亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)

(平成22年3月30日(火)11時08分~11時41分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日の閣議では、別に、皆さん方に報告することはありません。

何かご質問があれば。

【質疑応答】

問)

通信文化新報の永冨です。

郵政改革についてですけれども、政府の日本郵政への出資比率が3分の1(超)ということが、大体の方向になっているようですが、国民新党のほうは、最初、やはりきちんとした人事権をコントロールするためにも、2分の1以上だという話がありましたけれども、3分の1になった理由といいますか、ちょっとご所見をお伺いしたいのですが。

答)

これは、いろいろな考え方がありますよね。やはり何でもかんでも、いわゆる事業体の人事から事業展開から、政府が手とり足とり全部やってしまって、政府にお伺いを立てないと何もできないということでは…。これはある意味、日本一であることは間違いなく、世界一の巨大組織ですよ。従業員だって、42~43万人いるのですから。それでは、そういう組織は動きません。やはり、自主性、自発性がある組織でないと、事業体としてもたないと思います。

そういう意味では、2分の1という政府の資本での支配、権限などということでは、やはり強過ぎると。それは、やはり3分の1の関与と。だからといって、一方では、政府が責任を持たないと。ご承知のように、ユニバーサルサービスを展開していくわけで、「とにかく、ユニバーサルサービスを山の中から島までやってください」と、三菱東京(UFJ銀行)などには課していないようなあれ(責務)を郵政に課しておいて、政府が「わしゃ知らぬよ」というのでは成り立たないです。そういう意味では、責任を持つという意味においても、やはり3分の1は持っているのが適当だと。その程度のコミットの仕方で。

しかし、生殺与奪の権を握るような2分の1(にすべきかどうか)というのは、郵政サイドとか国民新党もガンガンガンガン言って、「(2分の1にしようとしない)代表は、けしからん」と言って、だいぶ頭をぶん殴られたのですけれども、(私は)それはやはりそうすべきではないと。私は、国民新党の代表ですけれども、国民新党の連中と私は、残念ながら、その部分については意見を異にしましたし、いろいろな方々の意見を聞く中で、また、大塚副大臣や田村(大臣)政務官、あるいは原口(総務)大臣、みんなの意見を聞く中で、そういうところにしたということです。

問)

金融タイムスの大嶋です。

結局、税金問題はどこからどこまで話がついているのかというのは…。

答)

いや、まだ(話は)ついていません。これは、税調(税制調査会)の話ですから。だから、今まで一つでやっていたの(事業)をバサバサと切ってしまったでしょう。今度、三つにしてしまうわけですけれども、「3事業一体の運用をしてください」ということを言っているわけです。今の子会社2つと親会社との関係を含めて、実態的にはそういうことが起きてくるわけですから、それを「取引だ」と言って、すぐ消費税をかけていくということは、やはり実態の上からいって無茶ではないか、という一つの意見があります。

道路公団も分けてあれしたでしょう。それは、やはりお互いに消費税がかかっていますから、それとの絡みでもおかしいという批判もあるのですけれども、一方では、やはりユニバーサルサービスというか、そういうものを強く課しているというようなこともあって、一体的な事業の運用ということを政府が要請しているわけでしょう。要請していれば、やはり税についても配慮するのが当然ではないか、というのですが、菅(財務)大臣は、まだそれを「おお、分かりました」と言ってくれないので、「おまえ、木で鼻を括ったようなことを言うなよ」と、この間も委員会で言ったのですけれどもね。彼(菅財務大臣)は聡明な大臣ですから、そのうち分かってくれるのではないですか。まあ、もちろん、今から税調へ向けてのこれはあるのですよ。

問)

フライデーの岩崎と申します。

プロレスラーの前田日明さんが、国民新党から東京地盤で出ると報道ではあるのですけれども、そうすると民主党…。

答)

いや、これは、まだ分からないのですけれども、今日、会うことになっていますね。私は、「小沢の顔をピシャッと引っ叩いてやってきたんだから、おまえも男だ」と、「そういう男が政治をやらないと駄目だ。へなちょこの、これっぽい(女性っぽい)のがやっていては駄目だ」、「国民新党から出るならあれするぞ」とこの間言ったら、「よく考えてきます」と(言って)帰られたので、今日来られるのか、どうされるか。確か、今までずっと民主党を応援していたのですね。だから、そういうしがらみもありますので。小沢(民主党幹事長)のほっぺたを引っ叩いたからといって、あの方も民主党の応援をずっとしてこられたという経緯もありますから、そこらの情を断ち切って…。(外国人)参政権反対というのは、あの人が言っていたのですね。国民新党の理念と非常に合っておられますから、私どもとしては、国民新党の候補者として非常に相応しいと。何も政治家崩れとか役人崩れとかって…。ごめんね。役人崩れというのは…。あなたたち(大塚副大臣、田村大臣政務官)は優秀ですけどね。

副大臣)

大臣も役人崩れですよ(笑)。

答)

私は、お巡りさんですから(笑)。

いや、だからそうではなくて、まあ、西村(修氏)もそうですけれども、25歳のときに、ここの癌を手術したでしょう。その後、普通だったら放射線治療みたいなことを、予後に病院に入ってやるでしょう。それをやらないで、リングでレスラーや何かで治すといって12年、治ってしまいましたよね。こういう、癌と闘いながら、その間、彼は、人間とは何なのか、生と死を見つめてきて、「無我」という一つのあれを…。彼(西村修氏)は、今、慶応大学の哲学科に通っているのですよ。そういう男ですよ。それもレスラーですよ。私は、やはりそういうのが政治家になったら良いと思いますね。

問)

民主党が、東京で3人目の(候補者)擁立を狙っているところに…。今、まだ未定なのでしょうけれども、あえて、前田さんなり西村さんを当てるということに対して、今回、(ゆうちょ預入限度額)2,000万円の件もあったりとかして、亀井さんが連立を維持する意識が…。

答)

(意識が)強いのですよ(笑)。決まっているではないですか。(意識が)強いから、強いことを言っているのですよね。どうでもいいと思っているなら、私はいい加減なことを言いますよ。連立をちゃんとして、鳩山政権に新しい政治をやらせようと思っているから苦口も言いますし。それは、東京で3人目かどうかは知らないですけれども、「民主党が立てるところはうち(国民新党)が遠慮しようよ」と言ったら、うち(国民新党)が立てるところがないではないですか。

問)

フリーライターの高橋清隆と申します。

今回の郵政改革を、亀井大臣の個人的恨みに矮小化(わいしょうか)して報道するマスコミが目立ちます。これは、元を辿ると、昨年11月28日、「朝まで生テレビ!」という民放番組で、司会の田原総一朗氏が、「最近、西川(元日本郵政社長)さんが(亀井大臣に)会った。(その)西川さんに聞いたとは言わないが、亀井さんが何と言われたか。『おれは郵政なんかどうでもいい。金融にも全く興味がない。ただ、小泉(元総理)がやったことだから郵政民営化を潰すのだ』」と、田原氏が発言しているのです。

答)

田原さんが言ったのですか。

問)

田原総一朗(氏)が、「朝まで生テレビ!」で、こういう発言を…。

答)

そんなことを言っているから、あの番組はおしまいになってしまうのですよ(笑)。

問)

これは嘘ですか。

答)

嘘に決まっているではないですか。だって、私は、小泉(元総理)と女性のとり合いなどやったこともないですよ(笑)。好みが違いますからね(笑)。私は、個人的に仲良いですよ。

問)

個人的な恨みで郵政改革なんてとんでもないと…。

答)

私は、あなたが知っているように、郵政族ではないのですよ。

問)

はい。そうです。

答)

一番最初の選挙から、(郵政の票が)一番強力な敵なのですよ。この間、ホリエモン(堀江貴文氏)が私を襲ってきた(同じ選挙区だった)ときだってやってくれなかったのですよ。私は、郵政反対でバッジをもがれたでしょう。普通なら、郵便局は私をやってくれるのが当たり前でしょう。(でも、)やらなかったでしょう。あの、民主党の佐藤公治(参議院議員)君。お父さんが郵政族だったでしょう。彼らは、それほど義理堅いのです。だから、逆に言うと、私は信用しているのです。

私は、別に、そういうことではなくて、後援会にも「そこの郵便局がなくなるのですよ。あなたたちが預けたお金350兆円が、アメリカに取られるんだよ。これは、政治家としてそんなことを許すわけにはいかない。あなたたちはもう次から応援してくれなくて結構だ」と言ったのです。ところが、ホリエモンが襲ってきたとき、(後援会は)全部やってくれましたよ。私は、そんなことで個人的な恨みがあるのであれば、純ちゃん(小泉純一郎元総理)のところに行って、バシッと引っ叩いてきますよ。個人的には仲が良いのですから。純ちゃんに聞いてみてください。

問)

こういうマスコミ報道というのは嘘ですね。

答)

ほとんどがそうではないですか。あなたたちも、時々嘘を書いているでしょう(笑)。

問)

フリーの竹川と申します。

預(入)金の限度額を2,000万円に引き上げることで、資金がかなり集まってくると思うのですけれども、先ほどの記者クラブの会見でも質問が出ましたけれども、現状で結構ですので、具体的に、出口の運用部分について教えてください。

答)

これは、もう前から言っているように、地域を活性化していくため、中小企業・零細企業の皆さん方、また日本経済にとって有用な使い道(というのは)当然の話です。

ただ一つ、齋藤社長とも言ったのは、運用のノウハウというのは一挙に生まれないのです。郵政というのは本当に生真面目な集団ですけれども、残念ながら、そういうノウハウを身に付けている職員がどのぐらいいるかと言ったら少ないのです。だから、それを今からどんどん養成していかなければいけないですね。

といって、「ハンティングで」というわけにいきません。そういうことをやったら、またほかの民間金融機関が怒ってしまいますから。そうではなくて、これは、一つには大きな課題なのです。今も、信用金庫だ、信用組合だ、第ニ地銀が、私のところに言ってきていますね。そういう融資のノウハウを持っているところと協調して運用していくとか、「お金を集めるだけは郵政が集めて、あとは財務省が適当にやる」みたいなあれではなくて、齋藤社長も、実質的なちゃんとした運用をするようにしようということで、「亀井さん、大丈夫。そういう人材もちゃんと集めてくるから」と言っていますが、おっしゃるように、なかなか大変です。だからといって、今、それ(運用のノウハウ)がないからといって、日本郵政を殺してしまって良いというわけにはいきません。

問)

現状では、具体的な金融商品であるとか、何に向けてというようなことは、特に決めていないわけですか。

答)

とにかくアメリカなどが戦々恐々としているというのですけれども…。おっかないから、私のところには来ないのです(笑)。あなた(田村大臣政務官)のところも来たでしょう。保険の関係で、「そういう新しい商品はやらせないでくれ」と来ていますけれども、それは、既存の保険業界と協調しながらそういう知恵も出して、その分野でも協調しながら頑張れば国民のためになると思うのです。だから、皆さん方は別だけれども、この下(記者クラブ)の記者会見の中で出てくるこういうの(質問)は、金融機関の立場からの批判ばかりなのです。「金融機関にとって都合が悪い、都合が悪い」という話ばかりなのですよ。「民業圧迫だ」と言って。郵政改革というのは、国民の立場からどうだという視点がないと駄目ですよ。限度額だってそうです。新しい商品を認めるかどうかというのだってそうですよ。それを、売るほうの立場だけに立って、アメリカの立場に立って「良い」、「悪い」と言ったら、これは間違いです。国民の立場に立ってどうだという視点がないと駄目だと思います。

問)

東洋経済新報社の浪川です。

今、大臣がご説明になったことと関連するのですが、この間(3月24日)発表なさったので、「新しい限度額に移行した後の動向を見極めつつ」という表現で、一体、動向の何を見極めるのか。つまり、おっしゃったように、貯金が増えるというのは、人気があればそれだけ増えるわけですよね。ということは、国民の支持があるということですよね。でも、一方で、増え過ぎるとシステミックリスクというか、システム問題にもなり得るという見方になりますよね。

答)

だから、そこらは、一つは齋藤社長というような豪腕を、みんなから叩かれながら社長にしたのですけれども、社長以下、今、経営陣もだいぶ入れ代わっていますけれども、やはり、日本郵政自体がちゃんとした経営をやるかどうかなのです。それをやらないで、制度だけ変えたら駄目ですね。そういう面では、齋藤(社長)も、もう人生最後の仕事だということで、副社長クラスとかいろいろな人材を集めてきたでしょう。それは、今後ともやりますよ。

問)

要するに、グロスベースで、合計額が急激に増えたりするといけないという意味なのか、でも、金融システム問題というのは、グロスの数字では表れないですよね。局地的に、どこかの金融機関でゆうちょ(銀行)に急激にシフトするとか、個別具体的なところからシステミックリスクは発生するわけで、一体、何をもって見極めるのか、よく分からないのですけれども…。

答)

それは、私も全知全能の神でもないし、こんなアホですから、彼(田村大臣政務官)みたいに優秀ではないですから。それは、精緻なそういう預金のシフトの状況を含めて、そんな判断をしろというのは無理です。無責任だと言うかもしれないですが、実際にそうでしょう。そうではなくて、我々、金融庁としては、その運用を含めた預金の動向をじっと注視しますよ。それをちゃんと見る中で、この限度額があのとき決めた限度額で良いのかどうかということを、改めて検討するということで、あなたも知恵を貸してくださいよ。

それは、全知全能の神ではないのですから、能う限り、金融庁も全力を挙げてその状況を捕捉しますよ。

問)

それは、金融庁が捕捉するわけですね。

答)

だって、それが金融庁の仕事ですから。日本郵政にやれと言ったって、どうしようもないです。預金の状況がどうなっていっているのかということは、金融庁の仕事でしょう。

問)

週刊朝日の川村です。

民間の金融機関は、ポートフォリオの2割を超えると金融庁からの指導が入ったりするルールがあるわけですよね。ところが、ゆうちょ(銀行)の場合は、今、既に8割、国債を買っています。今、ポートフォリオ全体の2割が国債を買っている。それを超えるとその指導が入ったりするわけです。それで、ゆうちょは、今、8割買っているわけですけれども、そうすると、その預金残高をこれ以上増やすという場合に、例えば、今以上もう買わないとか、そういうルールみたいなものがないとおかしいのではないかなと。齋藤社長が、非常に大きな野望といいますか、大志を抱いているというお話は、ほかでもちょっと伺ったりするのですが、それはいかんせん、大臣も運用のノウハウがないということを認めていらっしゃいますよね。そういう中で、環境ばかり「自由にやらせてほしい」、「お金だけ集めてほしい」ということを先行してやるのは、何か大人のルールではないようなふうに見えるのですけれども…。

答)

それは、そうではないようにするのも、「大人のルール」ではなくて、「子どものルール」ですよ。

問)

「子どものルール」ですか。

答)

はい。「大人のルール」というのは…。「絶対駄目だよ、この子はまだ子どもだから駄目だよ」と。それは子どものルールです。もうちょっと大人になって、知恵が出て、いろいろな経験を積んでからと。やはり、日本郵政というのは大人ですから。やはり、それがちゃんとしていくという前提がないのに、いつまでも今の竹中(平蔵氏)さんがやったガタガタの状況を前提にしてやるわけにはいきません。

問)

そうすると、いろいろなことはありますけれども、例えば、国債をこれ以上買うことについては、いろいろ…。

答)

本当のことを言って、週刊朝日も時々おかしな記事があるけれどもね(笑)。これは、前によく言った郵政改革の一つの議論は、あそこは財投と国債の受皿になっているということでしょう。あたかもそれが悪いという前提に立っているのです。あれが、どこかにくれてやる不正なお金の使い方という前提に立っているのです。それなら源を断たなければいけません。

だけど、考えてみたら、別に好きで国債を発行しているわけではないでしょう。税収が上がらないから、経済を活性化していくため、国民生活を守るために、やむを得ず国債を発行していくわけでしょう。発行したって、買う人がいないと困るわけでしょう。本来、国としては、その買う人間がゆうちょ(銀行)であるということは感謝しなければいけないはずなのです。そうではないですか。国債を発行したけれども買う人がいなかったら、長期金利がビーッと上がってくるのですよ。そういう意味では、今、130~140兆円(国債を)買っているでしょう。あんなに買うところはないですよ。三菱東京(UFJ銀行)だって、あんなに買ったことはないでしょう。

そういう、政府はお金がない、税収が37兆円しか上がらなかった。一時、60兆円(あった税収)が37兆円になってしまった。特別会計だって、引っ張りだそうと思ったけど、そんなに出てこない。それで緊縮予算を組むわけにはいかない。借金しかないでしょう。国債発行しかないでしょう。では、その国債を発行したって、買ってくれる人がいなかったらどうなるのですか。長期金利が上がるのですよ。国債の奪い合いになってしまったら…。

問)

まあ、そういう考え方も…。

答)

いや、だから、そういうことがあるから、国債を買っているのが悪いのだというのがおかしいのですよ。

問)

そうすると、民間に指導しているということは、またちょっと民間への対応も変えなければいけないということですか。

答)

いや、そこは違います。これは、私が言っているわけではないですけれども、今の金融機関の悪いところは、産業資金に供給するということよりも、借りたいというところ、特に中小企業や零細企業に対してお金を貸さないで、安易に国債というところへ行ってしまうから、「それはいけないよ」と。国債を買ってくれること(自体)は、ありがたいことなのです。そうでないと、政府は困ってしまうのですから。

だけれども、逆に、金融機関の立場に立った場合は、そういう安易な資金運用ばかりしないで、あるいは手数料稼ぎばかりしないで…。今、民間はそうでしょう。「もっと産業資金を供給していくということで利ざやを稼ぐ、というまっとうなあり方を、あなたたちは考えたらどうだ」と言っているのです。

問)

それは、ゆうちょ(銀行)も同じく言えると思うのですよね。それで、さっきの質問にも出ていましたけど、政府投資ファンドみたいなことを…。

答)

あれは、前原(国土交通大臣)が言っているのでしょう。

問)

そうです。そういうことが復活するとか、例えば、国がいろいろ、財投が悪いところばかりではなかったとおっしゃる…。

答)

それはそうですよ。あなたはそう思わないですか。

問)

まあ、そうですね。あり方によっては…。

答)

あり方なのです。結局、かつてのそういうときの大合唱は、悪いところだけを拡大して「全部が悪い」と、良いところを全部否定してしまっているのです。その結果、ガタガタになってしまった。悪いところはちゃんとしなければいけないですが、良いところは評価しなければいけないのです。

問)

良いところは復活しても良いということですよね。

答)

また、そう言うとあなたたちはすぐ「亀井がそうだと言ったから書く」といって(記事を)書いて、読者は「亀井は財投を復活する」と書いてあると…。だから、問題は、書き方なのですよ。

私は、そういう意味で言っているのではなくて、国家として、社会として、やはり必要な投資があるのです。それを、今、政策投資銀行などが担ってやろうとしているのですけれども、それがなかなかうまく行っていないでしょう。だから、そういうことを、別な形で日本郵政が補完してやる場合も、良いやり方なら、私は良いと思うのです。だからそれは、今後、齋藤社長の下で、運用について、もう財務省任せみたいなことではなくて、「国債は簡単だから早く買ってしまえ、受けてしまえ」というのではなくて、もうちょっと幅広いことを考えれば良いと思います。

問)

日刊ゲンダイの小塚です。

改めてで申しわけないのですが、ちょっとお聞きしたいのですけれども、今回の郵政の問題は、菅(財務大臣)さんといろいろ意見の食い違いみたいな感じも…。

答)

全然ないのですよ。彼(菅財務大臣)が「聞かなかった」と言っているからおかしくなるのですから。

問)

それで、そういう形の新聞報道とかを見た国民からすると、内閣が凄く混乱しているように…。

答)

なっていません。

問)

(混乱しているように)映っているのですね…。

答)

私は不動ですし、鳩山総理も不動なのですよ。

問)

いや、(混乱しているように)映っているのですけれども、それは伝え方が悪いのか、実際、何が悪かったのだと思いますか。総理の発言がおかしいのか、それとも菅(財務大臣)さんが「聞いていない」というのがおかしいのか…。

答)

いや、全然おかしくないのですよ。

問)

では、どこに問題があるのか、というのがよく見えないのですけれども、それはどう認識されていますか。

答)

あなたたちマスコミが悪いのですよ。本当ですよ。

問)

どういうふうに悪いのですか。

答)

マスコミは、何か事あれかしと待ち望んで、言いもしないことを言ったが如く書いてしまって。総理だって「決まっていない」と言っていたでしょう。だって、閣議決定していないのですから、正式には決まっていないのです。それをもってブレたとか。だから、私が言ったことがオーケーされたことは間違いないのです。そういうことでしょう。何も矛盾していません。日刊ゲンダイはしっかり書いてくださいよ。

問)

いや、うちは、逆に言うと、一般の新聞がそういうふうに書いているのはどうしてなのかというのが…。

答)

あれは、最初から、この政府がやろうとしている郵政見直しが反対なのですから。今の日刊紙など、2周遅れで古いのですよ(笑)。

問)

ただ、菅(財務大臣)さんは「聞いていない」という、何かテレビでも言われていましたけれども…。

答)

私が「耳が悪いのだろう」と言っても、私が言ったのを「聞いていない」と言っているのです。それだけのことですよ。

問)

では、あくまでも亀井さんは言ったけれども、菅(財務大臣)さんが聞いていないということで…。

答)

だって、数字を言わないで、(ほかに)言うことはないではないですか。何も、私が菅(財務大臣)さんにラブコールをして「あなた好きよ」と言うわけではないのですから(笑)。用があって電話をして、「用」の中身というのは数字に決まっているではないですか。当たり前のことです。そうだと思わないですか。

問)

では、問題はマスコミにあると。一般の新聞が、亀井さんを悪くというか…。

答)

私の悪口、「私が困っている」と書けば良いと思って書いているだけのことです。私は全然困らないですよ。屁とも思っていません(笑)。

問)

週刊金曜日の伊田です。

普天間の移設問題についてお伺いします。普天間の移設を考えるときに、いろいろ考える要素があると思うのですけれども、亀井大臣が一番重視して考えるべきと思われているのはどういったことになるでしょうか。

答)

これは、もう沖縄県民が75%の負担をして、安全と騒音の問題で大変に不安を感じながら、現にそれで困っておられるわけですから、これをなくしていくということは、もう問題なくポイントなのです。それに対して、アメリカはそれを解決する義務があります。みんな、マスコミなど書かないでしょう。「アメリカよ、あなた方にこの義務があるのだ」と。日本国は同盟を結んでいて、海兵隊の存在も日本の安全保障に大きく影響があることですからね。だから、日本国政府は、その安全と騒音の問題を解決するという…。これは責任感なのです。問題はそうなのです。辺野古の沖合に移転するなどというのは、本当のことを言って、砂利屋を儲けさせようという裏の事情があるわけですよ(笑)。それを引っ張っているものは、あなたたちも全部知っているでしょう。書かないだけの話、それだけの話なのです。

問)

書いています、週刊金曜日は。

答)

アメリカは利権に関係ないですからね。だから、辺野古沖にこだわらないと思いますよ。アメリカは利権には一切関係ないのですから。

だけど、国民新党が言っているキャンプの中と(いう案は)、ベストではないですけれども、ベターな案だから国民新党は言っているのです。それは、アメリカが最終的に「そこは嫌だ」と言うわけがないでしょう。だって、自分のキャンプの中ですから。基本は、アメリカには安全と騒音の問題を解決する義務があるのですから。その点を忘れては駄目です。

問)

先ほど、海兵隊の安全保障の話もあったのですけれども、海兵隊というのは殴り込み部隊であって、日本の安全を守るのにあまり関係ないのではないかという指摘もありますけれども…。

答)

そう言いますけれども、殴り込みが得意なのは力が強いから、守ることも得意なのですよ。そんなことよりも、すぐ抑止力と言うでしょう。海兵隊が日本を守る抑止力になっているのだと。外国から日本を守るというか、(外国が)日本を攻めてこないための抑止力になっているのだということなのです。

私は、それを言うのなら、日本自身が抑止力をつくる努力をしないで、アメリカの海兵隊、アメリカに頼って、外国が日本を攻めてこない抑止力にしようなどと、今の日本は腰が抜けていると思いますよ。我々自身が、外国から「日本を攻めたって駄目だ」という抑止力をつくらなければいけないのです。その努力をしないで、海兵隊にいてもらったほうが抑止力になる、「核の傘」で抑止力になると。今の日本は、占領が終わった後まで、そんなことばかり言っているのです。今だってそうでしょう。ミサイル防衛だってやれば良いのではないですか。撃つわけではない専守防衛ですよ。撃ってきたら撃ち落とす態勢。日本海など、海岸、上陸用舟艇がバァーッと来たら、波打ち際で全部あれを、そういう態勢をつくる。全然、憲法違反でも何でもないでしょう。そういう努力をしないで、海兵隊は抑止力だと(いって)アメリカに守ってもらう。マスコミは、「アメリカの機嫌を損なわないようにしましょう」というようなことばかり言っているではないですか。そう思わないですか。あなた方は違いますけれども、特に日刊紙はそうですね。

問)

世界日報の野村です。

6月の経済成長戦略は、やはり積極財政の立場から考えておられるのかどうか、その辺りをちょっとお聞きしたいのですけれども。

答)

それは、今から、仙谷(国家戦略担当)大臣にも、閣内でも、私は今まで積極財政ということで…。福祉経済は大事ですよ。今まで、自公があまり目もくれなかった福祉経済をこの政権がやっていく、これは正しいことです。ただ、残念ながら、百年に一度の不況が襲い、デフレギャップに陥っている日本がデフレギャップから這い出していくには、福祉経済は漢方薬の役で、(効果が出るのに)当面は時間がかかります。やはり即効的な、今は産業振興ですよね。どう産業を振興していくかという、大胆で思いきった、でかい対策をやらないと駄目ですね。アメリカだってそうでしょう。日本から200兆円もお金を借りて、中国から100兆円もお金を借りているのに、オバマ大統領は70兆円の緊急対策(をやった)でしょう。(緊急対策のうち、)70%が公共事業ですよ。中国だって六十何兆円が公共事業ですよ。そういうときに、日本だけちまちまこんなことをやっていて、そんなことでデフレギャップから出てこられないですよ。

だから、福祉経済は良いのです。これは良いのですけれども、それと併せて、そういう技術革新を含めた産業振興をしていくという…。ものづくりを除いて日本は生きていけません。日本は金融国家では生きていけません。だから、今後、その視点をどう考えていくのかというのが、この政権の正念場に来るでしょうね。私はそう思っています。

(以上)

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