亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)

(平成22年1月29日(金)10時54分~11時27分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日は、特別ありませんが、総理から「補正予算が成立したので、速やかな執行をして、景気に対して少しでも良い影響を与えるように」という指示がありました。

それだけですね。あと何かありますか。

【質疑応答】

問)

フリー(ジャーナリスト)の岩上です。

先日、大臣から、新井将敬(元衆議院議員)さんのお話をしていただきました。大変、胸に響くお話であったと思うのですが、幾つか、いろいろな解釈ができるところがありますので、もう一度、ちょっとご確認ということで、新井さんのお話をされた真意をお尋ねしたいのですけれども。

一つは、新井将敬さんが非常に厳しい捜査を受けたというところで、ある種、捜査批判があるのかと。

もう一点、それから、しかし、亡くなられた後大臣は、「敷島の…」という本居宣長の歌を送られたと。これは、司法に対して抵抗するのではなく、自らの身を裁いて、その生き方の美学みたいなことは…、これはちょっと際どい言い方になりますけれども、現在の小沢(民主党幹事長)さんとかに対する嫌疑に対して、小沢さんの抵抗の仕方、身の引き方に対して、やんわりと諭しているかのようにも聞こえます。この辺の真意。

それからもう一点、新井さんは、帰化されても非常に酷い差別を受けたということを、非常におっしゃっておられました。国民新党は、外国人の参政権問題で「できれば帰化する方向で、参政権をそのまま認めるというよりは帰化する方向で」ということを主張されています。ただ、それであっても、帰化しても、なおこういう差別を受けるのであれば、その点、大変、矛盾と言いますか、気の毒な面もあると思います。

すみませんが、解釈次第で難しいところを3点、これについてお話を伺いたいと思います。

答)

あのことを話した一つは、やはり今の参政権についてのあれで、彼が本当に日本に住んでいて、やはり、今後、日本人として生きていくという決断をして帰化して、一生懸命生きていく過程の中で、帰化した国から彼自身が予想もしない仕打ちを受けたというか、そういうことを私に訴えたし、任意事情聴取を受けた状況とか、日興証券の常務の大学ノートで、調べ(取調べ)の状況を全部書いている、それをずっと、トレースして私自身見てきたわけですから。そういう中から、捜査のあり方というのがそういうことで、(新井)将敬は泣きじゃくっていたように…。日興証券の彼は一月近く檻にいて、毎日毎日調べ(取調べ)を。それを被疑者にされていた将敬については、わずか3時間ぐらいしか事情を聞かないで対応していくというようなことについて、彼は、別に「差別された」とは言わなかったけれども、泣きじゃくって私に訴えていたわけですけれども。そういう意味での、やはり捜査のデュー・プロセス、そういうようなものについて、やはり問題点があったなということを私自身は、あの事件についても感じております。

それと、「帰化をすれば参政権の問題は…」ということを言っているわけですけれども、永住外国人の問題というのは、非常に、日本の歴史と関わり合っている問題もあるので、日本にいる外国人にどういう権利を与えるかという、単純な話ではない側面があるのですよ。間違いなくあります。だけれども、そのことを、簡単に参政権を付与するというようなことで処理することは、やはり私はやめたほうが良いと。

これは、逆にそうなってくると、民族間の対立を起こす危険性があると思いますよ。選挙になるわけですから。やはり、まとまって選挙運動をやったりすることも出てくるわけでしょう。そうした中で、日本人との間で、選挙戦で過熱するわけですから、そういうことの中で「何だ、国籍がないのにあいつらが」という素朴な感情が出てくる可能性もあるわけでしょう。世界中は民族問題ですよ。今、一番厄介な問題点の一つというのは、貧困の問題、そういうものもあるけれども、だから、やはり民族問題というのは、私は、非常に、慎重に、丁寧に考えていくと。それに基づいての対応をしていくということが、やはり必要だろうという、そういうことの中で、新井将敬君を思い出し、今度29日ですかね。十三回忌があるのですけれども。

それと、私は、今の進んでいる捜査の関係を意識して言ったわけではないので。辱めを受けた場合、基本的には、対応する権利があるわけですから。逆に言うと、主君とは争わない、自ら腹を切ることによって潔白を訴えるというやり方をみんながやっていったら大変な話になってしまうわけです。やはり、自分が無実だと思えば、当然、それを疑っている国家権力に対して主張していくというのは、やはり基本的にはあるべき姿ですよ。そういう武士のような、「従順に」と言ったらおかしいけれども、形の上では従順に、そういうことをすべきだ、というようなことを言うつもりはありません。

問)

フィナンシャルジャパンの吉岡と申します。

先ほどの(記者クラブの)会見でも少し触れられていましたけれども、政治資金規正法の改正についてなのですが、先ほどは「各党が考えるべきことだ」というふうに大臣はおっしゃいましたけれども、国民新党としては、例えば、郵政政策研究会ですとか、そういう郵便局系の政治団体から、年間を通じてパーティー券の購入も含めて、かなり大きな資金の提供があるわけですけれども…。

答)

そうですかね。党として私は…。

問)

国民新党として、どういう立場なのかについてお聞きしたいと思います。

答)

政党として…、ちょっと待ってくださいね。私は知らないですけれどもね、私は事務局長ではないですから。そこまでは分からないけれども、郵政研を通して政党に…、やっているのですかね。知らないですね。調べてみます。私自身は受けていません。

問)

そうなのですけれども…。

答)

受けていません。

問)

政党としてどういう立場を、亀井大臣として、この法案に対して賛成するのか反対するのか…。

答)

だから、これは民主党の連中だって困るのではないですか。全部、個人献金だけあれしたって、あなたたちだって、いろいろな思想的な考え方で支持政党があるでしょうけれども、献金までして応援しますか。なかなか、日本で献金までして政治活動をしようということは…。逆に怖いのは、個人献金の場合は、個人との関係になってしまうとダイレクトの関係になりますから、利権ではないけれども、そういう面での影響を強く与える危険性も生まれてきますよ。1対1の関係で長期に、わずか10万(円)でも20万(円)でも、今は、限度は150万(円)ですかね。

副大臣)

そうです。個人(献金)は150万(円)です。

答)

例えば、個人から150万(円)ずつ、ずっと毎年貰っている人から、個人的に「これを頼む」と言われたら、聖人君子ではないですから、個々の議員が影響を受けてくる場合というのは、心理的には、団体から言われている場合よりは強い影響を受けるのではないかと思いますよ。だから、私は、一概に、個人献金が政治を浄化するということには、実態としては、ダイレクトにはつながっていかないのではないかなと思いますよ。

問)

またヤジについてなのですけれども、町村(信孝 衆議院)議員から名指しで批判もありましたが…。

答)

私は、あんな者が言うことは相手にしません(笑)。

問)

その町村議員の批判について、どう思われるか…。

答)

何という話ですか。聞いていません。

問)

「大臣がヤジを飛ばすということがあり得ない」みたいなことを…。

答)

あり得ないことはないですよ。彼だって、大臣をやっていたときに飛ばしたのではないですか(笑)。私なんか、自民党時代のときにヤジばかり飛ばしていたな(笑)。

別に、「ヤジ」と言ったらそうですけれども、静かに議論しているのが一番良いですよね。一番良いけれども、あまりにも酷い質問が出たり、いろいろなときにはねぇ…。あなただって座ってみたら、「政治とカネ」、あんな、どう考えても…、一国の総理大臣ですよ。一国の総理大臣に対して失礼な、そんなことを、国民を代表している国会議員が、そこの泥棒に聞くような話をテレビの入っている公開の場でやっているときに、黙って座って聞いたりするのが難しいです。あなた、やれますか。君はおとなしそうだからあれかもしれないけれども(笑)。つい、それは言いたくなりますよ。ヤジと言われるかどうか知らないけれどもね。

問)

通信文化新報の永冨です。

先日、日本郵政のほうで、新潟県加茂市の小池(市長)さんのところで…。

答)

私が行けなかった…。

問)

はい、大臣のお知り合いでございます。意見を伺う会がありましたけれども、いろいろな方、地方の方が発言されましたけれども、やはり分社化による弊害が非常に多いという声ばかりです。

今、大臣のほうにもいろいろ、団体の方がヒアリングに来られていますけれども、改めて、分社化の方向性というのをどう処理されるのかお聞きしたいと思うのですけれども。

答)

とにかく、あれは純ちゃん(小泉純一郎 元総理)が、もう、切り刻むのが趣味ではなかったのだろうけれども、もう切り刻んで。明治以来の国民的財産ですよね。有機的につながって、協力しながらやっていた事業体を、もうずたずたに切ってしまったのですよ。これ(大臣室)より半分ぐらいの郵便局とかを三つに仕切ってしまって、お互いに行き来ができない、協力はできない、そんな馬鹿げたことをやって「民営化だ」と言ったわけでしょう。ガタガタになってしまったのですよね。モラルも落ちるしね。それを、皆さん方は別かもしれないけれども、マスコミはこうやって(拍手して)、今でもまだもてはやしていますよね。これを抜本的に変えますから。ちゃんとしますよ。

問)

日本証券新聞社、田口と申します。

先ほどの(記者クラブの)会見でも出ておりました、オバマ大統領の新しい金融規制法案の件なのですけれども、それで、結構、金融市場は混乱しましたが、大臣としてはアメリカの動きをどのように見ておられるのか。また、日本では同じような、こういった規制を導入することをお考えなのか伺いたいと思います。

答)

私は、オバマ大統領が、とにかくアメリカ自体があんな事態になって、アメリカ経済だけではなくて、世界経済に対して甚大な被害を与えたわけですから、それが国民生活に対して大変な状況を生んだわけですから。それは、プロとプロとの間で、相対にやって勝った負けたとか、得した損したという話ならまだしも…、しかしそれだって、やはりそれぞれが社会的存在なのですから、それ自体も社会的影響を与えていくわけですよね。

だけれども、やはり、一般の投資家なり一般の経済に対して影響を与えてしまうのですね。だから、そうした金融取引、いろいろな問題についても、やはりそういうことが起きないような、まず業界自体、個々の企業自体が社会的責任を持って経営をするということは基本だと思いますよ。ところが、だんだん、箍(たが)が外れてしまうのですね。日本の場合だって、残念ながら、一時、バブルみたいな形の中で、日本の銀行だってそうでしょう。ノーマルな融資しないで、「とにかくお金を貸してやるから、土地買いなさい、マンション買いなさい、ゴルフ場作りなさい」とやりまくってしまったでしょう。その結果どういうことが起きてしまったかというと、大変な事態が起きてしまったのですよね。

だから、金融機関がただ単なる金貸しだといったって、それによって経済が動いていくのも事実なのですから、それがノーマルなあれから外れていってしまった場合というのは…、前にも言ったように、大体、金融なんていうのは、本来はなくたって良い話なのです。原始的に言うと、人間の営みの中で生産と消費があれば良いのですよ。だけれども、それだけではうまくいかないから、金融とか信用とか、そういうのが間にできてくるわけでしょう。これは不可欠な機能ですよね。だけれども、それはあくまで生産と消費のメカニズムがうまく動いていって、富の配分がきちんと行われるためにうまく機能している、ということに本来の意味があるのです。それ自体が価値の増殖をね、まあ、やらないとやっていけないかならやるのは良いけれども、自分たちだけのための価値の増殖、利潤追求に行ってしまった場合は、実体から離れてやってしまった場合、いずれは必ずパーンと跳ねてしまうのですよ。そうならないように自分たちが自制をすれば良いのですけれども、なかなかそれは、人間の本能というのは自分では制御できないですから、金融庁が、そういうことにならないような、一つの監督なり、また一つの指導をやっているわけでしょう。

そういう意味で、金融庁の役割というのは、本当に大事だと思いますね。本当は、私みたいなアホなのが大臣を担当したら相応しくないのですよ。私は、2人(大塚副大臣、田村大臣政務官)がいるから、どうにかやっているみたいな話なのですけれども。だからそういう意味では、私は、まず金融機関自らが、金融庁の監督とか指導とか、また、法律で新しい仕分けをするとか規制をするとかいう(前に)、自分たちがちゃんとやっていくことが一番望ましい話なのですね。

私は、今の金融界、それぞれやってくれていると思うのですけれども、今度、金融庁としても、そういうデリバティブ商品等々をめぐってのいろいろな問題が少しでもうまくいくように、今、大塚副大臣のもとで、そういうことについても、今、通常国会で(法案の成立を)目指して検討してくれていますけれどもね。

問)

オバマ大統領の政策は影響がありますでしょうか。

答)

「影響」と言ったって、それは、過去の反省、自分たちの間違いの反省に立って、そういうことが二度と起きないような手を打っているというふうに、私は評価しますよ。

問)

FTグループの畑と申します。

貸金業法の6月完全施行のお話ですけれども、これは(法律の)見直しは行われないで、運用面の改善策を探るというようなことになりそうですか。

答)

これも、大塚副大臣、田村(大臣)政務官のもとで、今、検討していますけれども、法律を更に再改正するということではなくて、運用面を…、あれは全党一致でやっていますから、全党一致の法律ですから非常に重いですよね。重い法律なので、それを実施することについて問題はないのかどうかというような運用面について、手を打つことがあれば手を打たなければいけないということで、今、検討をしているのですけれどもね。

昨日、全銀(全国銀行協会)の代表が来たときに言ったのですけれども、「今、サラ金の問題が大変な問題になっている」と、「今度の改正で、そういう融資を受けにくくなる、受けられない人たちがヤミ金に走っていったり、あるいは自殺していくような事態があったらいけないので、我々として、今、苦慮しているところなのだ」と、「今、一生懸命、検討しているのだ」と。(加えて、)私は、「ところが…」と、「あなたたちはずるい」と言ったのです。メガバンクなんていうのは、自分のところで直接(融資を)やらないで、住専のときもそうですけれども、そういう、非常にうんと利幅のとれるところに子会社を作ってそこにやらせるとか、あるいはそういう武富士とか、いろいろありますね。そういうところに資金提供をして(融資を)やらせて、そこからあれ(利益)を取るとか、果実だけ取るとか、「何で直接やらないのか」と言ったのです。「何で、三菱(東京UFJ)銀行は直接やらないのか」と、「子会社を作ってやるけれども、それによって直接起きることについて、直接責任をとれば良いではないか」、「それが嫌だからダミーを作ったり、そんなことをやっているというのは卑怯だ」と言ったのです。「だから、こういう事態になった場合は、あなたも金元、金主であれば、利益がでてきてたのだから、こういう事態になって困る零細な、『緊急の資金が必要だ』という人たちの資金需要にメガバンク自体がどう対応するか、と考える責任があるのではないか」と、「『知らんよ、私が直接やっていることではないから、今度の影響を受けて、そういうところが大変になっても、私は知らんよ』というのはおかしいのではないか」と。大塚副大臣も同席していたけれども、私は、郵政のこととはちょっと外れるのですけれども、そういう問題点を指摘しておいたのですけれどもね。

郵政事業も、今度、金融業務もまたやっていくわけですから、その中で、そういう運営部門について何かやれる方法はないかと。これは、ノーベル賞をとった人がやっている銀行があるのですね。

副大臣)

はい。グラミン銀行が、マイクロファイナンスみたいなものをやっていますね。

問)

受け皿として、ゆうちょ銀行を使うようなことは…。

答)

いや、だから、そこらを含めて、何かメガバンクとか、ああいうところは既成の金融機関が、「そこがうまく儲からないのであれば(手を)引く」みたいなことを言って、そういうことで、頼ってやっていた善良な人たちが困ったら困るので。本当は、政府系金融機関がやれば良いのです。そこら辺りのところを郵政事業の中でやっていける方法はないかと。

ただ、これも困ることで一つあるのは、信組、信金、第二地銀、ああいう、地域で零細な融資活動をやっておられる人たちとの関係をどうしていくかというような問題もあるし、預金者との関係で、リスクの負担をどうしていくかという問題もありますよね。だから、そういうことは非常に難しい問題なのですけれども、私どもなりに、一生懸命、考えているのですよ。

問)

金融タイムスの大嶋です。

今、ゆうちょ(銀行)について、民間金融機関から意見を聞かれていると思うのですけれども、一番多い要望は何で、それに対して、どう対応しようと思っていますか。

答)

だから、盛んに、「自分たちの業務が、ある意味で圧迫されるのではないか」とか、「どうだ」というようなあれ(意見)があるけれども、この2年間、現に、今のゆうちょ銀行は営業しているわけですからね。それとの関係で、では今、具体的にどういう問題が起きているのかという…、副大臣、私はそういう問題は、ちょっと検証する必要があると思いますよ。

副大臣)

はい。

答)

現在もそういう形でやっているわけですからね。その間、そういう金融機関との間でどういう問題が発生しているのかというようなことも含めて、何度も言うように、もう、ゆうちょ銀行がバンバンバーンと、一方では、信金・信組がバンバン潰れていくと、それでは何のために郵政事業見直しをやったか分からない。何も、郵政事業に関係しているところだけが守られるべき日本であって、そうではないものが、そうではないというわけではないのですから。

だから、例えば、保険の代理店をやっている零細な人たちがたくさんいるでしょう。そういう人たちが、このおかげで大変な状態になるということであれば…、特定郵便局が潰れていくのはいけないと我々は思っています。だから、それが動機の一つにはあったわけですけれども、同じように、そういう零細な代理店が潰れていくようなことがあったら意味がないと。そういうことが起きたら、この郵政事業の見直しというのが…。だから、やはりそこらのことをちゃんと考えてやらなければいけないということですけれども、なかなか、お互いの利害がぶつかるところもありますから、その調整というのは…、私も神様ではないですからね。こちら(大塚副大臣は)神様に近いところがあるけれども(笑)。

だけれども、本当言うと、今、本当に苦労しているのです。だから、ちょっとずれ込みますね。私も予算委員会なんかに体がとられてしまっているものですからね。

問)

フリーライターの高橋清隆と申します。

今国会に、国と地方の協議の場を設ける法案が提出されようとしています。一閣僚としての大臣のご見解をお尋ねしたいのですが、今まで日本は、それぞれの地域が、中央政府のもとで相互補完関係になって豊かになってきたと思うのです。いわゆる地方分権の動きというのは、この絶妙のメカニズムを破壊して、国を解体に導くものではないかなと、私自身は思っているのですが、大臣のご所見を伺いたいと思います。

答)

今の日本は、本当に行き詰まってしまってどうしようもない状況になってしまっているのですけれども、明治以来の日本が発展をしてきた、そういう、その間、戦争という経験もしながらなった(発展した)中には、やはり中央政府、国と地方が、それぞれの役割分担をそれなりに果たしてきた面があると思いますよ。また、そういう意味で、役人がうまく機能してきた面もあるけれども、やはり、しかし、もう制度疲労というか、そういう面で、今までプラスの面もあったけれども、今頃、やはりマイナスの面が非常に目立ってきてしまっているという。何も、中央政府が関与しなくても良いことまで関与して、昨日なんかでも、私のところに地方の首長さん方とか、議員さん方がどんどんやってくるけれども、本来、国交省とか各省の役人に頼まなくてもいいようなことまで頼まないと仕事ができないという現実がありますよね。そういうものを、任せるものは思いきって任せていけば良いと。だから、中央政府がやるものは中央、そういう役割分担を、この際、もう一度見直す時期に来ているのではないかと思いますよ。

ただ、一つの問題は、地方自治体も、全部がそうなったわけではないけれども、極めて非能率になっているところが多いのではないですか。

問)

小池加茂市長なんかは反対だと思うのですけれども。

答)

あれなんかは一生懸命やっているから、自信があるのでしょう。何でもかんでもガサッと…、「政府のほうが駄目で、私のほうがしっかりしている」と思っている。彼は、なかなか、そういうプライドを持ちながらちゃんとやっていますけれどもね。そういう自治体もあるけれども、そうではない、何かというと「国に頼ってしまおう」という自治体の長もいるし、逆に言うと、パフォーマンスばかりやって中身がないようなことばかりやっている自治体もあるし。だけれども、この際もう一度、ここで新政権ができたのですから、それを見直していくということは大事ではないですか。

問)

保険毎日新聞の園田です。

郵政と保険の連携のところで、代理店のことをおっしゃってくださったのですけれども、そういう、例えば、代理店の活躍とか、守られる仕組みというものとして、どういうものが考えられるのですか。何か、新しい施策として、そういうことも盛り込む可能性というのはあるということですか。

答)

だから、もう、私も(大塚)副大臣も、実態を全部分かっているわけではありません。そんなことを言って分かっているわけではないのですよ。だから、今、苦労しているのは、さらに、できるだけ実態を把握したいと思っているのですけれども、やはり、そこらが今度の事業でやっていけなくなるようなことのないような仕組みと、今度は事業展開の中身、両方だと思うのですけれどもね。それは、今から本当に大変なことですけれども考えてほしいし、慎重に考えなければいけないと。

問)

マガジンエックスの島田と申します。

金融庁としては、基本的に金融機関の監督が仕事だと思うのですけれども、あえて一般国民に向けて、投資と投機がごっちゃになっている方もたくさんいらっしゃると思いますので、その辺り大臣のメッセージとして、金融というものをどういうふうに考えたほうが良いというようなことをおっしゃっていただければと思うのですが。

答)

それは、なかなか難しい質問ですね。難しい質問ですけれども、やはり誰だってお金は欲しいですしね。基本は、あぶく銭を握ろうとしないことですかね。やはり、働いて…、肉体労働だけではなくて知能労働もある(けれど、いずれにせよ、)、やはり、働いてお金を得るということに生きがいを感じていくという社会でないと、健全ではないのではないですか。といって、こんなパタパタということで(クリックで)何億(円)稼いでいる人を非難するわけではないですよ。それもあって良いのですけれども、国民が全部マネーゲーム的なものに走って「一攫千金を狙う」みたいなことを言ったって、ただ、これで本当にいけないのは、一攫千金という、今、言ったように、「千金」なんてどうやってできるのかということは、「千金」を作る人がいないと、「一攫」しようとする「千金」は存在しないのですよ。考えるのは簡単なことなのですよね。それを、「千金」だけがパカッと取れるのではないかと思って、みんながそれを、今から走り出して、その「千金」を作る作用がなくなってしまったら、社会は存在しないのですよね。

だから、とにかく、一攫千金の夢を見るのも良いけれども、やはり地道に働くことを考えるべきではないですか。とはいっても、お金がないときには、とにかく「100円玉が落ちていないか」と下ばかり見て歩いたことがあります(笑)。そういうときに限って落ちていないのですよね(笑)。

(以上)

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