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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年7月5日(火)10時53分~11時34分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は、これは閣僚懇での(総理からの)お話でございますが、松本復興(担当)大臣が8時45分に辞表をお持ちしたと。その前に電話連絡があったそうでございますが、松本さんは、復興(担当)大臣・防災担当の大臣でございまして、3月11日以来、ずっとこもりきりで一生懸命やっておられたのを私も見たことがございます。一生懸命やっておられたということを私は思っておりますけれども、真意が被災者の方々に十分に伝わらなかったということ。それから二つ目は、国会運営の方にご迷惑をかけてはいけないということ。それから、こういった復旧・復興ということはスピード感が必要で、そういった意味で大変強い意思で辞任を申し出たということで、総理から、考え直していただきたいということを大変強く申し上げたけれども、松本復興(担当)大臣の辞意が大変固かったから、受理をせざるを得なかったというご報告がございました。

【質疑応答】

問)

今の松本復興担当相の辞任なのですが、就任からわずか1週間で辞任されたことについて、大臣としての受止めと、それと任命責任を菅首相は今後問われてくると思うのですが、そうすると、菅首相への退陣圧力がさらに強まると思うのですが、この点についての大臣のお考えを。

答)

私が、一貫して申し上げておりますように、政治家の進退は本人が決めることでして、やっぱりそれは松本大臣も、10万以上の票で福岡1区から選ばれた連続当選7回の衆議院議員でございまして、私とは特に福岡県の同郷ということもございまして、色々なことで、今までも接点がございましたが、本人が辞意を決められたということは、それは大変、私が今さっき言いましたように、政治家の進退は本人が決めることですから、それはそれで重たいことだというふうに思っております。

問)

菅首相への退陣圧力については、いかがですか。

答)

それは、我々は民主党と国民新党で連立内閣を組んでいるわけでございますから、色々なご意見はあると思いますけれども、私は前々から言っておりますように、連立の信義というのがございますから、私の口から民主党の党首云々のコメントは、差し控えさせていただきたいと思っております。

問)

郵政改革法案なのですけれども、明日から空転していた国会が正常に戻るということなのですが、この2週間ぐらいですが、空転したことによって郵政改革法案への審議入り、ないし今国会での成立がさらに厳しくなったと思うのですが、その点についていかがお考えですか。

答)

私は2回ほど衆議院議長に、私と副大臣と大臣政務官と3人で衆議院議長の公邸にお伺いいたしまして、どこかの新聞記事には載せていただいておりました。ご存じのように、これは約2年前の選挙の前に、3党合意を、当時民主党と国民新党と社民党で(締結したもので)、少なくとも今の政権は、(当時)小泉さんが構造改革の1丁目1番地と言った新保守主義的なことに対するものです。小さな政府、必要以上の規制緩和、それから市場原理主義といいますか、マーケットと金が一番大きい、強力なものだと。むしろ国家でも地域でも、それに従うべきだと。豊かになる人はどんどん豊かになっていいのだけれども、それから落ちこぼれる人がおれば、それは自己努力が足らない人だというふうな政治は、当時、アメリカを原点とする新保守主義で、20有余年前にソ連が崩壊した後の世界の、一強のアメリカの経済戦略であったというふうに私は思っております。

それに乗って、小さな政府ということで、私は(出身が)九州でございますけれども、地方交付税交付金が非常に減額されたり、それから社会保障も「骨太方針2006」で毎年2,200億を自動的に、医療・福祉・年金・介護から削っていくということを小泉内閣は決定されました。その流れとして後期高齢者医療制度もございましたから、そんなことが、非常に国民の反発を買い、あのとき政府が麻生内閣だったと思いますが、1世帯当たり10年間で100万円収入が減ったということを、正式に政府がこれを発表しておりますから、私はそういった大きな政治路線に対する反対の意見であったというふうに、最初に3党合意でも、小泉・竹中さんのしたこと、それを否定する文書を書いています。そういった意味で、まさに小泉さんが構造改革の1丁目1番地というのが、本丸が郵政改革と言ったわけですから、それにきちっと反対するということが3党合意の基礎中の基礎だと思いますので、そういったことで、野党だったときから(民主党代表だった)小沢一郎さんと(国民新党代表だった)綿貫さん、それから3党合意になっても、これは(民主党代表だった)鳩山さんと(国民新党代表の)亀井代表、それから菅さんと亀井代表ということで、ずっと文書でもって確認してきたことでございます。

そういった重たさを考えていただいて、平成21年10月20日に「郵政改革の基本方針」を閣議決定いたしまして、それから、これを踏まえて3党合意にも書いてありますけれども、郵政株式処分凍結化法案の成立を平成21年12月4日にいたしました。平成22年4月30日に郵政改革関連法、亀井静香前大臣のときに閣議決定し、国会に提出させていただいたわけでございます。これはご存じのように参議院選挙だったと思いますけれども、国会閉会に伴い廃案ということでございました。また、平成22年10月8日でございますが、この郵政改革関連法案は、(廃案になったものから)日にちのところだけ入れかえましたけれども、それで閣議決定ということで、これは私が提出させていただいたわけでございますが、閣議で決定をさせていただいて、(平成22年)10月13日国会に提出をさせていただいたわけでございます。また衆議院では、ご存じのように平成23年4月12日に「郵政改革に関する特別委員会」を作っていただいたわけでございます。特別委員会というのは、私はもう26年間(国会議員を)させていただいておりますけれども、非常に重要な法律、大きな法律の場合に特別委員会を作るというのが国会の慣例でございまして、特別委員会を作ったのでございますけれども、これが(自民党が)なかなか委員を出してこないというようなこともございまして、(本年)6月14日に郵政改革特別委員会の理事選任ということもできたわけでございますから、やはりそういった意味で、内閣が出した法律でございますから、法律を作ることができるのは、「国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関」でございますから、やっぱり三権分立の上で、内閣が出した法律を本当に長い間、棚ざらしというのはいかがなものかなと、当然審議していただきたいということ(を思っております)。

反対、賛成は色々あると思います。しかし、やっぱり衆議院で特別委員会を作っていただいたわけでございまして、今委員長・理事・委員がもう選任されていますから、ぜひ、これは衆議院議長に2回ほど、それから衆議院の議員運営委員長に1回、ぜひこれは審議をしていただきたいということを、強く、私からというよりも、政務3役で申し入れをしたという経緯がございます。

ぜひこれは、もう大新聞も「たなざらしは、むしろ国益に反する」というふうに書いていただいておりまして、また今度、大震災のときに、5分社化ということが非常に今矛盾を来しております。郵便配達に行って、その人たちも自在に現金を扱えませんから、被災地の方々から「現金を何で扱わないのだ」というお叱りをいただくというようなことで、それは5分社化で別の会社になりましたから、郵便事業会社と、ゆうちょ銀行と、かんぽ生命は別々(の会社)ですから、今は、郵便配達をする人は現金を扱えません。

しかし、5年ぐらい前までは、100年以上、郵政三事業というのは三事業一体、共同担務と言いまして、だれでも三つの事業、すなわち一人の人が郵便局員になれば郵便配達だって、貯金だって、保険だって扱えたというのが過去の例ですから、(現在のようなあり方について)一般の国民の方はそう思っておられないのです。郵便配達に頼めば、特に三陸地方の過疎地なんかは、当然持って行ってくれると思っている人が多いのです。そういったことも、大災害、大被災の中で、この5分社化の矛盾が露呈しておりますので、そういった意味でも、色々な新聞社が、やはりそういったところをきちっと審議すべきだということの記事を書いていただきましたが、やっぱりそういう世論もあるわけでございますから、ぜひこれは世論が政党を動かすということもございますが、ぜひ皆様方にも、国のために、それは政党によって賛成だとか反対があるのは私もお聞きはしておりますけれども、まず審議をしていただきたいということを、強く担当大臣として申し上げたいと思っております。

問)

ヤミ金融についてなのですけれども、先日、いわゆる金貨金融業者というものが警察に初めて摘発されたのですが、以前問題になったクレジットカードのショッピング枠の現金化業者を含め、こういった新手のヤミ金融の暗躍には、総量規制に引っかかった人の利用というものがあると。これは改正貸金業法の完全施行の弊害なのではないかという指摘もあるのですが、この点についてはいかがお考えでしょうか。

答)

まさにこの「金貨金融」(業者)、これを警視庁が逮捕をしたわけでございますけれども、それについて如何にと、こういうご意見だと思いますが、ご存じのように、警視庁は6月29日、いわゆる「金貨金融」業者を出資法の違反、超高金利潜脱罪の疑いで逮捕したことは、承知を致しております。

個別の犯罪捜査に係る具体的なコメントは、差し控えることが正しいと思いますけれども、一般論として申し上げれば、現に捜査当局により摘発を受ける事案が発生したという事実は、極めて大きな意味を持つものだというふうに考えています。資金を必要とする方におかれまして、こうした取引を利用すべきでないということについて、幅広く理解が進むことを期待いたしております。

問)

以前も話題になりましたけれども、貸金業法で規制できないことで、こういった業者が、ばっこするのではないかという指摘もあるのですが、貸金業者として認定するようなお考えというのはあるのでしょうか。

答)

金貨金融は、貸金業法違反に当たらないかというご質問だと思いますけれども、個別の犯罪捜査に係る具体的なコメントは、恐縮でございますけれども、差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

問)

フリーランスの高橋と申します。

先ほど郵政改革法案について、2回ほど衆議院の議長に申し入れに行かれたというようなことをおっしゃいましたけれども、これはいつごろかお分かりでしたら教えていただきたいのですが。

答)

6月23日に、川端衆議院議院運営委員長に行かせていただきました。これも副大臣、政務官一緒でございまして、それから6月24日に横路衆議院議長に、これは私と東副大臣で行かせていただきました。また、6月30日、木曜日でございますが、私と東副大臣、森田政務官と強く、そのことをお願いに行かせていただきました。議長に言ったら、赤松(衆・郵政改革特別委員会)委員長には、議長からきちっと連絡があったとのことでした。

問)

いずれも政務官は、(総務政務官の)森田さんですか。

答)

森田さんが郵政改革の政務官です。

問)

今日、一部報道でも、東証と大証の経営統合をめぐって、東証側が大証側にTOB(株式公開買い付け)を提案したという報道があったのですけれども、これに対して大臣の見解と、両取引所の統合問題に関してのご意見というかお考えをお聞かせいただければと思います。

答)

今日もそういう新聞報道を、私も見まし確かし、大証と東証から何かが決まったという報告を、金融庁としては受けておりません。

一般論として申し上げれば、各取引所には利用者、投資家のニーズにより一層、的確に応えたサービスを提供することとともに、自らも発展していくことが求められておりますので、こうした課題にどのように対応するか、まずもって各取引所の経営陣が、経営戦略として考えていくべき課題であるというふうに私は思っております。取引所の経営戦略そのものの問題については、当然でございますけれども、まずもって取引所の経営陣が考えていくべき問題であり、それに先だって金融庁当局がコメントすることは、差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

問)

ちょっと荒っぽい考え方なのですけれども、この間のIFRS(国際会計基準)のことも絡めてなのですが、いわゆるそういう国際的に日本の市場なり、これは取引所も含めて、金融市場全般的なことも含めて、あるいは会計制度も含めてなのですけれども、国際標準に日本の取引所が、競争力を高めていくという意味において、大臣はどういうふうに考えていらっしゃいますかというのをお聞きしたいなと思うのですけれども。

答)

基本的に、誤解のないように申し上げておきますけれども、会計基準というのは、この国際化を決して否定するものではございません。私は何度も申し上げておりますように、そのことをぜひご理解をいただきたいというふうに思います。

ただし、この前の中間報告に従って、IFRSの適用に関しては、一部では早ければ2015年3月期にIFRSの強制適用が行われると宣伝させているやに聞きまして、率直に言えば、大企業でもIFRSの強制適用は必至だというようなことで、結構準備で多額の費用を使ってしまったというところも実は聞いております。そういったところですから、私はやっぱりきちっと、アメリカのSEC(証券取引委員会)の委員長の発言もその後ありましたが、その間、この2年間、IFRSの任意適用をしていいよということに決めたのですけれども、この前、経団連が(企業会計)審議会に持ってきたペーパーだと、3,600社ぐらい日本の一部上場企業はあると思いますが、確か3社しか、この2年間でIFRSの任意適用をした企業がないというようなこともありました。

アメリカのSECの委員長が、この前ウォールストリート・ジャーナルに載せた講演の内容なんかも、私も正確に読ませていただきました。

あの中でも、リーマン・ショック以来、アメリカも、確か私の記憶が正しければ、3年前にはIFRSに完全に移行するということを宣言されて、日本も、アメリカが変わる、ヨーロッパは変わっている、アメリカが変わるならバスに乗り遅れるなということで、経団連も、一旦はIFRS強制適用ということに賛同しました。リーマン・ショックがあって、アメリカも共和党から民主党にかわりまして、今のSECのシャピロ委員長は、ゴールドマン・サックスを証券詐欺罪で告発したときの委員長でございまして、私は会見も何かC-SPANで見せていただきましたけれども、非常にしっかりした方で、過去にSECの委員もしておるのです。確か、前の大統領といいますか、共和党と民主党の大統領の下でも、確か6年間ぐらいSECの一委員をしておるのです。SEC(の委員)は5人いますけれども、その後、民間の金融機関の自己規制委員会の委員長なんかをして、実にこの分野の専門家だというふうに私は思っております。そのシャピロ委員長が、色々ウォールストリート・ジャーナルに載っております講演、また講演がC-SPANで見られますから、私は聞かせていただいて逐次色々訳させていただきました。そういったことも勘案し、やっぱりアメリカは少し、今変わりつつあるということもあります。日本人というのは国際化といえば、何か一つのことを国際化すればみんないいと(考えがちですが)、特に国際化の中身を見て国際化しなければ、私はいけないというふうに思っています。政治家として。何もかも国際化、国際化といって、それいけといって国際化をして、日本人はどちらかというと付和雷同しがちでございます。私もそれは自分自身を諌めるところがありますから、やっぱりこの世界にもう26年間おらせていただいておりますから、やっぱりきちっと、国際化は、本当の真の貢献する国際化(が必要だと思います。)それは当然コンバージェンスで色々ございますけれども、(先日)金融商品取引に関しまして、これはアメリカとイギリスで話がまとまりましたが、EUの政府では、これを拒否しました。

ですから、例えば金融商品取引法をめぐる会計なんというのは、非常に実は、まだまだ混沌としたところがあるのです。ある意味ではヘッジファンドの会計かもしれません。そういったところをしっかり見ながら、私がこの前決断させていただいたのは、何も本当の意味での国際化、真の会計基準の国際化は必要だけれども、国際化の実態はどういうものかということを、しっかり今の経済の実情を見ながら(考える必要があると思います。)会計というのはただ単なる技術論ではないと、それはもう経営の基本ですし、資本主義社会、あるいは自由主義経済の基本の一つでございます。それは文化もありますし、色々な国の違いもございますし、それから商習慣の違いもある。そういった文化的背景も考えて、私はきちっと政治判断として、強制適用に関する場合であっても、5年ないし7年(間)の十分な準備期間が必要だというふうにやらせていただいたわけでございまして、ぜひ、そのことは誤解のないようにご理解をしていただきたいというふうに私は思っております。

問)

すみません、大臣。もし質問の趣旨が明確でなかったら申し訳なかったのですが、いわゆる東証と大証の取引所の統合については、どういうご見解をお持ちですか。

答)

それは今、私はコメントできません。

ただし、私はこの前ヨーロッパに行ってきましたら、大西洋を越えて色々な、あれはブリュッセルの株式交換所に行かせていただきましたら、もう皆様方ご存じのように、大西洋を越えて色々な証券取引所も合併しているというような事実もございまして、そういう事実が世界にあるということはきちっと頭に入っておりますけれども、このことに関しましては、私が今の段階でコメントをすることは控えさせていただくことが、私の立場上、正しいことだろうというふうに思っております。

問)

今回の松本復興担当大臣の一連のその言動について、「出処進退は政治家本人がお決めになる」ということでしたけれども、被災地での一連の言動について、どのようにお感じになられたのかということが一点です。

もう一点は、この言動に関して、野党からは一斉に反発が上がったわけですけれども、今回の退任によって国会運営の好転が期待できると見ていらっしゃいますでしょうか。その点いかがでしょうか。

答)

私は行政(機関)の責任者でございますが、国会というのは、やっぱり各党、各会派がありますし、私も議運、国対を7年(間)やりましたが、今私が行政(機関)の長として、国会運営が今からどうなるのかということを申し上げるのは、小さな政党でもございますし、連立を組んでおりますから、余り適当ではないというふうに私は思っております。

問)

(東洋経済の)浪川です。

松本大臣の辞任に関連して、冒頭で今大臣がおっしゃったのは「震災対応にスピード感が必要だ」というご発言だったのですが、もう4か月経つ中で「スピード感が必要だ」とおっしゃること自体が、スピード感がないというのを実証しているように思うのですけれども、いかがですか。

答)

それは松本大臣がそう言われたということを、菅総理が言われたという話を私はしたのです。

問)

大臣は、では今、政権の震災対応はスピード感が伴っていると思っておられますか。

答)

少なくとも、私は金融担当大臣ですが、金融の分野については極めてスピード感があると思っています。

3月11日にきちっと、もうその日に日本銀行総裁と私の名前で、(東北6県及び茨城県に本店のある)72の金融機関の2,700の地方銀行の支店を含め、銀行、信金・信組、あるいは生保・損保、あるいは証券会社なんかにも出していただきまして、非常に私は何回も申しましたように、損保会社、あるいは生保会社、航空写真でまとめて「全壊だ」というようなことを言ってくれまして、その辺は非常に協力してくれて、既に1兆円の地震保険が出ておりまして、うち5,000億円がもう宮城県に渡っております。

昨日か一昨日か、ある銀行の頭取が来られまして、自分のところに仙台支店があると。自分たちが思ったより、ありがたいことですけれども、企業(の資金繰り)が厳しくならない、あるいは個人も多いけれども、どうも考えていたら、やっぱり5,000億円地震保険が出ているということが助けているのではないかということを(おっしゃっておりまして)、感想ですけれども、第一線の人から上がってくるバンカーの感覚というのは、正しいところがございます。

それから、生命保険も、死亡診断書や医師の死体検案書(の提出)がございまして、生きるか死ぬかということを私も何度も書いたことがございますが、もし行方不明になったとき、確か1年間が基本的に必要なのでございます。生きるか死ぬかというのを決めるのは法務省でございますけれども、金融庁と法務省(で決定しました。)手続は警察、海上保安庁だと思いますが、これも3か月間、簡便な手続でいいというようなことになりました。そういう意味では、生保レディも、本当に死体の安置所なんかに、もう本当に色々回っていただいておりまして、そういった意味では、決して自画自賛する気はございません。やっぱり私は災害のときには、まさに有事には有事のやり方があるということを何度も申し上げておりますように、少なくとも私は今金融の担当ですから、そういった意味では、金融機能強化法も、これは各党、全党一致で通していただきました。そういった意味で、やっぱり面的な金融仲介機能の強化、あるいは仲介機能の強化、それから預金した方の保護ということで、信金・信組については、従来の金融の流れの中では、かなり例外的でございますが、最後は10年経ったら、場合によったら、最終的には中央機関と金融庁、何よりも地元の信金・信組のご判断でございますけれども、申込みをすれば預金保険機構のお金で最後は面倒を見させていただくというのが法律でございます。当然金融というのは、基本的には金融規律が非常に大事でございますけれども、今度は本当に震災における、これは本当に非常時でございますから、そういった非常立法とは申しませんけれども、金融に関しても、そういう金融機能強化法を全会一致で衆議院、参議院であげていただけたわけでございます。

金融庁の事務方も連休もつぶして、本当に一生懸命やってくれまして、そんなことを振り返ってみると、今二重ローンの問題も一生懸命、下働きは金融庁はしっかりさせていただいておりますので、広いテリトリーはございますけれども、少なくとも私に与えられた責任の分野は、きちっとやらせていただいて、それは私だけではなく金融庁も頑張って、東北財務局の方々、3日間乾パンを食べて生きているというようなことを東北財務局長は言っておられましたけれども、みんな立場、立場によって頑張っていただいているというふうに私は思っております。

関連業界も、損保業界、生保業界、また金融界も非常に一生懸命やっておられるというふうに私は思っております。

問)

6月下旬に日本振興銀行の株主総会が行われましたけれども、その内容についてご報告を受けているでしょうか。

具体的に僕が聞いている範囲ですと、個人株主が50人ぐらい参加して、要するに、木村さんから株を買ったと、木村さんはまずくなったところで自分たちは売り抜けただけではないかという、そういう批判がかなり多く出たらしいのですけれども、株主総会はそういう状況だったらしいのですけれども、ご報告を受けているか受けていないかは別にして、そういう内容について、個人投資家から批判が出たということについては、どうお考えになりますか。

答)

私はその報告は、恐縮でございますが、受けておりませんけれども、しかし善意の預金者というのは、本当に申しわけないけれども、ペイオフを戦後初めてやらせていただきまして、やっぱり1,000万円を超える預金者というのは、善意の預金者、この人たちにはご迷惑をかけたわけでございますから、そういったことを、また改めてそういうご指摘でございますから、株主総会のことをきちっと、どうであったのかということを勉強させていただきたいと思っております。

問)

今日閣議決定された2次補正(予算)についてなのですけれども、約2兆円の額で二重ローン対策とかも盛り込んでいるのですけれども、これについて規模とか中身・内容を含めて大臣はどのような感想をお持ちですか。

答)

今日昼から、その二重ローンの話を、実は事務局から話を受けるようになっていますが、これは何度も私が申し上げましたように、二重ローンの問題、二重債務の問題、これは何回も予算委員会で質問をいただきまして、私も答弁させていただきましたが、繰り返しになって恐縮ですけれども、金融庁といたしましては、基本的に民間金融機関の検査・監督でございまして、民間金融機関というのは、原則としてお人様から預かった預金が原資でございまして、あるいは、ゆうちょ銀行であれば貯金でございますが、これに当然一定の利子をつけてお返しするというのが原理・原則でございますから、できるだけ、この金融機能強化法によって自己資本を増すと。そのために、経営者の努力の瑕疵は問わないと、あるいは色々な効率性・能率性の努力目標は求めないということが金融機能強化法でございますが、これは千年に一遍の津波でございますから、経営者の責任というよりも、国家を挙げてきちっと対処することが必要でございます。私はそういった意味で、きちっと金融機関が東北地方は対処すべきだというふうに思っています。

問)

金曜日にインサイダー関連の(金融審議会の)ワーキング・グループを開かれると思うのですけれども、それの趣旨と、もう一点、先ほどから話題になっている大証と東証の話なのですが、個別の会社のことについてはコメントできないというお話なのですけれども、日本として、政府として日本の市場をどのように考えていくのかという、例の総合取引所構想なんかとも関連してくる話だと思うので、日本の市場のあり方ということについての考え方を教えていただきたいと思います。

答)

インサイダー取引についてでございますが、(本年)3月7日に開催された金融審議会総会において、今後の検討課題の一つとして、インサイダー取引規制における純粋持株会社の取扱いについて検討することを諮問したところでございます。

これを受けて、今週の金曜日、7月8日に第1回の「インサイダー取引規制に関するワーキング・グループ」を開催する予定でございまして、当ワーキング・グループにおいては、純粋持株会社の取扱いなど、企業がグループ経営を行っていく上でのインサイダー取引規制に関する課題について、ご審議をいただきたいと。

これはご存じのように、純粋持株会社については、インサイダー取引規制において、純粋持株会社でも、単体としては非常に小さな企業が多いのです。これが単体の売上高等ではなく、子会社を含む連結の売上高等、連結にすれば、それこそ何兆円というような企業は結構日本でもあるわけでございますけれども、子会社を含む連結の売上高を基礎とすべきでないかという点を審議していただくということでございます。

それから、今後のスケジュールはどうなるのかという話でございましたが、原則として月1回のペースでご審議いただきたいと考えておりまして、結論の時期については、まさに今後の論議の積み重ねによるというふうに考えています。

それから、経営統合の話、個々の話は別としまして、やはり私は金融制度審議会に、日本の金融機関の総体としての国際競争力の強化ということを諮問させていただいているように、やっぱりより全体として、魅力ある市場としていくことが極めて重要だというふうに思っております。

問)

不動産経済研究所の中澤と申します。

先日、改正PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)が成立をしまして、インフラに民間のお金を入れやすくなったのですけれども、どうしてもインフラを金融商品にするときに、そういった市場整備をしなければいけないのですが、何か金融庁としてそのお考えはあるのか、教えていただきたいのですが。

答)

PFIという、私は具体的には、恐縮でございますけれども、今そのことは聞いておりません。基本的にPFIというのは、サッチャーさんのときに民間活力の一つの方法として、作った法律で、日本も確か、私の一期後輩の(元衆議院議員の)木村義雄君が非常に熱心に自民党時代、PFI、民間活力の法律をやっていましたので、あれは非常にまた、なかなか有用な法律です。

確か、この金融庁の建物も、PFIでございまして、18階までは金融庁が使っていますが、19階から37階までは民間に貸しておりまして、昨日もたまたま37階の会館を使わせていただきました。そういったことをきちっと駆使していくということは、当然経済の活性化につながることだと思っておりまして、基本的に一つ大きな世界の流れでございますし、政府だけがお金を出すとかではなくて、たくさんの政府のお金、あるいは民間のお金を混ぜて、結果として経済が活性化するということは、私は極めて大事なことだと思います。

今ご質問があった具体的なことは、私はちょっと聞いておりませんけれども、そういう大きな流れの中でやっていくことが、私が言いましたように、「官と民とのベストミックス」といいますけれども、やっぱり暖流と寒流がぶつかるときに一番おいしい魚がいるように、官と民と思い切って、そういうところはしっかり活性化すべきだと思っています。

(以上)

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