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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年7月23日(金)12時32分~12時57分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は、お聞きになっていると思いますが、予算のシーリングの問題について閣僚懇、侃々諤々(かんかんがくがく)の意見が出ましたが、官房長官からこの前と同じでございますが、個々の大臣の意見は公表しないでくれということでございまして、次回の閣僚懇までに決定をしたいという話がございました。

ただ、一般論として言えば、ご存じのように法務省、警察庁、金融庁もそうですが、金融庁の予算は220億円、内閣府の予算が5,600億円でございまして、そのうちの4%弱でございまして、人件費が70%ぐらいでございまして、金融の世界というのは国際金融あるいは国内金融も非常に専門家を必要とする分野でございまして、金融そのものを今バーゼル(銀行監督)委員会、あるいはG8、G20とも、2年前のリーマンブラザーズショック以来、世界の金融というのは非常に人類の経済の大きな問題になっておりますので、そういうことをほかの省庁からも人件費を主体とした省庁も、ぜひともきちっとそういった各省の持っている特徴を入れて配慮していただきたいという意見は、一般論として人件費が大きく占めているいろいろな省庁からそういう意見が出ておりました。

それから、今日はご存じのように閣僚懇の委員会が別に2つございまして、そういったことで遅れたことをおわびを申し上げる次第でございますが、私からはそういうことでございます。

【質疑応答】

問)

世界的な金融危機の震源地となった米国で、金融規制改革法が成立しました。これについて大臣の所管をお願いします。

答)

これは新聞紙上によりますと80年ぶりに米国で金融規制法案がオバマ大統領の署名をもって成立したということは承知したしています。今般の法律は、金融危機の再発を防止する観点から、米国が包括的な金融規制、監督の見直しを行い、金融セクターの問題是正を図ったものであり、同法の成立は米国及び世界の金融市場の安定化につながるということを期待をいたしております。

問)

あわせて欧州の方では24日の未明だと思うのですが、91行に対するストレステストの結果が公表されると聞いています。内容次第では世界の金融市場に影響が出ると思いますけれども、これについてどう見ていらっしゃいますか、お聞かせください。

答)

ご存じのように欧州では91行ですね、大体欧州の金融分野の65%をカバーしているというふうにいわれています。そういった大手の銀行を中心とした銀行を対象に欧州銀行監督(当局)委員会(CEBS)が欧州銀行のストレステストの結果を今晩だと聞いております、24日の午前1時より発表する予定であるということは、今ご案内のとおり承知いたしておりますが、ストレステストの結果の公表を通じて欧州の銀行に対する信認が高まり、市場が安定化することを心から期待いたしております。

問)

来週バーゼルで行われる予定の総裁・長官グループ会合ですが、これに臨む日本政府のスタンスを改めてお聞かせください。

答)

これも非常に金融のリーマンショックを受けての大変大事な会議でございますが、バーゼル委員会が昨年12月に公表した銀行の規制改革案の進捗について検討するために7月後半、今月でございますが、今ご案内のとおり中央銀行総裁と金融監督当局長官による会合が開催される予定となっております。最終的な規制のあり方については、こうした会合における議論を受けて今年11月のソウルサミットに提案される予定でございますが、金融庁としては新しい規制が中長期的に我が国の銀行の自己資本、流動性の強化に資するものとなること、一方、我が国の実情や景気回復に対する影響を考慮して適切な移行期間、急に全部規制を合わせるということは、これはもう経済は生き物ですから、そういったところは適当な、適切な移行期間を設けるなどの時間をかけて段階的に実施することが重要だと考えておりまして、こういう視点から中央銀行総裁、金融監督当局長官、日本からは金融庁長官でございますが、臨んでまいりたいというふうに思っております。

問)

フリーのジャーナリストの岩上と申します。よろしくお願いいたします。

前回の記者会見でご質問させていただいたのですが、今回の日本振興銀行の木村元会長の逮捕に関しまして、木村さんを重用した当時の竹中大臣の責任というものはいかがなものか。これは形式的な任命責任ということよりも、当時の小泉内閣、そして竹中大臣の下での金融行政の歪みがもしあれば、それが反映されてのことではないかと思われるのですが、この点についてご質問させていただいたときに、まあ「次回」というふうに大臣おっしゃられていましたので重ねてご質問させていただきます。

答)

金融行政の検討、遂行に当たり、外部の識者の意見を幅広く参考にすることは、一般的に重要であると考えておりますが、そういった観点から不良債権問題が大きな課題となっていた平成14年度当時だと思いますが、経済・金融についての有識者の1人として「One of them」ということを言いましたが、木村氏は当局の顧問として選任されたものと承知をいたしております。

いずれにいたしましても、そういった経験を有する者がその後の検査忌避によりまして今回逮捕されたことは、極めて私は遺憾なことだと思っております。やはり何と言いましても、金融は、国民の信頼というのは本当に基本でございますから、そういった意味を含めて極めて遺憾だと思っています。

当局としては同行の業務改善の状況とその実施について、この日本振興銀行、厳正に対処していく必要があると思いますし、また、竹中元金融担当大臣が任命された2年間でございますが、金融システムの安定化、強化、貯蓄から投資の流れの推進などの様々な課題が、当時金融行政としては喫緊の課題として山積していたということは皆さん方もご存じだと思うわけでございますが、不良債権問題(解決)の促進や証券市場の構造改革など金融行政上の非常に多難な問題が山積していた時代ではございましたが、いずれにいたしましても、こういった経験を有する者がその後の検査忌避により今回逮捕されたということは極めて遺憾であるし、また国民の関心も非常に高いものだと思っておりますので、しっかりその辺を踏まえて厳正に監督していく所存でございます。

また、いろいろ皆さん方の意見も聞きながら、きちっと信頼を回復するためにやっていかなければならないというふうに思っております。

問)

フリーの岩上です。

前金融大臣でありました亀井さんは、大変、小泉さん、竹中さんの批判を、当時の金融行政の批判を繰り返されておりました。自見大臣におかれましては、この当時の竹中(元)金融大臣の金融行政のあり方についてどのような評価を今なされているのか。この木村さんを重用したことを含めた当時の金融行政についての評価をお聞きしたいと思います。

答)

大変適切な質問だと思っております。ご存じのように(平成21年)9月9日に出した3党合意ですね。それから、政権交代の約1週間前に出した当面の衆議院選挙における6つの共通政策というのを出させていただきました。これは、民主党、当時社民党、国民新党でございまして、どちらにも小泉さん、あるいは竹中さんの行われた過度の競争政策によって、日本のいわゆるセーフティネットをはじめ、非常に社会の安定性が失われたということを、本当に真っ向から批判した文書でございまして、たまたま私は(国民新党の)政調会長でございましたから、選挙の前の6日間の当面の共通政策6つの中でも一番最初にそのことが書いてありまして、なおかつ政権が交代した後もそのことをきちっと小泉さんの過度の競争政策と申しますか、それが非常に社会のいろいろなセーフティネット、あるいは地域の経済、そういったことを傷めたということを明記してありますし、なおかつ当時自由民主党の政権でしたか、10年間で1世帯当たり100万円の所得が減ったということもきちっと3党合意には明記してありますし、そういったことを踏まえて、私も亀井(国民新党)党首ほど表現は厳しくはないかと思いますけれども、きちっとそういった原点を踏まえて政権交代の原点を踏まえてしっかりやっていきたいというふうに思っております。

問)

保険毎日新聞の園田です。

金融庁の税制調査会はいつごろスタートされるご予定でしょうか。その中で当初予定のなかった生保の二重課税の問題などを議論されるご予定はありますでしょうか。

答)

金融と税制というのは極めて大事な問題でございまして、私も自民党にいたころ税制調査会の副会長を7~8年させていただいたのでございますが、まだちょっと。金融と税制というのは極めて大事ですし、同時に証券、あれは流通せねばなりませんから、同時にそういった金融商品に対する課税、あるいは昔は有価証券取引税という税金がございましたけれども、できるだけ証券、大きく言えば貯蓄から投資へというのは、間接金融から直接金融へというような大きな流れがございますので、そんなことを含めながらいろいろ税制改正を過去やってきた経緯があるということはご存じだと思いますが、なかなか税制を扱っただけではその所期の目的は、確かに効果はあるんでしょうけれども、達し得ないような部分もございますから、そういったことを総合的に勘案しながら、これは8月の末までに各省の税制要求というのは、最終的には出すということでございますから、そこら辺を踏まえて勘案しながら、また今の景気の状態、それから日本の置かれた、アメリカは非常に直接金融が多いのでございますが、日本は昔から伝統的に間接金融が多いというふうな長い間の歴史的経緯がございますから、そういったことを踏まえながら、なおかつ金融は円滑に機能するということが非常に大事でございまして、なおかつ税というものでございますから簡素公平ということも大事でございますから、そういったことを総合的に勘案しながら8月の末までにきちっと金融庁としては正式に税制調査会の方に出させていただきたいというふうに考えております。

検討は、もうそろそろ庁内的には始まるころだというふうにお聞きをいたしております。

問)

フリーランスの佐々木といいます。

先ほどの岩上さんの質問に関連してなのですけれども、1つ具体的に伺いたいのですが、前回私も質問したのですけれども、日本振興銀行の免許取得の際に、木村さんが現職の金融庁顧問の間に免許を取るコンサルタント業の契約をして1億円を支払われて、という経緯があったと思うのですけれども、これに関しては要するに非常勤の公務員で顧問にある人が許認可行政のコンサルタントを同時にやって、それで支払いを受けていると、これは全く問題はないのでしょうか。

答)

そのことは国会でも過去いろいろ質問は出ているようでございますが、金融庁顧問というのは金融庁の組織規則上は「金融庁の所掌事務のうち重要な施策に参画する」とされており、個別事案を所掌するものではないというふうに考えております。また、金融庁顧問は、国家公務員法上の兼職禁止規定が実は適用されておりませんで、非常勤の国家公務員であることから、金融庁顧問以外の業務活動を行う上で、国家公務員法上の少なくとも法制上の制限はないというふうに理解をしております。したがって、当庁としては、公務員以外の業務活動については国家公務員法上の見地から特に問題がなかったのではないかというふうに考えておりますが、私が今さっき申し上げましたように、やっぱり「瓜田に沓を納れず、李下に冠を正さず」という言葉があるわけですから、やっぱり法律は確かにこうですけれども、まあその辺を勘案しながら厳正な監督、あるいは国民の失われた信頼を呼び戻すために、私も25年国会に送っていただいている人間でございますから、そこら辺を総合的に勘案して厳正にやっていきたいというふうに思っております。

問)

そうすると民間人の方が政策に非常勤の公務員として関わるときのルールをもう少し整備する必要があるのではないかと思うのですが、大臣はそのあたりどんなふうにお考えでしょうか。

答)

今後の課題としてそんなことも当然、「瓜田に沓を納れず、李下に冠を正さず」といったわけでございますから、そこら辺はやっぱり世の中の常識と申しますか、信頼性の向上と申しますか、私はきちっと、顧問といえば当然金融庁の上の方ですが、国民新党も「弱きを助け強気をくじく」でなくて、「弱きを助け強きに責任を持たせる」というのが、私は保守の基本理念だと思いますから、上に立つ人はおのずと法律というものもございますが、同時に法律以前に倫理だとか、道徳だとか、一般の常識だとか、あるいは国によっては宗教だというのもあるわけですから、そんなことを総合的に勘案して、選挙で選ばれた国会議員として、金融庁の大臣としてきちっと国民の納得できることを、厳正な監督をやっていかねばならないというふうに思っております。

問)

東京証券取引所が昼休みですとか取引時間を延長するということを検討しているという話が伝わっておりまして、この手の話は過去に何回か出てきては消えしていた話だと思いますし、取引時間を延ばせば取引が活発化するかという話でもないと思いますが、金融庁としてのご見解は今どういうところにあるでしょうか。

答)

これは、繰り返しては去るようなご意見だということは私も初めて勉強させていただきましたが、最近の新聞でもご指摘のような報道があったことは知っておりますが、ほかの国では昼休みがないというような話も漏れ聞いておりますが、基本的には個別の東京証券取引所ということでございますから、金融庁としてはこれがいいとかあれがいいというところのコメントは、基本的に株式の証券の取引所でございますから、差し控えさせていただきたいと思っています。

ただし、一般論として申せば、取引所における様々な取組みが投資者の保護を確保しつつ、市場の厚み、拡大、利用者の利便の向上に寄与することを期待をいたしております。

問)

金融タイムスの大島と申します。

昨日、社民党と郵政改革法案を秋の国会で通そうということで合意されたと思うのですけれども、それでもう法案の修正というのは全くしないで通そうというお考えでしょうか。

答)

私は、最初から申し上げましたように、これはきちっと前の内閣でも法律を閣議で決めたわけでございますし、またきちっと法案は衆議院を通った法律でございますから、今の私としてはきちっと初心貫徹ということで、前の大臣の意向を受けながらやっていきたいというふうに思っております。

問)

ちょっと金融の話から離れて申しわけないのですが、政府の一閣僚である大臣への質問となりますが、キム・ヒョンヒ元工作員の来日で、政府が多額の国費をかけて特別待遇をしたにもかかわらず、結局どうであったのかという説明が国民や報道機関へ足りないのではないかという指摘があるのですが、今回の来日、そういう点で問題はなかったと考えていらっしゃいますでしょうか。

答)

所掌外のことでございますが、それは極めて、今南北の関係も緊迫いたしておりますし、それは中井大臣の方にお聞きしていただければありがたいというふうに思っております。

問)

保険銀行日報、片岡です。

金融庁が21日に金融検査指摘事例集を公表されましたが、金融検査についての現状について大臣の認識をお聞きしたいと思います。

答)

金融庁検査局、平成17年度より金融行政の透明性、予測可能性をさらに向上させるなどの観点から毎年7月に金融検査指摘事例集を公表しております。

今ご指摘のとおり、引き続き平成21年の事務年度においても昨年7月から今年6月までに通知された検査結果の中から事例を選定し、金融検査指摘事例集として公表しているところでありまして、各金融機関におかれましては本事例集を今後の内部管理の態勢構築の参考にしていただければと思っておりますが、中小企業金融円滑化法案を亀井大臣のときに成立させていただきまして、ご存じのように条件の緩和、あるいはこういった不況のときでございますから、あるいは住宅ローンの条件の変更等々にきちっと応じるようにと、かなりある意味で従来の金融行政から変革をある意味できちっと、コペルニクス的とは言いませんけれども、かなり大きな変化をしたわけでございますから、そういうことを拳拳服膺(けんけんふくよう)して、私がいつか申し上げましたように、私の地元の中小企業でも100人ぐらい従業員抱えているところ、これは50人ぐらい正規社員、50人ぐらい非正規社員で、この金融円滑化法案ができたので何とか生き延びているけれども、「自見さん、あとは仕事が何とか出てこないか」と、「今、必死で我慢して自分自身は廃業してもいいと思っているのだけれども、それに100人みんな家庭があるから一生懸命頑張っているのだ」と。

この前も申しましたように、2回の年末、2回の年度末(の資金繰り)ということに有効になるようにつくった時限立法でございますが、そんなことも視野に入れながらいろいろなご意見を聞きながら、その方は強く「延長してほしい」ということを言いましたけれども、今、やっぱり中小企業にきちっとお金が回るということは非常に大事でございますし、全企業の99.7%は中小企業でございまして、2,800万人の方は中小企業で働いておられるわけですし、日本の経済の非常に大事な大宗を中小企業が現実的に機動性、弾力性、そういったことが非常にすぐれているわけですから、そんなことも視野に入れつつ、しっかりこの(金融)検査(指摘)事例集を活用していただきたいというふうに私としては思っております。

どうもありがとうございました。

(以上)

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