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松下内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年8月17日(金)11時30分~11時48分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

ご承知と思いますけれども、閣議で平成25年度予算の概算要求組替え基準等について、財務大臣からご発言がございました。これは閣議決定をいたしました。また、これに関連して総務大臣をはじめ、関係大臣等から色々な発言がございまして、いよいよ来年度の予算編成にかかっていくと、9月7日が締め切りという話がございましたので、金融庁も力を合わせて取り組んでいきたいと、そう思っています。

それからもう一つ、閣議後の懇談会で私から特に発言を申し上げたことがございます。

最近、国内外で発生している色々な事柄、国の基本に関する大事な事柄が、行く道が、極めて不透明になっていると、混迷しているという事態がございまして、深刻に受け止めているということを申し上げました。教育の問題、いじめの問題、それから防衛・外交を含めた安全保障の問題、これに絡んだ領土の問題、そして急速に進んできている製造業を中心とした産業の空洞化、国内の「何をもって雇用し、何をもって国の富を増やすか」という根幹のところが壊れていっているということについて、重大な、非常に深刻な気持ちで受け止めているということを申し上げました。

これは、長年続いた自民党政権、そして、その長く続いたことによる、いわば利権の構造というものが固定化されてしまっているということを含めて、なかなか改革の実効性が上がらないという、極めて深刻な問題に直面していると。これは、自民党政権だけではなくて、野党として色々な対応をしてきた国会そのものの責任も問われると。こういう危機感というものをどのように共有しているのかということを、もう一度しっかり考え直していく必要があるということを申し上げました。

同時に、その上で、来年度の予算編成をしなければならないという今のお話がありましたけれども、私としては、合成の誤謬にならないように、我が省庁のところだけ考えて、我が省庁だけが良ければいいという予算編成ではなくて、世界の中の日本として自分の省庁が組んだ予算が直面している、先に述べた色々な問題について、それぞれの省庁がどのように貢献し、どのように評価されるべきなのか、しっかりと各省庁は考えて予算要求をしてもらいたいと。足し算したときに合成の誤謬、個々の省庁や個々の分野で自分が最適と思ったものも、合成してみたら、それは誤謬だったということにならないように、しっかりと世界の中の日本として、1億2,000万人の国民が路頭に迷うことがないような、そういう国を作っていくための予算というものをしっかり作り上げてもらいたいと、そう申し上げました。

金融庁は230億円という、大きな額であるけれども、大変貴重な額であるけれども、国家の予算から比べれば、ほとんどはこれが人件費で、我々は知恵を出し、頭脳を使って金融の問題に取り組み、郵政改革に取り組んでいくという仕事をしていますので、私は総理大臣のようなことを今発言しましたけれども、自分としても、この閣僚の中の長老として、そういう気持ちを持って今回の予算編成に当たりたいと考えていると、各省庁しっかりしてくれということをお話ししました。

これをきっかけに、岡田副総理や川端総務大臣や、そして財務大臣等々からそれぞれご発言がありましたけれども、これは差し控えますけれども、そういう話をしました。非常に今の状況は、国会議員としても、過去の55年体制から今日までの政治の仕組み、当然もっと早く決断し実行しておくべき事柄がたくさんあったにも関らず先送りしてきたという、この政治の怠慢、内政においても外交においても、その問題が急速に濃縮されて、今出てきていると。国会議員全体の問題として、国会もしっかり取り組まなければいけないということも申し上げました。皆さんは、どういう状況・認識であるかは分かりませんけれども、私自身はそういう認識を持って、現在を認識しているし、予算編成に当たっても、しっかりと世界の中の日本、その中で日本が強くなっていくのか、1億2,000万人を路頭に迷わすことがないのかということを肝に銘じて、来年度の予算編成、そして政治に当たってもらいたいということを申し上げました。

以上です。

【質疑応答】

問)

まず全銀協が実施しているTIBOR(東京銀行間取引金利)の自主点検ですけれども、先週の金曜日に金利の呈示行が全銀協に報告をしました。一方、海外では、こちらはLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)ですけれども、英国では9月までにLIBORの改革案をまとめるというふうに伝えられていますが、こうした動きにあわせて、TIBORの制度の見直しなどについて、金融庁としてどう対応を考えているのか伺えますか。

答)

復習にもなりますけれども、TIBORについては、これは全銀協において、まず一つは、TIBORの取りまとめ・公表機関の立場から実施した一斉点検の結果、そして二つ目には、英国のLIBORの見直しに向けた検討状況等も踏まえながら、必要があれば見直しを検討する方針であるというふうに承知をしております。

TIBORの見直しの必要性の判断等を含めて、TIBORの運営については、これは全銀協において責任を持って検討すべき問題であるというふうに考えていますし、しっかりと対応してもらいたいというふうに強く思っています。

金融庁としても、金利に関する不正操作、これは金融市場の公平性や透明性に対する信頼を損ないかねない重要な問題でありますので、高い問題意識を持って、こうした全銀協の取組みを注視していると、刮目して見ているということでございます。

問)

先ほど大臣から予算編成のお話がありましたけれども、概算要求基準が、本日、閣議決定されて、今後、概算要求、さらに同時に税制改正要望の作業も同時に進むと思いますが、金融庁として重視している、重点化しようとしている要求・要望についての大臣のお考えを伺えますか。

答)

今、濃密に事務方で検討しているところでございますけれども、金融庁としましては、一つは、金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営改善・事業再生の支援に取り組まなければならないという大きな課題があります。

それから二つ目には、二重債務問題への対応、これはしばしば記者の皆さんからも色々ご質問がございましたけれども、それに対する対応をしっかりとしなければいけないということがございます。特に東日本大震災地域(において)、課題も山積していますけれども、しっかりと取り組んでいく必要があるということです。

それから三つ目には、投資一任業者に関する問題、AIJ問題ですね、これの再発防止、それから公募増資インサイダー問題への適切な行政対応といった金融・資本市場の信頼性確保、これをやり遂げるという課題があります。

四つ目には、日本再生戦略への関わりであります。これは7月31日に閣議決定されました、いわゆる日本版ISA、総合的な取引所の実現、これは私が経済産業省の副大臣時代から取り組んでまいりました課題ですが、それらの我が国経済の持続的な成長の確保のための、金融面からの貢献がどこまでできるかということがあります。これらについて取り組む必要があるというふうに考えています。

その上で、このような我が国金融・資本市場が抱える多くの課題に適時・適切に対応して、職責を十分に果たしていくために、その基盤となる体制の充実、円滑な業務実施のために必要な経費について、適切に措置されるよう努めてまいりたいというふうに考えています。

特に、昨年の予算規模から見ても、我が金融庁は、正に頭脳と知恵を絞って金融行政、そして郵政民営化対応をしていかなければいけないわけですから、そのことをしっかりと肝に銘じて取り組んでいきたいと。他の省庁の何兆円も使う、そういうプロジェクト型の省庁と違いますので、ここに知恵を絞って取り組んでいきたいということでございます。

それから、税制改正要望でございますけれども、これは必要と考えられる税制上の措置について、現在、鋭意、事務方で検討を行っております。私も若干の報告は受けていますけれども、まだ皆さん方にこの場でご報告できるというところまでいっておりません。しっかりと中身を検討させて、実効性のあるものにしていきたい。現在、直面している金融上の課題について、しっかりと一歩でも二歩でも前進できるようなものにしていきたいということでございまして、今後、金融庁としては、こういった要望事項を決定して、税制調査会等の場を通して、しっかりと議論して実現していくように努力したいと、そう考えています。

問)

金融庁と直接関係ないのですが、尖閣諸島の問題ですけれども、強制送還が今のところ進みつつあるようなのですが、大臣としてのご所見をお願いできませんでしょうか。

答)

今、海上保安庁を中心として、日本の然るべきつかさつかさで、極めてこれは外交上、そして安全保障上も含めて、国の基本に関わる問題として慎重に、しかし厳正に法に則って対応するという総理の考え方に従って検討していると、そう思っています。目を見開いて、刮目して注視しているということでございまして、私自身の今の考え方については、これはコメントを差し控えます。極めて、今、重要なところに来ていると考えていますから、ぜひご理解いただきたいと思います。

私の最初の発言に対して、ご感想があれば是非聞きたいと思いますけれども。逆質問だ。たまには質問させてもらおう。

問)

(いつもは、)質問するのが我々で、(逆に大臣から)質問されるとちょっと焦ってしまうので、ちょっと……。

答)

はい、分かりました。頑張りましょう。今、大事なときだよ。しっかりやってくれ、君たちも。お願いします。

問)

閣議後の懇談会で大臣がそのように発言されて、私としては非常に共感を持って、さすが長老のご発言で重みがあるなと感じたのですけれども、他の閣僚の皆さんはどんな反応をされたのですか。

答)

同じ気持ちだったと、そういうふうに思います。長老とおっしゃいましたけれども、お盆を過ぎまして73歳になりましたけれども。

問)

おめでとうございます。

答)

若々しく変身しましたので、ご理解いただきたいと思います。よろしくお願いします。

(以上)

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