亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(雑誌・フリー等の記者)

(平成22年5月28日(金)10時27分~10時50分 場所:金融庁大臣室)

【大臣より発言】

今日の閣議では、北朝鮮への送金額の制限等についての処置が総理から発表になりました。

あとは、閣議での報告は、別に、皆さん方に報告するようなことはありません。どうぞ、皆さんから何か。

【質疑応答】

問)

東洋経済新報社の浪川です。

昨日、行政処分を発表した(日本)振興銀行に関する刑事告発というものについては、どうなのでしょうか。

答)

これは、今、うち(金融庁)の事務当局で、この実態がどうであったのかということについて、非常に詳細な検討をしています。非常に非協力(的)であったという全体の状況がある中でどういうことがあったのか、これはきちんと押さえた上で対応します。

問)

フィナンシャルジャパンの吉岡と申します。

今の、日本振興銀行の行政処分に関連してなのですけれども、行政処分を決定するに当たって、「(特定企業への)融資の実行に関して、取締役の過半数を自ら(日本振興銀行)の推薦する者とすることを条件にした」ということが、銀行法の「優越的地位の濫用」だ、というふうに金融庁としては指摘しているわけですけれども、こういう融資のスタイルで経営を健全化しているケースも結構あって、もともと亀井大臣は、金融担当大臣に就任して以降、「銀行というのは、中小企業、中小零細企業の経営コンサルタントたれ」ということをずっとおっしゃってきて、そういう考え方と、若干、矛盾するのかなという印象を持っているのですが…。

答)

いや、それは(矛盾)しないと思いますよ。それは、結局、中身の問題でね。非常に長期間かけて検査もして、いろいろな、それについてまた報告もとったりした中で、その個々の融資、やはり金融庁として「適切な融資マターではない」という判断をしたケースがいろいろあったと思いますよ。私も聞いていて、やはり、それはちょっとおかしいのではないかという、中小企業等だけではなくて、融資については相手方の立場に立ってやらなければいけないですけれども、しかし、それについてコンサルタント機能というのが、本当に借手の立場に立ってのことなのか、ただ相談に乗っているということだけの形をとっているのか。中身はいろいろ違うと思いますから一概には言えないだろうけれども、今度のケースの場合は「不適切だった」と判断していると思います。

「コンサルタント的機能を果たせ」というのは、私は、今も強く金融機関に求めているところであって、今の金融界ももっと考えなければいけないですよね。全国からトップが集まってギャーギャーギャーギャー騒いで、「競争相手が強くなった、ちょっと強くなりそうだ」というようなことで「けしからん、けしからん」と言って騒ぐ前に…。税金をほとんど納めていないでしょう、銀行は。大手で納めたのは一行だけではないですか。過去のそれを、ちゃんと税制上面倒を見るということは良いですけれども…。過去の損失も良いですけれども、そういう意味では、まだ自分たちが国に対して金融機関としてのちゃんとした税金も払っていないという、「責任を果たせる、自分たちはまだ(そういう)状況にはないのだな」ということも自覚して、いろいろな行動なり発言をされないと国民は納得しないですよね。あなたの言った(質問した)こととはちょっと外れたけれどもね。

問)

金融タイムスの大嶋と申します。

郵政の審議がすごく早いのですけれども、このペースだと貯金限度額の引上げというのはいつごろになりそうですか。

答)

これは、だから、法律が成立した後、適当な時期に政令でやります。「何日」と決めているわけではないですけれどもね。

問)

通信文化新報の古田です。

今日から、(衆・)総務委員会で郵政改革法案の審議が始まったのですね。それで、報道によりますと、今日中に採決して6月1日に本会議で衆院通過させるという話をテレビでしていたのですが、随分ハードだなとびっくりしたのですけれども…。

答)

審議は、もう徹底的に、かつ慎重にやっていくべきだと思いますよ。ただ、野党も真摯に審議しないと。審議拒否みたいなことが続いているわけでしょう。

問)

昨日もそうですね。

答)

ねえ。そういうことをやっていて、早く採決(する)というときに「けしからん」というのは、採決を引き延ばすというためだけのものであれば、私は、そういうものは正当だと思いませんよ。真摯に審議をするということをきちんとやった上で、それについてちゃんと協力した上で、審議時間が足りるとか足らないとかということを言うべきであって、もう最初から拒否して、審議に協力しないでおいてそういうことを言うのは本末転倒だと思いますし、マスコミもその辺りの実態を踏まえて、「一方的に審議を急いでいる」とか、「採決を急いでいる」という批判をするのは、やはりおかしいと思いますよ。

問)

週刊ダイヤモンドの鈴木です。

先ほどの振興銀行のお話に戻るのですけれども、4か月の業務停止処分ということで、亀井大臣は、振興銀行のお話を伺ったときに、新生銀行に続いてかなりお怒りになったというふうに伺っているのですけれども、この行政処分は十分だと、今、お思いですか。

答)

十分か十分ではないか、これはとり方によると思いますよ。今までのこういうケース、事案に照らして、事務局が「こういうのが適当だ」と。また、振興銀行が本当の意味でちゃんと再生していくと、ちゃんとした金融機関に将来なっていくというためにどうするのか、という視点からやっているわけですからね。軽いか重いかというのは、一概には言えないですね。

問)

フリーランスの上出です。

ちょっと金融ではないのですが、先ほど銀行の問題で国民が納得しないと。今、いよいよ普天間の問題が、報道的にはミスマッチの段階で、いろいろなやりとりもあったと。福島(社民党党首)さんなんかと(やりとりが)あったと聞いていますが、そのことではなくて、やはり、今になって言う質問かどうかは別として、亀井大臣の対米自立、これは、もう大変私も共感しております。その立場から、やはり国民が納得していない点、本当に勝負すべきなのは沖縄ではなくてアメリカだったはずです。

一番新しい琉球新報の社説なんかでも、「官僚の説明を首相が鵜呑みにして抑止力を持ち出すというのはいかがなものか」ということ、そして、「友愛の海を目指していた首相の信念はどこへ行ったのだ、軍事力を頼みに平和と繁栄を語れるなら軍部や軍人の発想と変わらない」というような(ことを)琉球新報は、最近、書いておりますけれども、岡田(外務)大臣の会見に出ていても、「交渉中」ということで何も言ってくれないと。もしかしたら、亀井大臣なら言ってくれると。本当に鳩山大臣は…。どういう形で、アメリカに何をぶつけて、どうなったのか。

答)

分かりました。ちょっと時間がないので、(質問を)途中で切ったみたいであれですけれども、総理ともこの間から時間もかけて私も話していますが、総理も、「『日米対等で従属的な立場をとらない』という前提に立って沖縄問題も解決する」という、これは骨ですよ、あの方のね。これは総理になる前からの姿勢ですから。これは、私は変わっているとは思いません。

ただ、今度のことも、ある意味では冷静に考えて、沖縄、また一方のアメリカはその基地を使用していくわけですから、それと連立を組んでいる国民新党、社民党の3つが、やはり了承しなければいけないことなのですね。しかも、その一番の前提は沖縄の方、これは日本国民ですよ。沖縄県外に基地を受け入れて負担を分担するというようなことを含めて、そこが了解しない限りは、アメリカとどういう合意文書を防衛省や外務省が取り交わして、向こうの事務レベルでどういうことを協議したからといって、両国のトップがそれについて、そういう状況で、事務レベルの合意状況を確認したからといっても決着しないのですよ。沖縄が「ノー」と言ったら駄目でしょう、当事者が「ノー」と言ったら。そういう意味で進行中なのですよ。

ただ、これは防衛省としても、外務省としても、また、アメリカ側にしても、この問題について、そういう事務レベルで努力をしていくということもまた当然の話であって、それを両党が妨害して「それは駄目だ」と、「そういうわけにはいかないよ」と。しかし、これは進行中の話であって、今後、県外、国外への基地の移転をやるということを前提にしているわけですからね。だから、それは国民新党としても社民党にしても、あの日米の事務レベルで合意していることとは、全然、逆なことを、今、努力しているのですから。「逆」というか、別なことを努力しているのですからね。それはそれとして、どんどん我々はやりますよ。社民党もやるでしょう。

今、進行中なのです。それを、政府が一方のアメリカとの間で、そういう、事務レベルで合意したからといって最終決着というのはあるはずがないのですよ。

問)

今、中間的な…。

答)

(最終決着が)あるはずがありませんよ。沖縄の人たちが同意しない限りやれっこない話でしょう。だからそういう意味では、「ing(進行形)」なのですよ、これはね。だから、「ing」を私が「駄目だ」と、政府としてそういう努力をすることまで私が「駄目だ」、というわけにはいかないということなのです。

(以上)

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