亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)

(平成22年4月13日(火)9時50分~10時11分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

閣議の関係で、特別、皆さん方に報告することはありません。

ただ、今日の新聞だったか、毎日で、本当にレベルの低いというか、「火もないところに煙は立たぬ」というのはありますけれども、ガセの中のガセのガセ記事みたいなことが平気で紙面に出てくるのですよね。何か、拓さん(山崎拓 元衆議院議員)を内閣へと…。彼は、今、自民党のシンクタンクの長でしょう。そんなものを私から…。それは、拓さん自体は確固たる理念のある人で、立派な人かもしれないですけれども、そういう人を…。こんなことは、思いもつかない話でしょう。そんなことが新聞に出ていて。今の(新聞の)レベルは落ちてきていますね。そんなものは、ちょっと考えれば分かる話ですね。国民新党だって、去年までは拓さんが「入りたい、入りたい、入りたい」と言うから、「場合によっては考えても良いよ。しかし、あくまで政策だよ」ということを言っていましたけれども、それは去年までの話であって、今、そういう気は全然ないですから。

【質疑応答】

問)

保険毎日新聞の園田です。

公益法人が約2万5,000(団体)ある中で、共済事業をやっているところが2,000(団体)ぐらいあると聞いていて、かんぽ(生命保険)の改革が進められる中で、かんぽ(生命保険)も、簡易保険加入者協会で、共済(事業)を別の形でやっていると聞いているのですけれども、「今回の新法で、そういうところも保険事業として認め(られ)る方向にあるのかどうか」ということを、結構、所管の方達とかがすごく気にされていらっしゃるので、その辺の方針のお考えをお聞かせください。

答)

今、これは、中身については、今、大塚副大臣のもとで検討しているところですけれども、基本は、もう善意で零細な組合が相互扶助というようなことでやってきたのが、事業継続できなくなっているところがたくさん出ているのです。そういうことをなくそうと。それは、中には、契約者の立場で(見て)も「大丈夫かな」というようなところがあるかもしれないですけれども、かつてのオレンジ共済みたいな、悪意が固まっている(団体)ばかりというわけではないので。善意でやっているところがほとんどなので、そういうところまでやっていけなくなるようではいかんので、急いで。放っておいたらそうなってしまいますから。今国会でそれをやるということで、大塚副大臣のところでやってくれている最中です。

副大臣)

そこは、また追々ご説明します。今、おっしゃったのは、ちょっと最後のところが聞き取れなかったのですけれども、かんぽ(生命保険のこと)ですか。何とおっしゃったのですか。

問)

簡易保険加入者協会です。何か、火災保険とか、保険事業をやっていて…。

副大臣)

ちょっと、そこについて、今、検討している延長線上でカバーされているかどうか、確認してみます。

問)

日本インターネット新聞社の田中龍作と申します。

中国で邦人が死刑執行されました。中国の歴史に照らし合わせれば、麻薬に対して厳しい処罰が下るのは、それはそれで理解できるのですが、死刑廃止論者の亀井大臣としては、どうお考えでしょうか。

答)

だから、中国も、やはり死刑制度について、世界の趨勢(すうせい)もあるわけですから、基本的には検討してもらいたいと思いますよ。

ただ、私も閣僚という立場で、日本政府の一員ですから、中国に対して内政干渉的なことを言うべき立場ではありませんから言いませんけれども。それは、アヘン戦争とか、いろいろなそういう歴史がありますから、我々の立場だけで判断できないかもしれないですけれども、そういう形で人の命を奪っていくということを…。やはり、私は、日本でも「けしからん」と相当言っているのもあるのですけれども、ただ、日本が(死刑制度を)廃止すれば良いのですよね。制度があることがいけないわけですから。

問)

フリーランスの今西と申します。

ちょっとサービサーについてお尋ねします。今、日本では、サービサーはかなりたくさん数が増えておりまして、地方経済が疲弊している一つの理由は、サービサーの回収の厳しさかなと思うのですが、その中で、中小・零細企業の方が、法的知識も含めてサービサーの取立てになかなか追いつかないところがありまして、そんな中で、民主党の一部の議員などからは、仲裁機関と申しますか、何かそういうものを設けてはどうか、というような意見も上がっておるようなのですけれども、その辺の大臣のご見解をお尋ねできればと思うのですが。

答)

おっしゃるように、大変過酷な追及の中で自殺者が出るというような状況があると思います。これは、「権利の行使だ」と言ったって、売買された「権利」の行使なのですけれども、権利の行使だからといって、そういうものがどんどんまかり通っていくということに対して、「これはもう法的にやむを得ない」ということだけで良いのかどうか。私は、この部分は自由に任せておかないで、国家としても大いに検討していく大きな分野だろうと思いますよ。

問)

通信文化新報の古田です。

先週金曜日、大臣は郵政改革法案について、「(4月)20日過ぎぐらいに提出になるのではないか」というお話だったのですが、自・公・みんなの党の3党が、「改革法案に一致して反対する」というようなことをもう言っていまして、会期が6月(まで)ですので、その辺の見通しがどんなものかというところを。

答)

これは、今までの国会での質問の中で、もう3党が反対されるということは私も強く感じておりましたから、そういうことはあり得るだろうと思いますけれども、我々は、もうどうしてもやらなければならない改革だと思っておりますから、もう来週の閣議、できれば火曜日ぐらいの閣議では決定して、国会に提出したいと。今度は、会期が限られていますから、そういう予定ということで出して、ぜひ成立させたいと。私は、成立すると確信しています。

問)

大多数の良識ある日本国民は成立を期待していると思いますので、一つよろしくお願いいたします。

答)

ただ、皆さんご承知のように、相変わらずマスコミが「けしからん、けしからん」と、未だもって未練がましく言っているのですよね。

問)

週刊朝日の川村です。

ゆうちょ(銀行)、かんぽ(生命保険)の資金の運用についてなのですけれども、先日も「良い財投」というような表現をなさっていて、テレビなどでのご発言を聞いていると、地域のためになると。イメージ的には、やはり「地方の公共事業へ」というようなご発言をされているわけですけれども、そういう公共事業をやる場合に、国の普通の事業であれば国会審議があり、地方自治体の事業であれば地方議会の審議があって決まっていくわけですが、ゆうちょ(銀行)の場合、そこにどうやって入っていくのかという過程がちょっと分からないということと、そういうふうになるのかどうかということも含めて、やはり「良い財投」というのは、今は、計画を立てて国会審議をやっているわけですけれども、そういうものが「より良い財投」なのではないかということになってきたと思うのです。まあ、今回、何百兆円を集めるか分かりませんけれども、ゆうちょ(銀行)の今後の資金運用については、運用先について、一々その審議を経ないわけですよね。こういうところを…。

答)

これは、私が日本郵政の手足を縛って、どういう運用をするかまで、具体的なことまでどうこうと言うわけにはいきませんけれども、郵政改革というのは、やはり地域、日本経済全体にとって…。今のゆうちょ(銀行)、日本郵政では、むしろ足手まといにもなっていますし、弊害を与えていますので。今度、地域にとっても、国家全体に対しても有用な存在になるように改革するわけですから。その運用についても、従来のように、簡単に「国債で運用するのが一番楽だ」ということで、それだけやっていってほかの運用を考えないみたいな…。はっきり言って、まだノウハウができていないのですね。だから、齋藤社長もその中で悩んでいるのですけれども、民間から(人材を)大量スカウトするわけにもいかないですし、その辺りをどう養成していくのかということを含めて、また、地域の金融機関とか、そういうところとの協調も考えながらやっていくということの中で、幅広い運用を考えていけば良いと思います。

そのことが「民業圧迫になる」というような批判もありますけれども、一方では、今の金融機関が、そうした資金の運用面、預かった預金の運用面で、必ずしも地域経済なり日本経済全体のために運用しているかというと、反省してもらわなければならない面が多々あると思いますよ。今の金融機関というのは、安易な運用ばかりして国債に行くとか、外国にどんどん流していくというようなことだけで、残念ながら、日本経済のために使っていくという視点が欠けてきていますよね。だから、そういう面では、この日本郵政が、ゆうちょ(銀行)、かんぽ(生命保険)の事業展開の中で、やはり、そういうこともやれるという…。そうすると、民間金融機関等が「民業圧迫だ」と言うのですよね。

相手方(ゆうちょ等)がちゃんとしたことをやることで「圧迫だ」と言うなら、自分たちもちゃんとしたことをやれば良い話であって。私がずっと、半年ばかり、郵貯問題なりモラトリアム法で聞いていると、金融機関は、自分たちが置かれている社会的使命、役割をちゃんと果たしているのかなという反省がなくて、「新しい競争相手みたいなものが強くなったら困る」と言う。残念ながら、マスコミもそれに乗ってしまって、私どもがやろうとしていることを金太郎飴みたいに批判してきているという面が強いと思います。だから、そういう意味でも、運用面について、一番頭の痛いところなのですけれども、そうした従来の安易な、かつては財投とか国債引受けとか、そういうことを続けていたわけですけれども。例えば、国債を買ったことによって、そのお金が社会的・国家的に有用に使われていくこともさりながら、国債というルートを通じないで、直接、産業資金に使われていくということだって良いわけです。別に、国債を通じなければならないことはないわけですから。

問)

そういう公共性のある事業に融資をかける場合、何らかの段階で議会の審議というのは必要なのではないかと思うのですけれども…。

答)

だから、そこらは、例えば、地方債等を引き受けていくというようなことも一つの方法ですし、自治体が、大事な、いろいろな事業をやっていくような場合に、その受皿の一つとして役割を果たすこともあるだろうし、あるいは、地方自治体がいろいろな事業をやる場合に財源がないわけですから、それに対して地方の金融機関がピシッと対応していっていない場合には、ゆうちょ(銀行)が、それを補完するという以上に積極的にバックアップしていくということもやっていけば良いと。それは、やり方だと思うのですけれども。これは、今後、日本郵政が考えていく大きな課題だと思いますね。

問)

世界日報の野村でございます。

マスコミさんと検察さんのいじめに遭いまして、内閣の支持率が危機ラインとされる30%寸前まで来ているというふうなことでございまして、「普天間問題も失敗すれば、内閣は総辞職すべきである」という議論がマスコミから出ているのですけれども、この辺りを大臣はどのようにお考えになられていますか。

答)

それは、私も30年国会議員をやっていて、その前も一国民という立場で見ていると、本来の政策外のところでこんなに激しく、「政治とカネ」とか…。(もちろん、)これも政治と関係ありますよ。(関係は)ありますけれども、政策外のところでの批判とか…。

普天間なんかにしても、まだ結論が出ているわけではないでしょう。「5月末までに(結論を)出す」と言っているわけですから。結論が出ていないのに、それを「出せるだろう、出せるだろう」などと。それは、結論が出るまでは、いろいろ紆余曲折があるのは当たり前の話でしょう。「それまでの間を透明化しろ」と言ったって、交渉事が全部透明化できるわけがありません。そういう交渉事というのは、外から見ていると迷走みたいに見える場合が多いのですよ。その状況を、「迷走している。けしからん」といって報道しまくったら、国民から見たら「この内閣は何をしているのだ」となってしまうでしょう。

だから、そういう意味では、私はこんなに悪口を…。はっきり言って、悪口ですよ。このマスコミというのは、批判ではなくて悪口ですよ。本当にそうですよ。まともな批判ではなくて悪口ですよ。ここまで感情的にくどくど悪口を言われれば、(支持率が)下がるのは当たり前です。まだ、今の程度で持っているのがおかしいぐらいですよ、本当に。だから、あまりそういうことではなくて、もう鳩山政権は、国家・国民のためにバシッと政策を断行していくということに限ると思いますよ。

問)

フリーランスの岩上です。

今の検察とマスコミの偏向、偏向捜査と偏向報道に関連してですけれども、去年、西松事件がありました。これは、迂回献金問題ですけれども、ちょうど、今週の週刊朝日が取り上げておりますが、「たちあがれ日本」のトップに立たれた与謝野(馨 衆議院議員)さんも、オリエント貿易から1億円の迂回献金疑惑があります。これは、駿山会という政治資金団体に対して迂回献金が行われたと。ところが、これについて検察は、西松建設に対してはあれだけの捜査を行い、小沢(民主党幹事長)さん絡みだと執拗な捜査が行われましたけれども、与謝野さんに対しては全く捜査が行われていないと。同じ捜査機関の出身として、警察のキャリアであった亀井先生からご覧になって、これはデュー・プロセスが守られているのか、捜査の公正性は守られているのかという点が非常に疑わしいのと、これをめぐってのマスコミの報道のあり方、我々はマスコミではありませんけれども、この1年、我々から見ても、記者クラブメディアのあり方というのは非常に歪んでいると思います。この点について、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

答)

もう、残念ながら、常にスケープゴートを作るのではないですか。そうしたスケープゴートだけをつまみ食いして、徹底的にやってしまうと。それは、ある面では特捜だって万能ではないですから、この世にある違反事件を全部検挙できるわけではないですよ。そういう意味で、「それをやれ」と言っても無理な話ですけれども、やはりそういう場合、その辺りをちゃんと見る目が国民にないといけないと思います。交通違反だってそうでしょう。岩上さんだって、しょっちゅう(交通違反を)やったって、しょっちゅう捕まるわけでないでしょう(笑)。

問)

いや、私は、免許取消しになって、今、乗っていないものですから…(笑)。

答)

そうですか。それだったら(交通違反を)やる心配はないですね(笑)。だから、そういう交通違反の取締りと同じだとは言わないですけれども、罪を犯している人が、全部処罰を受けているとは限らないわけです。私は、そういう罪を犯して良いと言っているのではないですよ。だから、やはりそこらは国民全体が政治家を…。スケープゴートみたいな形でやられている政治家だけ「悪いやっちゃ、悪いやっちゃ」ということではなくて、やはり、全体を冷静に見る目が必要だと思いますよ。残念ながら、(そういう目は)ないですね。私なども、「悪いやっちゃ、悪いやっちゃ」ばかり言われていますけれども。悪いことをしていないのに「悪いやっちゃ」と言われ(続け)ていると、国民から見たら「悪いやっちゃ」ということになってしまいますから。今のマスコミというのは…。やはり、一つには、マスコミ報道ですよ。

(以上)

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