亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)

(平成22年2月16日(火)9時25分~9時38分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日は、特別私のほうから皆さん方にご報告するようなことはありませんが、何かあったら。

【質疑応答】

問)

世界日報の野村でございます。

消費税のことで菅財務相が言われましたけれども、菊池英博(日本金融財政研究所所長)先生に聞けば、レーガン流のフラット税制を改革していけば消費税を引き下げることができるというふうなことを詳しくおっしゃっていただいたのですけれども、そういうことも含めて、消費税、所得税、法人税の体系的な改革の議論をされていくという意味でしょうか。

答)

今日も、さっき、閣議の始まる前、菅副総理(兼財務大臣)が私のところに来て、「別に、新聞が言っているような、そういう形での話をしたわけではない」と。税調が開かれるので、税制全般について議論をするのは当たり前の話ですから、消費税だけ外すというわけにいかないですからね。そういう意味で…。記者がすぐ「消費税は」と聞くから、「消費税は外します」というふうにいかないわけでしょう。これは当たり前のことなのです。「雲がなければ天気が良い」ということと同じなのですよ。マスコミはすぐ、鬼の首とったみたいに「消費税の議論を始める」と。最初から、税調を始めるときに、消費税だけを除くなんてやれるわけがないでしょう。そのことを言っただけの話なので、「税制全般について、粛々と議論をするということを言っただけのことです」ということを話し(をされ)て、それはそのとおりだと。

今日、閣僚懇でもその点はみんなできちんと、内閣として、誤解のないように…。今日、私が言ったのですよ。あなたたちは別かも知れないけれども、「マスコミというのは、ねじ曲げて報道しようと思って、何か待ち構えているから、それに引っかかるようなことをしないように気をつけたほうが良いよ」と言ったのですけれどもね。

問)

日本証券新聞社の田口と申します。

国債についてなのですけれども、今、いろいろと欧州のほうでカントリー・リスクが出ておりますが、格付会社や機関投資家の中には、財政再建がないと国債への信用度が落ちるという向きがあるのですが、その辺りにつきまして、その財政再建の必要性ということにつきまして、そういった空気についてどう思われますか。

答)

これは、財政再建をしなければいけないというのは当然の話であって、当たり前の話なのですけれども、そのことと、国債を単年度でどう発行していくかというのはある面で…。完全に別とは言わないけれどね。やはり将来的に大きな国債を出すことを防ぐために、当面、国債を発行して景気をちゃんとしていこうという考え方もあるわけでしょう。私なんかはそういうことを言ってきたわけですけれどもね。だから、それは短絡的なそういうことにもならないし、また、格付会社がいろいろな訳の分からない格付をして金儲けをしているのですよ。今度、なんかうち(金融庁)が、格付会社についての指導…。

副大臣)

はい。制度整備をします。

答)

制度整備をしますよ。これ、報道してくださいよ。この下の(記者クラブの)記者会見では言っていないですから。あなたたちだけに言っているわけですから。これはやりますよ。

問)

どういった形の…。

答)

今、この二人(大塚副大臣、田村大臣政務官)が…。

副大臣)

金商法の改正(本年4月1日施行予定)の中でやりますから。要綱(正確には「信用格付業者向けの監督指針(案)」)の中にも書いてありますので1回ご覧ください。

問)

バンクーバーオリンピックが始まりましたけれども、日本代表選手の服装問題が一時問題になりました。日本代表選手のそうした振舞いについて、大臣はどのようにお感じになられますでしょうか。

答)

私は、ちゃんとした服装をしたら良いと。私が言う資格はないですね。行儀悪いですから(笑)。いつも言われていますからね。いつも「へそ出して」とか、「足のすね毛が見えている」とか、そんなことばかり言われているのですから、私が言う資格ないですね(笑)。しかし、一番は精神ですよ。気持ちが一番ですね。

ただ、最近は、若い人がわざとワイシャツを外に出したり、おしりを見せたり、女の子がへそを出して、そういうことまでして歩いているのでしょう。私が前にびっくりしたのは、ニューヨークのオペラハウスに行ってみたら、タキシードを着たちゃんとした人もいるし、若い人がシャツを背中から出しちゃって、オペラハウスでですよ。私の周りに、そういうのが何人もいましたよ。一方で、タキシードを着ていて、おおと思いましたけれどもね。ファッションというのは難しいですね。

私なんか、自分は日本一おしゃれだと思っているのですけれども、みんなそうは思ってくれないのですよね(笑)。「おかしい」と、「ネクタイが曲がっている」とか、頭の毛までみんな直したりしてくれるけれどもね。本人も悪気でしたわけではないのだろうけれども、それは公の場で気をつけたら良いだろうけれども。

朝青龍(元横綱)だって、私は、相撲協会の処分を、「処分」と言ったらおかしいけれども、任意でやったわけですけれどもね。モンゴルからやってきて、言葉も分からない、風俗・習慣も分からない、ましてや日本の古来からの、古式に則ってやっている相撲道を、そういう青年が最初から身につけられるわけがないではないですか。相撲協会の連中だって行儀悪い連中ばっかりいるではないですか(笑)。行儀の悪いお酒ばかり飲んでいる連中だっています(笑)。私なんか一緒に飲んでいるのですから分かるけれどもね。モンゴルから来た青年が、日本の古来のあれに則って横綱の相撲をとってもらいたいと思うなら、そういう教育、しきたりとか、いろいろなものを教えてあげなければいけないですよ。そういう努力もしないでおいて、これは品格があるとかないとか…。私なんかも「品格がない」とかあなたたちに言われるけど、私は、自分では日本で一番品格が良いと思っていますよ(笑)。

問)

フリージャーナリストの高橋清隆と申します。

2月上旬にアメリカのキャンベル国務次官補が来日していましたけれども、大臣は接触とかされましたでしょうか。

答)

あの程度の小物には会いませんよ(笑)。

問)

「お正月にアメリカに行かれていた」とおっしゃっていましたが、そのときは、米国債の購入などについて話を…。

答)

それは前、去年の5月の連休明けにセイモア(調整官)さんとかベイダー(大統領)特別補佐官に会ったときに、たまたま次期キャビネット(ネクスト財務大臣)か何かの中川(正春 衆議院議員)さんが、「米国債を買わない」なんて言ったものだから、ニューヨークのあれがババッと下がってしまった。たまたま、セイモア(調整官)さんと会っているときに、大使館の公使からメモが来たのですよ。だから、私は人事権を持っていないですけれども、「いや、そんなことない。彼は財務大臣にならないし、新政権はオバマ政権に全面的に協力するよ」と、「その代わり、対等に話をしよう」という。私があのときに「だから心配するな」ということを言ったら、ホッとしていらっしゃったけれどもね。

問)

J-CASTの亀松と申します。

昨日、銀行から発表のありました中小企業(金融)円滑化法(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律)の実施状況についてのことですが、発表では、断った件数が非常に少ないというようなことが1点と、あともう1点は、個人向けの住宅ローンのほうはかなり良く、4、5倍増えたと。ただ、中小企業については微増であるというような、12月現在ですけれども、そういう発表だったのですが、あの発表についてどのように思われますか。

答)

これは、メガバンクを含めた金融機関が、社会的責任を自覚しながら、金融円滑化法の法律の精神等を理解していただいて、私は、今、ほとんどのところがちゃんとした対応をやっていただいていると思いますよ。そういう結果が、そういうあれに出てきているのだと思います。

今まで、返済猶予の相談をすると、「そのところには新規融資は危なくて貸せないということになるのではないか」と思って相談するのを控えているという空気がありましたけれども、そういう空気は、金融庁の職員も必死になって、全国の金融機関に対して、ちゃんとした指導なりのことをやってくれていますし、そういうこともあって、そういう危惧(きぐ)の念はどんどん消えていっていると思いますよ。だから、皆さん方からも、ぜひ「そんな心配は要らないのだ」ということを、どんどんPRしていただきたいと思います。

しかし、問題は、借金返済を少し先延ばししたって、仕事が出なければしょうがない話でしょう。しかも、儲かる形で仕事がどう出ていくかということが極めて大事だと思いますので、やはりトータルの政策が必要ですね。金繰りの面というのは非常に難しいですね。今、消費者金融の問題も、(改正貸金業法が)6月施行ということで、いろいろなところから借りている方の問題、いろいろな問題がありますよね。

金融という世界は非常に裾野が広いので、一部だけうまくいっているといっても、ほかで困っている人もいれば、やはりそれを放っておくわけにはいかないと。政治というのは、一人でも困っている人がいれば、その人にちゃんと対応するというのが政治のあり方です。政治というのは多数決ではないので、少数でも困っていれば、そこをちゃんとするというのが政治のあり方なのです。だから、金融の面についても、少しは役に立っていると思います。

問)

金融ファクシミリ新聞の秦と申します。

先ほど、下の(記者クラブの)会見で言及されました中小金融機関についての検査・監督の見直しということで、見直しの論点となるところというか、ポイントとなるところと、あとスケジュール感等お持ちでしたら教えていただければと思います。

答)

だから、これは簡単なのですよ。金融庁もかつて、金融庁職員が…、検査官が悪いわけではないのですよ。小泉・竹中(路線)が悪いのですよ。間違った方向で「検査をやれ」と言うから、舌なめずりしながら(検査に)行って、返済猶予すると不良債権区分に入れざるを得ないようなことをやってきたわけでしょう。そうではないノーマルな検査、社会的責任をきちんと果たしながら融資をやっていくという方向に大転換したのでしょう。金融庁は、今、全国、そういう姿勢できちんとやっていますから。私は、これは金融行政、がらっと良くなったと思いますよ。

(以上)

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