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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年7月1日(金)11時32分~11時52分  場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

社会保障と税の一体改革の「政府・与党社会保障改革検討本部」において、ご存じのように、(昨日)社会保障・税一体改革成案が決定したところでございますが、国民新党も政権与党でございますから参加させていただきまして、その場で真剣かつ率直な意見を色々言わせていただいたわけでございますが、そういった経緯もこれあり、また、中長期的にはこういった方向に賛成ではございますけれども、今は大震災が来た後でございますし、経済が非常に落ち込んでいるときに、こういったことはきちんと政治家として強弱をつけねばならないということを踏まえて、(閣議決定事項ではなく)閣議報告事項にしていただいたわけでございまして、今日、亀井静香(国民新党)代表とも、朝、連絡をとり合ったわけでございます。基本的には、これは菅総理・総裁、あるいは民主党のご配慮でございまして、そのことに関して、私は国民新党の副代表でもございますから、閣僚懇できちんとそのご配慮に対して謝意を表しておきました。

以上です。

【質疑応答】

問)

(6月)29日ですけれども、みずほフィナンシャルグループとみずほ銀行が業務改善計画を提出したということですけれども、銀行の合併だとかシステム統合だとか、色々盛り込まれていたようですが、改めて大臣の感想をお願いします。

答)

先般、5月31日火曜日の行政処分を踏まえて、先日、6月29日水曜日でございますけれども、みずほグループより当局に対し、業務改善計画の提出がございました。また、同グループは、その概要を公表したと承知いたしております。

みずほグループにおきましては、先般の行政処分はシステム障害が原因であることから、業務改善計画に掲げる施策について、スピード感を持って実行していただきたいと考えておりますし、当局といたしましても、今後、提出された業務改善計画の内容を検証し、その履行状況等について適切にフォローアップしていきたいと思っております。

問)

みずほ(グループ)に関しては、かねてより、統合当時からのいわゆる3行統合ということで、たすきがけ人事というか、バランス人事というものもあったと思うのですけれども、この点について、大臣はどのように(考えておりますか)。

答)

ご存じのように、この前、(東日本)大震災の直後、大規模なシステム障害がございまして、これは確か、最初のときもございましたから、10年ぐらい経っているのではないかと思いますけれども、また大規模なシステム障害を繰り返したということでございまして、預金者・利用者の方々に、本当にご不自由・ご迷惑をかけたといったこともございまして、きちんとそれを踏まえて、みずほ(グループ)が自主的に色々とされたと思っておりますが、もう皆さん方、よくご存じのように、元々三つの銀行が合併してできた銀行でございますから、なかなか銀行内の人事も一元化していないとか、あるいは非常に大事なシステムもなかなか一元化していない、そして二つの銀行があるというようなこともございました。これは確か、(これまで)みずほグループから提出された計画等によると、人事を一元化するとか、それからシステムも一元化するというようなことを約束しておきながら、結局そこがうまくいかなかったのです。そんなこともこれあり、これは皆さん方の方がよくご存じだと思いますが、やはり日本の三大銀行に入る一つの本当に影響の大きい銀行でございますし、メガバンクの一つでございますから、それゆえにまた、逆に社会的責任が重たいわけでございます。そういったことを踏まえて、この前、みずほ(グループ)の方から、自主的に「こう変えたい」というようなことで、確か私は報告を見たような気がいたします。

そこは、前後関係が少し間違っていたときは、後から訂正させていただきますが、そういったことで三つの銀行が統一して、(みずほ銀行ができて)もう10年になるのですが、やはり一つの組織体、企業体としてきちんとやっていって、国民あるいは顧客企業、私の選挙区にある新日鉄などというのはみずほ(の取引先)でして、それからNTTもみずほ(の取引先)でございますから、伝統と歴史のある銀行でもございます。そういったことを踏まえて、より責任がございますから、しっかり今後、人事も変わったわけでございますから、株主総会もあったと聞いておりますので、国民、あるいは利用者、あるいは利用しておられる企業の希望に沿うように、しっかりやっていっていただきたいと私は思っております。

問)

昨日、企業会計審議会(総会・企画調整部会合同会合)が開かれまして、大臣が先週表明されましたIFRS(国際会計基準)の強制適用、この延期の議論があったわけですけれども、この感想と、一部には、先延ばしすることで日本側の主張というか、発言力の低下、そういうものを懸念するような声もあったやに聞いていますが、大臣としての感想を改めてお願いします。

答)

昨日、皆様方にも公開してあったと思いますけれども、企業会計審議会に私も出席いたしまして、この前も皆さん方に最初に発表させていただきました、基本的にあの延長上にある話でございますが、私の考え及び方針を説明するとともに、委員の方々にさまざまな意見を伺ったところでございます。

今後、引き続き、国際会計基準そのものについての議論を行っていくことになりますが、そもそもこの会計基準というのは、単なる会計額の技術論だけではなくて、国における歴史、それから経済文化、風土を踏まえた企業のあり方、あるいは会社法、税制等の関連する制度、それから企業の国際競争力などと深い関わりがあるわけでございますから、こういった幅広い視点から、この導入の利点と影響を広範に検討していくこととともに、国民への説明責任を果たしていくことが必要であると考えております。

審議会のこれまでの取組みにとらわれずに、今日経済が心の底から元気になるように、自由・活発なさまざまな立場からの成熟された議論をお願いしたいと思っております。

特に、国際会計基準そのものは、私が方向転換させていただいたところがございますが、その理由はこの前も申し上げましたように、やはりリーマン・ショックです。私は国会でも言っていますけれども、3年前のリーマン・ショック、あれは、やはりコペルニクス的変化なのです。特に、米ソ冷戦構造が終わった後、世界の一強であったアメリカという国が、大変、経済的にも政治的にも軍事的にも強くなった。その中心が経済のグローバル化で、(経済のグローバル化の)中心が金融のグローバル化、その中で大変、力があったのはウォール街(です)。ここ30年間、特に米ソ冷戦構造が終わって、金融工学の大変な発展、あるいはアメリカの一強という立場、そして、あるいは資金の余り、余剰であったというようなことも踏まえまして、ブッシュの時代、(元FRB議長の)グリーンスパンの時代、非常にアメリカという国が金融立国になったということは、皆さん方、よくご存じだと思います。しかし、そのことがリーマン・ショックによって、大きく一変したわけです。私は、コペルニクス的変化だと申し上げているわけでございますが、そのことが日本を含めて世界の経済、あるいは社会、政治に、今でも極めて大きな変化を与えつつあるわけでございます。私は昨日テレビを見たら、ギリシャの国会の前で何万人という人がいましたけれども、あれもやはり広い意味ではリーマン・ショックの影響だと思っています。

そういった意味で、やはり今、世界の経済は、ヨーロッパも含めて、リーマン・ショック以来、非常に変化しつつある、あるいは不安定になりつつあるところもありますから、そういったことが、実は、私が責任者としてお示しした変化の最大の点だと思っております。具体的に言えば、アメリカのSEC(証券取引委員会)のシャピロ委員長が、「(IFRS適用を求める)アメリカの企業と投資家の声はそれほど大きくない」と(おっしゃっておりました)。先日も経団連が報告書を出していましたが、2年間、IFRSの任意適用をしましたけれども、(日本では)3,600社のうち3社しか手を挙げていないのです。ということは、(割合で言えば)1,000社に1社ぐらいです。

ということでございますから、やはりそんな現実も踏まえながら、ぜひご理解いただきたいことは、私は会計基準の国際化の必要性を疑う者ではございません。これは、非常に誤解を招きやすいところなのですけれども、こういうことを言うと、すぐ国際化を否定したのではないかというような逆説的な反論があるのでございます。色々と言えば2~3時間かかりますけれども、前回の会見でも申し上げたように、会計基準の国際化の必要性を疑うものでもございませんし、日本基準、米国基準、IFRSはコンバージェンス(収斂)を行ってきており、リーマン・ショック以降の状況が変じて、米国もスタンスを変化させつつあり、具体的にはアメリカも、米国基準を残しつつIFRSの取組について、例えば5年ないし7年、期間を置くと。昨日の審議会でも、私も2時間半ぐらい、全部、話を聞かせていただきましたが、色々な立場はあっても、5年ないし7年(期間を置く)というところについては、みんな大体、賛成の意見が多かったように感じております。

したがって、今回の判断で日本の企業が国際的な資本市場から資本がとりにくくなるということは、全く考えておりません。そういった意味では、やはり時代がコペルニクス的に大きく変われば、金融庁のかつての方針も、それに合わせて変えていく必要があると思っておりますので、私はたまたま責任者でございますから、本当に政治主導で変えさせていただいたというところが実態でございます。

問)

冒頭でも発言がございましたけれども、税と社会保障の一体改革について、今日、閣僚懇で謝意を表明されたということですが、2010年代の半ばに消費税率を10%まで引き上げると、この内容について、閣僚のお一方としても、あるいは国民新党の副代表のお立場としても、賛成しておられるということでよろしいのでしょうか。ご所見をお願いいたします。

答)

これは、閣議決定ということでは賛成できません。だから、閣議報告ということになったのだと思っております。私が何回も申しましたように、確か前総理の鳩山さんだったか、やはり消費税についても選挙を経て実施すると、私は記憶していますけれども、そういったことは大変重たい事だと思っておりますし、3党合意でも、この期間中は消費税を上げないということは言っているのですけれども、消費税について議論することは、何も我々、反対しているわけではございません。今日、その論議を非常に精力的に与党と政府がまとめられた一つの案が報告されたという位置づけだと思っております。

問)

先ほどIFRSの絡みで、質問と大臣の回答が、ちょっとかみ合っていなかったように感じるのですけれども、質問した方がおっしゃったのは、これによって国際的な発言力が低下するおそれがあり、IFRS策定の中に日本の会計基準、日本の事情というものが盛り込まれなくなってくる可能性があるということなのですけれども、その辺のところについて、大臣のご認識はいかがなのでしょうか。

答)

それは、今さっき申しましたように、国際会計基準というものの考え方は、経済がグローバル化して基本的には当然であるが、日本基準、米国基準、IFRSはかなり共通な部分をつくってきているので、広い意味での会計基準の国際化の必要性は、疑うものではありませんし、その対応は内外の情勢を十分に鑑みて、きちんと、かつ柔軟に行う必要があると思っております。アメリカも、スタッフ・ペーパーを初め、色々3年前に比べて変化してきているわけでございますから、日本が国際的にお金が取れる、あるいは発言力が落ちるということは、私は考えておりません。むしろ、時代に合ったように政策に柔軟性を持っているということの方が、私はかえって評価されるのではないかと思っております。アメリカでもそうですが、時代が変わったのに、何か昔の原理原則だけいたずらに遵守しているというよりも、やはり経済というのは生き物ですから、まさに企業というのも生き物ですから、生き物は生き物らしく、原則というのは踏まえつつも、きちんと状況に応じて変えていく必要があるところは変えていくと、経済政策ですから、私はそう思っています。

問)

保険毎日新聞の園田です。

29日の金融審の保険ワーキング(グループ)で、包括移転だとか、色々な論点があったのですけれども、その中で、代理店がさらに代理店に再委託する副代理店という制度の話が出てきて、ちょっと意見が分かれたのですが、もし大臣のこういうことに対してのお考えが何かあればお聞かせください。

答)

保険会社のグループ経営に関する規制の在り方ワーキング・グループにおいて、事務局による諮問事項に係る背景等についての説明、それから実務メンバーによる諮問事項に関する見解等の説明が行われて、質疑、意見交換が行われました。今後、月1回ないし2回のペースで開催を予定している、と聞いております。今後、ワーキング・グループで、すべての論点について大体論議され、結論については、まだ方向性は固まっていないと、今のところ私は聞いております。

(以上)

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