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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成22年11月5日(金)10時09分~10時30分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は、特にありません。

【質疑応答】

問)

3点質問をお願いいたします。

1点目が、尖閣沖の漁船衝突事件のビデオが流出した可能性が強まっておりますけれども、これに対する大臣の御所感と、どのような対応が必要かお考えをお願いいたします。

答)

この件につきましては、今朝のテレビで偶然見まして、これは当然漏れてはいけないというようなものですから、海保(海上保安庁)あるいは(内閣)官房を中心に調査中だと聞いておりますので、しっかり調査をしなければならないというふうに思っています。確かテロ(対策の)情報も漏れたというような報道もありましたが、そこら辺はきちっと各省においても、漏れてはいけないものは漏れてはいけませんし、公開するものは徹底的に公開するというけじめというのは大事だと思います。

問)

2点目ですけれども、TPP(環太平洋経済連携協定)に関してなんですけれども、政府が近くTPPに参加する方向で閣議決定する見通しになっておりますが、国民新党は以前から亀井代表を含めて非常に懸念する表明をなさっておりますけれども、閣議決定の際に大臣のどのように対応なさるのかという現時点でのお考えをお願いします。

答)

お互いに色々知恵を出していただけるのではないかというふうに私は期待していますね。

問)

最後なのですけれども、一部、本日報道がありましたけれども、西友の社外取締役のインサイダー事件というのが浮上しておりますけれども、現時点でこれはどのような状況にあるのか説明していただけないでしょうか。

答)

そのような報道がなされていることは承知をいたしておりますが、ご存じのように個別の反則事件の調査状況については、コメントを差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

ただし、一般論として申し上げれば、要するに証券取引等監視委員会は、証券取引の公正性及び投資者保護の確保のために、厳正に市場を監視しているものでございますので、法令違反行為があると認められた場合には必要に応じて調査をして厳正に対処することになっております。

問)

フリーランスの上出と申します。

幹事社の質問にもありましたTPPなのですが、これは私、出身地が実は北海道で、例えば酪農とか大変大きな影響、地域崩壊というようなこともあります。この問題が国民にとっては急に浮上してきた感もなきにしもあらずなのですが、自見大臣は、どういうようにこの問題のポイントを捉えて、どうして今のような形になってしまったかというのを、どういうふうに見ておられますでしょうか。国民新党や大臣のお立場も含めてちょっと解説していただければと思うのですが。

答)

私も25年(間)国会議員をさせていただいておりまして、22年(間)は自由民主党にいました。自由民主党というのは、農業問題というのは私に言わせれば必須科目なのです。大学でも必須科目の場合、単位を取りませんと進級できないというぐらい、自由民主党の場合、特に1年目から3年目の議員の時、私もかつて福岡第4区というところで、郡部4市19町村ありまして、何とか郡何とか町というところがたくさんございまして、私の本職は医者ですが、農業問題というのには大変鍛えられました。26年ぐらい前に日本農政刷新同志会といいまして、最初に、渡部恒三さんが作っていたべトコン議員という米議員がありまして、それが大体、基地を構えて、農民の気持ちを代弁したいと言ってできたのが、日本農政刷新同士会であります。これまた名前が悪く、「アパッチ」といいまして、それの創設メンバーの一人が自見庄三郎でございます。

そんなこともございまして、私も少なくとも農業問題については当時の自由民主党の国会議員として、当時食料管理制度で、全量買い上げという時代でしたから、通常国会が終わるとあとは大体必ず徹夜で米価を決めるというのが年中行事で、福岡県の農協・農政連から何百人という人が、上野の日本風の修学旅行に来るような宿に来まして、必ず夜はそこに行って気合いを入れるというようなことをずっとやってきました。大体当時の自由民主党の1年生、2年生、3年生の国会議員はどの地域から来た人間でもそうでした。

私もそのような経験をしていますから、この問題は決して今出てきたのではなくて、非常に昔から、実はガット・ウルグアイ・ラウンドの問題のときからずっと日本国にある問題であり、確かに今、急に浮上してきたというようなことを書いてある新聞もございますが、これはもう私は特に渡辺美智雄先生の直系の弟子でしたから、渡辺美智雄先生は農林大臣をされて、中川一郎さんとともに、構造改革派の若手の中堅のボスの一人でしたから、私はこの問題点はどこにあるのかということは、少しは勉強、経験させていただいたつもりでございます。

私はこの前申し上げましたように、私の立場から国民新党の立場も色々ありますし、私としては、当然、党首が代表ですから、党首は色々官邸(の方々)とも話をしていると聞いておりますので、今、いろいろ知恵を絞り中だというふうに思っております。

非常に北海道の経済、特に北海道は農業問題が非常に大きな問題ですし、しかもあそこは石炭もございましたし、第一次産業は非常に大きなウエートを占めている地域でございますから、北海道の方々は大変ご心配しておられるということはよくわかります。

しかし同時に、やっぱり攻めていく農業というものも、最近ご存じのように輸出を振興しようというのが最近5年、10年ぐらいの日本の農業政策の一面でもございますし、確かに中国なんかに行きますと、私は九州(出身)ですけれども、「あまおう」なんていう大きな立派なイチゴが結構売れるのです。私の出身地は北九州市で、近郊農家が多いところでして、そこはやっぱり果物、花卉(かきん)、菊の花とか、そういったことを結構大都市の北九州市と福岡市という100万都市が近くにありますからね、あの地域では花卉といいますか、花があり、フラワー産業も1兆円産業を超えましたけれども、そういった近郊農家的なところもございます。それから、もうよくおわかりの北海道とか田舎の方によっては、ある程度の広さがないと米だけではなかなかやっていけません。

しかし、もう20年前から一生懸命農業をやる人に農地の流動化政策をやってきたのですが、これもなかなかうまく結果が出ず、北海道の場合は少し広いですが、日本はもう構造的に1農家当たり0.9ヘクタールぐらいでございますし、そういったところで問題点が色々あるのですが、これも新しいようで大変古い、日本が戦後ずっと抱えている非常に重要な問題だというふうに思っております。返事にはならないかと思いますけれども、重要性はよくわかっております。

問)

2問質問があります。

先ほどの幹事社質問でもあったのですが、まず尖閣(沖)のビデオなのですけれども、今朝のニュースで偶然ご覧になったということなのですが、中国船の方が海保の船に体当たりをしてきたというふうに映像的には見えるのですが、大臣はどうご覧になっておられるのか。その感想をいただきたい。

もう一つ、TPPの関連なのですけど、今日のこれからの委員会でもアメリカが参加するに当たって、非関税障壁として大臣が所管されている郵政(改革)を問題視していると言われているのですが、これについて大臣はどう思われるのか。この2点をお願いします。

答)

今朝、偶然にニュースを見て、何か流れていたということや、これが真実かどうか、あれが本物かどうかは、今調査中だということですけれども、率直に言えば、あの映像を見たところだと大変激しくぶつかっているなという印象を受けました。

それから今、TPPに当たって、我が国の郵政改革に関して米国が関心を有していることは承知をしておりますが、仮に我が国がTPPの交渉参加の意図を表明した場合でも、いかなる要望を米国がしてくるかは現時点では不明でございます。

これは非常に何かそういう話が一般的に流布しておりますけれども、私もある程度、日本国の外務省あるいは金融庁、財務省等々を使って色々調査をさせていただきましたが、いずれにいたしましても不明でございまして、確か24の分科会をつくって、アメリカはまだ入っておりません。入る交渉を今から始めるという話でございまして、大分話だけは先に行っているようでございますが、今のTPPには金融サービスというのは一切その項目には今は入っておりません。将来的に24項目を検討しましょうというのは、確か12月にニュージーランドで開くのだと思いますが、未確認情報ですけれども、その中の一つに金融が入っているという話だということです。

いずれにいたしましても、今、国会に提出していただきます郵政改革法案の第12条において、郵政事業は、同種の業務を行う事業者との競争条件の公平性に配慮することを基本といたしておりますし、それから、この基本方針の下、経営の自主性と競争条件の公平性のバランスのとれた設計としているところであり、WTO(世界貿易機関)協定をはじめとする国際約束との整合性は確保してあるというふうに確信いたしておりますし、この前アメリカに行ってきまして、ブレイナードという財務省の次官ともお話をして、このことが話題になりましたが、当然設計するときに、これはGATS(サービス貿易に関する一般協定)という国際取り決めでございますから、当然日本国として守る必要があるわけでございまして、こういった意味で、特にこのことだけは経営の自主性と競争条件の公平性、第三者委員会をつくりますし、そういった仕組みからきちっと説明をしてまいりました。先方からもまたいろいろ質問も出ましたので、向こうが納得したかどうかは不明ですけれども、質問にきちっと答えてきました。こういったことは、直接ナンバー2の財務省の次官にお会いし、ブレイナードさんは外交担当のナンバー2の財務次官ですから、きちっと説明をしてまいりました。

それから、この前の国会のときにも、これは実は衆議院の総務委員会で、ある議員から質問がございましたから、時間をいただきまして、これはアメリカに向かってきちっと説明する気持ちで、国会で答弁をさせていただきました。こういう話はやっぱり国際的な話にもなりますから、誤解がないように丁寧にきちっと説明するということは、私は政治家として大事だと思っておりますので、そのことだけはよくご理解をいただきたいと思います。

そういう話を小耳には挟んでおりますけれども、そういう話は一切事実としては今のところないのが事実だと思っております。

問)

りそなホールディングスが増資を計画して、さらにそれによって公的資金を返済するというようなことが明らかになったのですけれども、それについての受けとめを教えてください。

答)

報道については承知しておりますが、増資及び公的資金の返済は、個別金融機関の資本政策に関する事項でありますからコメントは差し控えたいと思っております。

りそなホールディングスから、現時点では決定した事実はございませんというようなコメントを公表しているというふうに承知をいたしております。

いずれにいたしましても、一般論といたしまして申し上げれば、公的資金の返済は、従来銀行からの申し出を受け、国、それから預金保険機構において公的資金返済に係る3原則があり、1つ目は、金融機関の経営の健全性、2つ目が国民負担の回避、3つ目は金融システムの安定化ということの3原則に基づき、従来から検討していることになっております。

問)

不動産経済研究所の中澤でございます。

大臣は以前から、議員の時代からデフレについて、デフレ脱却ということをおっしゃっていたと思うのですが、昨日、FRB(連邦準備制度理事会)の量的金融緩和の第2弾が決まりまして、日本の中央銀行もバランスシートに資産を買っていくということを決めていますが、とはいえ、市中に、家計にお金が流れるという時点では金融庁の役割は非常に大きいというか、規制、レギュレーションの意味で大きいと思うのですが、この辺について中央銀行と協働していくのかどうかということをお聞きしたいと思います。

答)

今、大変時宜を得た質問だと思っています。8月にFRB、米国の連邦準備制度理事会議長のバーナンキとお会いしました。それと、連邦公開市場委員会(FOMC)があり、地域代表であり、ニューヨーク連銀の総裁でもあるダドレーという方ともニューヨークでお会いしました。この人が(FOMCの)副議長であり、地域代表というのは、アメリカは広いので、今はボストンやカンザスといった地域の連銀の総裁が持ち回りで入ってくるのです。これが合わせて確か5人で、それからFRBの議長のバーナンキと合わせて、正式に制度上は7人なのですけれども、今1人FRBから出ている理事が欠員でございますから、今は6人だと思います。

これが2日間開催をいたしまして、追加金融緩和策を決定したということは、もう皆さん方よくご存じのとおりでございまして、これはいろいろな従来からの問題もございますが、要するにポイントとしては、50兆円前後の米国債を購入するとか、あるいは0(%)から0.25%まで政策金利の据え置くかということがあります。ただ、日本銀行の場合は0(%)からたしか0.1(%)だったと思いますが、そういったことで、まさにFOMCの決定でございますから、金融庁としては、為替市場、あるいは金融資本市場に与える影響を注視をしてまいりたいというふうに思っております。非常に大きなモーメントでございますので、しっかり注視をして参りたい。

しかし、そうは申しましても、個々の株価、金利、為替レートというのは、様々な要因により、市場において決定されるものでございますから、「マーケットのことはマーケットに聞け」と、一般にそういうことを言われるわけですけれども、変動要因を特定することは困難であるから、コメントは差し控えたいと思っておりますが、しっかり動向は注視してまいりいたいというふうに思っています。

問)

先ほどのTPPの関連で閣議決定するときに知恵を出していただけると期待しているというふうにおっしゃられたのですけれども、具体的にその知恵というのは何でしょうか。

答)

知恵は知恵でございまして、もうしばらく見ていて頂ければ、わかって頂けるものと、期待しております。

どうもありがとうございました。

(以上)

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