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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年6月10日(金)9時40分~10時08分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は特別ございません。

【質疑応答】

問)

国会の会期幅についてなのですけれども、(民主党)代表戦の絡みで、22日に閉じるというような声もあれば、お盆返上で震災対応に当たるべきというような意見も様々あるのですけれども、大臣はこの会期延長についてどうお考えでしょうか。

答)

実はこの話、今日閣僚懇でも菅総理からお話がございまして、私は全く同感ですから、皆様方に申し上げるのですが、昔から言われますように、やっぱり政治というのは小休止があってはいけないのです。ましてや、もう千年に一遍の、まさに大震災・津波・原子力発電所の事故が起きたわけですから、一分一秒も、私は政治というのは休止してはいけないと思っております。テレビしか見ていませんけれども、私は、国民新党の党員でございますから、民主党の議員総会には行っておりませんが、総理は確か、何か一定のめどがついたら若い人に譲られるということを言ったということは知っていますけれども、それはまさに、ある意味で民主党の内部の話でもあるし、同時に、我々議会人の、私の認識としては、人事権、誰を何にするかとか、解散権、それからいつ若い人に譲るかとかいうことは、私は総理大臣でない人は、そう色々言うべきではないというふうに私は思っております。

やっぱりそこは、国民新党は信頼して民主党と連立会派を組んだのですから、まあ、ああだこうだ、こうだああだと色々、喧(かまびす)しい声があることは、私も新聞・テレビで知っていますけれども、そういうことを色々言うことは不謹慎だと思っておりまして、やはり総理にきちっと一任をしておくということが、私は政治家として、また国務大臣としてあるべき姿だと思っております。

今言いましたように、私は民間金融(を所管している)金融庁をお預かりしているわけですから、皆様方ご存じのように、金融機能強化法(改正案)は昨日衆議院の本会議を通りました。あれは非常に労作なのです。あれは信用金庫・信用組合のところがございますが、これは地域限定的であると。特に三陸地方の水産加工業というのは、信用金庫・信用組合は非常に大きな影響力を持っています。例えば、私なんかも石巻信用金庫、石巻商工信用組合に行ってきましたけれども、そういった一定の地域、非常に狭い範囲で、水産加工業(者)が集積していますし、主に信用組合だとか信用金庫が(融資)されていたということで、それこそ私がよく言うように、理事長が、長靴を履いて商売しているのです。それから当然(水産加工業者は信用金庫・信用組合の)組合員(会員)でございます。それから信用金庫・信用組合等は全部中央機関がございます。ほかの地方銀行とかと違いまして、東京に非常に強力な中央会がございますから、そんなところを入れて、やはり東北地方の金融機能を強化するということは、何も金融機関を助けるということでなくて、私は何回も言いましたように、その先の融資を受けている中小零細企業、住宅ローンを受けている個人、これを救うことが目的ですから、狭い範囲ですけれども、特に信用金庫・信用組合は非常に面的に密度の高い機能を果たしておりますから、それを含めて、現在のところは、完全に自己資本比率は全く正常でございますが、今から損失等々も分かってきますから、そんなときにおいてもしっかり金融機能を果たしていけるように、地域の地方銀行等々を含めて、特に信用金庫・信用組合の方には付言しましたが、そこまで含めてしっかり(やっていこうと思っております)。非常にあれは震災による特例的なものです。普通、震災でなければあんな法律は、はっきり言って普通の平時には、なかなかできない法律ですけれども、あそこまでやらせていただいて、決然たる政府は、もう絶対に東北6県と茨城県の金融機関につながっている地域経済を絶対に活性化させるのだと、復旧・復興をするのだと、強い意思だというふうに思っていただいて結構だと思っております。

そんなことですから、少し話はそれましたが、やはり政治には小休止なしと、一分一秒まで、私はたまたま金融(行政)を預かっていますから、皆様方も色々知恵を寄せていただいて、こういう災害有事でございますから、有事には有事の考え方があるというふうに私は申しておりますが、最大限しっかりやっていきたいというふうに思っております。

問)

総理の発言は、「小休止なしだから、一分一秒をおろそかにしない」という発言ですか。

答)

いや、「小休止なし」は私の言葉で、総理は「一分一秒も休んではいけない」というようなことを言ってました。各閣僚は、一分一秒もゆるがせにしないということを言っていました。

だから、昔、「政治に小休止なし」というのは、実は(元首相の)佐藤栄作さんの言葉なのです。総理はそう言われなくて、「一分一秒たりとも」と言われたのです。

問)

二重ローン問題で民主党案がまとまったわけですけれども、そのうち二点について。債権買取りについて現行制度の拡充ということになっていますけれども、それで十分かどうか。それと利子補給の制度がどうなるかという点が残っておりますけれども、その二点について、大臣自身のお考えを聞かせていただけますか。

答)

二重ローンの問題は国会で大変大きな問題になりまして、私が金融(担当)大臣をさせていただいておりますので、私にも質問は振ってくるのですが、私は大変重要な問題だということを言っておりますし、また過日、内閣総理大臣から内閣官房を中心に、財務大臣、金融(担当)大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、農林水産大臣に、しっかり二重ローンの解消のためにやるようにというご指示が出まして、それでやっているわけでございます。いわゆる二重ローン問題については、今お話がございましたように、民主党が対策案をまとめたという報道は知っております。

今さっき言いましたように、政府の内部では、内閣官房を中心に関係省庁において、政策手段について幅広く検討しておりまして、引き続き民主党も、まさに一番有力な与党でございますから、(民主党案の)内容も踏まえつつ関係大臣と力を合わせて政府与党一体となって検討してまいりたいと思っております。

それから、今個別の質問がございましたけれども、債権買取りについて、これはよく国会でも質問が出たところでございますが、民主党案では過剰債務を抱えている事業再生の可能性のある中小企業への支援として、中小企業基盤整備機構等が出資する「中小企業再生ファンド」による出資や債権買取り等が盛り込まれているというふうに承知をいたしております。政府におきましても、民主党案の内容を踏まえつつ、関係各省において適切に検討を行っていかねばならないというふうに思っております。

それからもう一個は、利子の負担の軽減についてでございますが、民主党案では、中小企業につき再生可能性の判断をするまでの一定の猶予期間における旧債務に関わる利子負担軽減のスキームを、早急に検討することが盛り込まれているというふうに承知しておりますが、今さっきも言いましたように、こういったことも参考にしながら、政府においても、総理からも指示が出ておりますから、きちっと関係省庁において適切に検討を行っていきたいというふうに思っております。

これはもう非常に、私も何回も(国会の質問が)当たりましたし、私は何回も言いますように、金融庁は政策金融・政府系金融は扱っておりませんから、ご存じのように中小企業であれば経済産業省、それから住宅については住宅金融支援機構、これは要するに旧住宅金融金庫、これは国土交通省ですし、それから農林水産(業)、これは非常に政策金融の強い分野ですけれども、これは農林水産省ですから、そんなところと、当然利子の補給、それは金融庁だって当然民間金融(の所管官庁)でございますから、原資は基本的に人から預かっている預金ですから、それに若干の利子をつけてお返しをするというのが民間金融機関の原則ですから、それはきちんと大事な人から預かった金は、基本的に民間金融機関の貸出原資でございますから、それは利子をつけないとか、そういうことはそう一律にはできません。

しかしながら、今度の金融機能強化法(改正案)では、この資本を増強させていただけるということでございますから、資本を増強すれば、基本的にケース・バイ・ケースで金融機関の経営者が決められること、金融(機関の)経営者と相手、中小企業なり、あるいは住宅ローンを借りている個人との間の話でございますが、債権放棄ということも、そういう幅も実は出てくると。債権放棄をする資本力も出てくるという話でございますから、そういった意味では、この法律は、より被災地の実情に合ったように運用されることが可能になる法律だというふうに確信しております。

しかしながら、私が今さっき言いましたように、やっぱり金融庁だけでは限界がございますから、財政出動するというのは財務省ですし、それから他の政策金融は、今言ったように3つの省はやっています。これはご存じのように(元本)5年間据え置き、無利子だというのは政策金融で、確か(所管の)中小企業庁・経産省はそういうスキームを第1次補正予算で作っていました。そんなことと一緒になって、政府一体となってやっていきたいと(思っております)。

今さっき言った話、利子の軽減、それから債権買取り、そんなことも織り交ぜながら、しっかりこの問題、非常に今度の震災の特例の話でございますが、やっていきたいというふうに思っております。

問)

保険毎日(新聞)の園田です。

法務省が、(東日本大震災で)行方不明者の方の死亡認定をする期間を短縮して、死亡届を出せるように6月7日にされたということで、生保の死亡保険金支払いに大きく影響すると思うので、所感をお願いします。

答)

これは先般、今ご質問がございましたように、6月7日に法務省より「東日本大震災で行方不明となり、ご遺体が発見されていない方について、市区町村において届出人の申述書等により死亡届を受付・受理できる」旨公表されたというふうに承知いたしております。

この措置によって、震災発生の1年経過以降に認められる現行の、危難失踪宣告を待つことなく、行方不明者の死亡を確定することが可能となり、その結果、預貯金の払出し、それから死亡保険金の支払い、それから相続手続等が開始されるということになりまして、これは記者会見でも前に申し上げたかと思いますけれども、金融庁では大変大きな水面下でのテーマでございましたから、被災した直後から、金融庁の事務方と法務省とで鋭意、交渉をさせまして、当庁といたしましても、被災者の生活の一日も早い再建を支援する観点から、行方不明者の取扱いについて、関係省庁等と検討を進めてきたところでありまして、この措置によって、預貯金の払出しや保険金支払い等が迅速に行われることを、期待をいたしております。

しかも震災が起きた直後の、非常に大事なことですから、監督局を激励して、(法務省に)言わせていただいたということを覚えておりますが、私の一般的な印象として、法務省というのはなかなか、非常に厳しい、かたい役所でございますから、これはもうしっかり交渉してくるようにと(激励し)、きちっと常識的な線でまとまったというふうに、私は法務省をはじめ関係省庁も感謝いたしております。

問)

二重ローン対策については、先ほど民主党の案の話でしたけれども、一方で、自民党の方も、かなり踏み込んでというのでしょうか、大規模に債権買取りを行う、企業再生支援機構を改組し、かなり大規模にやろうという案で民主党(案)ともかなり隔たりがあると思うのですが、踏み込んで買取りを行うという、この発想について大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

そこら辺は、要するに、民主党案でも中小企業再生ファンド等で出資、それから今言われたように、債権買取りということで、ファンドの新設が必要だということを民主党の案でも例示してあります。これは中小企業基盤整備機構、それから県や金融機関による出資ということで、そういった表現がありますが、自由民主党の案、当然公党ですから色々な案を出してきておられると思いますが、そこはあまり詳しくはないのですけれども、基本的な精神は、中小企業の再生をしたいというところで、まさに二重債務に関するスキームというところは共通だと思っていますので、後は程度の問題といいますか、範囲の問題ですから、それは当然出てくれば、それは議会で基本的にやることだと、こう思っております。あるいは各党の執行部、政策担当者のところでやることだと思いますが、それはそれで基本的にそういったスキームがあるということは共通ですから、それは話し合いできる範囲ではないかというふうに、私は政治家として一般論として思っております。

問)

明日でちょうど震災から3か月となって、それで復旧に向けた資金需要というのも少なからず出てきているのかなと思うのですけれども、被災地での金融情勢の現状のご認識を教えていただきたいのですけれども。3か月たって、企業側も今まで蓄えていたお金もだいぶはき出して、これからまさに新しいお金というか、ニューマネーが必要になってくる中で、銀行がきちんとそういう需要に応えられているのかどうかという点について教えてください。

答)

大変原則的な、いい質問だと思っていますが、まさに復旧・復興のための資金が枯渇しないようにということで、3月11日の被災の当日から、日本銀行総裁と私で72(箇所)ある東北6県・茨城県に本店のある金融機関の約2,700の営業所・支店を含む都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、生保会社、損保会社等々の全金融機関にお願いをさせていただいたわけでございます。

当時、中小企業金融円滑化法という、条件変更にしっかり応じていただきたいということを趣旨とした法律がありましたから、その趣旨をしっかり徹底してやってくれと。それから、どうしても3月11日ですから、年度末でもございましたから、相手の売掛金がある企業はもう流れてないとか、実際、中小企業がなくなっているというようなところがいっぱいあったわけですから、その支払いは月末、あるいは猶予していいというようなこともお願いをしたようでございまして、そういった意味で、まさに今さっき話しましたように金融機能強化法、これは自己資本を補てんする11兆6,000億円近いお金が今の法律上もございますから、それは、最終的には民間経営者のご判断でございますが、それをしっかりやっていただいて、面的な金融機能、あるいは金融仲介機能を高めようという方には、しっかりとしたバックアップができる法律でございます。そういった意味で、私は金融庁をたまたま預からせていただいておりますけれども、お金の流れに関しては、二重ローンの問題が一番大きな問題の一つでございましたが、これも鋭意、省庁間、それから各党間、大変国会での厳しいご質問もいただきましたけれども、そんなことを糧として、ある程度めどがつきつつあります。私は被災が起きた後、お金に関して言えば、確かに被災された方は、もう家・財産が全部流されたという方もたくさんおられて、また9万人近い方が被災所におられるということで胸が痛む思いでございますが、新たにその中で中小企業をまた再興していくことが、だんだん動きも出てきたようでございますので、少なくとも手前みそで、言う気はございませんけれども、金融庁としては、お金の流れとしては、最大限のことをさせていただけたというふうに、ちょっと手前みそ的でもございますけれども、思っております。さらに必要なニーズがあれば、一日の休みもなく機動的に、まさに有事でございますから、こういうときこそ政府がバシッとやるときでございますから、有事ということを常に頭の真ん中に入れながら、皆様方のご意見もしっかりいただきながら、また国会でもたくさんのご質問をいただきますから、そういったことをやっていきたいというふうに思っております。

問)

国民新党の亀井党首が消費増税反対とおっしゃっていて、亀井亜紀子政調会長も反対とおっしゃっているのですけれども、与謝野(経済・財政担当)大臣や野田財務大臣とは、政府与党の中で意見がちょっと割れている状態なのですけれども、大臣自身のお考えは。

答)

我が党は、(元国民新党代表の)綿貫さんが立党したときから、まず必要な官民の投資が足らないということが、我が党の立党の精神でしたから、積極的な経済財政運営をやっていくべきだというのが、今でも変わらぬ党是だと私は思っております。そういった意味で、亀井亜紀子政調会長と亀井党首が言っておられるのだと思っておりますけれども、まず色々な意見は、当然、各党、各党派、各会派内であってしかるべきだし、政府と政権与党ですから、政権与党との間でも、政治ですから白熱した議論があって、しかるべきだと。ましてや千年に一遍の災害を前にして、当然あってしかるべきだと思っておりますけれども、今の立場で、結果がどうなるかは(分かりませんが)、そういう話は聞いております。それは、まだちょっと先の話ではないかなというふうに私は思っております。

ただし、我が党の基本としては、積極財政、経済も財政も積極的にやるべきだと。投資が足らないと、ここデフレの20年、停滞の20年というとき、我が党が影響を受けたといえば、クリントン政権のときの(経済学者の)スティグリッツ、あの人たちの政策でございますけれども、主にスティグリッツの影響を受けたクリントン時代の経済政策(であり)、結局、経済そのものを大きくしないと債務・国民の借金も(経済規模と)分母・分子(の関係)ですから、(つまり)全経済のGDP分の債務ですから、常に経済成長ということを考えていかないと、出ていくところだけ倹約して、経済が縮小すれば(債務の割合が増える)、そういった意味で、国民新党の人はほとんど、常に経済を拡大均衡していくと(考えています)。そのためには、官民の投資が必要であると。停滞の20年間で、むしろ足らなかったのは、投資であるという考えが我々の国民新党の経済財政運営の基本だと思っています。そして、どんどん国際競争力のある分野を伸ばしていくということが、貿易国家である日本においては(大事だと思っております)。やはりこういうときは、こういうときの生活をして生きておられるわけでございますから、(日本は)硫黄以外は自立できる資源が全くありません。石炭も石油も鉄鉱石も全部輸入でございますから、それは、付加価値をつけて自動車にして輸出してみたり、あるいは色々なコンピューターにして輸出してみたり、半導体にして輸出したり、そこで付加価値をつけてきちっとやっていかない限り、政権がどう変わりましても、日本国に置かれた地政学的な地位、それは変わらないだろうと、我々はそう思っております。

そういった意味で、我々は基本的にそういう考えに立って行動している亀井静香さん、あるいは前の綿貫党首、前(幹事長)の亀井久興さんをはじめ、そういった考えでやってきているというところでございます。

ただし、政治は力関係と妥協というところもございますから、そこは我々も大人の政党でございますので、意見が通ることもあれば、通らないこともある。昔、鳩山内閣のときに、2.7兆円の補正予算を7.2兆円に亀井静香さんが頑張って上げたこともございますけれども、現実に政権与党ですから、一歩でも半歩でも、我々の考えに近いように引っ張っていかせていただくというのが、政治家に与えられた任務だと私は思っております。

問)

(消費税増税の話は)「先の話だ」というのはどれぐらい先なのか。

答)

ちょっとそれは、私は聞いておりませんので、亀井静香さんが公党の党首ですから、毎週記者会見をしますので、亀井亜紀子さんとか党首にちょっと聞いていただければと思います。

問)

一点確認ですが、会期延長について、先ほど「政治に小休止なし」というお話がありましたが、どの程度(の延長)が望ましいというふうにお考えですか。

答)

それはもう、私は今さっき言いましたように、申し上げません。今、私も菅内閣の一員ですから、一秒も一刻も、震災の復旧に関して働かせていただくと。まだ金融機能強化法(改正案)は衆議院(を通りましたが)、参議院も残っていますから、こんなことで1日も早く上げさせていただきたいということで、頭がいっぱいでございます。

(以上)

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