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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年5月20日(火)9時28分~9時41分)

【質疑応答】

問)

政府税調の法人税改革の議論についてですが、先週末の16日に政府税制調査会・法人課税ディスカッショングループで法人税改革についての草案が示されました。その中で法人税の実効税率の引下げについては避けては通れない課題だということでしたが、ただ一方で、財政再建との両立が重要で、恒久減税には恒久財源を用意することが鉄則だとしました。その上で現在の偏った負担構造を見直すために広く薄く課税する課税ベースの拡大が必要だということで、具体的には租税特別措置の見直しや外形標準課税の見直しなどを具体的なメニューとして挙げています。ただ、租税特別措置の見直しや外形標準課税の拡大といった、課税ベースの拡大については産業界からの反発も予想され、かなり難しい課題になるということが予想されます。租税特別措置の見直し、あるいは外形標準課税の拡大や課税ベースの拡大といった政府税制調査会が挙げたメニューについて、大臣は本当にこれがどこまで見直しが実現できるとお考えかお伺いさせてください。

答)

法人実効税率の話だと思いますが、これは総理が仰っておられるように法人課税は、早い話が成長志向型の構造に変革していくことが重要という話になっているのでしょう。そのため、これは欧州各国が単に税率を下げるだけではなく、同時に課税ベースの見直しを行ってきたというように、法人課税の構造的な改革を行っていく必要があると、私自身もそれはそう思っています。法人税関係の租税特別措置は全部で1兆円ぐらいだと思いますが、政府税制調査会において、租税特別措置についてはゼロベースで見直すべき、外形標準課税については、地方税における応益負担の徹底の観点から、強化するべきだという意見などが、いろいろな意見が出されたのだと承知しています。こうした改革を行っていくということについては、反対意見が出てくるというのは当然なので、どちらか選んでもらわなければいけません。私はゼロベースで見直すというのであれば見直された方が良いと思いますし、時代に合っていないものも全部知っているわけではありませんから、調べてみられると良いと思いますけれども、反対意見が当然出てきて、それで恩恵を享受しておられる方、今法人税を納めていない企業もあるでしょう。また、法人税を更に下げられても自分には何の影響もない、租税特別措置だけ減ればその分だけ自分の税負担が増えるという企業も出ますから、そういった企業にとってはいろいろ反対意見は出てきますので、法人税というものを構造的に見直すとか改革を行うということが重要なのであって、これは引き続き、今年は随分早くから始まっていますから、随分12月まで時間がありますので、いろいろな意見を政府税制調査会でいろいろ議論を真摯にしていただくというのが大事なところという感じがします。

問)

法人税改革についてですが、税収との関係について、政府税制調査会が16日に示した考え方では、必ずしも単年度での税収中立である必要はないとしています。これについては解釈の仕方によっては、課税ベースの拡大によって減収になる部分が完全に手当てできなくても見切り発車で減税は行って、その後の経済成長による税収の上振れ分で賄い切れなかった部分を賄えれば良いという考え方ともとれるんですが、こういう考え方で本当に財政再建ができるのか、その辺り大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

法人税収は景気変動によって上振れしたり下振れしたりするのであって、恒久減税を行おうとしているのでしたら、恒久的な財源を確保するというのは当然なのであって、上振れしたらとか下振れしたらというのではどう考えてもおかしいので、必ずしも単年度で税収中立である必要はないという表現については、将来の確かではない税収増に頼るという趣旨では全くないのであって、改革の一環として行う課税ベースの拡大というものは、一定の準備期間を設けるというのは必要な場合もあるのであって、消費税も初年度最初からというわけではありませんから、いろいろな配慮を行いながら制度設計していく上から言いますと、増収効果が完全に現れるまである程度時間を要するというのは確かだと思います。いずれにしても、税制改正は経済成長と財政再建の両立というのが大前提ですから、政府税制調査会としても、恒久減税である以上、恒久財源を用意することは鉄則と指摘をしているところなのであって、どのように実現していくかという観点を含めて今からいろいろ議論をしていただかなければいけないということなのだと思います。

問)

自民党内で、現在、貸金業法の再改正を検討する動きが出ていると思いますが、いわゆる総量規制の廃止や一定の基準をクリアした事業者について、現在20%となっている上限金利の引上げを認めるかといった点が論点になると思いますけれども、改めて大臣の御所見をお願いできますでしょうか。

答)

これが出来る最初の時からいろいろありました。こういったものをやったら、結果的にそれ以上で借りても1日で返してしまうからどうしても借りたいというような需要があることも確かですから、そういったものを考えたら、ヤミ金が増えるのでないかという指摘は、その頃からありました。昔から。今また、もう1回同じような話が出ているのだと思いますけれども、それは、党でやっておられるので、党に聞いていただいた方がいいと思います。でも、これは、今に始まった話ではありません。

問)

政策金融機関のあり方についてお伺いします。今年度中にまた改めてどういうふうにあるべきかという議論が始まると思いますけれども、商工中金と政策投資銀行については、完全民営化を前提としていると思います。そうした中で、地域金融機関の再編についても、政府の中で、再編を促していくべきではないかという議論が出てきていると思いますけれども、特に商工中金は地域金融機関と競合する部分もあって、どういう形が望ましいのかということは、だいぶ議論になってくると思います。現時点で、どういう議論に進んでいくことが望ましい方向性であるのかなど、思っているところがあられたらお伺いさせてください。

答)

地域金融機関というのは、第二地銀や信用金庫を含め、いろいろありますけれども、基本的には人口動態というものがあって、かつてと違って人口が急激に減っているところを考えた時に、それは信用金庫であろうとも地銀であろうとも、人口が減ってしまって維持できますかというと、極めて維持が難しい状況にあるのだったら、何か経営を考えないとやれないのではないですかという避けがたい条件が1個あるのだと思います。傍ら、何もなくなってしまうと、そこに住んでおられる、過疎地に住んでおられる方々にとっては、振込やら一切何もできないということになってしまうので、そこのところはどうするのだと。そこに郵便局はあるのかと。郵便局も、特定郵便局や何やらやめてしまうとかという話になってしまうとなかなか難しいので、そういったサービスとのバランスというものを考えてやっていかなければなりません。これまた昔からある議論ですけれども、今また人口統計を見て非常に人口が減ってきていることがはっきりしましたので、そういった意味で、今の話がもう1回出てきているのだと思いますので、いろいろ話を検討されるというのは正しいと思います。

問)

国の公的な信用保証、中小企業の融資についてですけれども、この保証率を縮小するという報道がありました。リーマンショック後に特例措置として設けられており、今年度の予算の編成過程でも条件の見直しが行われ、対象業者が絞られたという経緯もあります。こういった方向性について、大臣のお考えと、また次の検討課題についてお伺いさせてください。

答)

これまた昔からある話ですが、今の話でいくとモラルハザードの話と中小金融機関が中小の企業に、内容の良い会社にはお金を貸すけれども、一見、内容がいかがなものかと見えるものに対してはお金を引き上げる傾向が強い、したがってそういったものに対しては目利き、この会社は持っている仕事の内容や技術は良いけれども、資金繰りや営業が駄目というのであれば、その金融機関が営業の部分でこの仕事だったらこういうところで行えばこの仕事は使えるのではないですか等々、目利きとして、地域の企業を見ている金融機関というのはあるのではないですか、そういったようなものを使われてやったらどうですかという話であって、今、経産省や中小企業庁と一緒にまさに検討中のところです。

問)

今朝の報道で、福島第一原発の元所長である吉田氏の調書について報道されているのですけれども、事故当時のことを知る重要な調書だと思うのですが、これが今まで公表されてこなかったことについて、大臣の御所見をお伺いさせてください。

答)

所管外なので分かりません。

(以上)

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