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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成23年12月6日(火)9時26分~9時49分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

今日は特別ございません。

【質疑応答】

問)

オリンパス問題に関連して、今日、第三者委員会が報告書を提出する見通しですけれども、どういった内容が明らかになることを期待されていますか。

答)

調査報告書が今日にも発表されるとの報道があったことは承知いたしておりますが、独立した第三者委員会により行われた調査の内容についてコメントする立場にはないというふうに思っております。いずれにいたしましても、内外の投資家より、我が国市場の公正性・透明性に対し、疑念を持たれることは憂慮すべきことであると認識をいたしておりまして、こうした観点から、まずは、会社自身が、第三者委員会における厳正な調査等を通じて、一刻も早く実態を解明し、正確な情報を速やかに明らかにすることが重要であるというふうに考えております。金融庁といたしましては、引き続き、正確な実態の解明と迅速な情報開示が行われるよう、関係機関と緊密に連携し、適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

問)

今のご発言に関連して、今後実態解明というところでいいますと、金融庁の管轄では公認会計士の責任問題等についても言及していく必要があるかと思いますが、今後金融庁としての対応を具体的に教えてください。

答)

特に調査報告書についての監査法人の責任について如何にというご質問だと思いますが、そのような報道があったことは承知していますが、事実関係が十分に明らかになっていない段階で、監査法人の関わり方についてコメントは差し控えさせていただくのが適当ではないかと思っております。

問)

もう一点、郵政改革法案についてお聞きします。9日で国会が閉会する見通しとなりました。今国会の成立を強く求めていた大臣として、先送りになることについて、ご所見をお願いいたします。

答)

同法案の成立は、平成21年9月のいわゆる三党連立合意から2年以上もの間、累次にわたり、公党間で約束されてきたものであり、今の民主党代表でございます野田総理も、8月に亀井代表と(郵政改革法案の)成立を期す旨合意し、また国会においても、内閣を挙げて法案の早期成立を図ることを約束してこられました。それを受けて、今の国会も郵政改革特別委員会を作っていただいたわけでございます。

そういう状況でございますが、私も何度も申し上げておりますように、日本郵政グループ各社の経営は大変厳しく、もはや時間的余裕はないというような状態でございまして、法律が成立しないままでは、東日本大震災からの復興にも支障を来す懸念もあり、郵政株式の売却による復興財源も期待できないということでございます。

そういった中で、いくつかの大手新聞社説でも、郵政改革法案の速やかな審議が必要だというふうに書かれておりますが、郵政改革の議論を一刻も早く決着させ、日本郵政グループが持てる潜在力を最大限発揮できる環境を作ることが、我々政治家に課せられた使命であるというふうに考えております。

審議日数については、国会においてご判断されるものと承知しておりまして、行政(機関)の長としては、これは内閣で決定して、閣法として国会に出させていただいたわけでございます。あとは何回も言いましたように、私は最善のものと思って出しております。しかしながら、国会が国家の最高機関であり、唯一の立法機関でございますから、そういった中で、亀井さんと野田さんの合意書の中でも「修正」という言葉がありますように、いずれにしても法案成立に向け、何度も国会で答弁しておりますように、政府としては、最善のものとして出したわけですけれども、最終的にお決めになるのは国会でございます。既に三党による修正協議が始まったと聞いておりますけれども、与野党で早期の議論が行われることを強くお願いをしたいというふうに思っております。

まだまだ会期もございますし、私は決してあきらめておりません。これは綿貫元代表から亀井代表までずっと、私たち国民新党の一丁目一番地でございます。何度も申しまして恐縮でございますが、小泉さんの構造改革の一丁目一番地がこの郵政民営化だということで、国民の民意を問うたわけでございまして、そういったいわゆる新保守主義の政策の体系論の象徴として郵政民営化があったわけでございます。新保守主義というのは、私は何度も申しましたように、小さな政府、過度の規制緩和、そういった一つの思想体系でございました。「骨太方針2006」で毎年社会保障費を6,000億円削っていくということも、そういった小さな政府の一つの思想でございまして、労働者派遣事業法、あるいは人材派遣業を見ても、過度の労働法制の規制緩和(を行い)、あるいは小さな政府ですから、地方交付税交付金を小泉内閣のときに大変削減いたしまして、これが地方の経済にどういう影響を与えたかということは、私は九州出身ですから、よく知っております。そういったことが、2年前の政権交代につながった大きな要因だと思っております。

我々は三党合意にもはっきり書いていますように、小泉さんが推し進めた、今言ったような新保守(主義)的な政策が、やはり国民の生活の破壊、あるいは地方の破壊、あるいは自己責任理論と申しますか、世の中から落ちこぼれていった人、それは自己責任だという、そういったことを非常に強く叫ばれました。私の本職は医者でございまして、特に遺伝学をやっておりましたから、生まれつきの病気の人というのは、そういった人はいくら努力をしても、努力ができない人が当然人間はいるわけです。やはりそんな人も同じ人権を持った人間だから、それはお互いに助け合いをやっていくということが、私は人間の社会としては正しいと思っています。そういった考えそのものに反対して、自民党を除名になったわけですけれども、そんな政治はおかしいよと言うことが国民新党の立党の精神でございましたし、それに民主党、社民党も賛成してくれていました。

ご存知のように、この30年、特に20年、ソ連が崩壊した後、アメリカの一強になりまして、アメリカの極めて強力な政治力、経済力、軍事力、それの経済力の基本になったのは、ウォール街の金融資本家でございまして、それがITの成長・発展によって金融工学というのが過度に進んだということでございます。それがやっぱり大きな原因だと思っています。その典型が3年前のリーマン・ブラザーズという会社の倒産なわけですから、それの影響が今でも世界の経済に(影響を及ぼし)、今度の欧州の金融財政事情の元を正せば、やっぱりアメリカのリーマン・ショックに大きな原因があると思っています。そういう体系そのものがおかしいのではないかと言って、ノーを突きつけた三党合意だったというふうに私は認識しています。国民新党は少なくともみんなそういうふうに思って、少数だけれども、きちんと結党した政党ですから、そういった意味で象徴としての郵政改革法案をきちんと(成立させる必要があると思っております)。何も国営に戻せとか、公社に戻せと言うのではございません。やはりどんな田舎に住んでいても、どんな僻地に住んでいても、今まで金融サービスを受けられたわけですから、それをきちんと保障するように変える、あるいは三事業一体の方がより効率的であるということは、手紙・はがきを配達する人が、郵便貯金、保険を昔は扱えたわけで、東日本大震災の被災地にいるおばあちゃんに郵便を届けたら、当然そういうおばあちゃんは昔からずっと郵便配達員にお願いすれば郵便貯金も(扱ってくれると思っています。)それが今は全然扱えないということを何度もお話ししましたけれども、そういった矛盾(を正し)、三事業一体にするという、少ししつこいようでございますけれども、そういったことでずっとやってきたわけですから、これは最後の最後まで我々は、国会というのは生き物でございますから、最後の最後まできちんと党是に従ってやっていくということが私の任務だというふうに思っております。

問)

オリンパスの問題で、今後上場廃止となるかが一つのポイントだと思うんですけれども、20年も粉飾していたのに、これが上場廃止にならなかったら、何が上場廃止なのだという声も市場には上がっています。大臣は日本の市場の公正性を保つために必要な厳しい措置を出すべきだと思われるかどうか、もう一度改めて教えていただけますか。

答)

上場の取扱いについては、上場取引所である東京証券取引所において、有価証券上場規程等に基づき、適切に判断されるものと考えておりますが、いずれにいたしましても、今日、第三者委員会の発表があるやに聞いておりますけれども、オリンパス社からどのような開示がなされるのか、第三者委員会の調査によりどのような事実が明らかとされるか等について、注視していく必要があると思っております。今の時点でコメントするのは、私の立場としては適当でないというふうに思っております。

問)

この短期間に資金の流れがすべてわかったのかというのは、多分疑問だと思うのですけれども、第三者委員会の報告とは別に、金融庁として徹底的に調査するおつもりがあるか教えていただけますか。

答)

これは何度も私は言いましたように、証券取引等監視委員会でその調査はやっているというふうに思っております。(監視委員会は)独立委員会ですから、私がいくら行政(機関)の長といえども、個別のことは差し控えさせていただきたいと思います。金融商品取引法の法令違反に該当する事実があると疑われる場合には、今さっき言いましたように、証券取引等監視委員会において厳正な調査等が行われるものと承知しておりまして、本件においても必要な措置はとられているものと考えております。個別の案件については、今の時点ではコメントすることは、今さっき言いましたように、これは独立性を持った委員会でございますから、コメントを差し控えさせていただくことが適当であるというふうに思っております。

問)

通信文化新報の園田です。郵政(改革)法案なのですけれども、本当にいつも政争の人質となってきたと思うのですけれども、これは次の国会だと更に厳しくなってしまうと思うんです。その中で本当にどうやって大臣として進めていかれようとしているのかというお考えをお聞かせいただきたいのですが。

答)

これは国民新党の亀井党首も、また下地幹事長もいますので、我が党総力戦でやっていくことだと思います。私は行政(機関)の長ですから、私は人にお願いする立場でございますが、私は本当に誠心誠意、今日は野田総理にも直接お願いしました。きちんと自分の与えられた立場で全力を挙げて通るようにしていきたいというふうに思っております。私は当事者そのものでございますから、コメントする立場にはないと思っておりまして、私は責任者、行為者そのものですから、しっかり頑張りますと、それ以外のことは言うのは適当でないというふうに私は思っています。

問)

今回、継続審議ということになるのでしょうか。

答)

そんなことはありません。私は成立に向けて、最後の最後まで頑張ります。

問)

先ほど政治は生き物だとおっしゃったのですけれども、どういう可能性が残っているのかなと。

答)

私は評論家ではございませんから、私はまさにこの法律を出した行政(機関)の責任者ですから、やっぱりそれが正しいと、最善のものだと思って出したので、何でそういう法律を出したかと長々としゃべらせていただきましたけど、我々の世界観、価値観は正しいと思っていますから、これはどんどんお願いをして押していくということが大事だと思っています。

問)

悲観的な考えかもしれませんけれども、次の(通常)国会でスタートするとしたら、また三党合意というところからでしょうか。

答)

今度の国会でも通らないということはございません。何が何でもそれはお願いして、やはりきちんと話がつけば、国会というところは、私も26年間いますが、話さえつけば、結構早く処理できるところでもございますから、そんな経験もありますから、私は最後の最後まで全力を尽くしていくと。これは小さな法律ではないと私は思いますから、一つの時代を画す法律だったわけです。5年前は小泉改革で圧倒的に支持を得ながら、今度は、これを変えるということで、総選挙で圧倒的支持を得た法律だったわけですから、決して小さな法律ではございません。象徴的に、そういった意味できちんと最後の最後まで責任者として義務を果たしていきたいというふうに思っています。

問)

オリンパス問題で監査法人の責任についてなんですけれども、先ほど第三者委員会の報告のお話で、ちょっとコメントできないというお話だったのですが、金融庁として監査法人から聞き取りをする中で、どういう観点で監査法人に問題があったかどうかを聞き取りしていくか、その金融庁の姿勢をちょっと教えていただけますでしょうか。

答)

姿勢としては、私は何度も言いますように、基本的に透明で、公正で、透明性のある、活力のある市場を作っていくというのが世界の共通の目的でございますし、金融庁設置法にも確か書いてあると思いますが、そういった精神に則ってきちんとやっていく必要があると、考えとしてはそういうふうに思っています。

ただ、今さっきも言いましたように、監査法人の関わり方についてコメントすることは、まだ事実も明らかになっていませんし、差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

問)

東洋経済の浪川です。オリンパスなのですけれども、僕は一回記事を書いたのですけれども、かつてクレディスイスファーストボストンが損失隠しビジネスをやっていたときに、当時、金融監督庁が、銀行法上の公益に害する行為ということで免許取消しをしているのです。凄く厳しい処分を出していたのです。当時、顧客には日本企業がいたのですが、要するに損失隠しということは、粉飾をしたということとほぼ同じだと思うのですけれども、当時の会計制度上では粉飾概念を詰めることはできなかった。親子連結とか、時価会計がまだきちんとしていなかったということなのですけれども、金融技術というのはその後も発達してきて、損失を他のものに転換するとかいう技法はどんどん発展したわけです。そういうものに銀行法というもので公益を害するというのでくくることはできるけれども、その一方、その技術を使って損失をバランスシートから外すというようなことをしてきた企業、要するに銀行と企業とすると、顧客サイドに対して、銀行法と同じような水準で厳しく対応できる法体系が今整っていると思われますか。

答)

率直に言いますと、非常に金融工学が発達しまして、私、個人の話をすれば、本でアメリカの今度のリーマン・ショックでも非常に金融工学が進んで、必ずしも国家の検査技術と言いますか、検査する方法がそれに追いついていかなかったというような反省点もあるということを読んだことがございます。私もこの任につきまして、非常に新しい分野ですし、アメリカ程はないにしても、やはり常にそういったことは気をつけて、世界同時並行的に進む金融の世界でもございますし、きちんと検査態勢が遅れないように、常に心がけさせていただいているつもりでございます。

問)

保険銀行日報、片岡です。保険金不払いで、金融庁が生保会社に出していた業務改善命令が解除されるという報道があったのですが、これについてコメントをお願いします。

答)

生命保険会社の支払い漏れの問題については、平成20年7月に10社に対して業務改善命令を発出し、その後の改善状況について報告を求めているところでございます。金融庁においては、各社の改善状況について検証を行っているところであり、業務改善命令の解除の時期について固めたものではございません。

問)

近いうちにあるという感触でよろしいのでしょうか。

答)

将来の予測はできませんが、かなりご協力いただいて、各社自覚を持って業務改善命令に従っていただいているという感触を持っております。

問)

一川防衛大臣についてなんですが、国民新党の(幹事長の)下地さんも辞めさせたほうがいいというような発言を国会でされていると思うのですけれども、大臣のご所見をお願いします。

答)

私も今日、それは新聞かテレビで知りましたけれども、私は閣僚の立場として、民主党と国民新党との連立内閣の立場もございますし、一川防衛大臣の任命権者は憲法上、野田総理でございますから、野田総理が「きちんと襟を正して職務をやってもらいたい」という(趣旨の発言をされた)国会(中継)を昨日、テレビで見ましたので、やはりそれはそれなりに、本人もやりたいというふうに言っておられましたので、連立政権ですから、他の政党のことでもございますけれども、私は内閣の一員でもございますから、そこはお互い政治家の出処進退や任命権者の話、私から色々コメントするのは適当でないと思っております。

(以上)

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