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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年2月5日(火)10時57分~11時13分)

【冒頭発言】

世界税関機構事務総局長選挙が6月に予定されております。政府としては、世界税関機構の現職で事務総局長である御厨邦雄氏の再選を目指して同氏を擁立することといたしました。世界税関機構は、税関分野の唯一の国際機関として国際貿易・経済の発展に多大な貢献をしていただくところです。今後、4月1日の立候補締切りを経て、6月末のワールド・カスタムス・オーガナイゼーション、WCO総会にて選挙が実施される予定にいたしております。

次に、金融庁業務説明会について。中小企業金融円滑化法は3月末で期限を迎えますが、これまで述べてきました通り、検査・監督のスタンスや不良債権の定義は何ら変わりません。金融機関には、引き続き、貸付条件の変更などや円滑な資金供給、それぞれの借り手企業の実態に応じた最適な解決策の提案・支援に努めるよう促してまいります。他方、こうした対応・方針については、かなりの程度浸透してきているとは思っていますが、規模の小さい事業者を中心に、もう一段の周知徹底が必要であると考えております。このため、2月から3月にかけて、寺田副大臣、島尻政務官、金融庁長官以下の幹部を全県に派遣し、冒頭申し上げた方針を金融機関に再度徹底するとともに、借り手企業関係者に対して、改めて丁寧な説明を行い、円滑化法期限到来後の対応に万全を期したいと考えております。また、この機会に霞ヶ関では分からない現場の声も聴取させていただきたいと思っております。

次に、「ABL」、アセット・ベースド・レンディング及び「資本性借入金」の積極的活用について。これは1月11日に閣議決定された「緊急経済対策」において、中小企業等への経営改善、資金繰りの支援策として、アセット・ベースド・レンディング、動産・売掛金を担保にした融資、通称「ABL」と言うんですが、この活用促進が盛り込まれております。これは、今までもあったんですよ。これを受けて、金融庁において、本日、「動産担保」や「売掛金担保」について、金融検査マニュアル上、「一般担保」として認められるための条件の明確化などを行うことにしております。また、金融庁としては、以前から中小企業等への経営改善の支援策の1つとして、「資本性借入金」の活用を促進してきたところですが、この「資本性借入金」に関し、税務上、どのような場合に金融機関において「損金処理」が認められるか、についても明確化を行うこととしております。これらを通じて、金融機関における「ABL」及び「資本性借入金」の更なる活用を推進し、中小企業への経営改善、資金繰りの支援を図ってまいりたいと考えております。

【質疑応答】

問)

日銀総裁人事についてお聞かせください。民主党が今日賛否の判断基準について取りまとめる予定になっています。ねじれ国会の中で、参院では野党の賛成が不可欠だと思いますが、民主党が作成するこうした判断基準なども政府が人選を進める上で参考になり得るんでしょうか、お考えをお聞かせください。

答)

内容によりますよね。その内容を全然伺っていないので、しかも衆議院でまとめた話で参議院でまとまるかどうか、あの党はよく分からないですね、私には。衆議院でまとまっても参議院はそうじゃありませんなんて言われたのでは話になりませんから、ちゃんと党としてまとめてきちんとしたものが出てくるというのが条件ですね。そこのところは時々話がずれるからよく分かりません。数が少なくなったから前よりはまとめやすくなっているのでしょうけどね。参議院でどうなるか、参議院の方は代わっていませんからね。だからその点が、参議院側の意見がきちんとしたものが出てくるかどうかというのが一番大事なところじゃないでしょうかね。

問)

みんなの党は渡辺喜美さんが、具体的な5人の候補の名前を出しています。浜田宏一イェール大学名誉教授、岩田規久男学習院大学教授、中原元日銀審議委員、竹中平蔵さんなど5人ですけれども、これらの人選について大臣の考え、ご所見をお聞かせください。

答)

今の中で経営をやっていた人は中原さんだけかな。東亜燃料ですね、あの中原さんでしょう。東亜燃料の中原さんという方は経営能力があることははっきりしていますけれども、しかしほかの方は学者ですね、今伺った名前は。こういう大きな組織というものを運営するに当たって、行政経験というか、組織運営の経験がない方というのは、日本銀行のような大きな組織を運営していく時には、甚だ問題を抱え込みはしないかなというのが正直な実感です。

問)

昨日、徳田国交政務官が辞任されました。辞任の説明がしっかりしたものでないままの辞任となっています。このことについて大臣はどれぐらいの話を知っているのか、そしてしっかりした説明責任のないまま辞められたことについてどう思われるのか教えてください。

答)

詳しく聞いていないから全然分かりません。

問)

日銀総裁人事とも絡むのですけれども、国会同意人事のあり方について今ルールの見直しなども検討されております。大臣としてどのようにお考えでしょうか。

答)

ねじれ国会の時から始まったから6年弱前の安倍政権の終わった後、あの参議院の選挙以後から顕著になってきた話だと思いますけれども、白川総裁の前ぐらいが一番この人事のねじれの影響が出たために、なかなか人事がスムーズにいかず、結果的にご自分全くその気のなかった白川総裁がなられて随分戸惑われ、その後副総裁も認めないという話が随分続いて、山口さんを副総裁というまでの手間、少なくとも中央銀行総裁の人事が与野党の駆け引きのためにごちゃごちゃするというのはお国のためにはならない、そういう実感です。

問)

日本郵政のかんぽ生命とゆうちょ銀行の新規業務の金融庁側の認可に向けて、金融庁の現在の審査状況と当初予定されていた4月の新規業務開始時期から遅れるのかどうか、そのあたりの見通しについてお伺い出来ればと思います。先日、郵政民営化委員会の西室委員長が、かんぽ生命の新規業務、具体的には学資保険ですけれども、これにつきまして4月の開始予定は多分延びるのではないかとの見通しを示されました。ゆうちょ銀行の方も含めて認可や開始時期の見通しについてお伺い出来ればと思います。

答)

あの報道については承知しています。延びるであろうという報道ですけれども。かんぽ生命にしてもゆうちょ銀行にしても、正直言って、今まだ審査中の話ですから、今2月に入ってその段階で4月からというのはちょっと難しいだろうなという感じはしますけれども、我々としては、いずれも引き続きちゃんと審査をしていかないといけないというところだと思います。

問)

先ほどの徳田さんの件ですけれども、説明責任のないまま辞めることに関してはどう思われますか。

答)

これは個人の話だから、ご自分としてそれ以上説明ということはね。大体いつの話ですか。

問)

議員になる前という、そういったことすらはっきりまだ分からない状況での退任ということなのでどうかと思っています。

答)

議員になる前の話ね。

問)

それは私が伝え聞いたところであり、真偽は分からないので、そういった説明責任もないまま辞められることについてどう思われるかということです。

答)

議員が拝命を受けたのを辞任するに当たっては、1人1人の個人的な理由というのは身体上の都合もあったり、いろいろな人に言えない理由があったり、いろいろされると私自身はそう思っています。したがって、それに立ち入るつもりはありませんけれども、説明責任というので僕は今の話は全然よく見えていないので分からないのですが、本人の自己責任ですね。それ以上言いようがないと思います。

問)

日銀総裁人事ですけれども、先ほど大臣がおっしゃった組織運営経験や行政経験があるということなのですが、今回交代するのは3人ですけれども、大臣の示されている条件というのは総裁の条件なのか、それとも3人セットで考えた上での条件なのか、どういうお考えでおっしゃっていらっしゃるんでしょうか。

答)

僕は前に総裁のことに関してはここで言ったと思いますけれども、少なくとも、今、中央銀行というものを見た場合に、アメリカやらヨーロッパに比べて日本の中央銀行というのは最もしっかりしている中央銀行の1つだと私はそう思っていますよ。したがって、そこの中央銀行の総裁たる者が各国中央銀行総裁会議なんてわーっと人が寄ってくる時に、やはり言葉が全然できないというのはしんどいでしょうね、2つ目、組織運営というものが分からないとしんどいでしょうね、3つ目、よほどの体力がないと行ったり来たり行ったり来たり、大変なことになります。外務大臣ほどひどくはないでしょうが、日銀総裁というのも結構しんどいだろうと思いますから体力が要りますよ。その3つというのが中央銀行総裁としての条件だと私は言ったという記憶がありますけれども、補佐をされる副総裁についてはそれぞれ性格が違うのだと思いますが、同じような方が2人いても仕方がないので、別々それぞれ違った方を呼んでくるというのが普通の考え方、会社運営をする時には似たような者ばっかり集めても仕方がないので、いろいろ違った人を呼んで組織するというのが組織運営の常識だと思いますけれども。

問)

日銀総裁の人事案ですが、改めていつ頃までに提示しようとお考えでしょうか。

答)

よく分かりません、それは。日銀の都合もおありでしょうし。

問)

組織能力の点ですが、特に9人の政策委員をまとめ上げていくということも求められるかと思うんですが、その際にはどのような能力が必要だとお考えでしょうか。

答)

それこそ組織の長にいる、簡単に言えば一応理事というのは組織の長ですから、審議委員というものも同じようなものでしょうけれども、スタッフとラインといろいろな分け方があるのでしょうが、いずれにしても組織の1つですから、それをまとめるのも合わせて組織をまとめる能力の1つだと思います。

問)

補正予算についてですけれども、補正予算には緊急性の高い事業も入っていると思いますが、成立が今月中ではなくて3月以降にずれ込んだ場合、どのような影響が出ると大臣はお考えですか。

答)

補正予算の成立が3月以降にずれ込むと、1-3月の経済には影響が出ます。それは間違いなく出ます。少なくともこの補正予算は4月、本予算が成立していないというのを見込んで3月、4月分まで考えて補正予算は作ってありますので、その意味では我々としては予算が従来なら3月にできるところが今回は最低でも一月ぐらい遅れると覚悟しなくてはいけないと思ってこの本予算に取り組みましたし、事実出来上がったのが1月末ですから、通常ですと12月末、ちょうど一月遅れている。そういった状況ですので、連休前までに、4月の連休に入る前までに出来上がれば最高と、そう私らは思っていますけれども、なかなかそんな簡単にいかないかもしれないと思えば、5月の連休を越して入ってくるということになると、それではずっと暫定予算で4月、5月をやることになりますので、それは景気に与える影響は大きい。それを見込んで補正予算を1月に組んであるわけで、その意味では我々としてはこの補正予算は是非とも2月に、早急にできるだけ早くというのが率直な希望です。

(以上)

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