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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年5月27日(火)9時10分~9時21分)

【冒頭発言】

本日の閣議において、平成25年末の対外資産負債残高及び平成25年中の国際収支の状況について報告しております。平成25年末の対外純資産は、過去最高の約325兆円となり、前年末比約29兆円の増加となりました。一方、平成25年中の国際収支は既に公表済みですが、経常収支は前年比で黒字幅を縮小し、約3.2兆円の黒字となっております。

【質疑応答】

問)

長期金利についてお伺いしますが、このところ世界経済全体としては成長が続いていますし、アメリカも量的緩和の縮小を進めていますけれども、そのアメリカでも長期金利が2.5%、ドイツは1.4%、日本は御案内のとおりということで、世界的に長期金利の低下状況というのがここのところ続いています。こうした状況について、大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

答)

日本が0.59%、ドイツが1.4%ぐらい、アメリカが2.5%台というところなので、全体的には確かに低下傾向にあると言えば低下傾向にあるのだと思いますけれども、金利は財政の状況や内外の市場動向などを踏まえて決まっていきますので、その動向についてコメントすることは無用な混乱を生じさせかねないので、お答えすることは差し控えさせていただきます。いずれにしましても、金利は特にこれだけグローバルになってきますと、世界市場に与える影響等々は非常に大きなものですので、注意深く見守っていかなければいけないと思っています。

問)

日本においては物価が上がってきていますけれども、金利は今仰ったように、0.6%を少し切ったぐらいで張りついている状況です。背景には日銀が大規模緩和で国債をどんどん買っているということがあると思います。このように物価は上がるけれども金利は張りついているという、こういう微妙な均衡というのが、どこまで続くのかということは、なかなか言い難いところだと思うのですけれども、こうした微妙な均衡状態について、大臣はどのようにお考えでしょうか。これまでも会見の中でお話があったと思いますが、さはさりながら物価上昇を日銀も目指している中で、今後どこかでやはり金利が上昇局面に入ることも想定されるのではないかと思うのですけれども、利払い費の増加にもつながりますし、これにどのように対処していくお考えなのか、大臣のお考えをお伺いさせてください。

答)

以前にも申し上げましたが、昔、国債が230兆円ぐらいの時代の金利が6%。それが今、国債は4倍に増えて、特に資産が増えていない、GDPは500兆円から減ったぐらいのところになりながら、金利が10分の1、ですから私達が習った経済学は何の役にも立っていないという話になったのです。こんなことは過去にありませんから、なかなか難しいのだと思います。一律に論ずるということは困難と思っていますが、いずれにしましても日銀が金融緩和を実施し、インフレターゲットを2%という話で事は進んでおります。日銀の市場との対話等々が非常に適切な対応になってくるのだと思っていますので、そこのところは引き続き日銀にやっていただかなければいけないところだとは思っています。また、国債が安定的に消化されていくということが、我々としては一番大事なところですので、そういった安定的に消化されていくためには、財政構造をきちんとしておくというのが一番大切だと思います。そういった意味では、中期財政計画等々を忠実に実施していくということによって、国際的な信用もきちんと維持できるという形になるのだと思います。

問)

法人税減税の関連で、自民党税制調査会が外形標準課税の拡大を検討しているということですが、その件について大臣の御所見をお伺いさせてください。

答)

法人税減税については、これまでも何回も話題に出てきているところですが、法人税を減税するというのは、経済の成長路線に合わせて税構造を直すべきという総理の意思と言いますか、御発言に基づいて我々もその方向で検討しているわけですけれども、中期財政計画等々を考えますと、そこのところはきちんと財政を健全化しなければいけないというために税収入をきちんと確保しておかなければいけないという点が1点あります。また、今の法人税実効税率を引き下げた場合は、それに代わる恒久的な財源で、税収の上振れというのは当てになる話ではなく、きちんとした恒久財源を持っておかねばいけないということを考えるに当たって、外形標準課税を自民党税制調査会が考えられているというお話は、私は自民党税制調査会の議論の詳細はよく承知しておりませんけれども、それも1つの考え方だとは思います。

問)

産業競争力会議がホワイトカラーエグゼンプションについて、労働時間の規制を撤廃するということを検討していますが、これに関して残業代がゼロになるという批判もいろいろとある一方で、時間に縛られずに成果が出るのではないかというメリットも指摘されています。これについて、明日、産業競争力会議がございますが、職種を限定するという意見も出始めていますけれども、いわゆるホワイトカラーエグゼンプションについて、大臣はどのような御所見をお持ちでしょうか。

答)

労働時間が9時から17時までに縛られて、きちんとするというような時代から、世界中、24時間マーケットが開いている時代、グローバルな時代に合わせて、また女性の労働市場への進出、高齢者の労働参加等々、昔と違った人口構成、経済構造に変わってきています。それに合わせていろいろな働き方というのが出てきても、少しもおかしくないと思いますが、そういったことは1つ行うと1つ必ずどこか問題が起きるのであって、良いことばかりなんてことはありませんから、必ずそういったことには、それに伴うマイナスの面、デメリットの面を考えて行動しないと、こんなはずではなかったという話になりますので、一部だけではなく、全体のことを考えなければいけないという点も配慮しないといけないと思います。

(以上)

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