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自見内閣府特命担当大臣就任記者会見の概要

(平成22年6月11日(金)19時31分~20時09分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

本日、内閣府特命担当大臣、まあ、金融担当大臣、そしていわゆる郵政事業の改革の担当大臣を拝命いたしました参議院議員、国民新党の自見庄三郎でございます。

ご存知のように、亀井静香前大臣が自分の…。新聞、テレビ等々の報道のとおり、昨日、大変強い意思で「国務大臣を辞任したい」ということでございまして、我々、国民新党所属の全国会議員、まあ、数は少のうございますけれども、「ぜひ大臣を続けていただきたい」ということも強くお願いしたわけでございます。また、昨日、菅総理から1時(25時)ごろ、亀井(前)大臣に電話があった後、私のほうにも電話がございまして、「国民新党の亀井静香前大臣を、本当に、自分の思いというのはよく分かるけれども、(国民新党)党首は引き続きやるということでございますから、ぜひ、閣僚もやっていただきたい」ということを、「慰留をしていただきたい」ということを、菅総理に私からも、幹事長でございましたから申し上げましたけれども、どうも、ご翻意されなかったようでございまして、不肖、この私が、亀井(前)大臣の後、亀井先輩に比べれば若輩者でございますけれども、この大変厳しい時代、内外ともに厳しいときに、金融担当大臣、郵政改革担当大臣を拝命させていただきましたわけでございます。

今日は、こういった最初の記者会見でございますが、もう言うまでもなく、郵政改革法案というのは、大変、大きな問題でございまして、小泉(元総理)さんの、いわゆる4年半前の郵政選挙、小泉劇場、そのときから国民の大きな関心を呼んで、それが、いわゆる「官から民へ」、あるいは「小さな政府」、過度の規制緩和、市場原理主義と、大きな、アメリカを中心とした経済のグローバル化、なかんずく金融のグローバル化の中で、そういった背景で起きた一つの、言うなれば新自由主義的な、新保守的な流れの中にあったものだろうというふうに個人的には認識しておりましたが、そういった中で、常に、この郵政三事業のことが大きな政治的テーマになってきたわけでございますが、我々は、今回の法律もいろいろ、衆議院は通過させていただけたようでございますが、やはり国民の、利用する人の利便に立って、そして、日本は、ご存知のように、非常に過疎地…。私は九州の出身でございますから、特に離島、半島、過疎地が多いわけでございますけれども、そういったところでも安定的に、やはり金融、保険、郵便という、言うなれば、最低限の金融サービスと言いますか、あるいは郵便サービス、そういったことを「受けたい」という方が非常に多いわけでございます。そういったところをしっかり三事業一体、そして、そういった意味で、私は、決して…。「後戻りした改革」というふうに言われることもございますが、郵政三事業が明治4年以来果たしてきた役割を考えますと、やはりユニバーサルサービス、全国どこでも国民が利用できるということは、大変、近代国家の基本的なインフラとして大事なことだろうと思うわけでございます。

そういったことには、当然、経営的な安定をしてもらわなければいけないと。しかし、ご存知のように、ゆうちょ(銀行の)資金もかんぽ(生命)保険も、大変…。郵政事業庁、郵政公社、そして民営化という過程をとってきたわけでございますが、私は、実は、13年前、郵政大臣を拝命した人間でございました。当時、橋本龍太郎総理のとき、省庁再編、行政改革会議の中で、「かんぽ(生命保険)は即民営化、ゆうちょ(銀行)はしばらくたって民営化、郵便だけは国営化だ」という中間報告を出された後、2週間後ぐらいでございましたが、郵政大臣を拝命させていただいた人間でございまして、いろいろ、国会で論議がございましたけれども、日本郵政公社を作って「三事業一体だ」と。そのためには、郵政事業庁を作って、日本郵政公社を作るということの制度設計をさせていただいた1人でございまして、そういった意味で、やはりこういったものは、田舎、僻地、離島、こういったところでの郵政三事業というのは、もう決して採算がとれるものではございません。そういった意味で、そういった僻地、離島、山村でも、やはり日本国でございますから、最低の郵便三事業の恩恵を受けることができるという、言うなれば、郵政事業が持っている公益性と公共性でございます。それと、やはり、「親方、日の丸」ではいけませんから、そういった意味で、今の21世紀に堪え得る機能性、合理性ということも大事でございますから、そういった意味で、それをきちんと、どういうふうに調和していくのか、ということが、大変大事な問題ではないかなというふうに認識しておりますので、引き続き、(亀井)前大臣が、郵政改革法案を、非常に、衆知を集めて法律を作り、衆議院を通過したということでございますから、これを一つ、昨日の…。これは、政治の話でございますが、今国会、もう残り、大体、実質的に審議時間が少ないわけでございますけれども、「参議院の選挙が終わった後、同一の法律を次の臨時国会に出す」ということを、民主党と国民新党との間で合意をしたわけでございますから、そういった意味で、しっかりと改革、行き過ぎた民営化と言いますか、そういうことをきちんと、やはり、国民の安心、安全のためにやらせていただくことが大事ではないかなと思っております。

それから、金融のことについては、私は専門家ではございませんけれども、こういった景気の、リーマン・ブラザーズショック以来、世界の経済は、ある意味で一変しているわけでございまして、そういった中で、本当に、各国各様に問題を抱えておりますが、私は、まさにリーマン・ブラザーズショックというのは、アメリカ型の、まさに金融資本主義、あるいは大変強力に、この30年、特にソ連が崩壊した後、一強の国としての経済、あるいは政治、軍事的に、非常に、アメリカという国家は強かったわけでございますけれども、その中核をなしたのが、いわゆる金融資本というものだというふうに認識しておりまして、アメリカ型の、いわゆる金融を中心とした資本主義は、リーマン・ブラザーズショックを一つの大きな曲がり角として変質をせざるを得なくなったと、そういった事態の、そして、それを政治的に、ご存知のように、バックアップしていたのはアメリカの共和党のブッシュ(前)大統領でございます。そのアメリカですら、オバマ(大統領)さんに代わったわけでございまして、そういった意味で、非常に、世界を見回しても、ギリシャ・ショック、今は、こういったことも新聞紙上を賑わせておりますが、そういった、国際的にも、今、金融行政、あるいは経済情勢、あるいは、そういったことを含めた経済政策は大きな節目にあると。なおかつ、非常に変化の激しい時代でございますから、しっかり、そういった意味で、金融システムの安定化、あるいは金融機関をそれぞれ利用する方々の利用者の保護、利便性の向上、あるいは公正・透明な市場の確立、マーケットの確立というこの3つが、金融庁に国民から与えられた使命だと思いますので、微力ではございますけれども、皆様方の意見もしっかり聞かせていただきながら、本当に、神に祈るような気持ちでございますけれども、この任務を果たしていきたいというふうに思っております。

以上でございます。よろしくお願いします。

【質疑応答】

問)

今日から、雑誌・フリー記者の方々と合同の会見になっておりますので、ご了解ください。

今、昨日から今日にかけての経緯をご説明いただいたのですけれども、その亀井(前)大臣の後任として自見大臣が国民新党の中から選ばれたといいますか、その理由なのですけれども、その件について、少しご説明いただけますでしょうか。

答)

それは、亀井(国民新党)党首が、「自見幹事長に後任をしていただきたい」ということを昨日の記者会見でも言っておられました。しかし、任命権者は菅直人総理でございますので、今日の16時ごろ、「亀井大臣の後を引き続いてやっていただきたい」ということでございましたから、理由については、それはもう、まさに国民新党の亀井静香党首と、それから任命権者の菅直人内閣総理大臣のご判断でございますから、私は、私のような不肖な者でも「やれ」ということでございますから、しっかりやらせていただこうということでございます。

問)

郵政大臣のご経験があるとか、そういったところではないかと…。

答)

そういうことも考慮されたのかと思いますけれども。

問)

分かりました。

問)

今回の郵政改革法案をめぐる混乱で、おそらく国民新党としては、民主党に対するしこりが残ったのではないかと思いますが、今後も、引き続き、今までどおり連携していけるでしょうか。また、仕切り直しになる郵政(改革)法案なのですけれども、見直しの余地というのがあるのかどうか、併せてお願いします。

答)

要するに、しこりが残ったかどうか、ということでございますけれども、これは、政治的な発言でございますが、連立政権でございますから、お互いに政党同士、基盤、立党の理念等々は違うわけでございますけれども、「小異を超えて大同につく」というのは、私は、連立政権、9月に発足した3党の、当時の民主党、社民党、国民新党の3党合意というのがございますが、当時、私は、国民新党の政調会長をさせていただいておりまして、一方で、民主党の政調会長は直嶋政調会長、社民党が阿部知子政調会長でございまして、下働きは3人の政調会長でやらせていただいたわけでございまして、そういった意味で、きちんと、やはり政策、今、言ったように、政党というのはそれぞれ別でございますけれども、やはり「小異を超えて大同につく」ということは、それぞれの違いはあっても、やはり、そこを国家、国民のためにいろいろな意見の対立があって、そういったことがあっても、やはり、きちんと信頼というものが、基本的に…。我々は、政権交代をさせていただいたということの、それぞれの党と党との信頼があるわけでございますから、そういった意味で、「一切、しこりは残らなかった」とは申しませんけれども、やはり、その辺は政治家として呑み込んでいく、あるいは政党として呑み込んでいくべきものだというふうに思っておりまして、その証としまして、今日、最後の、幹事長として、枝野(民主党)幹事長ときちんと両党間の合意書に、15時半からでございますか、署名をさせていただいたわけでございまして、今日、党首の合意書は、多分、菅総理と亀井静香(国民新党)党首の合意書のサインは、18時か17時ごろにつくという話でございましたから、そういったことを含めてきちんと、これは公にしておりますので、そういったことで乗り越えさせていただくことができたというふうに確信いたしております。

問)

では、法案についての見直しの可能性はもうないと…。

答)

これは、もうご存じのように、その合意書の中にも書いてありますように、「今回、衆議院を通った郵政改革法案と同一のものを次の国会に出す」ということが、この合意書に書いてありますから、そのようになるというふうに確信いたしております。

問)

金融関係のご質問なのですけれども、検査忌避などが問題になって業務停止処分を受けた中小企業金融専門の日本振興銀行に対して、今日、金融庁が刑事告発をし、警視庁が捜索に入りました。まだ、ちょっと就任早々でお聞きするのは心苦しいのですけれども、こうした事態について、金融を管轄する大臣として、どのようにお感じでいらっしゃいますでしょうか。

答)

金融の監督ということも、大変、大事な金融庁の任務だと思っています。そういった中で、各論でございますが、私の聞いた話によると、1年近く検査をしていたということでございますが、その結果、検査を忌避しているというようなことが具体的に分かったので、行政指導あるいは行政処分、そして、同時に、これは銀行法の違反ということでございまして、私も専門ではございませんけれども、それは刑事罰にも相当するということで刑事告発をした、ということをお聞きいたしておりますが、もう少し詳しいことは、「後から、事務方から皆さん方にご説明する」ということを聞いておりますので、そちらのほうにもしっかり聞いていただきたいと。

いずれにいたしましても、銀行というのは、銀行法に基づいて、公共性と、なおかつ、まさに、ある意味で「経済の血液」でございますから、そういった意味で、公平・公正な行政が必要だろうというふうに思っています。

問)

今週の、つい数日前には、この場で亀井(前)大臣が菅内閣発足に伴って記者会見をしたばかりなのですけれども、その数日後に、まさか大臣が代わるということは自見(大臣)さんご自身も想像されてはいなかったと思うのですけれども、その政権上の混乱ということについて、自見(大臣)さんご自身は、今のお立場になってどうお考えでいらっしゃいますでしょうか。

答)

亀井国民新党党首として、また、菅民主党代表としてのお立場で合意書を作られたということでございまして、読み方によって、いろいろ、各党違うわけでございますけれども、その中で、亀井静香(国民新党)党首としては、当時、私も、両党(民主党、国民新党)の信頼について、あの方(亀井国民新党代表)は非常に信頼する方でございますから、それが、必ずしも会期をきちんと延長しなければこの法案の参議院の審議時間が足らない、というようなこともあり、そういったことで、非常に、亀井静香(国民新党)党首が持っている政治家の信条、いわゆる、そういったことに反したということで、大変、昨日も、実は4時間ぐらい激論がございましたが、その中で、結果として、まさに亀井静香先生、ずっと私より先輩で、大臣は4回目でおられまして、自由民主党で政調会長をしておられまして、よく言っておりました。「60人の江・亀派を率いて作った」というようなことを、よく私たちも聞いたわけでございます。卓越した、非常に胆力のある、そして義理と人情、政策的にも、もともと高級官僚でございましたから、非常に、きちんと目測力、行政的にも目測力のある、非常に腕力のある卓越した政治家である、というふうにかねがね思っておりましたけれども、一緒に、私の立場、(国民新党の)党首と幹事長ということでやらせていただいたわけでございますが、同時に、大変固い信念を持っておりまして、そういった意味で、信念に殉じたというふうに私は思っておりますが、しかし、私は、枝野(民主党)幹事長と、私は幹事長でございましたから、いろいろ、徹夜に近い状態で何度も文書をもって往復させていただきましたけれども、決して、枝野(民主党)幹事長、「これが、今度、審議時間が足りないからそれで終わりだ」ということではなくて、それを含んできちんと、今、さっきも申しました、「衆議院で可決した同じ郵政改革法案をそのまま出す」というようなことを明記させていただいたわけでございます。

そして、なおかつ、両党の党首が…。いずれ参議院選挙があるわけでございますけれども、いろいろな機会に国民の、この郵政改革の今の法律をベースにして、郵政改革の必要性をお互いに誠心誠意国民の間に説くというようなことも条項に入っておりました。

そういったことで、これは、いずれ亀井静香先生にお聞きになっていただきたいと思いますが、私が幹事長として下から見ているところでございますが、そういった意味で、「亀井静香、男の美学」と言いますか、そういったことできちんと、亀井先生は亀井先生なりに、自分の信条に照らして筋を通されたのではないかなというふうに思っています。

問)

今の郵政改革法案ですけれども、臨時国会に向けては、見直す余地は今のところお考えではないということでしょうか。民間の金融機関を中心に、かなり根強い反発があるわけですけれども、そこら辺に配慮して、何か修正を加えるというような余地はもうない、というふうにお考えでしょうか。

答)

今のところはそういうことは考えておりません。「同一の」というふうに両党、民主党と国民新党、今日、もう多分、記者発表してあると思いますが、両党首が署名して、今日の15時半ですか、枝野(民主党幹事長)さんと私が署名して、覚書も出させていただきましたけれども、そういうことは現在の時点では全く考えておりません。

問)

保険毎日新聞の園田です。

共済の保険業法改正も仕切り直しになると思うのですけれども、どういう部分に留意していこうとされていらっしゃるのか、もしお考えがあればお聞かせください。

答)

事務方から聞いた話によりますと、今日、継続審議が何か決まったようにもお聞きしたわけでございますが、やはり、これは皆様方がずっとご専門だと思いますけれども、例えば、日本山岳協会とか、そういった、山登りが好きだ、しかしそう数も多くない。しかし、もし一旦、山で遭難事故、あるいは、そういったときに非常に多額のお金がかかるというふうなことでございますから、いわゆる、一般的な共済事業にはなかなか乗りにくいわけでございますけれども、そういった事業がいろいろあると。また、医療の場合、保団連という団体が共済の適用になったと思っておりますが、やはり日本国と言いますか、お互いの長い伝統、歴史がありますから、「同好の志」と申しますか、山岳協会なんか同じ、そこに山があるから登るという、そういった、私は立派な行為だと思っておりますし、素晴らしいスポーツだと思っておりますけれども、そういった方々を、お互いに危険を分散するというようなことで、ボランティア的に、ある意味で作っておられる。そういったものまで、どうも(現行の)法律をそのまま施行してしまうと、なかなかそういったところが残れないということでございます。

(亀井前)大臣からお聞きしていたところによると、そういった一つ一つの、「血の通った」と申しますか、本当に現実に役に立つ、当然、危険と母集団が小さければ、こういった保険料率というのは低くなるわけでございまして、危険率が高ければ非常に保険料率は高くなるわけでございますが、そこら辺は、必ずしも一般的なビジネスとして成り立たないですけれども、非常に文化的、あるいは社会的に存在価値があるということを認めようというふうな法案だというふうに今の時点では認識させていただいていますが、そういった法案はきちんと、やはり、何か世界が一つの指標だというような、そういったことも必要でも一面あるわけでございますけれども、やはり、それぞれの国の実情、地域に合ったきめの細かい方法、法律も必要ではないかなというふうに今の時点では認識いたしております。

問)

亀井(前)大臣が肝いりでやられた中小企業金融円滑化法があるのですが、これは、来年3月末で、時限立法で切れます。利用がかなり出ているということですが、これについて、大臣は、延期を含めてどのように考えていらっしゃいますか。

答)

そこら辺は検討させていただきたいと思っています。しかし、ご存じのように、金融円滑化法案は、非常に、亀井前大臣が情熱を傾けられた法律でございました。だいぶその効果もあるというふうに、さっき事務方から聞かせていただきましたが、やはり、こういった不況の時代、特に中小・零細企業、貸し剥がし・貸し渋り、こういったことをきちんと改善しようというのが、去年の9月に作った3党合意の中にもきちんと明記してあるわけでございますから、そういった精神を踏まえての金融円滑化法案であっただろうと思いますので、そういったことをしっかり前向きに検討させていただきたいと思っております。

問)

それは、延期、来年の3月で終わりではなくて、もうちょっと…。

答)

そんなことを含めて、まだ私はそこまで、率直に言って勉強しておりませんで、しっかり勉強させていただきたいと思っております。

問)

フリーの岩上と申します。

今回、(国会の)会期の延長を拒んで、そして、選挙を民主党側が急いだというのは、鳩山(前)首相、それから小沢(民主党前)幹事長の辞任による一時的な支持率の上昇、「その上昇がまだ保たれている間に選挙に突入したい」という思惑があったであろうと思われます。そうしたことに対する今回の亀井前大臣の辞任は抗議の意味も含まれているのかどうなのか、また、今後、この一種の波乱と言いますか、大臣の辞任が、今後、連立の解消や、あるいは大きな政局、政界再編等の大きな政局に参院選後つながっていく見通しはあるとお考えかどうか、この点お聞かせください。

答)

後半の質問でございますけれども、今、さっき申しましたように、今日、両(民主党・国民新党)党首間で、多分できていると思いますが、それから両幹事長レベルでもきちんと覚書を交わさせていただきましたからね。政局などというようなことは全く考えておりません。

前半のことでございますが、これは民主党さんがお考えになることでございまして、私は、連立を組んでいた、当時の幹事長でございますから、それはまた、他の党は他の党のご判断があるのだろうと思いますので、そこはコメントを控えさせていただきます。

問)

亀井(前)大臣は、就任早々、記者会見を、我々フリーランス、あるいはネットメディア、その他今まで記者会見への参加を拒まれていたジャーナリスト、メディアに対して、もう一つ記者会見を開くという形でオープンにしていただきました。今日は、こういう形で、合同で記者会見をしておりますけれども、今後、どうなっていくのか、私どもちょっと分かっておりません。

大臣ご自身は、記者会見のオープン化、この亀井(前)大臣の姿勢についてのお考え、それから、ご自身がそれをどう引き継いでいかれるのかどうか、この点について、ご見解をお示しいただきたいと思います。

答)

私は、今、事務方から報告を受けますと、かなりの省庁で(記者)会見のオープン化が進んでいるやにお聞きいたしております。しかし、長い伝統と歴史を誇る記者クラブの方もおられるわけでございますから、そこら辺は、皆さん方でいろいろお話合いを進めながら、やはり、私は、基本的にこういったメディアはオープン化が好ましいのかなと思いますけれども、しかし、当然、皆様方が当事者でございますから、皆さん方でまず話し合っていただくというようなことも必要かなと思っております。

問)

ちょっと振り返っていただきたいのですけれども、いわゆる合意書の中で、「速やかに成立を期す」という表現だったわけですが、いわゆる法律用語では、「速やかに」という言葉は、非常に、正直言って甘い、あり得ないのですよね。そもそも、この原案は誰がお作りになったのか…。

答)

かなりの部分は私にもございます。率直に言えば、この舞台裏を言いますと、「そこ(合意文書)に『今国会までに』というのを付けるべきではないか」という意見も国民新党の中でもございましたけれども、亀井静香党首が「そんな国会対策的なことは両党の合意では書くべきでない、これは信用の問題だ」と言われまして、実は、あの文章、「現在国会で審議中の」と書いてありますけれども、そこで「成立を期す」ということでございますから、そこは「信頼関係だ」ということで。政治というのは、詰め将棋のように詰めなくても、やはりそこは「信頼関係だ」というところがあるのですね。そういったことを、亀井党首は、ああいう、人を信頼する人でございますから、そうされたのかなというふうに思っております。

問)

東洋経済の浪川と申します。

こういうオープンなところで質問をさせていただくことは大変ありがたいと。これからもお願いしたいと思っております。

一点、念のためなのですが、郵政なのですけれども、限度額の引上げについては、本法ではなくて政令でございますよね。この間、政令ベースだけのところを先行させる。つまり、本法は審議で遅れても、政令は現行の政令ですから、そこで限度額を先行させて引き上げるという議論はなかったのか、ということと、今後、そういうお考えというものはないのだろうか、ということを、確認でちょっとお話を伺えたらありがたいと思います。

答)

私の知識不足かもしれませんけれども、新聞記事で、政令で(ゆうちょの預入限度額を)2,000万(円)と。これは、非常に大きな論議を呼びましたけれども、亀井静香(前)大臣、あるいは、閣議で決められた、という話を聞いておりますけれども、そこは、どういう理由で決めたのかということは、亀井前大臣にお聞きしていただきたいと思いますけれども、私が、ちょっと、これは一般的に思うに、郵政事業というのは、ご存知のように、郵政三事業、かつての話でございますが、これは、ゆうちょ(銀行)もここのところ100兆円ぐらい、確か(貯金額が)減少していると思いまして、昔から、郵政三事業というのは、金融二社でかなりの部分、例えば、九州の郵政三事業というのはトータルで赤字なのですよ。それから、中国地方も赤字、四国も赤字。私が郵政大臣だったころですけれどもね。それから、信越、北陸、東北、北海道、全部赤字なのですよ。どこが黒字であったかと言いますと、主に、ゆうちょ事業の東京と東京の周辺、大阪と大阪の周辺、それから名古屋と名古屋の周辺の郵便貯金事業だけが黒字でしたね。実は、その黒字でユニバーサルサービスを持っているような構造をしておりましたので、そういった意味で、100兆円も郵便貯金が減ったということで、大変、経営の安定性ということも大事ですから、そういったことも勘案して、(ゆうちょの預入限度額を)2,000万(円)に、ということをやられたのかなというふうに想像いたしておりますけれども、それは、具体的には、(亀井)前大臣にお聞きしていただければと思っております。

問)

今日、午前中の原口(総務)大臣の(記者)会見で、「一旦、郵政改革法案は廃案になるので、同じものを出すことはできません。幾つかの手直しが必要です」というふうに発言されていますけれども、今、大臣は、「同一のものを出す」という発言をされたのですけれども、この辺の食い違いは…。

答)

私は、その原口(総務)大臣の記者会見をこの場で、今、初めて聞かせていただいたのでございますが、昨日の夜半にかけて、両党(民主党・国民新党)の幹事長、枝野幹事長と私の間では「同一のものを出す」と。それは、非常に、きちんと枝野幹事長がそのように「結構でございます」ということで、実は、昨日の深夜、当然、国対委員長もいましたけれども、文書を出されましたので。民主党の党務の代表は幹事長だと思っておりますので、そのことを私は信じております。

問)

臨時国会に出される(郵政改革)法案ですけれども、必ず通されますか。

答)

それは、当然、「成立を期す」というふうに書いていますので、最優先で…。私は、細かい文章は覚えておりませんけれども、「臨時国会に出して、最優先で通す」というような表現があったと思いますが、私は、必ず通るものだというふうに信じています。確信いたしております。

問)

先ほど、「郵政改革法案の見直しは現時点で全く考えていない」というお話でしたけれども、その本法の部分は全く考えていないということで了解したのですが、先ほどおっしゃったように、政令の部分、(限度額の)上限の引上げの枠とか、そういったもの自体を、現下の金融業界の反対意見等を踏まえて改めて見直すというお考えはあるのでしょうか。

答)

今の時点では私はございません。今のところはございません。

問)

フリーの岩上です。

先ほどの大臣のお答えの中で、「亀井前大臣は、大変に、連立の相手である民主党を含めて、将棋のように詰めたりはせず信用する方だ」、「義理と人情、そういう胆力のある、まず相手を信用して話合いに臨む方である」と、こういうふうにおっしゃられました。私も、週2回の記者会見に出る度に、亀井(前)大臣が民主党を信じようとする姿勢を見せられていたというのは、大変、拝見させていただいていますが、繰り返しの質問のようになって申しわけございませんが、今回の(国会の)会期を延長せず、そして(郵政改革法案が)廃案という決断というのは、その亀井(前大臣)さんのお持ちになっている「相手を信用する」という気持ちに傷がついた、それに対する何かしらの怒り、あるいはしこり、不信の念、そういうものの表明なのではないかな、というふうにもお見受けするのですけれども、これは、どのように受け取ったら良いのか。連立を維持したまま辞任をされるということに、何かしら、やはり抗議のお気持ちがあるのではないか、と思うのですけれども、その胸の内を忖度してご回答いただけたらありがたいなと思います。

答)

私は幹事長でございましたけれども、今は国務大臣でございますね。今日までは幹事長でございましたが、きちんと、民主党さんと覚書を作らせていただいて、その中で「同一の法律を次の臨時国会で出す」というようなことでございますから、胸の内の忖度までは、大変、私も感受性のない幹事長だったのかもしれませんけれども、亀井前大臣の胸のうちまで忖度は…。そこまでは申しわけございませんけれども、ただし、非常に、私は信頼しておりますし、この今の時代にきちんと腕力があって、胆力があって、信念を通す立派な先輩だと尊敬いたしております。

どうもありがとうございました。またよろしくお願いします。

(以上)

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