亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(平成22年6月4日(金)9時37分~9時54分 場所:金融庁会見室)
【大臣より発言】
今、(内閣)総辞職で、(閣議で)辞表を出してまいりました。
皆さん方に、短い期間ですけれども、大変、いろいろな形で、いじわるな質問もありましたけれども、いろいろな面で、また、ご指導もいただいてきまして、本当にありがとうございました。
私は、閣議後、総理に、「総理は3党連立協議に基づいて、誠心誠意、積極的にその政策を推し進められたということに対して感謝を申し上げ、また、大変、心から敬意を表します」ということを申し上げました。
そういうことでして、皆さん方ご承知のように、就任以来、私は怠け者で乱暴な男でありますから、それを大塚(副大臣)君や田村(大臣政務官)君が一生懸命支えてくれるというか、本当に一体となって頑張ってくれまして、市場原理至上主義、弱肉強食の社会を変えていく政治を私の立場でやっていくことに対して、2人とも、一生懸命、補佐してくれました。
また、役所の職員も、最初、戸惑ったと思いますね。それは、自公時代の、日本を日本ではなくしていく政策を役人としてやらされてきたわけでありますから。それを180度転換していくことに対して、皆さん方もほとんど…。ほとんどですよ。そうではない人もいましたけれども、ほとんど、そうした真の改革に対して逆風を吹きつけてきたわけでありますから、職員の方々も、そういう意味で、非常に苦労してきたと思いますが、みんなそれぞれ頑張ってくれて、徹夜までしてくれて、昨年末の、いわゆるモラトリアム法も成立させ、その後、全国の金融機関に対して、また、その融資を受けている人たちに対してもいろいろな形で、積極的にこの法案の趣旨を説明して、協力を求める努力をやってきてくれまして、そういう意味では、中小・零細企業や商店、農家、それからサラリーマンの資金繰りについては、だいぶやりやすくなる環境には相当なってきたと。
その間、金融機関も、従来のような姿勢で自分たちが商売をやるわけにはいかないと。時代が変わりつつある。世界も変わっていく。その中で、また日本の金融機関のあり方も、過去に対する反省を踏まえて変わらなければならないという意識も、相当、生まれてまいりました。まだ全部ではないですね。郵政の限度額をちょっと上げたということで、東京に集まって密室の中で気勢を上げてみたりしておられますけれどもね。しかし、私は、だいぶ金融界も、社会的責任を果たさないで自分たちが業務遂行していくわけにはいかない、また、それが当たり前だ、という空気が、おかげさまで、非常に広まってきたということは非常にありがたいと思います。
私のもう一つの担当の郵政改革については、まだ緒についたばかりでありまして、法案自体が、まだ、参議院に、今、上がっている状況でありますけれども、これは、ぜひ今国会において成立させていただいて、私もそのために全力を尽くします。もう大塚(副大臣)君も、本当に苦労に苦労をしてくれましたけれども、原口(総務)大臣と、この間も、本当にピタリと呼吸の合った形で、現状に対する認識、将来、郵政事業をどうするべきか、ということについての考え方が、非常に、原口(総務)大臣ともピタッと一致しているような中でこの作業をやったわけでありますから、そういう意味では、3党との間での意思疎通、法案へ向けての合意形成、しかし、彼(大塚副大臣)が本当に苦労してくれたわけですが、できる中で法案を国会に提出し、国会の審議に対応してきたわけでありますから、必ず今国会で成立して、来年10月には施行すると。そして、新しい日本郵政を、地域、国民、世界のために展開していくという努力を今後しなければなりません。私が大臣という所掌にはないわけでありますけれども、私どもとしては、3党連立を推進してきた立場から、今国会で成立していくということについて、私なりに、当然、国民新党の代表という立場もありますから、全力を挙げて取り組んでいくつもりであります。大塚副大臣は、また、大変ご苦労されると思いますが、そういう意味で、同じような、この国会における成立を目指して努力していただきたいと考えております。
そういうことで、先ほど言いましたように、日本を日本らしい国にして、かつ、元気な日本にしていくための努力が、今度は、総理が代わるという形の中で継続されていくわけですから、そういう意味では、一つの新しい状況に入りましたけれども、今日、11時から、民主党は新しい体制を作られるようでありますけれども、民主党の新しい理念とか政策も基本的にゴロッと変わるということはないと思いますので、国民新党としても、ぜひ、そういうことで民主党は頑張っていただきたいと。また、社民党も、連立をもう既に離れておりますけれども、そういう立場で新政権に対して対応されるような、新しい民主党の出発であってもらいたいと思っております。
以上、何か質問があったら。
【質疑応答】
- 問)
-
この政権なのですけれども、国民の大きな期待を集めて発足した政権でしたけれども、世論調査の数字を見る限りでは、かなり国民の支持が離れてしまったということが言えると思います。「期待を裏切られた」と思う国民もいると思いますけれども、何が原因だったとお感じになりますか。
- 答)
-
「期待が裏切られた」とあなたはおっしゃいますけれども、これは、歴代の総理を調べてみればお分かりのように、全部、やはり(支持率は)下がっていくのです。ただ、その下がり方が内閣によってだいぶ違うわけですけれども、なかなか政権の努力というのがすぐに評価されないと。努力した結果が直ちに実って、実感として国民の方々に感じてもらえるという状況にはすぐにはなりませんよね。これは、黙って座ればピタリと当たるような、直ちに、即効性のあるような政治をやれるわけではないでしょう。特に、前政権が日本を滅茶苦茶にしてしまったのですから。そういうどん底から日本をちゃんと立て直していくということについては、私がいつも言うように、なかなかそう簡単にはいきません。その努力を鳩山総理は必死にやってこられましたけれども、そのことが国民になかなか理解されなかった、ということは事実だろうと思いますね。そのことについて、総理も、別に、弁解はされておられませんし、私も、内閣の一員としてそのことを弁解するつもりはありませんけれども、私は、やはり、ある面では、内閣の評価というのは、歴史が後世、ある面では客観的に決めていくだろうとも思います。
- 問)
-
郵政改革法案ですが、国会での審議が、相当、今後、窮屈になると思われまして、参議院で可決できなければ廃案となる可能性もあると思います。新しい総理には、国会延長なども含めてどのような具体的な対応を要請されるおつもりがありますでしょうか。
- 答)
-
私は、この(郵政改革法案の)成立を必死になって、担当閣僚としても頑張ってきた立場でありますから、ぜひ新政権においても、これを今国会で…。言ったでしょう。確実に成立させるようにしていただきたいと考えています。
- 問)
-
(会期を)延長しない中で…。
- 答)
-
だから、そういうことは…。あなたも長い間、記者をやっているのでしょう。子供のような質問をするのではありませんよ、あなたも(笑)。頭脳明晰でしょう、あなたは。私の田舎まで行って、いろいろあれをやってくれたようですけれどもね。だけど、あなたはなかなか愛情のあるルポはしていました。悪口も言いながらね。
- 問)
-
うちの後輩がやりました、あれは。
- 答)
-
あなたがやったのではないのですか。
- 問)
-
はい。広島出身の後輩の女性記者がいて…。
- 答)
-
そうですね。あなたがやったにしては…。もうちょっと辛口のことを書いていましたかね(笑)。
- 問)
-
今日、午後に首班指名がありますけれども、国民新党は、1度目の投票から民主党の新代表の名前を書くのか。その際の条件には、郵政改革法案の今国会成立が条件になるのか。その点を教えてください。
- 答)
-
ここは、郵政改革、また、金融担当大臣の立場での記者会見…。まあ、今、もう辞表を出しましたからね。(そういう立場での)記者会見ではないですけれども、11時過ぎから、党本部で、私どもとしては、新しい事態に対しての対応について協議いたします。さっきも鳩山総理に申し上げたように、誠実に、積極的に取り組んでいただいたという気持ちを国民新党として持っておりますから、新政権が同じように、そういうことで対応していただくということであるのか、ないのか。それは、おそらくそうだろうと思います。同じように対応していただけると思っておりますが、そういうことを含めて、民主党から、11時過ぎから協議に入ることになると思います。うち(国民新党)の党本部に11時過ぎにおいでになるということですから、それを踏まえて、そうした連立に参加するのかどうかという意思が決まると思います。あともうちょっとでね。
もう(質問は)ないですか。もうないでしょう。もう辞める人間に聞いてもしょうがないのですから(笑)。
- 問)
-
「11時過ぎに協議においでになる」というのは、どなたが、どういうことでいらっしゃるのですか。
- 答)
-
これは事務レベルです。仙谷(国家戦略担当大臣)が来ると思います、11時過ぎに。そこのところで下相談というか、最後は、新しい(民主党)代表と私との間で政策合意、政権合意をするかどうか決めるわけですから、その下の意見交換みたいなことを11時ごろからやっていくと。それを受けて、党首会談という形になると思いますね。
- 問)
-
改めて、鳩山総理の辞任と、今、(民主党)代表選挙で菅(財務大臣)さんが優位と言われていますが、この民主党の状況をどうご覧になりますか。
- 答)
-
私は政治評論家ではないでしょう。私は忙しいのですから、そういうことは…。
では、皆さん、お世話になりました。今後ともよろしくお願いします。
今度は、あまりいじめないようにね(笑)。
(以上)