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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年6月18日(金)11時03分~11時39分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

おはようございます。

今日は、閣議で、「破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告」について発言をいたしておりました。ご存じのように、金融再生法第5条に基づいて、昨年の10月1日から今年の3月31日まで、破綻した金融機関があれば、それを取りまとめて閣議で決定した後、国会に提出するような仕組みになっておりますが、ご存じのように、本報告書の対象期間中、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。平たく言えば、もうお分かりのように、破綻した金融機関がこの半年なかったということでございます。

金融庁といたしましても、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でありますと、こういった発言を閣議でやらせていただきました。

以上でございます。どうぞご質問がございましたら。

【質疑応答】

問)

今日、改正貸金業法が施行されまして、朝方、街頭でのティッシュ配りなど、副大臣以下、政務の方(等)がやっておられましたが、貸付残高を収入の3分の1以下にする総量規制ですとか、認知度がいま一つで、「政府の対応が足りなかった」、「遅かった」と批判する声が結構あります。この点についてどうお考えでしょうか。

また、今後の資金繰りの状況次第で、追加措置ですとか見直しですとか、そういったものを検討される余地があるのかどうか、併せてお聞かせください。

答)

1点目(の質問)でございますけれども、改正貸金業法が、今日、第4段階目といいますか、完全施行されたわけでございますが、そういったことについて、「少しPRが足らなかった」というお叱りの言葉だと思っていますが、確か、3年以内に貸金業を利用された方をちょっと調査して見ますと、80%は承知していると。全然、貸金業を利用していない方は、45%しか知らないということでございますが、いずれにいたしましても、法律の…。ですから、借入れの経験者の間では、相当程度、認知が広がっているというふうに認識いたしておりますが、しかし、当然、これはもう国民生活に影響のあることでございますから、改正貸金業法の内容については「認知度が低い」との指摘が多いことを踏まえて…。今も、そういったお叱りをいただいたわけでございますが、「借り手の目線に立った10の法則」に基づいて、さらに一層、新聞広告の掲載とか政府広報の活用、それからポスター、リーフレット、ポケットティッシュ…。今日は、大塚副大臣が配ったポケットティッシュ、これは、新橋で配らせていただいたのですが、こういったことで、きちんと喚起していきたいと。あるいは、政府広報の活用、それから金融庁のホームページ、インターネット広報の実施等々の取組みを実施していきたいと思いますが、皆様方は、まさにメディアでございますから、「こういった方法が良いよ」とか、一昨日とか新聞にもきちんと書いていただいていた記事があったと記憶いたしておりますが、そういうことがあれば、どんどん知恵を寄せていただければありがたいなと思っております。

それから、2点目の質問は…。

問)

資金繰りに不安を抱えていらっしゃる方が相当多いので、「見直しとか追加措置に何らかを期待する」という声が結構あるようなのですけれども…。

答)

それについては、ご存じのように、第4段階、これは専業主婦には…。まあ、「専業」とも言いますが、収入のない人には、原則として新規の借入れは不可能でございますが、しかしながら、ご存じのように、同意を得れば総量規制の対象外にするとか、あるいは、社会通念上、どうしても緊急、必要と認められる緊急に払う資金、これは10万円以下、3か月以内の返済なのですけれども、借入れが可能となる例外措置といいますか、そういうものも設けさせていただきましたし、また、借金が困難になった人には、積極的にカウンセリングをしようと。あるいは、窓口、これは福島みずほ前(消費者担当)大臣が一生懸命やっておりました消費生活センターなんかも活用して、当然、国家の主管庁である財務省、あるいは財務事務所にも多重債務相談窓口を設けさせていただいておりますけれども、全都道府県の約9割を超える市町村においても多重債務相談窓口を作っていただいていますので、また、今、言いましたように、消費者庁が所管する消費生活センター、これは法律を変えて、非常に強化をさせていただいたわけでございますが、そんなところの窓口、地方公共団体との共同の窓口というところが多いと。そういったことにもなっておりますが、やはり今回の、きちんと多重債務問題、あるいは過剰貸付の問題等に関しては、借手が安心して利用できる消費者金融市場を形成することが、ご存じのように、目的でございますから、改正貸金業法が、貸手への適切な規制を通じて新たな多重債務者の発生を防ぐと。これは、大変大きな社会問題になりまして、この法律は、ご存じのように、全党一致で可決された法律でございますから、それは大変重たい法律でございます。しかし、同時に、急速な与信の引締め等が生じないように、これまでも段階的に、今、言いました、4段階にわたって実施されてきたわけでございますけれども、今日、6月18日に完全実施されるようになったわけでございます。

改正貸金業法の完全実施に当たりましては、「借り手の目線に立った10の方策」というものを発表させていただいていると思いますが、(これを)策定し、円滑な、所要の内閣府令の整備を行うことと、(その)円滑な実施に万全を期していきたいと思っております。

これは、最後の質問だと思いますが、金融庁といたしましては、改正貸金業法の完全施行後においても、状況の推移を注意深く見守らせていただいて、必要に応じて、速やかに、適切な措置も検討していきたいと思っております。

問)

必要に応じて何か考えることもあるという…。

答)

そうですね。必要に応じ、速やかに、適切な処理を検討してまいりたいと思っております。

問)

「適切な処理」とはどういうことでしょうか。

答)

まあ、「処理」ですから、いろいろあると思いますが、今、言ったような、基本的な考えに立って、法律の基本精神を踏まえて、また多重債務問題、あるいは過剰貸付の問題等に対処して、こういう法律を作らせていただいたわけでございますから、そういった精神の中で必要に応じて、やはり、適切な処理をとる必要があると判断すれば、きちんとやっていきたいと思っております。

問)

イギリスの金融庁(英国FSA)が実質解体されまして、金融監督を中央銀行が担うことになったという報道があります。

日本の金融庁は、イギリスの金融庁をモデルに設立された部分もあると思いますが、このイギリスのやり方、いわゆる中央銀行が金融監督を担うという辺りについて、日本で参考にする可能性があるのかないのか、お考えをお聞かせください。

答)

英国のオズボーン財務大臣が、英国FSA(金融サービス機構)の廃止等の金融監督体制の改革について基本方針を発表した、ということは仄聞(そくぶん)いたしておりますけれども、イギリスの場合、ご存じのように、中央銀行のほうで金融監督を一元的に行うということだと思いますが、もう皆さん方ご存じのように、リーマンショック以後、各国の金融当局は、非常に苦難、苦悩をいたしておりますが、そういった中で、イギリスはイギリスの、各国は各国の制度の歴史的な背景を踏まえた、あるいは、制度的な背景の違いがございますので、イギリスはイギリスとしてそういうご判断をされたのだろうと思っております。

今後とも、イギリスの動向、やはり、何といいましても「シティ」でございますし、非常に、世界の金融市場の中心のマーケットでもございますから、注意深く、金融庁としても動向を注視していく必要があると思っております。

問)

銀行の資本などを検討しているバーゼル(銀行監督)委員会が、金融危機に備えた銀行の自己資本の積み増しについて、景気の好いときに多目に積んで、不況のときには取り崩すという仕組みを導入する計画がある、という話があります。日本でも、この内容に沿って検討が進むのでしょうか。

答)

バーゼル(銀行監督)委員会で検討中ということは、もう皆さん方もよくご存じだと思いますけれども、いずれにしても、銀行の自己資本規制の内容は各国の実情を踏まえたものでございまして、特に、現在の、大変まだ景気が厳しいというような状況においては、実体経済の影響を十分配慮すべきだと思っています。

しかし、皆さん方ご存じのように、今後のスケジュールとしては、一応、今年の12月末まで、基本的に水準調整を完了して、2012年には新しい新規制の実施スタートというのは、国際的にも、こういった約束をしていると聞いておりますので、そこら辺を視野に入れつつ、自己資本規制、いろいろ、景気に関していろいろな、今度は、特に…。景気の好いときは、貸し出し過ぎるとバブルになる可能性が強いわけですし、また、景気の悪いときは、逆に、今度は貸し剥がし、貸し渋りということが起きがちですから、そんなことも視野に入れつつ、いかに資本市場といいますか、マーケットが健全に働いていくか、ということを視野に入れつつ、各国が各国の制度の…。(それぞれ)慣習、あるいは伝統、歴史があるわけでございますから、きちんとそういったことを勘案しながら、バーゼル規制の見直しについて、国際的に合意したことでもございますので、同時に、今、何回も言いましたように、実体経済が大事でございますから、そういったことを踏まえながら配慮していきたいと思っております。

問)

今日、貸金業法の完全施行に伴って、どうしても、規制と強化ということで影響というのは避けられないとは思うのですが、今後、金融庁として、どういった点を注視して動向を見ていきたいか、大臣のご認識をお伺いできればと。

答)

今、さっき申し上げましたように、総量規制、収入の3分の1だと。しかし、急激な与信の低下になってはいけないということで、4段階に分けてやってきたわけでございます。

それから、非常に、そういった意味で、まさに利用者の立場に立っての10の項目というのを出していただいたわけでございますから、そんなことを勘案しながら、全体の金融状態、あるいは経済状態、同時に、今、大変、完全失業者も多いような経済状態でございますから、そういったことをきちんと見つめながらやっていきたいと思っております。

問)

マクロ経済への影響なんかも、やはり、一つ考える要素になっていくということですか。

答)

ご存じのように、法人と個人の事業主は例外規定にいたしております。私が、率直に言えば、金融(担当)大臣になる前に心配していたのは、やはり、産業資金と申しますか、経済の産業資金としての消費者金融を果たした部分もあるわけでございますから、特に、中小・零細企業については、やはりこういった消費者金融というのは、どうしても、「月末の給料が少ない、何とかどうにかしてほしい」というようなニーズも結構…。私は、20年前に通産政務次官をしていまして、日本の中小企業政策を、当時の通産大臣の下で1年3か月ほどやらせていただいたわけでございます。自由民主党にいたときも、中小企業調査会長代理を長くやらせていただいてきましたので、そんなこともしっかり視野に入れつつやっていきたいと思っております。

問)

貸金業の関連で、過払金が大きな問題というか、業者にとっては重荷になっていますけれども、今日、今、東京地裁で、過払金を、国に対して「賠償しろ」という裁判が、今、多分開かれていると思うのですが、今回は廃業してしまった業者が当事者なのですが、今後、広がっていく可能性というのもなくはないと思います。それで、この件に関しての大臣のご所見というのをお願いします。

答)

分かりました。一般論で申し上げれば、今、ご指摘のように、現下の貸金業法の経営環境は、一般については、ご存じのように、過払金、返還負担の高止まり等によって厳しい状況にあるということは認識いたしておりますが、何か国家賠償請求訴訟を起こしたという報道は聞いておりますけれども、私のほうは行政でございますから、司法、行政、立法とあるわけでございまして、そのことについては係争中のことでございますから、やはり、行政の長としてはコメントを差し控えさせていただくのが良いのではないかと思っております。

問)

ちょっと話は変わるのですが、昨日、菅総理が参議院選挙に向けて、消費税の引上げについて、自民党が公約として出している(税率)10%、その自民党案を「参考にしたい」という考えが示されました。連立を組んでいる国民新党としては、この菅総理の消費税に関する考え方は事前に聞いていらっしゃったのかどうか。また、これに対する大臣の受止めをお願いします。

答)

事前に聞いていたかどうか、ということでございますが、事前には聞いておりませんでした。ただし、ご存じのように、3党合意というのを去年の9月に結びまして、あれでも「3年間消費税を上げない」と、その中から社民党は離脱いたしましたけれども、しかしながら、菅(民主党)党首と亀井(国民新党)党首と(の間で)結んだ(合意の)中には、「3党合意を尊重し引き継ぐ」ということを書いておりますから、そういった中で、皆さん方ご存じのように、消費税を含めて総合的な税制改革の議論をすることは、もう本当に、非常に、必要なことだと思いますので、菅総理も決して、今日、ちょっと民主党の閣僚に聞いても、マニフェストにはそういったことをきちんと、何か数字を入れて書いてはいない、ということでございますから、当然、菅総理は菅総理の判断として、そういった国民に抜本的税制改革を投げかけるということは正当でございます。違う政党でございますから、私は自由だと思っています。

もし、これが税制改革…。当然、政府の税調の中にも、昨年も国民新党の(亀井)代表、あるいは民主党の(鳩山)代表、当時、社民党の(福島)代表も入っていましたからね。その中で話して、3党連立の中で税制改革を決定させていただいたわけでございますが、今、2党になりまして、実は、菅総理と仙谷官房長官との間で、「一体、2党の間の政策調整をどうするのか」ということが、この前、話題になりまして、一つ、今、それぞれ政党間の話でございますから…。もう参議院選挙に突入するような状況でございますから、そこら辺は両党間の信頼ということがありますので、そこら辺は、まだシステムを…。3党のときはできておりましたが、基本政策閣僚委員会というのがございまして、ご存じのように、亀井(国民新党)党首、福島(社民党)党首、菅(民主党)副総理が当時入っておりまして、官房長官も入っておりますけれども、あそこで基本政策閣僚委員会、あるいは、そこに小委員会を作るということも3党でやらせていただきましたが、そういった仕組み、システムは、まだ、実は、2党になりまして、いよいよ具体的に…。大きくは合意しておりますけれども、まだ固まっておりませんので、いずれ国民新党のほうで、いずれ亀井(国民新党)代表がいろいろやられると思いますけれども、そこら辺を含めてやっていきたいと思っております。

我が党、国民新党の立場で言わせていただければ、まず、やはり景気の回復だと。その後、やはり、これは麻生内閣が発表していますけれども、この10年間で1世帯当たり100万円取得が減少したわけでございますね。まさに日本がデフレの中にあるわけでございますが、デフレ脱却をすることが非常に、私は、経済財政上大事だと思いますし、我が党といたしましては、「まず景気回復をしよう」ということ、そして、その後、当然ですが、医療、福祉、年金、介護ということは、高齢化社会になって、当然、安定的財源が要るわけでございますから、そういったことを含めて視野に入れつつ、きちんとやっていこうというのが我が党の立場でございます。

しかし、菅総理が、こういった参議院選挙の前に提起をされるということは、当然、各政党の自由でございます。それはそれで重たいことだというふうに思っていますけれども、まだ、国民新党と民主党との間でそういう話をしたということはないと認識いたしております。

問)

東洋経済の浪川と申します。

来週、株主総会が結構あると思うのですね。国は、一部銀行の大株主という立場で、この間、新生銀行の経営のあり方ということが(亀井)前大臣にもいろいろ指摘されておられたし、その中で、新生銀行は経営者が代わるということになっているわけですけれども、株主総会で、改めて、株主として新生銀行に要望するということはありますでしょうか。

答)

まず1点。新生銀行の株主でございますが、原則から言えば、よくお分かりのように、やはり資本主義、自由主義の中で、政府が「株主だ」といってもできるだけ公権力を発現しない、できるだけ抑制的にするというのが、私は、資本主義社会におけるルールだと思っておりまして、その個々の例については、まだ、私は、判断を聞いておりませんけれども、その原則はできるだけ守りたいと。しかし、同時に、法令というものもあるわけですし、それから、やはり秩序というのもありますからね。そこら辺は、まさに金融行政、あるいは監督行政と非常に、ご存じのように、難しいものでございますから、いわば生卵をきちんと握るような感じで、あまりすると潰れますし、あまり自由奔放にしていても、言うなれば、アメリカのサブプライムローンのようになりますから、そこら辺が、非常に金融行政の…。東洋経済もご存じのように、非常に苦慮、非常に難しいところでございます。そこら辺をきちんと責任を果たしていきたいと思っております。

ただ、新生銀行については、個別のことでございますけれども、平成22年3月期決算で、2期連続で大幅に赤字となったと。早期健全化法及びガイドラインにより、役員賞与の停止、給与体系の見直し等に対する業務改善命令も含めて検討しているというところでございまして、しかし、基本的には、できるだけ、私は、あまり公権力は…。必要なときは、当然、やはり市場が大失敗したときなんかは出ていく必要があるのですけれども、そこら辺は、私としては、まだ、どういうことか事務方からも報告を受けておりませんけれども、そういうことはしっかり、そういった原則を踏まえて判断したいと思っております。

問)

続いて、貸金業法に関連して、幹事社、ほかの方の質問にも似ているのですけれども、要するに、マクロ経済とかいろいろ勘案してその影響を見極める、というお話なのですが、そもそも、この法律は多重債務者問題の解決、ということだったと思うのですけれども、今年の3月から最高裁の統計を見ると、自己破産が反転増加し始めているのですね。3月に前月比20%増ぐらい増えて、4月も低下しないという傾向が出ているのですが、今後、貸金業法の影響というものに関して、この自己破産の動向というのも、やはり注目点になってくるとお考えでしょうか。

答)

そんなこともしっかり注視しつつ、総合的に勘案したいと思っております。

問)

フリーランスの安積と申します。

先週、行われました、大臣の認証式のことについてちょっとお伺いしたいのですけれども、漏れ伝わっているところでは、式中、天皇陛下が、大臣に対して「大丈夫ですか」というお言葉をかけられた、というふうに聞いております。大臣は、そのときどういうふうにお受止めになりましたでしょうか。

答)

陛下から何を言われたか、というのは、基本的に、私は、保守政治家でございますから申し上げませんけれども、そういうことは、私のそういう…。「ご苦労さんです」という、まあ、いつものように…。もう、私も(閣僚は)2回目でございますから、「ご苦労さんです」ということを聞いたように記憶をいたしておりますが…。

問)

では、「大丈夫ですか」ではなくて、「ご苦労さまです」ということですか。

答)

確か、私の…。少し頭が悪いので、よく記憶しておりませんけれども、陛下にいろいろ、何やらかにやらお会いする機会がございますけれども、そういう言葉はなかったやに私は記憶しておりますけれども、基本的に、私は、保守政治家でございますから、天皇陛下がどういうことをおっしゃられたか、私に、ということは、基本的に申し上げないことが、やはり保守政治家の矜持だと思っています。そのことは申し上げませんけれども、そんな言葉はなかったように…。そんな話が流れているのですか?そうですか(笑)。

問)

保険銀行日報の片岡です。

保険監督行政についてお伺いしたいのですが、経済価値ベースのソルベンシー規制導入へ向けて、保険会社にフィールドテストを金融庁が要請しましたことと、それから、大臣から保険会社について何かコメントがあったらお願いします。

答)

保険会社については、ご存じのように、リーマンショック以来、多分、私の記憶が正しければ、アメリカで一番大きかったのはAIGですか、あるいは、非常に、政府が株を買わざるを得ないというような状況になって、一時、混乱いたしましたね。日本だって、トヨタが、4割生産が落ちると。大体、2割(減)ぐらいに戻ってきましたけれどもね。そんなことを含めて、保険についてはいろいろなタイプがあると思いますが、そういったことを含めて、やはり、基本的に、生活だとか産業の安心、安全をきちんと確保するのが保険業務の大きな目的だと思いますので、そういうことを含めて、やはり一時、大変、日本の保険業界が破綻した時代もございます。10年ぐらい前でしたかね。私にも経験がございますので、そんなことを踏まえながら、やはり、保険ですから、安心して、本当に信頼できて、国民、あるいは企業がきちんと任せられるというか、そういった、きちんと業態を続けていくべきだと。特に、金融情勢、世界の経済情勢は非常に厳しいですから、そういう中でもきちんと保険業を見守っていきたいと思っています。

問)

通信文化新報の古田です。

通常国会で郵政(改革)法案が、結局、廃案になってしまったのですが、次期、臨時国会に先送りということになったのですけれども、(日本)郵政で働く皆さんにとってはかなりショックだったと思うので、その辺のところ、大臣からメッセージと言いますか、いただけたらと思うのですが、どうでしょうか。

答)

分かりました。ご存じのように、菅民主党代表と亀井静香国民新党代表との覚書、あるいは合意書を結ばせていただきました。ご存じのように、その中で、「所信表明にもきちんと入れる」という項目が、枝野(幹事長)さんと私の間で覚書が入っています。ご存じのように、この前の菅総理の所信の中にも、民主党と国民新党の合意を含めてきちんと…。ああいうことを書くのは異例なのですけれどもね。事実、そこを配慮して、所信表明に菅総理には入れていただきましたし、それから、本会議でもいろいろな党、舛添(新党改革代表)さんからもそういう質問が出ていますけれども、同一の法案を…。この(通常)国会が閉会になった後、次に臨時国会が開かれます。その中でも「可及的速やかに同一の法案を出す」ということを、きちんと菅総理が本会議でも答弁していただいておりますから、我々は、そういった連立内閣でございますから。これは、もう連立内閣では信用と信義でございますから、我々は、その菅総理の本会議でのご答弁でございますから、約束を踏まえてのご発言だ、というふうに我々はとらせていただいておりますので、今国会では廃案になりましたけれども、完全に、まだ夢をつないだ状態に国民新党の努力で持っていけた、と思っております。

問)

不動産経済研究所の中澤と申します。

新任大臣として、国際会計基準への対応が審議会で、多少、「コンバージェンスへの動きが、もしかしたら止まってしまうかもしれないな」というようなことも言われているのですが、大臣として、国際会計基準への対応を何か考えていらっしゃれば教えていただきたいのですけれども。

答)

国際会計基準というのは、基本的に、できるだけ世界の経済もグローバル化した、そういった中で、共通の会計基準に基づいてお互いの投資家なり、あるいは企業経営者も判断しようというような立場で、いろいろ、国際会計基準というのは生まれてきたと思いますが、そこら辺の各論につきましては、まだ少し、私は、勉強しておりませんけれどもね。基本的には、やはり、できるだけそういう思想のもとに、できるだけ投資が国境を越えて一つの基準に従って投資家が判断できる、あるいは、経営者も一つの基準に従って、会計基準に従って経営していけると。当然、いろいろな会計に違いはございますけれども、そういった大きな流れの中にあるというふうに認識いたしております。そんなことを踏まえて、そのことを…。各論については、私は、まだ勉強いたしておりませんけれども、しっかりとそういう方向性でやっていくべきだと思っております。

問)

フリーの山岡淳一郎と申します。

大臣に、(大塚)副大臣とのコンビネーションについてお聞きしたいのですけれども、郵政のこの法案に関しましては、今までの市場競争原理至上主義を見直す、そのシンボルで作られた法案であろうな、というふうに受け取っているのですけれども、一方で、大塚副大臣は、行政刷新会議の規制・制度改革分科会の会長もやっておられて、いろいろな分野に市場原理を取り込んでいくような提案もなさっていらっしゃる。例えば、医療分野で、「いわゆる混合診療範囲を広げたほうが良いのではないか」というような提案をされているというふうに私は聞いているのですけれども、そういうふうな大塚副大臣の指向性と、大臣が考えておられる方向性というものにギャップのようなものは感じられることはありませんか。

答)

私と大塚副大臣というのは参議院で同じ会派も組んでいましたし、それから、2人で結構、「民主党・新緑風会・国民新・日本」という統一会派で、当時は、参議院では多数でしたから、参議院で議員立法を出しまして、大塚(副大臣)さんと私と、確か提案者になって、一緒に答弁したこともございます。

そんなこともありますので、彼(大塚副大臣)は日本銀行出身の極めて有能な金融マンでございますし、そういったことはよく分かっていますけれども、大臣と副大臣の間といいますか、これは、もう本当に紙一枚入らないぐらいしっかり連携しておりますので、私は信用いたしております。

ただし、前段の問題で、民間のマーケット、市場原理、それから「官」が関与する部分。例えば、警察なんていうのは、民間の警備保障会社にして良いのかというと、これは、ほとんどの人が賛成しないと思いますよ。「お金を持ってこないと強盗の捜査もしてやらん」という、そういう国家というのは、やはり、基本的に公、「官」でないといけない部分があります。

そういった、例えば、私のことを言って大変恐縮ですけれども、私が12年前に郵政大臣のとき、地上デジタル放送を始めた責任者は私なのです。これは、当時の郵政事務次官も大蔵事務次官も、補正予算でその地上デジタル放送についての「芽出し」といいますか、「実験を入れない」ということを…。私と松永光大蔵大臣と山崎拓政調会長で、本当に裏話を言えば、「もう、そのままの補正予算では、明日、私は郵政大臣として署名できない」と言いまして、前の晩、非常にいろいろございまして、350億円の地デジの、当時、5か所50億円ずつ、7か所で、NHKさんと民法5社で、きちんと実験的なプロジェクトを組むということが、予算をとることによって実現したわけでございます。それが、ご存じのように、来年でき上がりますが、大体、当時212兆(円)のマーケットと言ってきまして、今、勉強してみますと、249兆(円)ぐらいのマーケットでございますから、非常に、私は、昨日もちょっと閣僚の集まりでも申しましたけれども、政府というのは、やはり一生懸命考えると…。アナログからアナログの転換もいたしましたから、少し国費は要りましたけれども、数千億円の国民の税金を使わせていただいたということは申しわけないのですけれども、結果として、250兆(円)のマーケットができたわけでございますし、17万人の雇用が、今、創造できたと書いてありますから、私は、そういった意味では、そういった部分を積極的に市場化、マーケット化していくべきだと思っております。

やはり、「官」と「民」とのベストバランスというのが、日本国では必要だと思っていますので、そういったことについては、大塚副大臣と決して…。ここでは、市場で250兆(円)の市場を作らせていただいたことがございますから、そういったことをきちんと、政治家の、選んでいただいた国民に対する責任として、その辺は、やはりきちんと「官」でやらないと、国民の…。警察の話もしましたけれども、しかし、もういたずらに「官」が介入しても良いものではございませんから、そこら辺の住み分けといいますか、「官」と「民」とのベストバランスというのが、特に、この日本国では大事だと思っております。

問)

今のお話なのですけれども、貸金業について、なかなか、貸金業界が、今、非常に苦しい立場なので広報宣伝活動にお金をかけられないと。政府のほうで、今、おっしゃった、「地上デジタル波(放送)の宣伝並みにお金をかけて時間をやってくれるべきではなかったのではないか」という批判が結構出ているのですけれども、そういうことはどう思いますか。

答)

そういう話が出ているのですか。また、それは、拳々服膺して、皆様方のご意見をしっかり入れさせていただいて、やはり、できるだけ国民に知っていただくということが大事でございますから。そういったことで、今、さっき言いましたけれども、大塚副大臣も、今日、新橋で、みんな金融庁の幹部が出て、この「資金業法が大きく変わります!」と(いうティッシュを)配っていますので、そんなところもメディアで取り上げていただければありがたいなと思っております。

(以上)

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