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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年11月22日(火)10時15分~10時41分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は特別ございません。

【質疑応答】

問)

昨日、被災地の4信金が、改正金融機能強化法の活用を申請しましたけれども、これについて同法の活用の広がりも含めて大臣の所感をお願いします。

答)

被災地の4つの信用金庫が、ご存じのように今年の6月22日に全党一致で成立させて頂きました金融機能強化法の活用を検討する旨公表したが、所感如何にということでございますけれども、4金庫の金融機能強化法の活用の検討は、震災からの復興に向け、各地域において、将来にわたって円滑な金融仲介機能を発揮していくためのものと承知しており、当庁としては、こうした取組みを高く評価いたしております。

今後、本件に関する各金庫からの相談等に対しては、信用金庫の中央組織である信金中央金庫や東北財務局とも連携し、積極的かつ前向きに応じてまいりたいと思っています。

また、申請がなされた場合には、法令等に則り、迅速な審査に努めてまいりたいというふうに思っております。

実際、私も被災3県を行かせて頂きまして、今回の4つの信用金庫のうち宮古信用金庫、石巻信用金庫、あぶくま信用金庫では、理事長とお会いをしておりまして、被災の状況というのは、自分自身でも胸を痛めながら話を聞かせて頂いたということを鮮烈に覚えております。一日も早く、今言いましたように円滑な金融仲介機能を発揮して頂きたいと思っております。金融機関というのは、その先に中小零細企業がついていますし、その人たちにお金を貸しているわけでして、当然、地域の金融機関として住宅ローンとかに貸出しているわけです。今はちょっと(返済を)猶予しているようなところもございますけれども、昨日もおかげさまで(約)12兆の補正予算が通過をさせて頂いたわけでございます。1000年に一遍の津波だと言われるわけでございますから、そういった時期にしっかりと地域の円滑な金融仲介機能を将来に亘って発揮して頂きたいというふうに思っております。

問)

昨日、二重ローン対策法案の方も成立したと思うのですけれども、金融庁も準備室の方でこれから作業を進めていかれると思うのですが、塩漬け機関にならないためにどのような点に注意をしてやっていって欲しいと思っているかというところを教えてください。

答)

「東日本大震災事業者再生支援機構法案」については、昨日(21日)、国会において成立したところでございまして、今後、各県毎に現在取り組んでいる「産業復興機構」と、これは既に昨日岩手県で第1件目が採用されたという話を聞いておりますけれども、連携しつつ、被災事業者に対する救済が迅速に進められることを期待しております。

これはご存じのように三党合意で成立した法律でございまして、特に支援機構における、債権買取りや管理等のあり方については、今後、内閣府に置かれた準備室、この準備室には金融庁から事務方が準備室長で行って頂くことになりましたが、この東日本大震災事業者再生支援機構設立準備室を中心に検討されていくようになると思っております。

政府としましては、今後、各県毎に現在取り組んでいる「産業復興機構」と連結しつつ、被災事業者に対する救済が迅速に進められることを期待しております。

問)

2点お伺いします。1点、アメリカがイランへの新たな制裁で金融機関の取引などを停止するような措置を取られております。それに伴ってイギリス、フランスもそれに追従する動きを見せていますが、日本としてイランの中央金融機関とか中央銀行を含めて対応をとられることは検討されていないでしょうか。

答)

私も実は(衆議院)予算委員会にいたとき、イランへは行く予定でしたけれども、(結局)途中で帰ってきましたが、イラク、ヨルダン、それからサウジアラビアに(衆議院)予算委員会の(筆頭)理事をしているときに行かせて頂きました。これは9.11(米国同時多発テロ)の2週間ぐらい前でした。あの地域は、非常に不安定で、特にパレスチナの問題をめぐっては、非常に不安定だということを実感したわけでございます。

それからしばらくたって9.11の事件の後、イラクに対する侵攻あるいはイランが今、核兵器を持っているのではないかと、国際的疑念があるわけでやっています。今、その話は聞いたのですが、やはり核が拡散するかどうか、これはまだはっきりいたしていないところもあるかと思いますけれども、基本的に核不拡散防止条約(NPT)に日本国は入っていますし、そういった意味で、きちっとテロだとか核兵器についてIAEA(国際原子力機関)決議は承知していましても、日本国としても国際的な一員として当然これをきちっと守っていく義務はあるわけでございます。しかし、イランに対して、日本は国交がございますし、そういった意味でもやはりきちっと向こうの民政といいますか、そういったことに関してはお手伝いできることはお手伝いをしていけるのではないかなというふうに思っております。

いずれにいたしましても、内容は今後詰めていきたいというふうに思っております。

問)

それは、日本としても新たな制裁措置をとる可能性があるという理解でよろしいのでしょうか。

答)

全く決まっておりません、日本としてはまだ。私は以前、日本パレスチナ友好国会議員連盟の会長なしの事務局長をしていましたので、アッバス議長さんが来たとき、当時自由民主党にいましたけれども、山崎拓(元)幹事長から言われて、アッバスさんの歓迎会をしてくれというようなことで、実はキャピタル東急でやらせて頂いて、土井たか子さんという(当時の)社会党の議員が非常に熱心で、ご出席されました。今、アラファトさんの後、アッバスさんが非常に指導的な立場についたようでございますし、日本は一般的には知られておりませんけれども、非常に援助もしておりまして、例えば、パレスチナに行っても学校とか病院とかは日本のODAで立派に作ってあるのです。

今でもよく覚えていますが、パレスチナの日本の援助でできた小学校に行きましたら、日本の着物を着た子どもと、パレスチナの子どもとが手を結んで、虹が出ているモザイクのあるような学校を訪問させて頂いたこともございます。日本ではほとんど知られていませんけれども、やっぱり日本というのは、中近東とは色々なことが過去になかったわけですから、そういった意味で、日本は、石油に関して中東に依存していますけれども、向こうの国(中東の国々)にとっても日本というのは、憲法9条で交戦権を認めていないという国でございます。経済的には非常に高い技術を持って、非常にきちっと国づくり、まちづくりに貢献していますので、そういう意味で、日本で考えるよりも、実際行って、そんな議員連盟(の事務局長)なんかもさせて頂いて、非常に存在感があるのではないかというふうに思っています。

問)

フランスなんかは、日本に対しても同じような措置をとるように書簡で求めているという動きもあるのですけれども、全く検討されていないという理解でよろしいのですか、今の段階で。

答)

内閣官房で色々、あるいは外務省でやっているのかもしれませんけれども、私はまだ聞き及んでおりません。

問)

もう一点、東証と大証の統合が今日発表されると思いますが、大臣のご所見をお願いします。

答)

今の時点においては恐縮でございますけれども、現時点において、東証と大証から、何か決まったとの公表は行われていないものと認識しております。一般論として申し上げれば、各取引所には、利用者・投資家のニーズに、一層的確に応えたサービスを提供するとともに自らも発展していくことが求められております。こうした課題にどのように対応するかは、まずもって各取引所の経営陣が経営戦略として考えていくべき問題であるというふうに認識をいたしております。

問)

東証と大証の関連なのですけれども、東証と大証の統合が実現すれば、総合取引所の実現に向けた一歩だと思うのですが、一方で政策対応の方が遅れている部分があると思うのですけれども、総合取引所構想の現状と見通しを改めて伺います。

答)

私は仮定の問題として、東証と大証が一緒になったとすると、この総合取引所は成長戦略でも、所管が金融庁と経産省と農水省です。一緒にならないための理屈はいっぱいあるのです。ただ、この政権はやはり政治主導ということを言ったわけですから、東証と大証が一緒になるとすれば、これは総合取引所を作るある意味の客観的条件が満たされるところもあるわけです。それが充実するところもあるわけですから。そういったことを含めてしっかり、確かに長い間の伝統と歴史が各商品取引だとか、あるいは原油の取引等々ありますけれども、あれは亀井(前)大臣の時だと思いますけれども、総合戦略を目指すと内閣が決めていますから、しっかりこういうこともプラスの方向に働かせて頂いて、しっかりやっていきたいと思っております。

問)

一方で、地方、福岡であるとか、札幌、名古屋にも地方の証券取引所があって、なかなか、今活性化の展望が描きづらいというか、将来的な取引がどんどん先細っているような状況があるのですけれども、地方の取引所の将来性、展望などについて、大臣ご所見ありましたら。

答)

私も福岡と北九州市に長く、今でも住んでいますけれども、やはり地方の証券取引所も地域社会の活性化ということでは大事ですから、もし東証と大証が一緒になるということがあれば、そういうことも視点に入れて、どういうふうに大きく考えるのかということをもう一度振り返って考えてみたいと思っています。

問)

マガジンXの神領です。

確認したいのは2点です。

一つは、二重ローンの救済のことなのですけれども、あれは事業者向けということですが、個人向け、もう大臣も会見のようなところで、例えば家のローンだとか、あるいは車のローンだとかという問題が被災者中心にあると思っておられて、個人向けに関して今後何か対策があるのかないのか。

答)

今、ご質問の中にも入っておりましたけれども、今回、支援機構の債務の買取業務対象は各県の産業復興機構による支援の対象とするものが困難なものとする小規模中小事業者、それから農林水産事業者、それから私も非常に関係がある医療福祉事業者等を重点的に対象とすることとされておりまして、ご指摘のように、これはこの支援機構と産業復興機構と、企業に対しては国会でも質問が出ました、昨日、法律が通ったわけですからできると(思っております)。

しかし、ご指摘の個人ローン、あるいは個人の住宅ローン、あるいは自動車ローンが含まれていないということは事実でございまして、お尋ねの個人の住宅ローンについては、今ごろ国会でしばしばご質問を頂きます個人債務者向け私的整理に関するガイドラインの適切な運用など、被災事業者に対する支援に全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。

そういう問題意識は、私も常に持たせて頂いております。

問)

これは省庁をまたがってしまうので、内閣で共有して頂けたらということが一つあって、これはお願いです。

中古車の除染問題というのが、皆さんあまりご存じないと思うのですけれども、当然、原子力発電所がああなってしまって、車も被災してしまったわけです。廃車された車はいいのですが、されずにオーナーカーや事業所の車というのが除染されずに全国に出回っているのが、マガジンX調べでは20万台ぐらい実はあると。

これは当然北海道から九州まで、車がロンダリングされて、除染されずに新しいユーザーに買われていっているのです。これは、国の基準が現状、食品だとか環境に比べてベンチマークがない。それを取締まるルールもない。もちろんそのチェック機能、追跡機能もなくて、国交省でも、経産省でも、あるいは環境省でも、あるいは被曝対策の所管でも、みんな要するに自分のところで扱おうとしないのです。野放し状態になっていて、みんな被災地で車が被曝していると知らずに乗っている人たちが大勢いて、これは、乗った結果、多分皆さん被曝しています。これをぜひ問題意識を共有して頂くとありがたいと、これはお願いであります。

答)

私も実はその話、初めてご指摘頂きまして認識させて頂きまして、確かにそれはあり得るだろうと思います。中古車市場は全国に流通していますから。被災地から出た中古車に対しては、問題意識持たせて頂きます。

問)

オリンパスの問題で、技術の流出を防ぐために甘い処分で済ませようというような憶測も今市場では生まれています。外国の投資家からも非常に注目を集めて、今回の問題について、粉飾行為などがあれば、厳しく処したり、見抜けなかった反省を踏まえて制度の見直しに厳正に取組んでいかれる覚悟があるかというか、大臣の覚悟というか、姿勢について改めて聞かせて頂けますか。

答)

私は、オリンパスの問題は最初から申し上げております。やっぱりこれは法律と証拠に基づいてきちっと厳正にやっていきたいというふうに思っております。そういうふうに事務方にもきちっと申し上げております。

問)

問題があれば、厳しく処分なり処罰なりしていくべきだというふうにお考えということですか。

答)

それは法と証拠とによりまして、当然必要な処罰であればきちんとするし、それはやっぱり世界のマーケットが見ているわけですから、きちっとやっていく必要があるというふうに思っています。ましてや、これは前の解任された社長はイギリス人だったということもございますし、これはきちっとやっていきたいと思っています。

問)

世界日報の野村でございます。

一つ確認なのですが、第3次補正予算が成立したということで、時の争点が、野田総理が強い意欲を示しておられる消費税の増税、これが今後の大きな課題になってくるかと思いますが、この消費税の税率を2010年代半ばまでに10%に引き上げるという内容につきましては、これは閣議決定ではなくて、閣議報告というように私、理解しておりますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

答)

私、ちょっとその点については詳しく定かな知識は持っておりませんが、これは基本的に連立内閣でございますから、国民新党と民主党が政調会長レベル、幹事長レベル、党首レベルで話はあります。まず、そこでしっかり話して頂く問題であろうというふうに思っています。

問)

さっきのお答えの確認で、札幌とか福岡の地域取引所の関係で、今回の東証、大証の統合を受けて、そういったことも視点に入れて大きくなるかを考えたいというふうにおっしゃっていたのですけれども、それはつまり、福岡とか札幌とかの地域取引所同士の中の規模を拡大するなり強化するなりというお話なのか、それとも東証と大証を統合させるというようなことも含めて考えているのか、どっちの方向性なのでしょうか。

答)

基本的に東証も大証も民間企業なので、基本的に他の地方の都市にある証券取引所も、それぞれの民間経営者が基本的には判断することだと思います。

私は、たまたま九州の出身で、北海道と九州の経済というものは、ご存じのように円高もございまして非常に厳しいわけでございます。もし、東証と大証が一緒になったとすれば、そんなことも視野に入れて、やっぱり地域の経済の活性化は非常に大事です。なおかつ日本全体の経済が国際競争力を持つということも非常に大事です。そこら辺の兼ね合いが色々とあると思いますが、そんなことも今日初めてご質問頂きましたから、しっかり頭の中に入れさせて頂いて、そういう問題意識を持って(やっていこうと思っております)。

具体的に今、どうだこうだということはお答えできませんけれども、そういった原則を踏まえつつ、やっぱり日本の経済が、地域の経済が、特に北海道と九州というのは非常に厳しいところでもございますし、そういったこともきちっと踏まえつつ考えていきたいというふうに思っております。今具体的にどうだこうだということはございません。

問)

オリンパスの問題で、オリンパス問題については法律に基づいて厳正に対処している。世界のマーケットは見ているということですけれども、オリンパス以外の日本の上場企業で同じような損失隠しがあるのではないかという疑念、疑問が市場に結構広がっておるのです。この疑問を払拭するために、金融庁として何が具体的にできるのかという、その具体的な方法を教えて頂きたいのですが。

答)

損失の先送りが行われていたということについては、極めて遺憾でありまして、こういった個別ケースをもって我が国上場企業や市場全体を規律に欠けるものと評価することは、私は正当ではないというふうに思っております。私は、大部分の日本の企業は高い規律と廉潔性、自己規律と、正直でまじめにされているというふうに思っております。

しかし、市場参加者、なかんずく外国の投資家などから、日本企業全体の企業統治等に問題があると見られることは憂慮すべきことでございますし、そしてそのために市場が公正で透明性を確保するために我が国上場企業において、適切な企業統治が十分に発揮されることは極めて重要であるというふうに思っております。金融庁としましては、今後とも東京証券取引所等と連携しつつ、我が国上場企業の企業統治全体について疑念を持たれることがないように努めてまいりたいと思っています。

問)

それで、疑念を持たれているのですけれども、具体的にどういう方法で疑念を払拭できるのかという、具体的な行政対応なのですが、いかがでしょうか。

答)

それは、私はこの前記者会見させて頂いて、私も実はそこはきちっと誤解を招かないようにしないといけませんから、以前、記者会見で(公表した内容を)確か英文でも出させて頂いたと思います。各外国のメディアもきちっと報道して頂きまして、そういったことで、今、一つのエピソードが起きたわけですから、それに対してきちんと、まずやっていくことか大事だと思っています。

どうもありがとうございました。

(以上)

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