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亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年3月2日(火)8時36分~8時50分 場所:国会内)

【大臣より発言】

今日は、衆議院で予算(平成22年度予算案)が上がる(可決される)予定ですが、特別に皆さん方にご報告申し上げるようなことはございません。

何か質問があったら。

【質疑応答】

問)

昨日、国会のやりとりの中で、「日銀が、国債を直接引き受けるようなことをしても良いのではないか」というご発言をされましたけれども、改めまして、その趣旨と、いろいろな反響もありますけれども、ご見解をお願いいたします。

答)

これは、今後の対応で、来年度の予算を含めて財源というのが必ず問題になってくるわけです。その場合に、税収が上がっていくような経済対策をとっていくこと、税収を上げていく努力が一番大事なのは当たり前の話なのですけれども、また、特別会計を役所の手から取り上げて、必要なものを積み上げていくという、これらは本当にもっと大胆にやらないと。特別会計は本当に必要かどうか。仙谷(国家戦略担当)大臣、人斬り以蔵が腕の冴えを見せたのですけれどもね。この間は、あの程度に終わっているけれども、今度は、さらに切り込むことも大事です。

それにしても、国債依存度というのは依然として高いわけなので、今後、また高くなる可能性もないわけではないと。その場合に、それを市中消化するということだけに頼っていくということは…。日本の場合は、まだこんなに景気が悪くても、それが民間で消化されていくという余地は外国に比べてありますけれども。余力はまだまだあるのですけれども、思いきって日銀が直接引き受けるというような形で、やはり大量の財源を用意してやらないと、菅財務大臣も、財源がないと財政的な対応はできないわけですから。やはり、それを日銀も協力してやれば、日銀が引き受ける分には何ということはないわけなので。それで、国債発行がそのために長期金利を押し上げるということはありませんから。私は、こういう財政状況の場合においては、そういう大きな仕組みを考えないと、もう、ちまちましたことではやれませんよね。

ご承知のように、アメリカなんて、日本から官民合わせて200兆円ぐらい米国債を買っているでしょう。また、中国からも100兆円ぐらい(買っている)でしょう。大量のあれ(国債消化)を外国にまで依存しているのですけれども、日本はそれがないわけで、(日本国債の)95%ぐらいを国内で消化しているわけです。日銀が、そうした、ある面で大量に(日本国債を)引き受けて財源を一時的に確保するということは、何も不思議な話ではありません。日銀は、何もそうした、いわゆる金利政策、金融政策だけを孤立してやって良いものではないので、やはり、日銀と政府が経済対策のために車の両輪として機能していく一つとして、私は、そういうことを検討するべきだと思うし、また、私は、もう無利子非課税国債の発行も前向きに検討する時期だと思います。単純な国債だけではなくて、国債そのものを工夫して出すということを考えたら良いと思います。

問)

今日、衆議院を予算(平成22年度予算案)通過ということですけれども、民主党は、野党時代に「審議の中身が尽くしていない」と言っておりましたが、この審議は審議を尽くしたかということと、自民党は野党になって、何か腰折れ感もありましたけれども、自民党の対応も含めて、この予算審議を総括していただけますか。

答)

予算審議は、私もほとんど予算委員会に出ていたのですけれども、「政治とカネ」とか言って、オウムみたいに同じ質疑ばかり繰り返されておりましたから、そういう意味では、野党としても、予算の中身そのものについての議論は、十分、相当やったという状況になっているのではないですか。もちろん、「政治とカネ」の問題も大事ですけれどもね。

問)

労働者派遣法の問題で、国民新党としても、「今、厚労省が出している案をもうちょっと変える余地があるのではないか」という発言をされていますが、どのように変えたほうが良いと思われますか。

答)

これは、今、国民新党でも検討していますが、連立政権ですから、厚労省が検討している案が、そのまま政府案として提出されてくるようにはならないですね。当然、3党で内容についてもう一度、きちんと協議していくということが大事です。福島(社民党)党首ともそういう話はしています。

問)

今の「3年」という期間をもうちょっと短縮するとか、具体的な考え方は何かございませんか。

答)

基本が、やはり雇用というのは安定的になされるべきであって、雇用する側の論理だけではなくて、やはり雇用される側の立場をきちんと組み込んだ雇用政策でないといけないと思います。そういう意味では、ご承知のように、自公時代に、大変、派遣法の範囲がバアーッと拡大されていってしまって、もう一般化してしまっていますね。もう、とにかく「人を道具扱いして、安く使えば良いのだ」という。それが、本当に自由になされているような状況が広がっています。これは、きちんと変えなければいけないと思いますので、そういう意味で、今度、郵政改革の中で、「日本郵政の雇用関係というのがあるべき雇用の見本」というような形にするつもりです。これはやります。これは、齋藤(日本郵政)社長もそうやると言っていますから。今の、悪しきこの状況を変えなければいけないと思います。

私は、昨日、委員会でも言ったのですけれども、そうした、人間を大事にしないでおいて、「利益を得ても良いのだ」、「利益さえ得れば良いのだ」という現在の風潮というのは変えなければならないと思います。原価なのです。人間を人間扱いして、その対価をお払いするというのは、これが原価なのです。今、その意識が、ちょっとなくなっているのではないですか。中小・零細企業の場合は、経営状況が大変な面はあるけれども、やはり、これは、大企業が率先して是正していくと。だって、200兆円も内部留保を持っているのでしょう。

問)

昨日、国民新党の下地国対委員長が、予算委員会の中で鳩山総理に対して、「普天間を5月末までに決めてほしい。決められなければ、6月1日の段階で私は衆議院議員を辞める」というご発言をされたのですけれども、それを受け止める閣僚でもあり、下地さんの上司というか、党の代表でもあり、そのお立場として、下地さんの発言のご所感をお聞かせいただけますか。

答)

政治家は、常に捨て身で政治をやっていくという姿勢が当然だと思いますので、彼の真摯な取組みを、そういうことで表したのだと思います。もう、国民新党は捨て身で来ていますから、強いです。

問)

鳩山政権としては、どうしたら良いでしょうか。

答)

いや、そういう気持ちで…。だからもう、総理も「5月いっぱいで決める」と言っておられるのですから。今、その下に基本委員会も作ってやっていますから、3党としても、それに向けて全力でやるということで。それは、ちゃんといけますよ。

もともとは安全と騒音の問題でしょう。安全と騒音の問題を解決する一つの手段として、基地移転という問題があるわけです。だから、それは本来、米国側も自分達の努力で騒音と安全の問題を解決するという義務があるわけです。また、日本側にも義務があると。そういう前提に立った場合は、これは解決できない話ではありません。沖縄県民の負担を軽減していくという中で、できますよ。

問)

国鉄の国労(国鉄労働組合)の問題なのですけれども、今、与党で協議が進んでいますが、大臣も運輸大臣をされていましたし、この問題についてどう解決していきたいかということについて、お話をお伺いします。

答)

当時、自社さ政権のときに、これについての抜本的な、そのときでのきちんとした解決案を出したのですけれども、最終段階でご破算になってしまったという苦い経験をしています。組合サイドでは、後になって「しまった」と言っているようですけれどもね。これは、本当に早く解決すべき問題です。みんな、どんどん年も召されているわけですからね。

問)

昨日、小林千代美(衆議院議員)陣営(の資金管理責任者)と、北海道の教職員組合(の幹部)が逮捕されました。今後の政局に与える影響や、民主党の選挙戦に与える影響について。

答)

「政局」と言って…。それは、法律違反があれば、捜査当局はどんどん捜査していくべきです。もう、デュー・プロセスを踏んで、きちんとやっていけば良いということに尽きますね。

問)

今日、お昼に、金融円滑の関係で(年度末金融の円滑化に関する意見交換会に)総理が来られますが、どのような会議になりそうですか。

答)

これは、今、金融機関がこの法律(中小企業等金融円滑化法)の趣旨の下で非常に頑張ってくれていますが、その状況を踏まえて、さらに今後、中小企業や零細企業、また商店なりサラリーマンの資金繰りについて、「きちんと協力してくれ」ということを、総理自ら訴えたいという、総理の本当に真摯なお気持ちの一つの表れとして、そういうことをおやりいただくということです。

ただ、それと併せて、とにかく総理もいつも気にしておられるのが、仕事を出していく(中小企業等に仕事があるようにする)ということを一方でやらなければいけませんが…。(いずれにせよ、)今日は、金融機関に対してそういう(資金繰りのほうについての)要請をされます。

(以上)

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