)今年から実施されるでしょう。政治家が活動費に使った場合、1円まで領収書を取らなければいけないわけですよ。そんなことが、実際、可能なのですか。皆さん方だって、上司に取材費を請求するときに、1円まで正確な領収書を添えてなんていうことができますか。私は、そういう、できもしないことを政治家に要求して、そのために膨大な事務量を要求する、調査のための秘書を大勢抱えざるを得ないという、では、その費用をどうするのかという問題も出てくるわけでしょう。

皆さん方に、この点を考えてもらいたい。国会議員は、本来、やはり有権者から、10万(人)なり、あるいはそれ以上の方々から、政治を託せるということで、全人格を含めて、政策、人格を含めて選ばれてしまっているのです。そうした者に対して、泥棒を扱うみたいな形で手足を縛りまくって、それで「国民のための政治を思う存分やってください」ということが、本当にあるべき姿なのかどうか。私は、皆さん方も、これはよく考えてもらいたい。「厳しくすれば良い」と言うのですけれども、「政治とカネ」の問題というのは、要は、きれいなお金を集めて、それをきれいに使うということなのです。そこから離れて、テクニカルな規制、厳しい規制にだけ走っていってしまっているのです。結局は、それで「あ、違反だ、違反だ」というようなことで犯罪人をつくっていくという面がありますよね。

それと、政治資金規正法は、あくまでも形式犯なのですよね。だから、政治資金規正法の立法趣旨とは何なのか、ということを、やはりきちんと考えなければいけませんよね。これは、やはり政治資金の透明化ということが一つですけれども、しかし、今の法律は、政治資金を出した人ではない人が、他人が出した政治献金について、その使途について1円までの領収書の開示を要求するなどということをやっているでしょう。こういうことが、本当に当たり前なのかどうかというようなことを、私は、ぜひ皆さん方に、これは、あえてよく検討してもらいたい。皆さん方、政治家を縛れば気持ちが良いということなのかもしれないけれども、皆さん方の取材費だってそうでしょう。取材費の使い方にしたって、会社からがんじがらめに縛られて、あなたたちが良い仕事ができるかどうか、考えてみれば分かります。

問)

さっきの政治資金の話なのですが、亀井さんは、今回の問題はテクニカルで、形式犯的な問題だと現時点ではお考えなのでしょうか。

答)

また、あなたは…。いつもあなたは、そんな判で押したような、何か決めつけたような言い方を。私は、何もそんなことは言っていないです。そんなことをいつ言いましたか。

問)

いや、テクニカル、形式犯…。

答)

テクニカルということは、そうではないですか。違いますか。テクニカルな法律ですよ。これは違いますか。

問)

4億円の不記載とか、こういう数億円の不記載があるのは、テクニカルな問題なのでしょうか。

答)

私が言っているのは、「法律がテクニカルだ」ということを言っているのですよ。この事案がテクニカルだと言いましたか。

問)

そういうふうに聞き取れると思います。

答)

あなたの耳がおかしいのですよ(笑)。みんな聞いていましたか。私は、そんなことを言いましたか。

問)

では、今回の問題はどのようにお考えなのでしょうか。

答)

今回は、捜査機関が捜査しているわけでしょう。我々としては、捜査機関がやっている捜査をきちんと見守れば良いことであって、あなた、そんな予断をもって、人に対して質問したりするようなことをやって、ジャーナリストとして、自分のそういう取材の姿勢にあなたは満足できますか。

問)

予断をもっていないですよ。ちゃんと…。

答)

予断ですよ。さっきから言っていることは予断ではないですか。

問)

今回の問題が起きて、幹事社がちゃんと「では、どういう問題点があるか」という質問をして、「それは政治資金規正法上の問題がある」と…。

答)

だから、それについて言っているでしょう。「政治資金規正法については、テクニカルな法律なのだ」ということを言っている話でしょう。

問)

でも、今回の件については、テクニカルではないのであれば…。

答)

「今回のことがテクニカルなことだ」などということは、私は一つも言っていないですよ。

問)

そうしたら、その法律上の問題を、あえてご回答されて結びつけると、誤解を招くではないですか。

答)

あなたが勝手に誤解するだけですよ。

問)

いや、それは大臣として責任ある立場の方で、幹事社がきちんと質問して聞いていることに、「政治資金規正法上は、今、テクニカルな問題が多い」と言えば、当然、我々も結びつけて報道しますよ。

答)

結びつけるのは、あなたたちが悪いのですよ。私は、そんな結びつけた答弁をしていないですから。

問)

では、きちんと聞きますけれども、「今回の問題は捜査中で答えにくい」とおっしゃいますが…。

答)

「答えにくい」というか、捜査中で、私は詳細を知り得る立場にないということを、当たり前のことを言っているのです。私も、かつて捜査二課長を長くやって、こういう類の事件、こんな事件というのは、反吐が出るほどやりましたよ。はっきり言っておきますが、(私は)素人ではありません。

問)

冒頭でありました日本航空の問題で、大臣は、「必ずしも日航だけの問題ではないだろう」とおっしゃったのですが、やはりこの辺は、過去の空港特会で空港をつくって、「そこにJAL路線を」というような地元の要望等々、さっき大臣から言及があったような形で、これまでの自民党政治の中での位置づけというのも、やはり今回のJALの危機を招いたというご認識でいらっしゃるということでしょうか。

答)

これは、私自身も自民党にいて、そうした問題を扱ったわけですから、責任逃れをするつもりはありませんが、地方に多くの空港ができたときに、もうあなたも分かっているように、当時、やはり地域に「よし、この地域を豊かにして爆発させるぞ」という意気込みがありました。また、現に、それだけ地方もどんどん力をつけているという時代に、やはり空港があったほうがこの地域の発展にとって非常に便利が良いということで、空港をつくろうという意欲が盛り上がったのは事実であって、そういう意欲を頭から否定して、「地方には空港は要らないのだ、もうハブ空港だけで良いのだ」と、そういうわけにはいかなかったことは事実ですけれども、しかし、現実は、日本の経済全体、社会全体が、地方がカラカラになるような推移をたどった結果、そうした、空港での採算が非常に難しくなってきたという客観的事実が起きてしまっていると。

そういう意味では、そうした陸、海、空の交通網が、てんでばらばらではなくて、それぞれ整合性のとれた形で整備されていくということを、国としては配慮しなければいけないでしょうね。これも、今後の一つの大きな教訓ではないですか。

問)

週末、何社か世論調査をして、鳩山政権の支持率、民主党の支持率がかなり落っこちて、かといって自民党が上がっているわけでもなくて。要は、政権交代にあれだけ期待が高まりながら、政治不信というものが、この小沢(民主党幹事長)さんの問題を端緒に広がってしまったと思うのですけれども、この現状について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

やはり、過去にもこういう状況というのがあったわけですけれども、政治に対する信頼というのが失われ、危険なのは、政治に対する関心まで失っていくという事態になったら、これは大変なことだろうと思います。今、自民党の支持率も上がらないのですからね。(だから)といって、国民新党の支持率も上がらないけれども(笑)。

だから、国民全体が政治に対する期待感みたいなものを失っていくということになると、これは大変な話ですね。

問)

各紙の世論調査で、大体、「小沢(民主党幹事長)さんが事件の説明を果たしていない」が9割ぐらい、「辞めるべきだ」が7割ぐらいなのですけれども、今の文脈で、過去に大臣は小沢さんに「身を引けば浮かぶ瀬もあれ」みたいなこともおっしゃったことがありますけれども、現状はどう見ていらっしゃいますか。

答)

あのとき、やはり我々野党は、政権奪取へ向かって頑張っていたわけでしょう。政権奪取できるというような状況の中で、やはり政権をとるためには、この際、やはり小沢さんが党首を交代されたほうが良いだろうと思ったからそう言ったので、現在の状況は、幹事長という立場でやっておられるわけですけれども、鳩山総理を中心に、我々は一生懸命やっているわけですから、そのときと今の状況は、私は、やはり違うと思います。

問)

貸金業法の改正法の完全施行に向けて、今、見直し作業を進めていると思うのですけれども、その進捗状況を教えていただきたいと思うのですが、PT(貸金業制度に関するプロジェクトチーム)を立ち上げた当時、大臣は、「法改正に踏み込むようなことはしない」、「完全施行の延期はない」というようなことを発言されておりましたけれども、それについて考え方はお変わりになられましたでしょうか。

答)

今、これについて、プロジェクトチームが運用面について配慮すべきところがあるかないかどうか等について、今、検討を進めている最中ですが、まだ、私は、中間報告を受けている状況ではありません。

とにかく、そうした資金需要が客観的にあることは事実なのですけれども、それについて、全党一致で改正したような一つの枠組みというか、そういうものをつくらなければならないということでやったわけですが、私は現在、その枠組み自体は変えるというような状況ではないだろうと判断しています。

問題は、やはり政府系金融機関や一般の金融機関が、そうした資金需要に対して対応できるような努力をもっともっとやるべきだと思うし、特に政府系金融機関というのはそういう努力をすべきだと思います。今後、ゆうちょ(銀行)の金融業務、これについても、私は、そうした零細な資金需要というか緊急な資金需要に、ゆうちょ(銀行)の活用という面でどう対応していけるのか、これも今、検討している一つの課題であります。

(以上)

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