亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)

(平成22年5月11日(火)9時45分~10時01分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日の閣議では、例の保険業法の一部改正(「保険業法等の一部を改正する法律」の一部を改正する法律案)を閣議決定しました。これも、小泉政治、自公政治の弱肉強食というか、弱い者を切って捨てる政治を直すということの一環でやるわけでして、零細な共済事業がちゃんと事業継続できるということをやるわけですから。今国会でもちろん成立させます。

【質疑応答】

問)

保険毎日新聞の園田です。

今日、閣議決定された共済の法案で、各行政庁の監督部門の裁量に委ねられる部分が多いように思えるのですけれども、金融庁として総括して監督というか、見ていくための仕組みというのは、そのガイドラインだけという感じでいらっしゃいますか。

答)

これは、彼(大塚副大臣)も苦労してくれて、本当に、緊急に「やれ」と言ったものだから。事務局としては1年ぐらい…。物凄い数なのです。いろいろな団体があるでしょう。それがいろいろなことをやっているわけですから。オレンジ共済みたいなことがあっては困りますし。だから、そういう意味で、実態をちゃんと踏まえて事業継続を可能にするあれ(規制・監督のしばり)というのはどこまでか、と言ったらおかしいですけれども、どの程度の態勢をとってもらえば保険(契約)者にとっても、被害が及ぶ可能性、万一の場合が起きないようなことができるのか、というようなことを含めて…。各省庁にまたがってやっているでしょう。法人格も取っていくわけですけれども、その各省庁でまたがっていることを金融庁がこんなわずかな職員で…。優秀ですけれどもね。やはり、全部直接というわけにはいかないので、第一義的にはそういうところに責任を持ってやってもらうということが、一番現実的だと思います。

副大臣)

(ご質問の)問題意識は的確でいらっしゃるので。だから、ガイドラインをしっかり作ることで、過度な裁量にならないように、ある程度の平仄(ひょうそく)は念頭に置いているので、そういう方向でいきます。

答)

また、団体で、そういう点で困ったということがあればこっちへ言ってくれれば良いのですよ。またそこらはちゃんとやりますから。

副大臣)

保険毎日新聞さん、読んでいますから。書いてください(笑)。

答)

あなた(大塚副大臣)、読んでいるのですか。

副大臣)

はい。届けてくれていますから。大臣には届けなくても…。

答)

いえ。私は本を読まないですから(笑)。

問)

フリーランスの高橋清隆と申します。

この共済の関係も、(米国の)年次改革要望書に明記されていたものですけれども、アメリカからの年次改革要望書は、2008年10月以降、アメリカ大使館のホームページからは掲載がないのですけれども、特に、鳩山政権になってからそのような文書のやりとりというのは水面下でも行われていないのでしょうか。

答)

私のところには来ていないです。あなた(大塚副大臣)のところには来ていますか。

副大臣)

いえ。来ていないです。

答)

恐れおののいているのでしょう、こっちはまた言えないといって(笑)。

問)

出されていないというご認識ですか、鳩山政権になって以降は。

答)

来ていないのでしょうね。

副大臣)

いえ。ちょっと確認してみないと分からないですね。ホームページに載っていないのですか。

問)

載っていません。2008年10月版で止まっています。

答)

とにかく、今度の郵政改革では音を上げてしまった、本当に音を上げてしまったのです。私のところへは、「CIAが暗殺しないと言うことを聞かない」と前もって言ってあるから来ないのですけれども、全部ここ(大塚副大臣のところです)よ。大使館ぐるみで。外務省でしょう…。

問)

押し寄せたのですか。

答)

外務省は、条約局長まで押しかけて来ているのですよ。経済局長から…。来て言っている内容は、アメリカの言うとおりのことです。今の外務省は国務省分局です(笑)。これは、ちゃんと報道してくださいよ、こういうのを。今の外務省は、残念ながら、国賊と言われても良いですよね。我が国の利益ということを考えない。向こうの言っていることをそのままグングン「大変なことになります、大変なことになります」と。私も今まで、自民党時代にもいろいろ経験しましたけれども、凄まじい。もう、さすがの、親米中の親米の大塚副大臣まで「ひどい」と音を上げましたけれども、そうですよ。それは、外務省がやることがひどいということです。(米国)大使館が言うのは、それは自国の利益のためにあるのだから当たり前ですけれども、(日本の)外務省がそれをそのまま受け売りして「大変なことになる」と言う…。郵政改革についてまで、閣議決定の日まで出てきたのですよ、最終場面で。一つは、もう物凄い根回しをされてしまったのです。いろいろな各省庁に対して。大変なことなのです。あなた方、それを分からないで…。分からないことはないのでしょうけれども、そういう物凄いアメリカの、一つのエゴですよ。特に、保険部分を含めてね。その中で、この郵政改革を阻止しようとしていることについては目を瞑って、尻馬に乗って、日本のマスコミは全部そうでしょう。この郵政改革というのを叩きまくっているのですよ、これは。本当におかしくなっていますよね。

問)

フリーの岩上です。

今されたお話は大変重要だと思いますので、もう少し詳しくお聞きしたいのですけれども、アメリカの圧力というものは、現実には、郵政改革、あるいは金融庁の行政に対してどのようにかかってきたのでしょうか。

答)

だから、今、言ったとおり、郵政改革については、激しい形で来ましたよ。とにかく、閣議決定の日まで来たのですから。異常ですよ。

問)

彼らの要求はどういうものなのでしょうか。

答)

だから、民業圧迫と称して。日本郵政の手足を縛れということですよ、簡単に言いますと。限度額の問題を含めて、新しい事業展開についても手足を縛って、今のアメリカの権益を失われないようにしようということでしょう、結局。

だから、こちらはちゃんと、そこらはアメリカ向けということではなくて世界向けに、また、日本の国内向けに間違った民業圧迫が起きてはいけないということで、ちゃんと国民の目で、国民の目線でそういうことをやるということで、第三者委員会を作ろうとまでしてしまっているのですよ。そこまで丁寧に手続をやっているわけです、これは。日本郵政が、自己の、自分の社の利益を追求するために何でもかんでも勝手にやるということではなくて、国民の目線で第三者委員会が…。(委員の数は)約10人程度を考えていますけれども、結局、そこのチェックを受けて、金融関係、新規事業についてはやっていくことにしているのです。こちらはそこまで丁寧にやっているのに、もう、さすがに紳士の大塚副大臣も怒ってしまったと。

問)

世界日報の野村でございます。

昨日、欧州のほうで金融危機の対策が出ましたけれども、国債の買切りとかということで、下手をすれば悪性の財政インフレが出てくるようなおそれもなきにしもあらずというような感じでありますけれども、非常に、欧州あるいはアメリカも、どうも様子がおかしく思われるのですけれども、そういうことであればあるほど、やはり、日本はこれまでの外需に頼ってきた経済政策を改めて、抜本的に、内需主導とアジアと協同して経済を立て直すような、そういう大胆な経済政策に本格的にもう取り組むべきときに来たのではないかと思うのですけれども。

答)

私は、基本的にはおっしゃるとおりだと思います。金融バブル的なもので果実を得ていこうという、ある面では、汗をかかないで利益を得るということに魅力を感じがちなのですけれども、うまくいっているときは良いわけですけれども、(うまく)いかなくなったら大変な事態が起きますね。アメリカがそうでしょう。日本だって過去に経験しているでしょう。日本の金融機関、銀行が、借りたくない人にまで「お金を借りろ、担保などどうでもよい」といってお金を貸しまくってマンションを建てたりあれして。どんどん儲かりもしないような仕事をさせておいて、お金を貸して、それであれするという。もう、お金のための経済みたいになってしまったわけでしょう、日本だって。バブル時期というのは。実体経済から自由になってしまったわけです、あのときは。それがはじけてしまって、実体経済までおかしくして、それを、今、ずっと引きずっているわけでしょう。

だから、そういう意味では、おっしゃるようにヨーロッパにしても、やはり、ただギリシャの国債についてそういう支援をして、梃子入れしていくことは大事ですけれども、要は、それによってギリシャ経済の実体経済がきちんと立ち直っていくということがなければ、借銭をとにかく面倒見るというだけではどうにもならないのです。だから、やはり、そういうことをギリシャ自身が努力していき、ヨーロッパ自体がそういったことをある意味で助けていくということなのでしょうね。金銭的な支援というだけではなくて、あなたがおっしゃるように、経済自体も活性化していくということをやっていくということでしょう。大丈夫ですね。日本もそうでした。

だから、今、日本で怖いのは、もう馬鹿なエコノミストが…。私は、本を読まないですけれども、新聞の中に載っている広告だけは見ますから。もう載っているのを見ると、ギリシャのあれで「二の舞になっては大変だ、大変だ」と。この頃だって出ているでしょう。今日の新聞にも…。もっと、こんな大きい広告が出ているのですよね。

だけど、そういう一つの風潮が生まれたら、これは大変な話になります。ギリシャと日本は基本的に違うのですから。それを、「ギリシャが大変だから、また財政規律だ」と言って。おそらく、財務省辺りはそういうのをニコニコして見て、「ああ、ギリシャが大変だとみんな大騒ぎしているのは、これは良いこっちゃ。緊縮財政をやれる環境ができた」などと言って。あいつらは(そう)思っているに決まっているのです。だから、それは間違いです。

問)

フリーランスの上出と申します。

アメリカのいろいろな圧力というのは個別に出ているとは思うのですが、全体として、今度の普天間もそうだと思うのですが、そのポイント、一番感じておられる、いろいろなところによって差があると思うのですけれども、全体としてそうなのか。

答)

結局、アメリカが悪いのではないのです。日本が悪いのです。我々自身が悪いのです。相変わらず占領ボケしているからです。

普天間の問題だってそうでしょう。口を開けば「抑止力」と言うでしょう。「海兵隊が抑止力になっているから、海兵隊が活動しやすい状況にしておかないと日本には抑止力がなくなる」みたいなことを言っているでしょう。本当ですか。そんなことあるはずがないではないですか。海兵隊も抑止力の一部になっていることは事実ですよ。だからといって、「抑止力」とは国を守るという気概ですよ、国民の。これが抑止力の基本なのです。それに従って自衛隊が、装備が駄目だ、練度が駄目だ、態勢が駄目だということを専守防衛の中で、もちろん国民負担の問題もありますけれども、そういうことを考えながらちゃんと整備することが抑止力なのです、これは。ミサイル攻撃に対してMD防衛を…。大したお金はかかりません、こんなもの。そういうことをちゃんとやる。そこを置いておいて、全部、「アメリカの海兵隊だ」、「在日米軍だ」というふうに…。今の日本は狂っているのです。日本人というのは、本当にそこらがね…。

残念ながら、それを見てみると、大学を出て何か講師をして、教授までしているような…。何の勉強をしているのかと思うのですよね。そういう連中がそんなことばかり言っているのです。それが、安全保障の専門家みたいな面をして。間違っていますよ、これは。

だから、皆さん方、ぜひ、日刊紙は駄目ですからあなた方が…(笑)。本当ですよ。だから、今日も(記者クラブの会見を)簡単に切り上げてきましたよ、もう(笑)。言ったってしょうがないですから。だから、ある面では、あなた方は自由な立場なのですから、ぜひそこらを含めて…。やはり、日本人の魂を奮い起こすということをやるのが抑止力なのです。スイスだってそうでしょう。これはよく言われることですけれどもね。

そういうことを抜きにして、何か「海兵隊、海兵隊」と、それも大事ですけれども…。だって、海兵隊は大事だと思うから…。田村玲子(さん)っているでしょう、(元)産経新聞の人で。あの人は、東大時代は校内を5~6人の男子学生を引き連れてのし歩いた女親分だったのですよ(笑)。私は子分にならないですよ。私はもっと美人の…(笑)。

それが、だいぶ、もう20年以上前くらいになりますかね。沖縄の海兵隊員が、給料が安いから富士山も見ないで、日本の国内も見ないで、皇居も見ないで本国に帰ってしまうと。ぜひ日本の国内を見せて帰らせたいということを思いついたのですよ、彼女が。あの人、良いことも考えるのですよ。それで、私のところに「お金が要るからちょっと出してくれ」と来たのです。私も、まあ親しいから「分かった」と、わずかですけれどもね。それから彼女は始めて、ずっと続けていますよ。その後、安倍(晋三)婦人だとか、いろいろな方がずっと応援して、毎年。だから、今も海兵隊員が来て、私は合気道をやっていましたから、合気道の訓練までやってあれしたりして。あるいは、京都に行ったりして…。全部ではないですよ、お金はわずかしかないですからね。それをやって海兵隊員をアメリカに帰すというようなことを、あの田村さんはやっているのです。だから、私は、海兵隊員などを「粗末にしろ」と言っているのではありません。だから、私はお金も出してやったのです。

だけど、それだけに頼って「日本を守りましょう」などというのはおかしいですよ、これは。だけど、今はマスコミ陣もそうなってしまっていますね。

(以上)

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