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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年3月9日(金)8時34分~8時52分 場所:院内)

【大臣より発言】

本日、「金融商品取引法等の一部を改正する法案」の国会提出について、閣議決定をさせていただきました。ご存じのように、本法律案は、我が国市場の国際競争力の強化、及び、金融商品取引の公正性・透明性の確保を図るために、証券・金融、商品を横断的に一括して取り扱う総合的な取引所の実現のための施策を講ずるとともに、店頭デリバティブ規制の整備、課徴金制度及びインサイダー取引規制の見直しに関する規定等が盛り込まれているところでございます。皆様方ご存じのように、この総合(的な)取引所というのは、一昨年だったと思いますが、「新成長戦略」に記載されたものであります。

それから、本法律案については、今後、国会において、早期のご審議・成立を図っていただきたいと考えておりまして、詳細については、追って、事務方から記者レクを行わせていただきたいと思っております。

いずれにいたしましても、今日の閣僚懇でも農林水産大臣、経済産業大臣、それぞれに大変古くから、商品、あるいは石油だとかそういったもの、あるいは農産物、大豆、小豆等々を所管していたわけでございますけれども、何度も厳しい交渉でございましたが、最後はきちんと3省(庁)の政治主導によって総合(的な)取引所を作らせていただく運びになったということを報告させていただきたいと思っております。

以上でございます。

【質疑応答】

問)

幹事社から二つ伺います。今の総合(的な)取引所の関係なんですけれども、規制と監督を一元化するということが盛り込まれているわけですけれども、足下の取引所側の動きとはちょっと温度差もあるように見えるんですけれども、今後、総合(的な)取引所を実現させていくという目標に向かって、大臣としてどのように取り組まれるかというのを教えてください。

答)

2月24日に発表した「取りまとめ」においては、「金融商品取引所、商品取引所、取引業者その他の関係者に対して、証券、金融、商品を総合的に取引できる取引所の実現に向けて協力するよう要請」し、「その実現過程の一環として幅広い業務提携を推進することについても要請する」としたところでございます。具体的な協力や業務提携の内容については、各取引所がそれぞれの経営判断によって決めることではございますが、この法改正による制度整備を踏まえて、総合的な取引所が実現されるよう、取引所等の関係者に対して必要な協力を要請してまいりたいというふうに思っております。

問)

二つ目の質問ですけれども、東日本大震災の発生から11日の日曜日で1年を迎えます。世論調査だと「復興への道筋が見えていない」という人の割合が非常に高くなっているんですけれども、改めてこの現状をどのように受け止めているかということと、今後、金融当局として復興に向けた政策展開というのをどのように行っていくべきだと考えているか、教えてください。

答)

間もなく東日本大震災の発生から1年を迎える時でございまして、ちょうどあの日、参議院の決算委員会の中継中だったと思いますけれども、2万人近い方々が命をなくす、あるいは、(行方)不明になられたわけでございます。今考えても大変胸の痛む思いがいたしております。そういったことを踏まえて、本年は、まさに「復興元年」とも言うべき重要な年でございます。官民の総力を結集して、被災地域における本格的な復興を着実に進めてまいりたいと思っています。

特に私の場合は民間の金融機関を所掌しているわけでございますから、金融庁といたしましても、復興に向けた(取組みを)金融がしっかり下支えするべく、震災特例を設けた金融機能強化法、これは私は金融立法としては異例なことだと思っておりますが、信用金庫、信用組合を含め、しばらく経っても不良債権が残っていれば、預金保険機構で請け負いましょうという枠組みの法律でございますから、そういった意味では、当然、自己資本もしっかり経営者の判断で積んでいただきたいということも言っておりますので、そういった意味では、私はまさに震災特例の金融機能強化法を国会の全会派のご協力をいただきまして作らせていただきましたし、また、「個人債務者の私的整理(に関する)ガイドライン」、それから産業復興機構、東日本大震災(事業者)再生支援機構、これは国会で大きく問題が起きた二重ローンの問題、これは実は事務局(職員)の多くは金融庁から行かせていただいておりまして、そういったことで金融庁としては全力を挙げて復旧復興に努めさせていただいているつもりでございますが、各種の復興支援策の積極的かつ効果的な活用を促すなど、引き続き、被災地の復興支援に全力で取り組んでまいりたいと思うと同時に、ぜひ強調したいのは、金融機関も今回非常によく協力していただけたと思っております。

私も時々申しますけれども、1点は地震保険を所管している損保協会でございます。これは本当にくどいように申しましたように、損保協会に加入している1社が航空写真で(全損であると認定したら、他社でも)全損というふうに認めてくれということをお願いしたら、彼らは当然みんなビジネスでございますが、そこを引き受けていただきまして、大変早い時期にきちんと損害保険を被災地の皆さんのもとに、あるいは企業のもとに届けていただけたと思っています。1兆2,000億円(の)地震保険(金)が届きました。

私は何度か申しましたが、6月の株主総会が終わった時、ある大手の銀行の頭取が来まして、「自見さん、うちの仙台支店の預金が増えている」という話を聞いたのが(地震保険が早く届いていることを知った)端緒でございまして、後から来た(他の)金融機関に聞いてみると、みんな仙台支店は増えていると。あとは、日本銀行の報告を聞いても、仙台支店の預金が増えていると。「何で、どうしてですか」と私が聞いたら、どうも地震保険の1兆2,000億(円)、宮城県だけで5,000億(円)いただいておりました。(被災されたことは)本当にお気の毒なのですが、まだ地域の復興計画ができていないとか、あるいはまだまだそういう気持ちにはないということで、とりあえず地震保険を被災された二重ローンを含む(債務の)解消に使うとか、あるいは新たな投資に使うとか、そういった(ことを考える)余裕がなかったということはよく分かりますけれども、しかし同時に、申し訳ないと思っていますけれども、地震があった地域(で被災者の)の預金が増えるということは、少なくとも金融庁を預かる人間としてありがたい話だと思っています。

もう一点は生命保険協会でございまして、ご存じのように(行方)不明になった場合、大体従来は生きた死んだ(の認定)というのは、基本的に法務省が権限を持っておりますので、法務省と金融庁の局長と(が)それこそ本当に何回も交渉させていただいて、3カ月経った後、簡単な説明で、要するに死亡届を受理していただける(ようになった)。これも異例中の異例でございます。(災害時の行方不明者の死亡認には)大体普通は1年(の時間が必要)でしたけれども、こんな1000年に一遍の大水害を受けた、2万人近い方が犠牲になられた、あるいは被災された、本当に災害非常時でございますから、それはそれ用の生命保険、たしか1,500億円出していただいているわけでございます。

まだまだ足りませんけれども、金融庁としても、また皆様にいろいろご指摘をいただきながら、全力を挙げて下働きをさせていただきたいと思っております。

問)

AIJ投資顧問の問題でお伺いしたいのですが、業務停止命令から2週間経って様々な問題点が浮き彫りになってきたと思います。改めて監督官庁としての責任、どういったところに問題意識を持っているか、また再発防止に向けた取組みを教えてください。

答)

AIJ(投資顧問)の問題は、2月17日、金曜日でございますが、証券取引等監視委員会より、本年1月から実施しておりますAIJ投資顧問への検査の過程で、当社において投資一任契約に基づいて行う顧客資産の運用状況について疑義が生じている旨の連絡を受けました。この連絡を受けて、異例の対応として、急遽、同日、2月17日に連絡を受けたわけでございますが、2月17日中に当社に対して報告徴求命令を発し、2月23日には当社より報告を受領の後、2月24日、金曜日、これはたしか記者会見をしたと思いますが、8時15分ということは皆さん方にもお伝えしたと思いますが、業務停止命令を発出させていただいたわけでございます。即日、全ての投資一任業者に対して、一斉調査、これは263社を実施することを表明し、直ちに2月29日、水曜日付で(265社に)報告徴求(命令)を発出したところでございます。

証券取引等監視委員会において、まず、当社に対する検査において、業務運営等の実態の的確な把握がまだ終わっておりませんので、まず(それに)努めることとし、その結果を踏まえて、市場の公正性・透明性、トランスペアレンシーでございますが、の確保及び投資者保護を図る観点から、今後の対応を検討する(もの)と思っております。

いずれにいたしましても、今国会でもいろいろご指摘をいただいておりますが、様々なご批判を真摯に受け(止め)て、あらゆる選択肢を排除することなく、金融庁・証券取引等監視委員会の総力を挙げて、それから関係省庁、主に年金を所管しています厚生労働省とも連絡をとりながら、再発防止に本当に全力を挙げて取り組ませていただきたいと思っております。

問)

一部報道で、AIJ(投資顧問)について海外の当局や年金の専門誌から「AIJ(投資顧問)は問題がある」という情報提供があったというふうに報道がありましたけれども、その事実関係を教えていただけますか。今日分からない分に関しては、来週以降、どんな情報提供があって、どういうふうに対応されたのかというのを正確に教えていただけますでしょうか。

答)

金融庁・証券取引等監視委員会における個別の情報の取扱いに関することは、私も今日、朝、新聞を見せていただいたんですけれども、今の段階ではコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。しかし、一般論として申し上げれば、監督部局において、定期的な報告や外部から提供された情報を含めた様々な情報を活用して監督を行っているということでございまして、また、(証券取引等)監視委員会においても検査対象先の選定に当たっては、監督部局からの情報、それから外部から寄せられる情報等を積極的に活用して、分析を行うと同時に、市場環境の変化、個別業者の市場における位置付け、抱えている問題点などを総合的に勘案して、検査実施の優先度を判断することとしているというふうに承知をいたしております。

いずれにいたしましても、様々なご批判を真摯に受け止めて、金融庁、それから証券取引等監視委員会における情報の収集、活用のあり方を含めたあらゆる選択肢を排除することなく、しっかり金融庁・証券取引等監視委員会と全力を挙げて再発防止に努めてまいりたいというふうに思っております。

問)

情報提供はあったという認識でいいですか。

答)

そこはちょっとコメントできません。今日はご存じのように朝8時10分から(閣議でしたから、)そこはまだ正確な(話を)、私は聞いておりません。しかし、きちんと新聞があれだけ書かれておられることですから、今からまた参議院の決算委員会がありますけれども、当然その時に情報が入るかどうか知りませんけれども、これは当然きちんといろいろなメディア、あるいは特に国会での審議をやっておりますし、いろいろな議員からいろいろな示唆に富んだ提案もありますから、そんなことを全部含めて、私が言いましたように、あらゆる選択肢を排除することなく、きちんと再発防止に取り組んでまいりたいといふうに思っています。

問)

監督責任ということが言われているわけですから、調べて公表されたらいかがですか。

答)

それはきちんと、このことに、一々報道に答えるかどうかは別にして、全体として、今さっき言いましたように、結果としてあらゆる選択肢を排除することなく、再発防止に努めてまいりたいと思っております。

問)

今の関係の話なんですけれども、恐らく多くの国民はなぜこの状況になるまで当局が動けなかったのかというのは、非常に疑問視していると思います。そんな中で、事前に端緒の情報があったのかどうかというのは、これは大変重要な問題だというふうに私はとらえております。そんな中で、確かに個別事案の問題だとは思うのですが、これについては情報があったのかどうかということについては、行政の透明性として答える必要があるのではないでしょうか。どうお考えでしょうか。

答)

その辺も含めて、後からきちんと報告をさせていただきます。行政の業(務)ですから、やはり正確にきちんと行う必要があるわけですから。

(以上)

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