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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年4月8日(金)11時06分~11時55分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は、規制(・制度)改革の報告が蓮舫(行政刷新担当)大臣からございまして、これは金融(担当)大臣としてではなくて、私の本職は医者でもございますし、そういった意味で、実は規制改革の中に1項目、国民新党の大変強い意思として医療の規制改革がございます。国民健康保険の皆保険を堅持するということが、実は3党合意でございまして、それから3党合意の前の、衆議院選挙での共通政策6つしか出しておりませんけれども、民主党、国民新党、社民党でつくったものです。最終的には当然党首、それぞれ党の機関にかけて1年半前の衆議院の歴史的な政権交代が実行された選挙のときに、6つだけ私どもで、大きなスーパーマニフェストというのを入れたんですけれども、その中に後期高齢者医療制度の廃止と国民皆保険の堅持ということを入れたんです。政権をとらせて頂いて、その後の3党合意にも国民皆保険の堅持ということを書いておるわけでございます。このおかげで、日本は世界で一番長生きできる(国です)。

あるいは小さな話のようですが、医療、コスト、クオリティー、アクセスが世界一だということをWHO(世界保健機関)からお墨付きを頂いているわけです。そういった色々な問題がありますけれども、全体としては世界で一番高い評価を受けている医療システムを壊して、貧乏な人が医療にかかれなくなるアメリカのような制度になってもいけませんから、そこはきちっと規制改革のときの最初に国民皆保険を守るという立場からということを入れて頂いたんです。実は、そのことを閣僚懇の席で蓮舫大臣にきちっと入れて頂いたので、3党合意の基本中の基本ですから、入れて頂いたことにお礼を申し上げておきました。これは金融(担当)大臣としてとは別で、国民新党の中の議論でございますけれども。

なおかつ今、東北地方は被災地でございまして、医療が崩壊したようなところもございますから、そういったところでも、その原則はきちっと守っていかないと(いけないと思っております)。世界保健機構が制度としては世界で一番いいというふうにお墨付きをくれて頂いている制度でございますから、いいところはしっかり伸ばしていかなければならないと思って、そのことを私は今日閣僚懇で発言をいたしておきました。

それからもう1点、今日は閣議の前に(第四回電力需給緊急対策本部において)エネルギーに関する話がございまして、そのときに私は第1回目の会合のときから、日本ネット、それから全銀協のネットワーク、これは皆さん方一番ご存じでございますが、金融機関というのは非常に装置産業でございまして、特に日銀ネットは、全世界の中央銀行をコンピューターで結んであるわけでして、ここに電源が来ませんと、日本の国はそこまでダウンしたのかと言われる可能性もございますから、これは最初に官房長官と蓮舫大臣に強く要求しまして、そう簡単にはいかなかったのですけれども、金融庁の事務方が夜を徹して経済産業省と交渉してくれました。日本銀行のネットワークと全銀ネットワーク、これは総量に比べれば使う電力は少ないですけれども、しかしこれは経済の中枢神経、あれは血液のようなものですから、ネットワークの電源がただ機械的に計画停電したら、それこそ日本銀行として世界の中央銀行とネットワークを結んでいる銀行のネットワークが切れたとなると、本当にゆゆしきことです。世界の信用を失ったら、簡単に世界の信用というのはもとに戻りませんから、それは結果として全銀ネットとして確保できたのですよ。小さい話ですけれども、非常に大事な話です。

ですから、今日は第四回電力需給緊急対策本部で、(大口需要家については、最大使用時の電力を)25%カットするとか何とか等々出ましたけれども、それは引き続きやってくれということは、私は金融を扱う大臣として、お礼と再確認をさせて頂いてきました。

それからもう1つ、その中で与謝野馨(経済財政担当)大臣が、産業界の大口(需要家の節電目標を)25%(程度削減する)ということで、むしろ経済というのは一律というと語弊がありますが、彼は前からそこに対して一律25%(の節電目標)ということで非常にかなり批判的なのです。私も基本的に20年前に通産政務次官をさせて頂きましたが、こういうときはお腹の減ったときに魚を1匹やるのか。(それは)お腹が空いていて飢えている人なら助かります。しかし、釣り竿をやれば、今度は魚を何回も釣れるのですから、こういうときは、釣り竿をやる人の方を優先するというか、やっぱり釣り竿をやることをきちっと考えるべきだと(思います)。そして、経済は拡大均衡していかないと経済は大きくなりませんから。それがひいては被災地の方々の雇用の安定につながったり、生活再建につながるのだから、そういう視野に立ってしっかりやってくれということを私は閣僚として(思います)。これは何も金融のことだけではございませんけれども、さらに経済が大きくなるといいますか、魚を1匹やるのではなくて、そのかわりに釣り竿をやるという精神でやっているということを私は申し上げておきました。

【質疑応答】

問)

今大臣がおっしゃったエネルギーの25%(削減)ということなのですけれども、大臣自身は一律25%削減ということについては(どのようにお考えですか)。

答)

それは了解しましたけれども、その内容を、今日は25%にするということを閣僚みんなが了解しました。これは元々新聞なんかに出ていましたけれども、正式に了解したので、その内容をよく経済産業省と(協議し)原理原則は、それを踏まえて経済産業大臣と各業界団体とやるのです。このときにそれをきちっと踏まえて、そういうことが頭を入れるのと、入れないのとでは非常に違いますから。ですから、こういうときは、更に経済が拡大均衡し、結果として、経済の果実が大きくなるというところを大事にして、経済の果実が大きくならないということはございませんけれども、そういうのもあります。川上の大事な部品が、計画停電により工場で製造できなくなったら、車が全然できなくなります。それに汎用性、それから部品でも外国のどこにあるとか。実は、そういったことをよく細かく、魚をやるのではなくて、釣り竿をやるということを考えてしっかりやってくれと。経済は拡大均衡しないと駄目だということを例えで言ったのですけれども。

問)

そういう意味では、金融面ではどういう削減が望ましいというか、そこは(どうお考えですか)。

答)

今回公表された夏の季節の間の電力需給対策の骨格ということが、今日決定されたわけでございますが、今のご質問は、金融界ではどのような対応をするのかというご質問だと思うわけでございますけれども、今言いましたように、官房長官と蓮舫大臣が司会をされましたが、全閣僚と夏季の電力需給対策の骨格が決定されたところでございまして、色々新聞には、全銀協が夏の電力不足に備えた節電のために、地域ごとに色々持ち回りで店舗を閉めるとか、輪番休業を検討している等々の報道があることは知っていますが、今日正式に決まったわけですから、今回発表された骨格において、大口需要家について最大使用時の電力を25%程度抑制するなどの大幅な削減を求められていることから、金融界との間で様々な案を検討・協議をしているところでございまして、この骨格を踏まえて、今後金融庁としては所管業界に関して、顧客の利便性に留意しながら目標達成に向けた計画を策定するように臨んでまいりたいというふうに思っております。

銀行業界における現在の実質的な取り組みとして仄聞するところによれば、店舗外のATMの休止または営業時間の短縮だとか、空調の設定温度の変更、照明の点灯割合の削減という話も聞こえてくるわけでございます。正式には、今から色々まさにこれは非常時の話でございますから、しかし同時に私が言いましたように、経済というのは、大きくならなければいけませんから、そういったことを踏まえながら、今、省エネの照明で非常にいいものも技術革新されたように聞きますから、そういった技術革新も踏まえて、やっぱり節電したけれども結果として景気がよくなったと、こういうことがまさに、今さっき魚と釣り竿の話をしましたけれども、私は、量と質を考えてやることがこういうときに大事だと思いますから、金融庁といたしましては金融システムの維持は非常に重要でございまして、そのことは最初に強く申し上げておりまして、最初の計画停電のときから、金融システムだけは例外にさせて頂いたということを言いました。そんなことを考えており、今からしっかり国民も納得し、なおかつ業界もやりたくないというのもあるでしょうけれども、ご理解を頂いてやっていくと、目標達成に向けた計画を策定するようにこういうときですから、促してまいりたいというふうに私としては思っております。

問)

被災地の地域の金融機関についてお伺いしたいのですけれども、昨日の段階でも確か140店舗がまだ閉鎖されている状況で、中小の金融機関の中では、お店も営業先もなくなって、また今後不良債権がどのくらい増加するか分からないみたいなところもあると思うのですが、そういう金融機関の自己資本なり財務に懸念とか影響がないのかというふうに、大臣としてどのようになっているか分かりますか。

答)

足許では被災地に所在する金融機関を含めて、地域金融機関全体として、十分な自己資本が確保してあります。今回の震災の影響については、今後各金融機関において、顧客の状況等について確認作業が進められておると承知しておりますが、いずれにせよ当庁といたしましては、まず、地域金融機関の状況についてしっかりフォローしてまいりたいと思っています。

一例を挙げますと、これは皆さん方経済部の方が多いわけですから、ご存じと思いますが、地域銀行の自己資本比率、これは4%あればいいというのはバーゼルの規制ですが、地域銀行が大体自己資本比率が11.6%、それから信用金庫が12.3%、信用組合が10.9%ということでございまして、ご存じのように自己資本比率4%をはるかに超えていますから、これは十分な自己資本を確保しております。

しかし、地域的に主には宮城県、岩手県、福島県で原発の影響もございますから、そういったことを踏まえてのご質問だったと思うわけでございますけれども、そういった中で国の金融機能強化法という法律がございます。これは国の資本参加を通じて、金融機関の金融仲介機能を強化することにより、厳しい状況にある地域金融や中小企業を支援する仕組みとして金融機能強化法がございまして、これは、最初はペイオフとの対でつくったと思いまして、公的資金を金融機関の自己資本に注入するという法律でございます。

しかし、そういうことになれば、最初の法律は経営者の責任を厳しく問うという話になっていたと思いますが、それから時限立法で切れまして、今度はリーマン・ショックのときに再びこの金融機能強化法をつくりまして、そのときは最初の法律より金融機関の経営者の責任をそれほど強く追及しないということに変更しまして、かなり使いやすい法律になったということはもう皆様方はご存じだと思います。これは確か来年3月31日まで有効でございまして、今、政府(保証)枠は12兆円ございます。この前から言っていますように、新しく改正した金融機能強化法で11(行)、旧法をつくったときに旧法が2行ございまして、3,495億円の資本参加を今実施しておりますが、12兆円枠でございますから、まだ11兆6,000億円ぐらい枠があるわけです。同法は、金融機関の経営判断として資本増強を行い、被災地を含む地域の中小企業等に対する金融仲介機能を積極的に発揮していく上で有効な政策手段であるというふうに考えています。

しかし、ご存じのようにあくまでも民間の金融機関ですから、これは民間の経営者のご判断でやるわけですから、11兆6,000億円ぐらいの法律の裏付けを持って金融機関の自己資本を増強するという法律が既にありますから、ぜひ金融機関の方にも国民の皆様にも、今さっき言いましたように自己資本比率もしっかりしていますし、日本の場合にこういう法律もありますから、金融に関して不安というのは一切日本の場合にはありませんから、ぜひそのことをご理解頂きたい。

金融機能強化法については、これは大事な質問でございますが、さらに今次の東日本大震災という未曾有の災害が金融機能に様々な影響をあたえられたことが考えられておりまして、この法律の適用要件にかかわる震災の特例を設けるなどの検討を行い、必要な見直しというか、特例を地震・津波、あるいは原発の非常に深刻な影響を受けている地域に特例を設けるなどの検討を行い、必要な見直しを行いたいというふうに思っております。

これは今回、国会に地域的な強化をいたしまして、私としては、ぜひ国会に提出させて頂きたいと思って、今金融庁を挙げて、どうしたらまさに非常に使いやすくなるのか。一例は、最初の法律は必ず金融機関の責任者が責任をとりなさいと、それから2番目の法律では、かなりそこは緩くしたのです。今度はご存じのように、東北地方の地震・津波は自然災害ですから、これは一経営者、経営陣の努力ということを超えていますから、そこは基本的に(責任を)問わないと。そして、そこは使いやすくすることは、一つ私の頭の中にあるわけですが、そんなことも今本当に事務方が夜も寝ないで今、何とかこの地域の金融機関をきちっと活性化せねばならないと、知恵を絞って頂いているところでございます。その内容については、現在率直に言えば検討中でございます。ですが、例えば被災により影響を受けた金融機関が申請を行いやすくなるよう、さっき言いました経営者の責任を今度の場合は天然災害ですから問わないということが一つだろうと思います。

そんなことを含めて、金融庁の役人は優秀でプロですから、きちっとかじの方向は私がとらせて頂きました。今、鋭意夜に夜を継いで策定中でございまして、策定が求められている経営強化計画の内容を弾力化すること等を考えております。

今の国会に出す予定でございまして、多分、今日の午後、与党の政調に金融庁として登録しなければなりませんから、金融機能強化法の一部を改正する法律案と、これは仮称を私が勝手につけたのですけれども、今度の震災関係を一括して法律を審査するということで、今、内閣府の方から各省に、この震災・津波関して必要な法律があったら上げてこいということを指示を頂いておりますから、金融庁としては今日の午後、与党の政調に登録をさせて頂く予定にいたしております。

問)

この4月、月内にも成立を図るということですか。

答)

ぜひ、これはちょうど、金融機能強化法というリーマン・ショックのときの法律がありましたから、それを特に地域的に限定いたしまして非常に使いやすいものにしたいと。今さっき言いましたように、そういったことを含めて、きっちり被災地の人の立場に立って金融側も万全を尽くしていくということが、非常にこういうときは政治家として大事だと思って、皆さん方に協力して頂いてやっています。

(成立に関しては、)国会のことでございますから、一応登録をして、今度内閣からまとめて出すということになると思いますが、なるべく早く、これは与党の中の政調に4月中に登録するのが今日でございまして、その後、この震災・津波関係は、私はマスコミでしか知りませんけれども、野党も協力するということを言って頂いておりますから、できるだけ、早く成立させていただいて津波・地震に苦しんでおられる方、あるいは中小企業の社長、あるいはこれは農家なんかも入りますから、そういった農業経営者なんかにもしっかり、全力を挙げて、復興、復活に向けてやっていかねばならないというふうに私は思っております。

問)

東洋経済の浪川です。

大臣、一番初めにおっしゃった金融システム、つまり日銀ネット、全銀システム等の問題、あるいは金融機関の中の決済システムの機能の問題なのですが、それは要するに首都圏における問題ということですよね。

答)

東京電力管内です。だから東京、それからずっと関東エリアです。

問)

2006年に中央防災会議で首都直下型地震の対策というのを検討したことがありますよね。そのときに首都圏というのをやったのですが、首都圏の電源というのは、中央区と千代田区は1つしかないのをご存じですか。

豊洲の変電所が1つだけなのですよね。

答)

変電所ごとで、地域別ではないのです。そのことは知っています。

問)

豊洲の変電所の自家発電装置が地下埋設なのですよね。

ちなみに、アメリカのニューヨーク連銀は、自家発電装置は空中に置いてあるのですよ、水害対策で。それは地震がないというせいもあるのですけれどもね。水害ということがあって。

それで、あと個々の銀行は、もう自家発電装置をつけているのですけれども、空冷式と水冷式のケースに分かれていまして、仮に水冷式だと水道が止まったときに使えなくなるのですね。東京の水、あそこら辺はやっぱり水の供給も1系統しかないのですね。そういうことがありまして、今の大臣のご発案というのは非常に有効なのだと思うので、それを何かもっと具体化して議論していくご発想はありますか。

答)

私も大変いい勉強させて頂きましたが、やっぱり日本というのは第1次オイルショックがあったり、リーマン・ショックがあったりしましたけれども、66年ぶりにこういった本当に未曾有の大災害に遭いまして、亡くなられた方には心からのお悔やみを申し上げると同時に、たくさんの方が被災をされて、まだ行方不明の方もおられるわけでございまして、たくさんの国民が避難生活を送っておられるということで、私も人間として、政治家としても胸の痛むような思いでございます。

これをまず救うことが大事でございますけれども、同時にやはりこういった危機が来るということを一部のよく先の見える人はそういうことをよく言っていましたけれども、率直に言えば、私も含めて日本人というのは、まさかここまでと思っていた部分が国民もあると思います。だけれども、現実に来たわけですから、今度は危機管理というのは、世界的な企業というのは非常に大災害や、ABCといいますか、化学兵器だとか、核兵器だとか、あるいは生物兵器のテロが起きたときに、特にアメリカなんかはきちっと対処していると。

私の知っている西洋系の日本に来ている大きな企業だって、バックアップシステムは東京と長崎県に置いています。ですから、そういう思考も今からの日本の、経営者も色々考えてはおると思います。今度の災害のときも、バックアップシステムは重油でやるでしょう。実は、その重油が足らないということが起こりまして、かなり苦労したのですけれども、うまくいきました。

ですから、まさにそのバックアップシステムでも補助電力についても重油で動くのです。そうすると、こういうことになって精油所が爆発しますと、ガソリンはじめ重油の供給もままならないことも実は経験しておりますから、本当にこういった災害のときの安心・安全(が大切だと)。ただ、率直に言えば、予算にもかかわることですけれども、きちっとこれを厳しい経験をさせて頂いておりますが、より将来の安全な社会の仕組み、企業の変化、それから何よりも皆さん方の意識の変化につなげていただき、我々はそれを具体化していかないと、政治家としてお亡くなりになられた方に申しわけないと自見庄三郎は思っています。

問)

それと、大臣、かなり被災地を回っているのですけれども、被災地の中小金融機関は、ほとんどが融資を無担保で非常に積極的にやられているところがあるのです。僕は立派だと思って回っているのですけれども、そうすると金融機能強化法を使い勝手よくするというのは本当に大事なことだとは思うのですが、その一方で金融検査マニュアルのあり方。この間も緩和措置は出されましたけれども、実情に合わせてさらに緩和を考えていくというお考えはございますか。

答)

金融庁としては、今お話がございました金融検査マニュアルにおいて、被災の影響で金融機関による債務者等の融資の実態把握が一時的に困難となっている、融資している中小企業が流されて存在しないということも極端な場合ありますから、それから非常に工場が、大変な被害を受けているというようなところがございまして、そういった場合の特例。

それからから2番目に、監督指針において被災の影響により債務者が貸出条件の変更時に直ちに経営再建計画を策定できない場合の特例。これはご存じのように、中小企業は今まででも1年延ばしてもいいということでしたが、さらに1年して延ばしていいと。それから大事なところは、大企業も工場が色々あるところがありますから、これも確か特例で1年間延ばしてもいいということをこの前、3月31日に公表したと思います。

今はそういうことをやらせて頂いておりますけれども、いずれやっぱり一番現実に合ったように、私が今さっき言いましたようにきちっと、当然我々は民間金融機関を監督させて頂いておりますから、みんな国民の方々が預けて頂いた預金ですから、それはきちっと金融規律をもって有効に投資していくということも大事ですけれども、同時に(日本)政策投資銀行だとか、まさに予算そのものが色々ございますが、金融庁所管からはちょっと外れますけれども、国民新党としてもしっかりやっていきたいと思っております。

東北財務局も大体毎日入っておりまして、私にも今、東北財務局長から毎日レポートが来ています。今、確か仙台、盛岡、福島で地域の金融機関、それから中小企業団体、あるいはその地域の政策金融、仙台なら仙台の責任者とか、そういった方を集めてずっと会合で要望やらを聞いて頂いております。それから、非常に災害のひどかった岩手県のリアス式海岸沿岸にみんなで手分けして、よく足を運んでくれています。毎日私は、時々電話をかけさせて頂いて、報告を頂いております。(財務局からは)本当に生きた報告が来ますから、そういったことを含めて今後とも必要な見直しがあれば、不断に行っていきたいというふうに思っております。

問)

あともう1点なのですけれども、郵政は被災地に移動郵便車とか非常に集結して、出して対応しています。避難所の前に預貯金の払い出しとか、色々やっているわけですけれども、全銀協ベースの銀行の取組みというのは、大臣として満足しておられますでしょうか。

答)

まず郵政のことですけれども、東北6県に1932局あるのです。このうち営業しているのは1816(局)でして、実はリアス式海岸の奥の町やら村がありますが、明治以来、そこに全部郵便局があるのです。実は本当に胸の痛む思いですが、今60人日本郵政の方が亡くなられたり、行方不明なんです。ある人に言ったら、そういう特徴がゆえに東北地方の組織体として一番不明者が多いのは日本郵政だというのです。まさに最前線におるわけです。

だけど、その中で、テレビ、新聞なんかでも書いて頂きましたが、自分の家族も被災しておる中で、郵便を一部始めておりまして、あれを見て、私は大変感動したのですが、被災された方に郵便を届けると非常に喜ぶのです。当たり前ですけれども。ただ、何か職員の方が、我々は任務を果たしただけで喜ばれるから幸せですとか言っていました。まさにそこが郵便の昔からある公共性・公益性のあるところでして、こういったときですから、(日本郵政の)足立副社長が(被災の)1週間後に(現地に)入っていますから、そんなことも踏まえながらしっかり(やって頂いています)。しっかり公共性・公益性を持っていたわけですし、今でも政府が100%(株式を)持っているわけですから、まさに国民の利便のために、安心のためにしっかり働いて頂いておりますし、感謝いたします。

それからもう一つは金融機関。石巻市にある(石巻)商工信用組合というのがございまして、東北6県と茨城県に72の金融機関があるのです。地方銀行も含めれば、本店、支店、営業所が2700(箇所)ございまして、ここ(石巻商工信用組合)が最後まで連絡がつかなかったのです。実は4日間連絡がこの石巻の信用組合は連絡がとれなくて非常に心配したのです。そうしたら、ちゃんと12(箇所ある店舗のうち)9つ営業して頂いていて、本店は流されてしまったのです。ところが、(9つの営業店のうち)2店舗しか電気が通じていない。(残りの)7つの店は電気がないのに営業して頂いておったのです。

そしてまさに私と白川さん(日本銀行総裁)が、預金通帳がなくても大体基本的に名前と住所と生年月日と電話番号と国会でも言いましたけれども、それだけで本人確認を、一番いいのは自動車の免許証と印鑑があればいいのですけれども、そんなのはもうなくなっている人はいっぱいいますから。民間銀行は10万円、ゆうちょ銀行は20万円ということをまず当座の資金として払い戻して頂ければということを、白川総裁と私の名前で(金融機関に対して要請文を)出しましたけれども、そこはきちっと守って頂いて、全然連絡つかなかったのが、やっと近くの信用組合の方が4日間、瓦れきの中を歩いていって、一生懸命停電の中を営業しているのが分かりまして、私は本当に感動しました。

本当にそういう寒村の信用組合が、やっぱり金融が持っている、みんな困っているときに、やっぱり電気がない中でちゃんと営業して頂いておったということが、私は本当に大臣としても、人間としても感動しました。これは民間の信用組合ですから。そういった意味で官民挙げてよくやってくれていると思っています。

それから損害保険もどこかに載っていましたけれども、今度は非常に損保の取り組みが早いということをどこかの新聞で褒められましたけれども、こういうときは本当に素早く3月11日に私の名前と白川総裁の名前で、全国の金融機関、生命保険会社、損保に出させて頂いて、金融庁それから東北財務局、関東財務局の人もよく頑張ってくれました。当たり前ですけれども、非常に出足が早かったというか、しっかりやらせて頂いているつもりでございます。

問)

東証が取引時間の延長の延期という方針のようです。電力不足がマーケットにも広い意味で取引のインフラにも影響を及ぼす形になっていますけれども、これについてのご所見をお願いします。

答)

東証は、昨年の11月24日取引時間を延長する旨公表して、本年5月9日からの実施に向けて準備を進めてきたものと承知をいたしております。

東証からは、証券界全体としての節電への取組みの一環として、取引時間延長の実施を延期することを決めたものと聞いておりますが、金融庁としては電力不足が懸念される夏場に向け、電力需要の削減について、取引所を含む証券界全体としても適切に取り組んで頂きたいというふうに思っております。

問)

大臣としてある意味あれだけ大事な証券インフラに対して影響をあたえているという形については、何かご所見ありますか。

答)

こういうのはバランスの問題でして、きちっと世界に向けてマーケットを開いていくということは、私も極めて大事だと思いましたので、国会でも答弁しましたように、一部にはあのときマーケットは閉めるべきだとか、あるいは先物は規制すべきだと色々意見がありました。(しかし)私は断固たる決意で、こういうときだからこそマーケットを開かなければならないと、そう思って開けさせて頂いて、1週間ぐらい津波(株価下落)が来たのですけれども、今は大分落ち着いてきていますから、やっぱり世界に向けてのインフラというのは大事にしたいと思っています。

時間の短縮等々若干ありましても、全体のバランスの中の問題ではないかなというふうに思っております。

問)

東証は秋口にかけて取引時間の延長をスタートしたいというふうな意見らしいのですが、いつぐらいからスタートできそうかみたいな見通しは。

答)

5月9日からの実施に向けての準備を進めてきたものというふうに承知しています。それをいつまでにするのかというのは、ちょっと私は聞いておりません。

問)

念のための確認ですが、1つは先ほどの(金融機能)強化法の関係は、政令府令ではなく、法律を改正するということでよろしいのですか。

答)

金融庁といたしましては、そう考えております。

問)

そこに東日本大震災というような文字が出てきて、それで種々の特例が書き込まれるという理解でよろしいということですか。

答)

特例として書き込むというふうなスタイルになるのではないかと思っております。まさにそこが一番の金融機能強化法と、それからまさに被害に遭われたところに特例として色々やらせて頂きたいと思っていますから、具体な内容については、経営者の責任は問わないということは入れるということを言いました。最初の金融機能強化法は非常に経営者の責任を、法的介入を入れざるを得ないようなことを大変厳しく言いました。2回目のリーマン・ショックの後はそこを少しやわらかくしましたけれども、今回は少なくとも何も経営者の責任でなくて、これは天然災害ですから、そこは特例によって、これは外したいというふうに思っていまして、具体的なことはまだ今、鋭意夜を昼に継いで、昼を夜に継いで、今ちょっと検討中です。

問)

もう1点だけ。昨夜、大きい余震がありました。これで、かなり広い地域で停電をしておるのですが、これが現地の金融機関にどういう影響を与えているかということを教えてください。

答)

まさに時宜を得た質問でございまして、(7日)23時32分、私もちょうど変な話ですが、たまたま風呂に入ったときに揺れまして、びっくりして、このまま何かあれば男子一生の恥と、こう思ったのでございますが、宮城県沖で最大震度6強の地震が発生したことは承知いたしておりまして、皆さん方経験したのではないかと思いますが、預金取扱金融機関の営業店の一部に影響は生じております。

報告申し上げますと、現在、金融機関の被害状況について詳細を確認しているところではございますが、9時台から電気、エネルギーの問題で閣僚会議がございましたので、これは今日8時30分の時点です。東北6県及び茨城県に本店のある72金融機関の営業店約2700(店舗)について、地震による店舗の破壊等の直接の被害は報告されていませんが、一方、約30の営業店が現在停電によってシャッターが開かない等の理由により閉鎖を余儀なくされているということを報告頂いておりまして、その他多くの店舗で停電の影響により、これはコンピューターがつながりませんから、ATMもワークしないということで、現金の手払い等により、業務を遂行しているというふうに8時半でございますけれども報告を頂いております。金融庁としては、引続き金融機関の被害状況等の把握に努め、確認に努めたいと思っています。

これは8時半(段階のデータ)だから、後から新しいデータはきちっと、発表させます。

問)

確認ですが、この(閉鎖している)30(店舗)というのは、今既にこれまでの地震の影響で一部閉まっている店舗もありますが、昨日の余震の影響で新たに(閉鎖している店舗と考えていいのか)。

答)

そうです、新たに(閉店した店舗です)。今、大体大ざっぱに言えば2700(店舗)(東北6県及び茨城県に本店がある)地方銀行の場合は本店、支店、営業店がありますけれども、そのうち大体150ぐらいはまだ閉まっているのです。ということはもう発表したと思いますが、それプラス約30の営業店が停電になって、今シャッターは開いていないという状態です。

問)

(すでに公表済みの)150(店舗)とは別だから、180(店舗)とか190(店舗)とかそれぐらいになるということですよね。

答)

昨日の地震の影響で、それプラス(新たに閉店した店舗数が)30(店舗)です。

問)

先ほどの(金融機能)強化法の話なのですけれども、今年度中に期限が来てしまいますけれども、それを延長あるいは恒久化ということはどういうふうにお考えなのでしょうか。

答)

そこら辺を含めて、金融機能強化法をつくった理由、それから特例ということで今度の地震・津波の地域に対する、あるいは場合によれば原発の影響といったことで今度の被害を色濃く受けた地域に特例というのを設けますから、これはまだ具体的に決めておりませんけれども、この法律そのものの本体は来年の3月31日までですが、こういう災害ですから、常識的に考えて、基本的には延長するということが視野に入ってくるのではないかと思っています。

問)

先ほど節電のお話で金融機関と色々と話をされているということでしたけれども、その時間軸として例えば今年だけでいいのか、もっと中長期的に考えなければいけないのかというような視点はあるのでしょうか。

答)

それは当然、そういうことを含めて検討して頂かねば、来年になったら完全に需給は回復してほしいですけれども、しかし、そうしない場合も考えて、少し中長期的なことも想定して考えていかなければならないと、こういうときは思います。

どうもありがとうございました。

(以上)

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