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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年9月16日(火)11時10分~11時20分)

【質疑応答】

問)

消費税率の引上げにつきまして、安倍総理がこの連休中のテレビ番組で税率引上げに際しては経済指標を見極めた上で判断するとされまして、現段階ではニュートラルという表現をされました。一方で最近、欧米のメディアを見ますと4-6月期のGDPの落ち込みを受けまして税率の引上げを延期すべきだというような論調が目立ってきています。こうした現下の状況を踏まえまして現段階で大臣のお考えをお聞かせください。

答)

今の質問を聞いていると、いかにもすっかり頭から忘れてしまっているようだけれども、この消費税を上げる目的は何ですか。社会保障の充実は絶対条件なのではないですか。子ども・子育て支援というもの等々をきちんとしていくためには待ったなしの課題だということでスタートしたのではないのですか。違うのかね。これが優先順位の一番で、その当時の3党で合意されて、大した見識だとあの時思ったんだけれども。少なくとも現時点においてどうかと問われれば、これは今まで答えたとおりの話なので、改めて言うことは特にありません。緩やかに回復していると、景気基調はずっとこれまで述べてきたとおりですから、それ以外で特に継ぎ足すことはありませんので、消費税の引上げというのは今年中に、予算の事実上、この12月までにということだと思いますけれども、附則18条の3項というのがきちんと決まっていますし、法律で決めておりますので、それをきちんと勘案しながら、判断していくのだと思いますけれどもね。どなたがおやりになっても同じことですよ。

問)

ドイツが来年度予算で新規国債発行が46年ぶりにゼロになると伝えられています。このドイツに学べるべき点があるのか、あるいはなかなか教訓としづらい部分があるのか、その辺の大臣のお考えをお聞かせください。

答)

ショイブレという人は、ドイツの財務大臣ですが、この間話した時も、その前の時もしていたのですけれども、ドイツの場合たしか憲法で決めていますので新規の国債の発行は行えないとしているということは承知しています。本人も言っていたし、憲法で決まっているという話も知っていましたので。ただ、日本のようにデフレでドイツが悩んだ訳ではありませんし、そういった意味では日本とドイツが置かれている状況は全く違いますので、日本とドイツとを見てそこだけという訳にはいきませんし、日本の場合は20年間デフレーションというのをやってきた中での不況ですから、そういった意味では2015年度までに半減します、2010年度比で。2020年度までにはそれをプラスマイナスゼロにしますという目標を立てて、中期財政計画に則ってそれをやっていくので、私共としてはそれをきちんと、我々が立てた目標どおりやっていくのが我々に与えられた仕事だと思います。健全な財政というものは我々としてはそういった形でやろうとしているという意思がはっきりしていますので、為替を見ても株を見ても金利を見ても、少なくともそういったきちんとしようとしているという点がはっきり海外でもそうとられていますから、そういった意味での評価は高いと思いますし、それなりに評価はされていると思いますので、私共としては借金が今のような国債が倍というような状況、2倍の比率というのは少なくとも落としていく、比率を落としていくという努力は必要だと思いますね。

問)

今週末にG20財務大臣・中央銀行総裁会議がオーストラリアで開かれます。経済金融情勢に関しましてどのような議題が取り上げられるのか、あるいは大臣はどのようなお考えを主張されるのか、お聞かせください。

答)

話題になるのは当面、いわゆるクリミアの話とかいろいろ出てくるのだとは思いますけれども、世界経済が一番。全体的に景気というものに関しての意見の交換は間違いなくする。GDPの成長率2%引上げを今後5年間で目指しますというのがたしか約束事だと思いますので、そういった意味で成長戦略をどうするかという話と、当然税の話というのは、BEPSのタックス・ヘイブンの話も出てくるでしょうし、そして今の金融の規制のことに関して、いわゆる巨大銀行による巨大な貸し込み等々による影響というのはリーマンショックの時に話になったという状況というのがありましたので、そういったものなどについて議論をするので、私共としてはアベノミクスというものの進展状況等々をきちんと説明していかなければならないということですかね、日本としては。

問)

中東の情勢なのですけれども、中東のイラクについてなのですが、週末にパリでイラクの会合があって、中東の安定というのは日本経済にとっても重要なことだと思うのですが、イラクの日本の大使が人道支援をやりたいという発言をされていましたが、経済という観点から日本としてどういうふうに対応していきたいのか、今後いろいろ会合が、G20も含め話題に出てくるかと思うんですが、日本としてはざっくりと言ってどのように対応していきたいのかという点をお願いします。

答)

G20というか、いわゆるヨーロッパの国にとって少なくともISIS、「イスラム国という史上最大のテロ組織」と多分後世、歴史家は言うのかな、あのテロ組織による巨大な影響、少なくともヨーロッパ人もそれに参加しているとか、その人達が中近東でテロの経験をしてそれが本国に帰ってくることによる影響とか、いろいろなことは当然考えているので、それに対してどう押さえ込むかという話はオバマ大統領の演説や報道等でみんなやっていますのでそのとおりなのだと思いますが、それによってシリアから既に難民として何十万出ていますし、イタリアも少なくとも地中海を渡った北アフリカの方から数万単位の難民というのをアドリア海等々、あの辺にも随分と人が流れ着いているというか、上陸してきているというような対応を考えていくと大変ことになっていますので、そういった意味では一種の地政学的な大きな特徴なのだと思いますけれども。それから難民支援というのか、これが落ち着かないとなかなか元に戻るというわけにもいかないでしょうし、そういった意味からいったらどういう経済的財政的影響が出てくるかというのは、ちょっと今の段階でまだ見えているところではありません。みんな結構、巨大な財政負担をイタリアも、逃げ込まれている国、ヨルダンにしてもどこにしてもみんなそういった問題を抱えていますので、それらをどうするかという話はこれからの話かもしれません。

(以上)

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