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亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年3月23日(火)9時05分~9時28分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

(今日の閣議でお伝えすることは)ありません。

【質疑応答】

問)

郵政の見直しに関しまして、先週来、大臣は「今週の前半までに最終決断したい」とおっしゃられていますが、現時点での検討状況について、改めて伺えればと思います。

答)

大体、皆さん方がぺったんこ、ぺったんこ付けてくれた垢は、ほぼ落としましたから。今日、17時から、原口(総務)大臣、それから齋藤(日本郵政)社長に集まっていただいて、最終的な意見をいただいて判断していくと。明日ぐらいには、皆様方にお知らせできるという状況になると思います。

だから、明日の午前中ぐらいには…。

問)

郵政に関連しまして、昨日、広島で、大臣は人事政策の見直しということにも言及されていまして、具体的には、「特定郵便局長を再編後の取締役にする」とか、そういったことをおっしゃられていますが、見直しに伴う人事のあり方についてお考えを伺えればと思います。

答)

トップの経営意思が下までスパッと通じていくような風通しの良い、しかも現場の意見がぐんぐん反映されるようなことにしなければいけません。今度、私が去年から指示していた「壁を取っ払え」ということとか、いわゆる監視カメラですね。ひどい話ですけれども、郵便局長を監視していたのですよね。それを「直ちに取っ払え」と言ったら、まだやっていなかったのですよ。それを私が、3月初めに、「何やっているのだ」と(言ったら)、急に全部取っ払ってくれましたけれども、そんな組織のあり方では駄目です。社長が去年のうちに指示していることが…。そんな、壁を取っ払うこと、監視カメラを外すことぐらいができないような組織が、国家国民のためにちゃんとした仕事ができるわけがないので、私は「たるんでいる」と言ったのです。

まあ、新役員(経営陣)の下でやっているわけですけれども、新しい日本郵政が発足するに当たっては…。そういう意味で、生き生きとした組織体の人事の一つは、大体10万人が目標ですけれども、非正規社員を逐次正社員化していくこと。あるいは、ファミリー企業を整理してしまう。どうしても必要なものは子会社にするという措置。それと、必要な物品調達は地域で調達するということも、「今やる」ということで齋藤社長がやっていますから、そういうことをボンボンやっていく全体の態勢。昨日、言ってしまったのですけれども、前から言っていますが、特定郵便局(長)の中から経営陣に入れると。これは、もう齋藤社長も同意していますから、新しい会社の発足の時にはそういう形にしたいと。昨日、「美人の局長がおられたから」というわけではないのですけれども、つい「女性の局長が良いのかな」なんて言ってしまったのですけれどもね。そういう意味で、男女問わず適任者を経営陣の中に入れることはやります。

問)

先日、総理のところに大臣も行かれて、追加経済対策の必要性についておっしゃられていますが、先般、大塚副大臣が「法人税の実効税率を、最低でも30%切るぐらいまで引き下げてはどうか」というお話をされておりましたが、この辺り、改めて大臣はどのようなお考えをお持ちかということを伺えれば…。

答)

私は、税制について、副大臣とそうした協議を具体的にしているわけではありません。経済全般のあり方、対策については意見交換をしておりますけれどもね。税制については、全般について協議するのは当たり前の話ですから。とにかく(平成22年度)予算が成立し、執行した後は、この経済がその予算執行で大丈夫かどうかをきちんと見極めながら、デフレスパイラル的な状況から脱するための、大胆な、思いきった措置をとらないといけないと思っていますから、そのことは総理にも強く申し上げました。

何か、今日か昨日、どこかの社が妙なこと(記事)を書いていましたね。だけど、別に、総理と対立しているわけではありません。ちょっと、文句を言っておいてください。総理と齟齬(そご)があるみたいなことを書いているけれども、総理も、経済をちゃんとしなければいけないということについては(私と)全く一緒です。ただ、総理を取り巻いているのかどうか知らないですけれども、官邸の中には、財務省、あの手の連中がごろごろしていますから、あいつらがおもしろくないのはよく分かっていますよ。あいつらの機嫌をとっていたら、ろくな政治はできません。別に、これは(記事に)書いてもらっても良いですよ(笑)。

問)

先日、総理とお会いになられた時に、「夫婦別姓の件について閣法で出したい」というお話があったということですが、改めてですが、そのやりとりをお伺いしたいのと、外国人参政権については何か言及はありましたでしょうか。

答)

総理は宇宙人で、私は地球人ですから(笑)。そう精緻なやりとりをしたわけではないですけれども、夫婦別姓について、私に「折り合ったらどうですか」みたいな話は強くされましたから、「あれは駄目ですよ」と申し上げました。

(外国人)参政権も、私が前から言っているように、選挙になったら、本当に民族感情みたいなものが持ち込まれる危険性がありますから。選挙で加熱しますからね。これは、ヨーロッパ、中東を含めて、民族感情というのは厄介な面がありますから。せっかく日本で仲良く生活しているのに、そういうことで刺激を与えてみたいなことはしないほうが良いと思います。これは、帰化されれば済む話ですから。これも、全然、動きは止まっているでしょう。議員立法でも出すなんて動きは、今、出ていません。

問)

郵政の見直しに伴って、民間の中小金融機関に対しても、監督、検査のあり方を見直される、というふうに大臣はおっしゃってきておられますが、現在の検討状況というか、具体的に、ここをもう少し負担軽減してあげるといった具体策というのは出てきていらっしゃるのでしょうか。

答)

この間、事務方に「そうするから、そういう方向で検討しておけ」と(言いました)。これは、第二地銀の辺りまで入れるかどうか、信金、信組辺りまでにするのか。その辺りを、検査の実態ともあわせて検討すれば良いと思うのですけれども、金融の実態を見る上において、必ずしも必要ではないような書類、「そんなものはとっていない」ということを(事務方は)言っていましたが、詳細な資料の提出だとか(に過重に頼っていては)…。私が言っているのは、「検査官は、その金融機関に対する、書類とか、数字に頼らない眼力を養わないと駄目だよ」と、「それがなくて、検査をやったって本当の意味の検査はできないよ。だから、資料提出その他に過重に頼るというようなことは、やはり改めたほうが良いだろう」と。金融機関から言わせると、大変な負担になっているというのですよね。簡単に言うと、検査に備えてビクビクしてしまっているのですよ。

私なんかも、金融担当大臣になる前は、本当にいろいろ「融資してやったらどうなの」と(金融機関に)言うと、「いや、私もそう思うのですが、この案件については金融庁が怖い、検査官が怖い」と言うのですよね。私は、(融資を)断る口実にしているという面が多いと思うのですけれども、やはり、検査というのは、金融のノーマルなあり方を検査しているわけですから、それについて必要な限度の負担(だけ)をかけるということが大事だと思います。過重な負担をかけないで、かつ、その金融機関に「ちゃんとせい」と。財務体質を健全化するということの中には、ちゃんとした融資をしているかどうか、社会的責任を果たしているかどうかということも実際は入っているのですけれども、従来は、そこにあまり力点が入っていなかったきらいがありますから、私は、その点に強くウエイトを置いていると。

問)

明日、とうとう発表していただけるというタイミングになったということは、大臣が最後までおこだわりになっていた非正規(社員)の十万人採用計画について、齋藤社長との話し合いの中で、今後の工程表、何年かかるのかという話ですけれども、そこがお互いに納得できるような状況になったと理解してもよろしいのでしょうか。

答)

そうですね。大体。また(今日)会いますけれども、大体、そういう方向になりましたから、今、私としては、新しい日本郵政の全体像を描くということが可能だと思います。

問)

規模も大きい話ですし、人件費、コストもかかる話ですけれども、それも含めて齋藤社長と折り合えたと…。

答)

そうです。彼(齋藤日本郵政社長)も非常に情熱を燃やしていますよ。「今のような非人間的な職場は変えなければ駄目だ。それでは仕事にならん」と言ったのです。そのとおりだと思いますよ。

問)

郵政なのですけれども、決めるときにいろいろな利害関係者がいると思うのですよね。銀行協会もあれば、特定郵便局長とか。有権者から見ると、国民新党が支援を受けているとか、関係の近い特定郵便局長会のほうに配慮が重点的にいくのではないかという穿(うが)った見方もあると思うのですけれども…。

答)

それはあなたの社が穿った見方をしているのですよ。他の社もそんな見方をしていますか。

問)

社が(そう)見るというよりも、普通の人なら、「選挙でも応援してください」と言っていると、「何か配慮するのではないか」という思いがあると思うのですね。

答)

私は郵政族ではありませんから。あなた知らないのですか。

問)

よく、「1票も貰っていない」と、「お金を貰っていない」と…。

答)

選挙も応援してもらったことないですよ。私は、そういうしがらみはありませんし、国民新党も、何も郵政の党ではありませんから。郵政民営化は、純ちゃん(小泉純一郎元総理)がやってはならないことをやった最大のものだと。それを改めるのが、郵政改革を改めるのが「一丁目一番地だ」と言っているわけです。(次には)一丁目二番地から三番地からやっていかなければいけないわけでしょう。

問)

もう一点言わせていただくと、例えば、(政策を)決める過程で、政務三役の会議みたいなものは、別に、議事録があるわけでもなくて、どういう力学が働いたのかということは、後から歴史の検証に堪えるようなものというのは資料的に残るのでしょうか。

答)

それは、あなたの社の取材力ですよ(笑)。政策決定のプロセスはできるだけオープンにすれば良いと思いますよ。私は、皆さん方がご承知のように、あらゆる会議、いろいろな場面も、大体オープンにしているつもりです。だけども、現実問題としては、全て、一言一句を明らかにしながら進むというわけにはいきません。あなたのところだって記事を書くときはそうでしょう。編集会議の中身を、全部、世間にオープンにしてやっていますか。やっていないでしょう。私は、できるだけ全てをオープンにすれば良いと思っています。だから、この記者会見でも、あなたたちに「差別せずに一般のジャーナリストとか雑誌とか入れてあげなさい」と言ったのです。あなた方が差別をしていると。(記者会見を)オープンにしていないのです。私は、オープンにしたいと。

大体、昨日もお風呂に入って、さっき言ったように、今、皆さん方が付けてくれた垢をほとんど落としまして、全部落ちているかどうかは分からないですけれども、落としてしまっているので、決める結果は…。だから、私は、「歴史に問う」というぐらいな気持ちでやっているわけですから、おそらくあなたが言っていることは、関係者から見れば、全部「けしからん」になりますよ。しかし、私は、国家国民のためになるという案を出します。「案」というか、そういう決定をしますから。(むしろ、利害)関係者全員が「何だ」と怒ってしまうのではないかと思います(笑)。これは仕方がありません。

問)

民主党の小林千代美衆議院議員が最近の会見で、「離党も、辞職もしない」ということを表明されましたけれども、そういう対応で良いのかどうか。他党のことではありますが、大臣の所見をお願いします。

答)

国会議員は、(国民から)選ばれているわけですから、基本的には、選ばれた者として、今後活動していくのに相応しいかどうかということは、本人が考えることだと思いますよ。お選びになった方々の信任をきちんと受けているのかどうか。また、今後、それに応える活動ができるのかどうかは、本人が考えることであって、他が強制することではありません。私は昔からそうです。こういう問題が起きたときは、30年来同じことを言っています。

問)

郵政見直しで、中小金融機関に対する影響とその配慮ということで、検査についてあり方を見直すということなのですが、中小金融機関への配慮というのは、検査のあり方以外には特段の配慮は行われないというふうに判断してよろしいのでしょうか。

答)

どういう意味ですか。

問)

中小金融機関の経営への影響に対する配慮というのは、検査のあり方の見直しが全てであるという理解でよろしいですか。

答)

今度の郵政事業の見直しで、新郵政の出発はいろいろな影響があると思いますよ。プラスの影響もあれば、マイナスの影響、いろいろな影響があるのですよね。それは、個々の金融機関の対応によっても、プラスになったり、マイナスになったりする場合もあるだろうし、だから、一概にマイナスになるとか、プラスになるとか言えないのではないですか。

問)

制度上の見直しというのは、検査のあり方(の見直し)が全てであると…。

答)

だから、制度上のあり方は、新制度が発足するに当たって、ゆうちょ(銀行)等に対する検査をメガバンクなんかに対するものと同じような検査は適当ではないと思っていますから。そういうことをやるときに、合わせて、去年の暮れに、一応、監督、検査のマニュアルを変えましたけれども、更に同じように小さいあれ(支店等)を持っているところについての検査のあり方等は、もう一度再検討したほうが良いと思っているわけです。

問)

今日の夕方、齋藤社長とか原口(総務)大臣と会われた後、明日の公表までに、総理と直接お会いになるご予定はありますか。

答)

別に、総理と会うことはありません。私は、総理とは全く一体でやっていますから。

問)

特に、会って報告されるとか、そういうご予定はないですか。

答)

別に、総理と私は考え方を、常時、すり合わせしながらやっていますからね。一々、どうだこうだという関係ではありません。

(以上)

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