亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)

(平成22年3月23日(火)9時29分~9時49分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日の閣議では、特別に私のほうから皆さん方に報告するようなことはありません。

あと、郵政見直しの法案、いよいよ出す時期になりましたので、今までいろいろなメディアが垢をつけてくれましたから、昨日、それをお風呂に入って全部きれいに落として…。ちょっと、一部落ちていないですかね。それで、大体、考え方もまとめてきましたので、今日中に、また最後のいろいろな意見も聞かせていただいて、それで明日、それをあれ(発表)しようと思うのですけれども、明日、その(国会審議の)時間との関係でどうなるのか…。できれば午前中に入れたいと思っているのですけれども、時間が…。

【質疑応答】

問)

通信文化新報の古田です。

郵政改革法案の件なのですけれども、明日、公表されるということになりますと、国会提出というのはどんなスケジュールで…。

副大臣)

明日、大臣が発表なさるのは、懸案になっている重要事項についての方針を発表されるということなので。法案はだいぶでき上がっておりますが、これから(内閣)法制局の審査等も受けますので、当初、「3月中を目標に」と言っておりましたが、ちょっと4月に入ると思います。しかし、提出は4月中に行われるということです。

答)

やはり国会を…。(会期末は)6月何日なのですか。

副大臣)

16日です。

答)

だから、それまでの間に上げなければいけないわけですから、法制局に「早くやれ」とちょっと言ってね…。

副大臣)

竹中(平蔵氏)さんが、5年前、(郵政民営化法案を)4月26日に出したので、その時よりは早く出します。

答)

うんと早く出さないと駄目ですよ(笑)。

問)

今、現実的に郵政を動かしているのは、昔の小泉・竹中さんが作った民営化法ですので、「できるだけ早くそういう法を何とかしないと」という声があるのですけれども…。

答)

まだ引きずっているのですよ。

問)

そうですね。

答)

とにかく早く、全ての態勢を一新して…。私は、この間から雷を落としているのですよ。齋藤社長に「仕切りを早く取っ払え」、「監視カメラを取っ払え」と去年の11月頃に指示しているのに、この間、まだしていないことが分かったものですからね。「その程度の社長の指示が実行されないようなことで、新しい郵政事業がちゃんとやれるか」と齋藤社長を怒鳴ったのです。「あなたが指示した幹部を含めて、下(の社員)がなっておらん。もう代えろ」と言ったのです。そういうことでは、この巨大企業というのは新しく出発できません。だから、新しい組織では、入れ替えてしまいますから。それで、とにかくその中には、現場の特定(郵便)局の中から役員を入れます。昨日、目の前にきれいな婦人の局長さんがおられたから、私は、つい「女性の局長さんを(役員に)入れます」と言ってしまいました(笑)。「その人(を役員に)」という意味ではないですよ。だけど、とにかくそういう新しい組織体というのは、新しい武器を持たなければいけません。トップの意思がピューッと伝わっていく組織にします。

それで、今、ご承知のように、(日本郵政の全社員の)半分が非正規社員でしょう。正社員になりたくてもなれない人が10万人近くいるという。これは、齋藤社長と合意しまして、もう準備してくれています。実は、これで遅れたのですよ。私は、これをちゃんとしないで、郵政全体のあり方の結論を出すわけにはいかないと。齋藤社長と大体合意して、彼も非常に積極的ですから。大体、10万人近くいる、そういう(正社員化の希望者)…。(これは)まだ、(希望を)調査してみないと分かりません。中には、パートのままで良いという人、婦人の方は結構そういう人が多いのですね。だから、そういう方を外すと10万(人)近く、7、8万(人)ですかね。10万(人)近くを目標として、逐次、正社員化していくということもやって、希望も持って…。私が、現場の声を聞く中で、今、非正規社員では、婚約していても結婚してもらえないという悲痛なことも聞きましたよ。だから、そういうことがないように、意欲を持って…。大体、同じ仕事をしているけれども、(非正規社員の)給料は(正社員の)3分の1なのです。こんなことは、あってはならないことですよ。やはり、同一労働同一賃金、人間としてちゃんと評価されて、大事にされる職場でないと、ちゃんとした仕事なんかできるわけありません。そうした郵政事業に改めていくわけですから。

一方、ファミリー企業がコバンザメのようにくっ付いてしまっている。役員だけがいて、職員があまりいないようなところでね。ペーパー1枚出して、みたいなところ、あります。全部切ります。必要なものは子会社にしてしまいます。齋藤社長も、その整理を、今準備していますから。これを思いきってやりますよ。ただ、雇用の問題がありますから、そこらは注意しなければいけないですけれどもね。とにかく、「やれ社長だ、何だ」と言って、べらぼうな報酬等を受けて(いて)、そういうところに随意契約でボンボン出しているようなことは止めさせます。非正規社員というのは、そういう(ことの)犠牲になったのですよ。

そういうことを含めて、また、調達なんかも2年前から地方で調達していたのを全部中央調達にして(しまって)。これは、もう地方で現地調達(すると)。これもちゃんとやってもらいますから、そういうことをきちんとやって…。世界一の会社ですからね。世界に雇用の見本を示す、仕事の見本を示す、そういう日本郵政にしたいということで、今、例の政府の持株の問題、(ゆうちょ銀行の預入)限度額の問題とか、そういう問題を2人(大塚副大臣、田村大臣政務官)ともよく相談しながら、また原口(総務)大臣とも相談しながらやっているわけです。

問)

フィナンシャルジャパンの吉岡と申します。

ちょっと遡るのですが、先週、日銀が追加金融緩和の発表をして、その政策決定会合後の会見で白川総裁が「為替というのは日銀の所管事項ではないので、そこは意識していない」という趣旨の発言をされたと思うのですけれども、これだけデフレが深刻(化)している状況で、一定レベル、中央銀行が円安に誘導するような政策が必要かなというふうに思うのですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

日銀法改正の時等もいろいろあったのですけれども…。(大塚副大臣は)日銀にいたのですけれども、別に、日銀のスパイというわけではないですからね(笑)。こういう優秀なのがいなくなるから、日銀の力が弱くなっているのではないですか(笑)。とにかく、金融政策と財政政策が相まっていかなければいけない話ですし、今の為替の問題等にしても、両者が呼吸を合わせながらやっていかないと。「あなたはあなた、私は私よ」ということでやれるわけがないと思います。だから、今後、日銀がやる役割というのは、ある面では、財政を支援するというような立場まで踏み込む必要が出てくると思います。だって、政府はお金がないのですから。税収が上がらないのですからね。特別会計だって限度があります。税収が落ちている中で、特別会計の埋蔵金の限度額の中でちまちま政策をやるということでは、(効果が)限られたものになってしまいます。小泉内閣の縮小再生産の道に入っていってしまいます。(国の)財源を手助けするのは日銀の本来の仕事ではないですけれども…。

私は、この間の(国会の)財金委員会の答弁の席で言ったでしょう。日銀総裁がこっち(に座っていて)、菅財務大臣が(横の席に)いたから、「あなたのところで(日本)国債を引き受けて、こっち(財務省)に財源を渡してやれよ」と言ったでしょう。そういう、(日本)国債を直接引き受けるという手もあれば、政府が持っている米国債を日銀が引き受けるという手もあるわけでしょう。別に、そんなことをやったって、長期金利や市場に影響は与えないですからね。何か言うと、「市場関係者に」とか、「長期金利に」とか、思考停止していて、全部その言葉で私が言っていることを否定する馬鹿が多いのですけれどもね。すぐ「市場関係者」だとか、「長期金利」だとか。大体、長期金利というのは、景気が良くなっていけば徐々にある水準まで上がっていくのは当たり前の話なのです。資金需要が強くなってくれば上がっていくのですよ。だから、皆さん方は違うでしょうけれども、そういうことと(日本)国債の関係で、「国債をうんと発行すると長期金利が上がるから」とか、その一文だけを取り上げて積極財政を批判するという、馬鹿げたような風潮がありますよね。日刊紙は、ほとんどそうですね。私は間違っていると思いますよ。だから、日銀は日銀として自分のあれ(役割)はありますけれども、財政が弱くなっているのですから、そういう間接的な形でも助けるという…。自分のほうから言い出すわけにはいかないですから、本当は、政府が阿吽(あうん)の呼吸で、水面下でそういうことをやりながら、「では、こういう政策やる」と言ったら、「分かりました」と。ピッチャーとキャッチャーのあれですよね。キャッチャーがこっちにミットを向けていないときに投げてしまうと大変ですけれども、ちゃんと受け取ることが分かっているということにしておいて、(ミットを)向けさせておいて投げるというような形でね。

問)

報知新聞の北野と申します。

一昨日、プロレスラーの西村修選手という方が、今回の参院選で国民新党から出馬するという表明をしまして、大臣から経緯と評価と期待というのを伺いたいです。

答)

彼は凄い男ですね。私は、こういうのが政治家になることは、本当に世のためになると思いますよ。癌(がん)と戦う男ですよね。25歳の時かなんかにアメリカで手術したのでしょう。(アメリカから)帰って、ずっとリングに上がって、何か、一昨日も両国国技館で最後の試合をしたみたいですけれども。やはり、まさに自分の人生で、生きていく力を与えているような人物が政治の場でやっていくということは、私は、非常に…。今、へなちょこな政治家ばかりでしょう。

副大臣)

その方は、何か大きな病気をされた方なのですか。

答)

癌ですよ。アメリカで手術をして…。

副大臣)

それで今はレスラーで…。

答)

ずっとやっているのです。

副大臣)

凄いですね。

答)

これは良いですよ。この間、ここ(金融庁大臣室)で写真を撮ったのですよね。ガウンを着て。格好良いですよ。私ほどのイケメンではないですけれどもね(笑)。大変なイケメンですよ。もう、民主党の候補者なんか蹴散らしてしまいますから(笑)。

問)

世界日報の野村でございます。

2月9日に、民主党の小泉俊明(衆議院)議員が、小泉構造改革の総括をされまして、それに対して大臣が、「小泉改革と全く逆のことをやれば、日本の経済も再生するのだ」ということを言われたビデオが、ネットでも物凄く人気を集めているのですよね。先日、鳩山総理に(会いに)行かれたのは、そういう抜本的な政策の転換という思いを持たれて行ったのですか。

答)

鳩山総理も私と一緒なのです。そうした小泉政治を否定する立場ですから。弱肉強食、市場原理至上主義を否定するというのがその当時…。民主党の中には、そうでないやつもだいぶいますけれどもね(笑)。だけど、総理はそうなのですよ。私は、当たり前のことを言っているので。総理も全く同じです。ただ、それについての政策が、そのとおりボンボンボンボン出ていくかというと、それはなかなか、3党連立でもありますし、私の言うことばかり聞くわけにはいかないでしょうしね。そうしたら、民主党から放り出されてしまうからできないでしょうけれどもね(笑)。

問)

フリーランスの早川と申します。

法人税率の引下げのことについてお伺いしたいのですけれども、確かに日本の法人税は諸外国に比べて高いのですが、社会保険料の企業負担というのはヨーロッパ諸国に比べると非常に低いのですね。「法人税率の引下げは社会保険料とセットで議論すべき」という意見があるのですが、そのことについてはどう思われますか。

答)

彼(大塚副大臣)は、まだ若いですけれども、日銀に残っていたら日銀総裁になっているくらい本当に優秀ですよ。経済理論と言ったらおかしいですけれども、経済を見る目も非常にしっかりしていると思うし。だけれども、私は、税制について細かく、彼の素晴らしい英知を吸収する努力をまだしていませんから。今のところはちょっと違いますね。

副大臣)

一昨日の番組でしょう。ちょっとだけ解説すると、あれは過去にも何度も聞かれているのですけれども、番組というのは発言の尺が短いですから。法人税率の引下げは、例えば、今回、(衆議院を)通った租特透明化法案、ああいう形で、租特の見直しなんかもパッケージでやらなければいけないですし、今、ご指摘のような、企業の社会保険の負担の部分をどうするのかとか、トータルとしては議論しなければいけないのですけれども、表面税率の問題は、「高い」という指摘もある中で、この間申し上げたようなことは、再三申し上げているので、別に、あの場で初めて言ったわけではないのです。

問)

東洋経済新報社の浪川です。

3月末に近づいているわけですが、一部の銀行で、自己資本比率の目標(である)8%を維持するために、企業向けの投融資を回収して…。(そうすると)資産が減りますでしょう。(それで)相対的に自己資本比率は高くなると。(企業から資金を)回収して(日本)国債を買って、(日本)国債はリスクアセット(の算出式上)でのリスクウェイトが0(ゼロ)ですから、資産計上されないわけですよね。そういうふうにやって、もう自己資本比率が低くならないようなことをやっているところがあるやに聞くのですが、こういう行為について、大臣はどう思われますか。

答)

それは、本当にけしからんですね。そんなことをやるから、金融機関は私に軽蔑されるのですよ。そうではなくて、もうちょっと金融機関としてあるべきマターを考えるべきだと思いますよ。今、融資よりも手数料稼ぎとか、国債で(儲ける)、というようなことばかりやっている銀行が増えてきていますね。そんなことでは駄目です。銀行は、産業資金を供給していく中で、自分たちが利益を得ていくという基本的立場があるわけですから、それを大事にしなければ駄目ですね。

(以上)

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