亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年5月14日(金)8時39分~9時02分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

特別に、皆さん方にご報告するようなことはありませんから、皆さん方のほうからどうぞ。

【質疑応答】

問)

まず普天間でお伺いします。昨日、総理が、「6月以降も必要があれば努力する」と、初めて「6月」という言葉について言及したのですが、それについて大臣の受止めをお願いします。

答)

総理は、できるだけ早く決着したいということで、一生懸命、全力を上げて頑張っておられるわけですから、皆さん方もああだこうだ言わないでバックアップしてあげてくださいよ。国益にも関係することですからね。

問)

みずほフィナンシャルグループの3人の会長が退任という一部報道があったのですけれども、それについての大臣の受止めをお願いします。

答)

個々の金融機関の人事について、私がどうだこうだとコメントする、こういうケースでは、(そういう)立場ではありませんので。それぞれの金融機関、何度も言うように、社会的責任をしっかり踏まえて経営して、頑張ってもらいたいと思っています。

問)

来週18日に、国民投票法の関係の施行が始まるのですけれども、まだ、今、新政権になって憲法論議というのがあまり高まっていないような感じもするのですけれども、今後の憲法のあり方や憲法論議について(亀井)代表はどういうふうに現時点でお考えでしょうか。

答)

国家の基本法についてどうするか、ということは、常に国民の問題意識になければならない基本的な問題ですから、国会も、こういう問題について、その時々のことだけにかまけないで、基本的な問題にきちんと対応していくということが必要でしょうね。

問)

普天間の問題についてなのですけれども、昨日、国民新党の自見幹事長が、社民党の重野幹事長と一緒に「5月末決着を先送りするべきだ」と。一方で、総理は「6月」とは言いながらも、「5月末は何らかの決着はする」とおっしゃっていると。国民新党の下地国対委員長は、「5月末に決着しなければ辞任する」とおっしゃっているのですけれども、5月末を先送りするというのは、党としての意思だと考えてよろしいのでしょうか。

答)

それは、総理は、やはり「5月末には決着したい」という強い意欲を持って努力しておられるということは変わりないのでしょう、今でもね。だけれども、何度も言うように、地元がきちんと了解されるかという問題があるでしょう。また、アメリカがそれに応じるかという問題もあります。そう簡単に、政府自体の努力・対応だけでスパッと決着できるようなものではないと。

だから、そういう意味では、自見(国民新党)幹事長や重野(社民党幹事長)さんが「そういう努力を今後とも真摯に続けてください」という意味で言ったのだと思いますよ。私も、基本政策(閣僚)委員会を、今、開いても、地元も別に、「政府が、今、努力している線で決着して結構だ」という状況でもないわけですから、「今、開かなくて良いのではないか」と言っておりますので。

だから、事実上、そういう意味で、皆さん方が言っているように、「5月末」と言っているように総理も目指したわけですけれども、いろいろな状況でそれが可能かな、ということについて、必ずしも可能だという状況ではありません。(だから)といって、努力を止めるわけにはいかないでしょう。13年かかったことでしょう。それは、どんなに全身全霊努力しても、きちんと、直ちに決着するような話ではありません、もともとね。総理の意気込みとしてそういうことをおっしゃったわけですから。下地(国民新党国会対策委員長)も、沖縄選出の議員という立場で、強い姿勢で、国民新党案を作ることについても、彼が中心的な役割を果たしながらこの問題の決着に全力で努力しているわけですから、辞職する、しない、という次元の話ではありません、これは。誰が考えたって、下地(国民新党国会対策委員長)君一人でどうこうできることではないでしょう。彼自身が「右にする」と言ったら右になり、「左にする」と言うと左になるという事案で、それがうまくいかないということで責任をとるというのなら話は分かるのですけれども、本人自身がもともと一人で決着できる話ではありませんから。彼(下地 国民新党国会対策委員長)は、今後とも全力を上げて議員として頑張っていくと思いますよ。

問)

貸金業法の話なのですけれども、来月の18日の完全施行まであと1か月というところで、今、激変緩和措置の内閣府令案がパブリックコメントにかかっているところだと思うのですが、やはり、与党の中にもまだ「この対策で本当に十分なのか」という声もあったりするのですけれども、今後、完全施行までに、まだ更に修正する余地というのは大臣としておありだとお考えでしょうか。

答)

法律にしても、政令にしても、しょっちゅうコロコロ、グルグルグルグル変えていたら法的安定性が損なわれますから、それは国民が困るわけです。だから、一応、各界各層の意見を聞いて、政府与党、あるいは国会審議等を通じて野党の意見も十分聞いた上で、そうした運用面についての方針を出したわけですから、またそれをすぐこういう意見があったから直ちに変えるというものではないですね。ただ、将来的には、この検討の過程の中ではいろいろな問題がありますね。本当に大変な問題がある分野ですから。特に、そうした借手の立場に立ってのそういうニーズを政府として、また金融界としてどう対応するのか、という大きな課題がありますよね。これは、このことで解決したわけではありませんので、そういうことについてはしっかりと取り組んでいく必要があると思います。

問)

今日、企業の決算の集中日を迎えますけれども、銀行の決算も、今日、結構集中しますが、大臣はどう見ていらっしゃいますか。

答)

一部を除いては業績の回復が相当いくと思われているというふうに判断しています。ただ、繰越損ということでのあれがありますから、税金をすぐにどんどん払えるというような状況にまではいかないわけですから、金融界としても、私は、今後とも社会的責任を果たしながら頑張ってもらいたいと思いますし、一般企業も、そういう意味で、まだデフレスパイラルから脱している状況でもないですし、経済が力強く成長を始めたという状況でもありませんから、そうした中での企業努力というのは大変な努力が要ると思いますけれども、ぜひ一つ民間自身の力も発揮して頑張ってもらいたいと思います。

問)

突飛な質問ですけれども、参院選までに国民新党と民主党が合併する可能性は0%と見ていいですか。

答)

あなたの社は、そんなこと(記事を)書いているのですか。

問)

書いていないです。念のため…。

答)

考えてもいないことを聞いたってしょうがないですよね。

問)

民主党のマニフェストで消費税の増税に触れているようなのですが、消費税のあり方と、このタイミングでそういうことを打ち出すことについてご所見をお願いします。

答)

連立を組んでいる友党が、そうした税制、経済政策についてどういう方針を出していくのか、ということは、極めて関心が我々ありますけれども、正しい、きちんとした方針を出してもらいたいと思っておりますけれども、とにかく、消費税を含めて、税制をいじることだけで経済が活性化していくのか、という基本的なことをきちんと見つめながら、「財源が足りないからすぐ税制を」ということをマスコミの皆さん方もエコノミストもすぐ飛びついていますけれども、私が言ったら、「江戸時代みたいなことを言う」と言うのですけれども、同じなのですよ、江戸時代だろうが、太古の昔だろうが、今だろうが。井戸水が枯れてきていて、いくら釣瓶を何本も降ろしたところで、それで水が汲み上げられるはずはないのです。やはり、井戸水を豊かにするということをやることを真剣に考えていくと。

それに役立つ税制というのは、当然、考えて良いわけですけれども、消費税というのは逆進性が非常に強いあれですから。いわゆる、今やっている消費税をそのまま上げることが、井戸水を汲み上げることができるのか、余計枯らしてしまうことになるのか、その辺りの判断をきちんとやっていく必要があると。「財源がなければすぐ増税だ」みたいな議論はおかしいと。

ただ、菅(財務大臣)さんが言っているのは、「増税が、税金の後の使い方によっては、これが経済の活性化、井戸水を増やすことに役立つ場合があるのだ」という考え方は、すべて間違っているとは思いません。だけれども、基本的なそういうことをちゃんと考えないで、「消費税だけを」とか、あるいは他の税を上げるということは、やはり、極めて安易な考え方につながっていくと。

問)

先ほどの貸金の話なのですけれども、「コロコロと法律を変えるのは国民生活によろしくない」というご見解だと思うのですけれども、完全施行の結果、例えば、借手の立場から何らかの不都合といいますか、経済的にも影響が出るというようなことがあると判断された場合には、改めて、法改正等を検討するということはあり得るのでしょうか。その際には、どれぐらいの期間をめどにそういうことを考えられるのでしょうか。

答)

これは、ご承知のように、3党一致(全会一致)で作った法律で、まだ施行していないのですよね。しかし、この法律をそのまま施行した場合には、やはり問題が生ずる可能性があるということで、運用面についての法律を変えないという一つの枠の中で検討したわけですから、それに基づいて施行をしていくということは当面の課題だと思いますよ。

それは、いろいろな法律について言えることなので。黙って座ればピタリと当たって、あらゆる問題がうまくいくということはあり得ない話なので。(だから)といって、未来を予測してどうこうしますなんていうことを言ってしまったら、この法的な安定性みたいなものを損ないますから。法律の施行上、非常に支障も出てくるわけですからね。やはり、これは運用上についてそうした配慮をするわけですから。ただ、それについても、具体的な実施状況等というのをよく注意して見て行かなければいけないと思いますよ。政令を決めたのですから、それで全部終わりというわけにはいきません。実態がどうなっているか、その辺りは、本当に金融庁は注視しながらいかなければならないと思っています。

問)

民主党の小沢幹事長が、自らの「政治とカネ」の問題について、政倫審(衆・政治倫理審査会)でご説明されるということなのですけれども、この姿勢についてどう評価されますでしょうか。野党は、証人喚問だとか参考人招致ということも求めているようですが…。

答)

それは、今までの自分(小沢民主党幹事長)の記者会見とか、いろいろな立場での説明では国民の方が十分理解してくれていない、というように判断をされておられれば、また、国会の場でそういうことを聞きたいという意思が強いということであれば、政倫審におけるああいう形で「自分なりの説明を全力でやりたい」ということは良いことではないですか。説明責任を果たそうという一環でおやりになることは。

問)

銀行の決算が出る中で、先般も質問に出たと思うのですが、新生銀行が想定以上の赤字、さらに公的資金注入行としては2期連続の赤字、そして、先般言われていたあおぞら銀行と(の経営統合の話)も、相当、破談に追い込まれるような状況になっているということで、改めて、監督官庁の大臣として、この現況についてどうご覧になっていらっしゃいますでしょうか。

答)

あなたは厳しいことを聞きますけれども、実は、私も昨日事務方から状況を聞いて、「金融庁は何をしてきたのだ」と言って、ちょっと雷を落としたところなのです。

そうした資金を注入しておいて、そうした立場からでも十分金融庁としては監督・指導ができるわけですし、あなたたちも一生懸命やってきたのだろうけれども、役員報酬一つ見たって、外資系の人たちの役員報酬というのは日本の目から見れば、日本人の経営者の報酬という面から見ればべらぼうな報酬を受けておられるわけでしょう。しかも、2期にわたってああいう赤字が出たにもかかわらず、現時点においてもそういう状況があると。そういうことについても、「金融庁が黙って見ておったのか」と言って、実は、昨日、雷を落としたところなのですけれども、「今後、金融庁としてきちんと責任を果たしていきます」という話ですから「ちゃんとやれ」ということを言っておきました。

あなたのご指摘のとおりで、金融庁としても、2期連続ああいう膨大な赤字を出しているということについて、やはり「何をやったか」ということは当然問われるわけでして、そういう意味では責任があると思います。

問)

そういう意味では、今後、決算を踏まえて、業務改善命令を含めた行政的な部分での対応というのも、当然しかるべきと。

答)

もちろんです。だから、ここは外資が入っていますから、やはり外資の発言権とか、ある面で相当強かったという実態もあるみたいですしね。役員構成を見てもね。だけど、外資が30%ぐらいでしょう。それに対して25%ぐらいですか、政府は。だから、ほとんど変わらないのですよね。(そう)であれば、政府としてもっと強い監督・指導というのを…。やはり、国民の税金を注ぎ込んでいるわけですから、当然、やっていくべきであったと思いますし、今後とも、自主性をもちろん尊重しながら強い指導をしていくべきだと思います。べらぼうな報酬を取っていますね、外資の人は。1億5,000万(円)ぐらいなのですかね。そのぐらい取っていますね。社長は、ある面では抑えていたのですけれども、外資から来ているそれ(人)は、1億円とか1億5,000万(円)とか、そういうのをズラーッと取っているわけでしょう。「いくら株主が30%そうだからといって、そういうことを放置していて監督・指導もあったものではない」と私は言ったのですけれども。まあ、そういうことですね。

問)

先のイギリスの総選挙で、戦後初の連立政権が発足するという、ある意味、歴史的な選挙となりましたが、イギリスでの連立政権発足について一言受止めをお願いします。

答)

それはやはり、一つは民意でしょう。ある意味では民意でしょう。日本も、今はもう連立時代に入っていますよね、ずっと、大体。自民党の単独政権時代というのはうんと昔の話ですね、日本の場合も。やはり、一つの党の政策を金太郎飴のようにきちんと硬直的に実施していくよりも、むしろもっと幅広い目で国の政策がやられていくという形で、連立というのは、私は、それなりの意義があると。私も、かつての自社さ政権、それから自自公(政権)と連立政権を経験してきて、また、今もこういうあれですけれども、今後、イギリスと日本は制度が違いますから、どう運用をうまくしていけるのかどうか分かりませんけれどもね。

(以上)

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