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亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年5月21日(金)8時33分~8時48分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

私のほうから特別に報告することはございません。

【質疑応答】

問)

郵政についてなのですが、昨日の夕方、全銀協、地銀協等々、各金融の業界団体のトップが一堂に会しまして、郵政の改革法案に対しての懸念を改めて表明されました。ああいう業界トップの方が集まって反対されるのは異例のことではあると思うのですが、大臣はこれをどう受け止められていましたでしょうか。

答)

まだ、何か中身をよく聞いていないですけれども、利害関係者の一部のお話として承っておきます。それはそれとして、社会的責任をきちんと自覚した経営をきちんとやっていただきたいと、このようにお願いします。金融庁としては、個々に、そういう立場から監督・指導をしてまいります。

問)

ドイツが、国債とCDS、デリバティブ等の空売り規制を打ち出しているのですけれども、これに対する受止めと日本政府としての考え方を教えてください。

答)

ドイツ、ヨーロッパでの特別な状況がありますからね、日本と違った。日本の場合は、極めて安定的に国債市場も推移していますから。そういう意味では、特別に、我が国としてそうした問題についてどうこうするという考え方はございません。我々としては、我が国の国債の運用等について、特に混乱が起きているとは思いませんし。

問)

関連なのですけれども、ドイツの規制もそうなのですが、アメリカで金融規制法案の検討が進んでいたりと、金融市場の混乱もありまして、いろいろな金融規制強化の動きがまた世界的に強まる傾向があると思うのですが、日本としての考え方はどういうところにあるでしょうか。

答)

これは、前から申し上げているように、まず、この金融界自体が社会的な責任をきちんと自覚して経営してもらい、かつ、事業展開をしてもらいたいと。これをきちんとわきまえていただきたい。昨日みたいに、みんなで集まってギャーギャー言うのも良いかもしれないですけれども、そういうことをしっかりとやっていただくと。金融庁はきちんと、そうした金融界については、常に、細心の注意も払いながら注視しておりますので、アメリカやヨーロッパがやっているようなことをすぐにどうこうというようなことはありません。

問)

今の関係の影響で、日本株もそうですし、今日も、ニューヨークで今年最大の下げ幅を記録して、あと、為替のほうもかなり影響を受けています。それに伴う日本への影響はどういうふうに考えていらっしゃるのですか。

答)

だからこれは、確かに影響がないわけではありません。現に起きているわけですからね。そういう国際的ないろいろな変動というのが日本にいろいろな形で及んでくるわけですから。それに対して、我々としては、そのマイナスの影響が及ばないような対応を常にしていかなければなりません。さっき言ったように、金融庁としては、細心の注意を払いながらそれを見ているわけですが、一つは、そういう株、為替のいろいろな動きがありますが、やはり、日本で一番大事なことは、その基本になる、基になる実体経済をどうしていくのか、ということが一番大事な話なので、それをちゃんとしていくことによって、そういう金融・為替等の大きな変動があっても、その影響が最小限に食い止められるという一つの大きな防波堤になると思いますので、そういうことが大事だろうと思っています。

問)

普天間基地の移設問題についてなのですけれども、大臣は、「まだ、与党合意をするような状況ではない」とおっしゃられてきましたが、社民党の方々の中から「日米合意より与党合意を先行させるべきだ」という意見が出ていて、重野(社民党)幹事長と自見(国民新党)幹事長は、今日、その旨の申入れも官邸に行うということですが、今、現時点での合意のあり方というのをどのようにするべきとお考えでしょうか。

答)

何で合意にするのか、まだ、私は日米間のそういう合意の着弾点も聞いておりませんから。日米合意ですから、双方がちゃんと合意しなければいけないわけで、私は、そのことを鳩山総理はよく分かっておられると思いますよ。とにかく、「ホワイトハウスと総理との間で、この沖縄の問題の基本的なことをきちんと合意していくべきだ」ということを、私は、前から総理に申し上げています。「単純な、純軍事技術的な観点から沖縄の問題を取り上げるべきではない」ということを申し上げているのですけれども、総理も「そうだ」ということを私には言っておられますから、そのようにきちんとおやりになるだろうと思っています。

問)

その質問に関連してなのですけれども、日米合意の前に与党間…。社民党は、「きちんと説明が欲しい」というようなことを改めて言っていると認識しているのですけれども、それについて、大臣は、日米合意のほうが先んじて行われるべきで、その後に、という…。

答)

これは、金融庁と郵政関係の会見なので、党の関係の会見のときに言ってくださいね。まあ、構わないですけれども、それは。

それは、私がどうこうと言うよりも、3党連立政権なのですから。政府が、そういう日米間で合意をやろうとする場合は、当然、連立を組んでいる党との間、社民党との間でも、それはいろいろな形で、水面下だろうと何だろうと話はされるのではないですか。しているのではないですか。あなたの社に一々報告しなくても、中身をね。そうだと思いますよ。それは連立政権ですから。

問)

新生銀行の件です。先週、大臣も経営のあり方について疑問を呈されていたと思いますが、結果的に、2期連続の巨額赤字ということで、業務改善命令の発出のタイミングについてはどのようにお考えでしょうか。

答)

だから、今、事務的にいろいろと検討していますが、この間もちょっと、私は、着任以来、初めて部下を叱ったのですけれども、監督・検査権限があるわけですから、「君たちは政府がお金を出しているわけで、国民の税金を使っているわけだから、その立場でもっと厳しくやっていかなければ駄目ではないか」と。一部の外人役員だけが膨大な報酬を得ているようなことを、「特別なノウハウがあったからだ」みたいなことを新生銀行側が説明しているからといったって、特別なノウハウをやってちゃんとやっているなら、何千億円ぐらいか、あんなべらぼうな赤字を2期連続ということはあり得ないわけでしょう。だから、「何を言っているんだ」とちょっと叱ったのですけれども、うち(金融庁)の事務局も一生懸命対応しているようですから、今後、ちゃんと指導していくでしょう。

問)

今日、WTO(世界貿易機関)で、今週も(会見の質問に)出ていたのですけれども、大使館級の協議で郵政の問題が取り上げられるようになっているのですが、大臣は外務省からそういう報告を受けているのか。そして、大臣のお考えを教えてください。

答)

私もまだ(聞いていない)ですね。大塚副大臣も聞いていないみたいですけれども、私は、当然、外務省は、我が国政府が閣議決定して法案を出しているわけですから、そうしたことについて、もし説明を求められれば、外務省として、これは仕事としてきちんと説明をして、理解を求める必要があれば求めていけば良いと思っております。それは外務省の仕事ですからね。

大体、あなたはそう思わないですか。GM(ゼネラルモーターズ)にアメリカ政府は膨大な税金を注ぎ込んで梃子入れしているでしょう。では、自動車業界は、他の民間の会社とイコール・フッティングなのですか。それは、状況によって、政府が民間企業にコミットしていく場合はあるのです。これは、ヨーロッパでもあることですし、アメリカでもあります。日本も、三菱(東京UFJ銀行)や三井住友(銀行)等の金融機関に対してはユニバーサルサービスの責任を負わせていないわけでしょう。そういう責任を負わせているところ(日本郵政)に対して、政府が3分の1強の資本を持つという形でコミットしていくということが、別に、民業圧迫だというようなことになるはずもないですし、民間は青天井なのですから、限度額にしても。そういう責務を負わせられる金融機関を1,000万円で手足を縛るのが合理的なのかどうか。これは、子供が考えても分かる話なのです、本来。それを、「一応、限度額2,000万円まで」という話の何が民業圧迫だというのか。それぞれの国には、やはりそれぞれの風土もあれば歴史もあるわけで、そういうことを前提にしてそれぞれの国は経済活動をやっているわけであって、金融においてもまた然りなので、金太郎飴みたいに世界が一つのあれでいけるはずがないのでね。

アメリカだってそうでしょう。金融規制だって何だって自分のところで勝手にやっているわけでしょう。グローバルスタンダードみたいなものを作ってやっているわけではないでしょう。それは、それぞれの国はそれぞれの国がきちんと対応していくべき責任が、独立国家である以上、それぞれあるのであって、そのことについて…。WTOなんて、法案もまだ成立していないのに、事業展開も何もしていないのに、「民業圧迫があるかもしらん」みたいな仮定の話で…。客観的に言って、がん保険を守るために一生懸命しゃかりきになっているとしか受け止めていませんよ、日本国民のほとんどだってね。だから、もうちょっと、その辺りはアメリカも自制したほうがアメリカのためでもあると思っています。うちは、ちゃんと丁寧に説明してきているわけですから。アメリカ大使館に対しても説明をきちんとしてきているわけですからね。こういう問題は、やはり冷静に対応していかないといけないと思います。

問)

これが国際問題になってしまったら…。大臣は、そんな懸念は持っていませんか。

答)

国際問題になりっこないでしょう。一々、それぞれの国の政府がその国の国民に対して、経済に対して、責任を負うという立場に立ってやっていることが、明白に各国の利益を損なっているという状況がある場合にそういう問題が起きてくるわけであって、今、全然、そんなものは起きていないでしょう、何も。この状態でそういうことを言い出すことが異常な対応だと思いますよ。あまり冷静な対応だと思いません、アメリカサイドの。これは日米関係にとっても幸せな話ではありません。そこらは、同盟国であるのであれば、その辺りはもうちょっと冷静に対応すべきであろうと思います。ちゃんとあなたも伝えておいてくださいよ。

(以上)

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