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松下内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(平成24年7月10日(火)8時35分~8時45分 場所:院内)
【大臣より発言】
閣議ですけれども、玄葉(外務)大臣が本日から15日までASEAN(東南アジア諸国連合)の外相会談、会合等に出られるということで報告がありました。その代理として、藤村官房長官が務めるということでございます。
それからもう一つは、衆議院の予算委員会が終わりまして、今日、参議院のほうに移りますけれども、やはり金融の問題、それから経済の問題、そういうものについての質疑がほとんどないということを非常に寂しく思っておりまして、もう少し消費税の問題、あるいは民主党の中の色々な離党の問題等に集中して、沖縄の問題は当然そうでしょうけれども、もう少し幅広い議論が行われてよいなということを、新人の大臣として、金融を担当している者として、そういう感想を持っています。今日、参議院でどういう議論があるのか、また注目しておきたいと思っています。
以上です。
【質疑応答】
- 問)
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先週末ですけれども、オリンパスの監査法人に業務改善命令が出されました。そこで、大臣のご所感についてというのと、また、金融庁では監査基準の見直しを含めた議論が進んでいると聞きますけれども、現在の進捗状況についてお尋ねします。
- 答)
-
7月6日に、あずさ監査法人と新日本監査法人に対して、業務改善命令を発出しました。そのことそのものが、金融庁並びに大臣としてしっかりとした意思表示をしていると感じています。市場の公正性・透明性確保のためには、取りも直さず適正、厳正な会計監査が重要であるということは当然のことでありまして、より実効性ある監査に向けた(業務管理)体制の整備を強く期待しています。特に、あずさ、そして新日本監査という大手であるだけに、しっかり取り組んでもらいたいという強い気持ちも込めて、業務改善命令を発出しているということでございます。
それから、今回の調査結果を踏まえて、再発防止に向けた金融庁としての対応でございますけれども、これはこれまでも多面的な再発防止策を講じてまいりましたけれども、現在、(企業会計審議会)監査部会において、会計不正等に対応する監査手続のあり方について検討中でございまして、今回の問題点を十分踏まえて監査手続の充実を図っていくという考え方でございます。
- 問)
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基準金利のLIBOR(英国銀行間取引金利)の不正操作問題についてですが、日系の金融機関を含めた業界に及ぼす影響についてお伺いします。
それと、もう1点、TIBOR(東京銀行間取引金利)ですけれども、TIBORの不正操作の調査を行うなど、金融庁としての対策は何か考えていますでしょうか。
- 答)
-
LIBORを巡る問題につきましては、海外当局において調査中の事項でもあります。日本の金融機関に与える影響については、確たることは申し上げられないということで、当庁としては、コメントは差し控えたいと考えております。
また、TIBORに関わることでございますけれども、これも当庁としての個別の行政対応について、コメントすることは差し控えたいと考えています。
一般論として申し上げれば、金融庁としてこれまでも検査・監督を通じて、各金融機関の内部管理態勢等を確認してきております。各金融機関の内部管理態勢等について、万が一問題が認められた場合には、必要に応じてしっかりと適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
- 問)
-
成長ファイナンス推進会議が、休眠預金の活用に向けて、2014年度中にその制度を構築することなどを決めたと思いますけれども、この問題は金融機関側から、かねてから難しいといった話もあったと思いますけれども、実現は可能なのか、どのように実現していくのかということをお聞かせください。
- 答)
-
成長ファイナンスの会合が、昨日行われました。その中では、この休眠預金の活用ということもうたわれております。国民の資産、そういうものをしっかりと活用して、そこからそれを運用することによって、新たな富を生み出して国民に還元していくということは大事だという認識の下に議論がなされて、そのことがあの中に政策として組み込まれております。それは、私たちもそういう形でやっていくのがよいと思って、同意をいたしました。
- 問)
-
実現は可能なのでしょうか。
- 答)
-
我が国の特性を踏まえまして、預金者等の関係者の理解と同意を前提に、預金者の信頼感や利便性の確保、それから休眠預金に係る財産権等の法的な取扱い、それから休眠預金口座を誰がどのように管理するか、休眠預金の払戻し・管理等に係るコスト等をどのように確保・負担するか等のいくつかの論点がございますので、これらには十分に配慮する必要がある。その上で、実効的で持続可能な制度ができるかの検討を行うことが必要ということでございます。
金融庁としましては、最終報告を踏まえて、引き続き、実務的な観点から検討に協力してまいりたいと考えておりまして、昨日もそういう話をいたしました。
- 問)
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インサイダー問題についてお聞きします。
これまで金融当局として、公募増資におけるインサイダーを4件(ママ)摘発していますけれども、いずれも2010年のもので、取引高も小さく、これはすべて氷山の一角なのか、それとも全容を解明したと言ってよいのか、当局としての対応は十分かどうか、まず教えてください。
- 答)
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十分であるかと言われたら、これは「そうです」とは言えないと、大臣としても考えています。これについては、根の深い問題もあると思っていますので、これからも引き続き、強い意志と強い関心を持ってしっかりと対応していくことが必要だと思っていますし、そう金融庁の中でも話をしています。
- 問)
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海外の投資家の中で、なぜ今、日本でインサイダー問題が起きているのか、なぜ当局が今になって躍起になって摘発するのかという議論の声があるのですけれども、ちょっとこれは言い方があれですが、AIJ問題で当局の対応の遅れとか、そういう批判をかわすために、東京市場の信頼を取り戻すために、今、一生懸命になっているのかという声もあるのですが、こういった声はどうでしょうか。
- 答)
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色々な見方があると思いますけれども、金融庁としてはその時その時の体制、それからその時その時の経済状況等をしっかりと背景にしながら、厳正に、適正に対応していると考えています。
ただ、こういう問題は、どれだけやってもやり尽くせないということも、今、ご指摘があったとおりでございますので、これからも引き続き緊張感を持って、しっかりと対応していくことが大事だと考えています。
(以上)