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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年6月7日(金)10時05分~10時24分)

【質疑応答】

問)

為替ですが、昨日ニューヨーク市場で一時95円台というところまで円高が進みまして、東京でも約1カ月ぶりの97円台前半ぐらいで推移しているかと思います。昨夜一晩で3円ほどの大きな振れがあったわけですけれども、これに対する受け止めと、どういうふうに対応されるかお考えをお聞かせください。

答)

たびたび申し上げているように、為替についてコメントすることはありません。値動きが激しいとは思いますけれども、それ以上のコメントをすることはありません。

問)

日経平均株価について、今日も下げていまして、一時は200円を超えるような下げ幅になっておりましたが、これに関連して、成長戦略に法人実効税率の引き下げが入っていない、入りそうにないという、こういうところを市場が評価していないんじゃないかという指摘もあるようです。一方で昨日、菅官房長官は法人減税について検討する考えを夕方の会見でお示しになっておりますが、法人実効税率の引き下げについて、大臣は現時点でどのようにお考えでしょうか。

答)

国際競争力の問題でしかるべき方向というのであれば分かるけれども、為替や株価との関連で法人実効税率を触るというようなことを考えたことはありません。株価や為替についてコメントすることはありません。

問)

26年度税制改正の作業を前倒して秋ぐらいから始めようというような動きもあるようですけれども、成長戦略をこれから最終的にまとめて実行していく上で、税制改正作業を前倒しするということの意味合いについてどのようにお考えでしょうか。

答)

税制は本年度の平成25年度をやるに当たっては、基本的に1月になってからというので、従来とは違った形で我々としては税制改正というものに取り組まざるを得なかったというのが、平成25年度に関するところです。今回は十分な時間もありますので、きちんとした形で早めに税制等々を考えるというのは通常のベースに合わせて考えれば、昨年に比べればすごく早いように聞こえるかもしれませんけれども、去年はもともと予算編成のベースからして、その基になる税制も全て年明けでしたから、去年の方が異常ということが言えるのであって、今年は通常ベースで考えてもそんなに特に早いというわけではないと思います。

問)

金融特区の関係ですけれども、成長戦略の一環で国外から資金を呼び込もうということで金融特区が検討されていますが、現時点でどういうようなイメージでやっていこうとお考えになっているのか。また、作業チームなんかも立ち上げるようですが、いつぐらいからやるのでしょうか。

答)

ワーキンググループとしては、いろいろな意見が出されていることは確かです。したがって、そういったものを検討する、幅広く検討していこうとしていることは確かですけれども、フィージビリティスタディを今からやっていくことになるんだろうとは思います。そこだけ特別に税金をどうかしますとか、金融をどうかしますという特区というのは、極めて金融がインターナショナルになっていますから、塀がないみたいなものですからね。そこだけ特区にするということは、一体どういったことになるのかということをよく検討してみないといけないところだとは思いますね。金融って、昔と違いますから。ボタン1つでぱっと動きますから、そこだけという証明はなかなか難しいというのが現実論でしょう。

問)

ニューヨーク市場での為替の動き、一晩で3円以上という意味で非常に大きかったという観点からして、経済に与える影響とかその辺の懸念というのがないでしょうか。

答)

為替の話は何回も言いますが、特にそれに関してコメントすることはありませんし、マーケットがそういった反応をしているということに他の人達がどう反応するかというだけの話であって、我々の方として、それだからどうのこうのというつもりはありません。注視はしていますよ。注視はしていますけど、それによって介入するとか、直ちに何だとかというのを今するつもりはありません。

問)

今日の閣議で、為替の急激な変動について総理から言及があったとかそういうことは。

答)

ないです。

問)

税制改正は普通は年明けの通常国会で法案をやるのが一般的な流れだと思うんですけれども、今年は去年とは違うということなんでしょうが、例えば臨時国会で税制改正の一部をやるとなれば前倒しになるかと思うんですけれども、成長戦略に絡んだようなものを臨時国会で一部前倒しでやるおつもりはあるんでしょうか。

答)

今、党の税調でその種の、特にこの税制をやりたいという話を直接聞いているわけではありません。

問)

5日に総理が講演された時に、年末までといういつもの流れではなく、そういう話ではなくて、できるものは秋からというような趣旨の話をされていたと思うんですけれども、そういうことを政府として考えていくおつもりはあるんでしょうか。

答)

成長戦略に関しては、まとめてどんというのではなくて、できるものからどんどんやっていった方がいいというのは、これはずっと言い続けておられることだと思います。その関連として、税制もその関連の1つとしてとらえられているということなんでしょうけれども、特にこの税制についてというような特別なものが私共で党の方から聞いているということはありません。

問)

昨日、骨太の素案が出てきたと思います。財政制度等審議会の報告書などと比べて見てみますと、例えば社会保障、年金の関係では受給開始年齢の引き上げであったりとか、あるいは高所得者の基礎年金の減額みたいなものが財政制度等審議会の方では入っていて、骨太には入っていないというような状況になっております。今後参院選に当たって、国民の審判を仰ぐに当たって、なかなか具体的な歳出カット策が、基礎的財政収支の目標達成に向けて踏み込みがちょっと足りないんじゃないかというような見方も専門家の中で一部あると思います。そこの辺、大臣はどうお考えなのか伺えればと思います。

答)

この種のことが出ると、マスコミはいいところは書かないんですよ。問題点しか書かない。そういうものですから。ですからその点に関して言わせてもらえれば、少なくとも一番の見出しに経済成長と財政再建は両立という記事がどこかに出ていたけれども、ああいうのが一番大筋のところで、その中の細目にわたって今から詰めていくことになります。それは予算編成過程の中においていろいろと、また年央をメドに中期財政計画等々が出ますから、それに合わせてやっていくということなのであって、それが書いてあったからどうとか、これが書いていなかったからどうとか、そういうレベルの話ではありません。

問)

金融庁の金融審議会が始まりまして、様々な創業支援、ベンチャー支援、クラウドファンディングなど始まっていますが、どういった議論、どういった効果を期待されているかを教えてください。

答)

金融というのがよく出ますけれども、初めて、例えばあなたが持っている携帯を開けると、そこに2つの絵が同時に出ているというのが携帯にのっかっていると思うけど、あれは九州工業大学の一学生が考えたアイデアですよ。しかし、そのアイデアはすごい良かったんだけど、それをどうやって会社にして、どうやって金を儲けるかという発想はないんですよ。アプリとして有能なものが、そこに寝ているわけです。それを見つけてきて、「これ使えばいいじゃないか。」と言って、アイデアを出した大人の人がいて、それからじゃあというので、学生は学校を辞めて会社をやりますということになっていくんだけど、会社をやる金がない、金はみんなで何とかしました。ところが、会社を設立するノウハウは全くない。そこで、ある炭鉱屋の古手の人が出てきて、総務関係のプロがいて、じゃあやってあげますと全部やってくれて、早い話がその学生の能力を元総務にいた人、元銀行にいた人等々で、アイデアは若い人、実際会社を立ち上げるような手続等々一切は、全ておじさん達が考えて助けてくれたわけですよ。そういったようなことが出来ないと、会社って出来ないんですよ。アイデアだけあっても、資金繰りが分からなかったり、営業が分からなかったり、総務が分からなかったりすれば、全く駄目になってしまいますんで。そういったようなものを手助けしていく、エンジェルファンドとか、いろいろ表現がありますけれども、そういったようなものを、なかなか地方でそういったアイデアが出てきた時に、都会と違って地方の金融機関がそういったものに金を融資してくれるというような目利きがいるかと言えば、これはかなりクエスチョンマークではないかということになりますので、そういったものの援助なり支援なりが出来ればいいというように考えたらいいんじゃないですか。

問)

昨日、日本維新の会の代表から沖縄の普天間のオスプレイの訓練の一部を大阪の八尾空港で受けるという構想が提案されました。地元の市長は難色を示しているようですけれども、こうした基地負担軽減策について、沖縄県の外から出てきたことについてどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。

答)

僕はその背景をよく知りませんけれども、八尾ってところは行ったことがありますか。人口密集地ですよ。だから飛行場もということになった、もともと。大阪の南の方ですけれども。そのようなところに、地元の了解が取り付けられるという前提があるんですかね。あの人、確か市長でしょう、橋下さんって。今、知事じゃないんでしょう。大阪市長が八尾市長にやりなさいって言えるのですかね。府知事ならまだ少しは権限があるのかもしれませんけれども。それでも地元がどういう反応を示しますかね。僕にはそう見えますから、あの種の話は、マスコミはわっと飛びつく話だけど、後はちゃんと、きちんと最後まで決着がつけられるかどうかまで見ないと何とも言えませんね。打ち上げ花火みたいな話、選挙前に。僕には、あの人の話を聞いて、八尾って場所を知っていますから。八尾のあの飛行場、今は定期便飛んでいないと思うんですね、あそこ。かなり込んでいるところですよ。辺野古どころじゃない、もっと密集地ですから。しかも海がないですしね、あそこ、近くに。大阪湾まで出るのに幾つか街を越えなくてはいけませんから、どうですかね。堺を越えなければ駄目でしょう、あそこは。泉州、あの辺まで越えないと海に出られませんから、そんな簡単な話じゃないように聞こえましたけどね。八尾と聞いたから、僕は沖縄に八尾という場所があるのかと思ったら、橋下さんがしゃべっていて、大阪の八尾と言うから、へえと思った。僕の実感です。最近八尾に行ったことがないから、最近は空いているのかもしれませんが。

問)

昨日の骨太の素案の件ですけれども、エコノミスト含めて評価としては財政健全化に向けて踏み込み不足だというような、そういった意見が多く聞かれています。大臣はそれにかかわっている中で、踏み込み不足というような声に対してどうお考えでしょうか。

答)

僕はそんな感じでもありませんでしたね。これだけ、4~5カ月の間によくここまで詰め切っているなという感じがしないでもありませんね。法人税の話なんかは、エコノミストは相も変わらず言っていますけれども、日本で法人税は今何社払っていますか。何%の会社が法人税を払っていますか。払っていない会社の方が7割いるわけでしょう。法人税を下げてもらっても何もいいことないですよ。自分らには何の影響もない。法人税を下げるという意味が、法人税を払っている会社にとっては意味があるかもしれませんけど、法人税を払っていない会社にとっては法人税を下げてもらって何かいいことありますか。何もメリットがないということなんじゃないですかね。ですから、法人税を下げる意味というのは、実効税率とかいろいろな表現がありますので、そこらのところを法人税率がと書いてあるけれども、僕は直接な面から言ったら、なかなか今すぐ効果があるものだとは思いませんね。それから、来年度から出てくるというのは、円が安くなったおかげでこれまで赤字だった企業が輸出で利益が出るという会社も出てくる。それから、これまでの累積赤字を全部帳消しにできますというところぐらいまで出てくるのかもしれませんが、それも再来年の話ですから、これからの話。そういった意味からしますと、踏み込み不足とかではなく、現状から考えて結構なものだと思いますし、日本の場合は確実に言っただけでやらないなんてことはないですから、確実にやっていくお国柄ですから、そういった意味では、僕は結構、踏み込んではっきり書いてあるなと思って読みました。

(以上)

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