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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(平成25年1月28日(月)9時41分~9時56分)

【質疑応答】

問)

今日から通常国会が始まりますけれども、臨むに当たって大臣のご所見をお願いします。

答)

いよいよ通常国会が始まりますけれども、自由民主党政権にとっては3年3カ月ぶりの政権の復帰なので、そういった意味ではこの3年3カ月の間、極めて停滞していた経済、不況、そういったものからいかに脱却してきちっとした経済の軌道に乗せるか、成長軌道に乗せるかというのが一番大きな課題だと思っていましたので、予算もこの一月、通常3カ月ぐらいかかる予算を一月という形で各省皆正月休み返上で予算編成に取り組んでいただいたものが、一応昨日形として出来上がっておりますので、これを一日も早く実行せしめて、結果として景気が回復していくという実感を国民に持ってもらう、日本が再び元気を取り戻せるというような状況になるというのには、この通常国会のこの予算が、まずは補正から始まりますけれども、これにかかっていると思っていますので、その意味では一番大きな問題はこの1点だと思っていますから懸命に取り組んでいかないかんなと思っていますね。

問)

今日の閣議で13年度の実質成長率2.5%とする経済見通しが決定されたと思うんですけれども、この前の緊急経済対策などをもとにしていると思うんですけれども、この前の緊急経済対策の経済効果、60万人の雇用とかGDP押し上げ2%については、エコノミストなどからもやや楽観的過ぎるのではないかという意見が出ていますが、13年度の実質成長率2.5%について大臣がどうお考えになっているかお願いします。

答)

24年度の成長率が1%で、それプラスの1.5ということになるんだと思います。少なくとも世界経済の方もいわゆる下振れリスクみたいな懸念が前より薄らいできているいとうこともありますし、また緊急経済対策等々について株価も今日1万900、1,000近く、そういうところまで上がってきていますし、色々な意味で状況としては可能性を高めてきている要素が、外部的な要素もあるので、我々としてのこういった見方を反映したものなんだと、2.5%というのはそういうものだと思っています。まずはこの緊急経済対策を速やかに実施していくというところから始めなきゃいかんので、需要が出てこないと、いわゆる実需が出てこないと、いくら日銀の金融が緩和されても実需がなければ市中に金が出回ることはありませんから、そういった意味では可能性としてはそういう経済成長やら何やらが実施に移されてくると今の2.5%というものは現実のものになってくると思っていますけどね。

問)

世論調査において発足後1カ月たちまして62.4%という数字を出しています。非常に高い支持を得ていると思いますが、この数字を受けての所見と何が評価されたんだと思うかというところを改めてお聞かせください。

答)

何がよかったかはそっちの仕事で、こっちの仕事じゃないような気がするけどね。何がよかったかと思うという感想を言うんですか。

問)

高い支持率だったということは、色々やられた政策等が評価されたとは思うんですが、どういうところが評価されたのかというところでご自身がお感じになられるところを聞きたいと思ったんですが。

答)

このところ永田町に隔離されていますので、情報というのはかなり偏っていると思っていますから、少し歩いてみないと何とも言えませんけれども、少なくとも昨年12月の選挙の感じからいけばデフレとかインフレとかあまり関係なく、不況というのが一番有権者の実感なんだと思っていますね。デフレ不況とかインフレ不況とかというより、まずは不況、不景気。従って景気対策というのが優先順位の一丁目一番地と思っていましたので、それを安倍内閣で補正、続けて本予算と経済対策というものに絞って集中的に、かなりスピード感を持ってやってこられたのが多分世論の支持率が上がってきている状況になっているんじゃないですかね。そんな感じですけどね。まだ国会が始まっていないから、国会が始まって色々国会答弁やら何やらが始まってくるとまた別のものになってくるかも分かりませんけれども、今のところは実際問題やったのは予算の編成だけですから、まだそれが通ったわけでもありませんので、一応その予算編成までの過程、スピード、対策の内容等々が表に出ていますので、それに対する評価が高かったということかな、そんなところじゃないでしょうか。

問)

同じく世論調査に関してですが、政府と日銀が2%の物価上昇率のことを明記した、共同声明に出したことが6割近くの人が評価をしています。また、本年度の補正予算に盛り込まれた緊急経済対策についても、評価するという方が評価しないよりも上回るような数字が出ておりまして、安倍政権が抱える経済再生、経済対策についての期待感がすごくうかがわれるような状態になっています。国民の経済再生に対する期待について、国民が非常に期待しておりますので、その辺りを大臣からお願いします。

答)

経済再生の場合、人によって仕事がとかと言うけれども、仕事は主に働いている方の話であって、少なくとも給料をもらっている通常の勤労者にとっては、やっぱり景気がよくなるというのは労働分配率が上がらないと給料が上がってきませんから、ただ景気がよくなって賃金にはね返ってくるのは大体一番最後になりますからね、常識的には。だからその意味では景気がよくなったと実感出来るのは亭主の給与が増えたというところなんだと思いますけれども、それに比べてここ20年間、初任給はほとんど変わらず、実質賃金というのは下がっているということになっていますから、そういった意味では景気がよくなってくるイコール給与が上がるという実感が出てくるか、そこが一番なんだと思いますけどね。物価が少し下がって可処分所得が増えているというのはあんまり、日々の話ですからそんなにピンと来ている話でもないし、物価が下がっているという話をよくする人がいるけれども、それは全ての消費に込み込みでの平均値を出してきますから、大きく下がった。例えば皆さんが使っているPCにしても、そういったものの値段がどんと下がれば物価が下がったことにトータルの数字ではなりますけれども、生活必需品を見るとそんなに、食べ物とか何だかんだは実感するほど下がっていますかねと言われれば疑問だね、僕は。だからその意味では生活に感じるほどの景気のよさというのはもう少し後にならないと出てこない。ただ株価が上がっていますから何となく、2割上がれば2割金持ちになったような、その気になるでしょうが、そこがちょっと気分的には大きいのかなとは思いますけどね。

問)

来年度予算案、昨日概算でまとまったものですけれども、閣議決定は明日だと思いますが、一般会計の数字としては92.6ということで過去の政府案、当初予算で言うと、確かに去年は2.6を外に出しているとはいえ歴史的に残る数字としては過去最大になるわけですけれども、23年度を超えて。そういう色々事情はあるにしても過去最大になるということについてはどういうふうに受け止めていますか。

答)

これは内容を後で詳しい人から見ると色々分析出来るんだろうけれども、一般的にぱっと見たら、あらっという感じになるんだとは思いますけれども、内容でやっぱり一番大事なのは収入より借金の方が多かった、通常用語で言えば。公債発行額の方が税収より多かったというのが、逆転出来て収まったというところがやっと少し、一歩、プライマリーバランスの話なりにしても少し近付いたかなという感じがありますので、予算編成をやった者としてはそちらの方が大きいんですけれども。全体として色々、安心・安全等々でいわゆる公共工事で補修だメンテナンスだ、そういったところを含めて結構いきましたし、関心の高かった防衛関係のものもきちんとした対応がそれなりに出来たと思います。形としては一応我々の考えていた、最初に思っていた収入と借金の高さを逆転出来るかというのと、1月末までに出来るかねというのは正直私の最大の関心だったので、その点は一応よかったなと思っています。

問)

これは前回の会見でも少し出たことですけれども、スイスでやられていたダボス会議でも日本の金融政策がかなり話題になっていて、やはり通貨安につなげるために金融緩和をやっているんじゃないかという指摘がかなり出ていたわけですけれども、大臣、就任された時にそういった指摘に対して、あなた達に言われるような筋合いはないという趣旨のことをおっしゃっていましたが、改めてどういう思いでしょうか。

答)

ダボスでもIMFの専務理事が甘利さんに色々話しかけて言っていますけれども、やっぱりリーマンブラザーズの時の話で、日本は1,000億ドルローンしました、また欧州危機対応のために、いわゆるバリアを作る、それに対してもアメリカは1ドルも出さなかったけれども、日本は600億ドル融資しました、出しましたというふうなことで日本はちゃんとやっとると。やるべき時はちゃんとやっとるという話を全体が見えている人が言っているということもこれありなので、現在、日本としてはデフレ不況からの脱却が優先順位の一番であって、円が結果として安くなっているというのは付随的に起きている話で、もともとはリーマンの時100円だったんだから、それが75円になって、ドルやらユーロを下げている時に俺達は一言も文句を言わないで、それが10円か15円戻したら言ってくるなんていうのはおよそ筋としてはおかしいんじゃないのと。直接聞かれたら言っちゃうけどね。だけど何となく今の形としては極端に円高に振れていた、行き過ぎていた円高が修正されつつあるというような感じかな、僕自身はそう思っています。

(以上)

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