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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年11月7日(金)8時58分~9時12分)

【質疑応答】

問)

アメリカの中間選挙の結果、上下両院で共和党が多数を形成することになりました。オバマ大統領の政権運営が厳しくなることが予想されますが、日本の経済や金融等への影響をどのようにお考えでしょうか。

答)

あと決まっていないのは幾つでしたか。あと3議席。ルイジアナと、あと2つあった。過半数は上院も共和党ということになることはほぼ確実ということになりましたので、上下両院で少数大統領ということになるのも確実ということになったのですが、これが日本の経済や金融にどう直接影響するかというのはちょっと一概には言えないですね、これは何とも言えませんね。ただ、日本の経済は間違いなく緩やかとはいえ確実に成長してきていますから、不測の事態というようなことが起きるとか、アメリカ発で何か起きるとか、いろいろなことは十分に考えておかなければいけないと思いますので、我々としては注意深く対応しなければいけないというところでしょうかね。そんなところだと思いますね。最初の半年ぐらい、ファースト・ハンドレッドデイズと言うぐらいですから、最初の100日間、共和党との間にどんな、主に院内総務の仕事ですけれども、そこらのところがどう対応してくるか、ちょっと見物ですね。今のところは分かりませんね。

問)

今日の午後、政府税制調査会の総会が開かれて、配偶者控除制度についての本格的な議論が開始されます。4日の記者会見で大臣は、この問題は家族のあり方など根幹的な問題を含んでいるのできっちりと対応しなければいけないとのお考えを披露されていますが、税収増につながるという面からではどんなお考えでしょうか。

答)

この話は、例の103万円の壁とかいろいろな話が昔から言われているところなのですけれども、少なくとも今、税収増という話よりは、支出の多い、その世代の人たちに対してどう配慮するかというのが主な観点で、奥さん方が働いて、その奥さんの所得が103万円を超えるとこっち側の控除が減ってしまうという話やら何やらがあって、女性の活力が阻害されているのではないかという点は、これは長い話です。今に始まった話ではありません。従ってこの話をどういう具合にするかというのは、ずっと論議になっていたのだと思いますけれども、女性の活躍やいろいろな話が出てきましたので、家族全体の収入として幾らかという話をしないと、亭主が30万円も稼いで、奥さんが5万円稼いだということになると、所得者割でいくと35万円を2で割って17万5,000円にします、という話になってしまいますからね。だから雇用者全体の所得というのでやらないと、雇用者1人当たりの所得が下がっているではないかというような話で、その数字というのはそういうところになりかねませんから注意しておかなければいけないところは一番そういうところなのですけれども、今回の話は家族全体でどう捉えるかとか、いろいろな議論が今なされているところなので、これはもう少し税調等の審議、論議を見守っていかなければいけないところかなと思っています。

問)

消費増税についてなのですが、官房長官も先送りに傾いているといった一部報道もありますが、これまで社会保障の充実のため、構造的な赤字に対応するためにはこれしかないという説明をされてきたところだと思いますが、今後はこれまでの説明を繰り返しされていくということなのか、他に何か訴えていきたい点はあるでしょうか。

答)

少子高齢化に伴って日本の社会保障とか国民皆保険とか医療、介護、そういったようなものが全て厳しい状況になっていくということははっきりしていますから、その対応のためにこの5%引き上げということを与野党合意して作り上げた。これは世界に誇れる日本の民主主義の成熟度合いを示したものだと私は言ってきました。そういったものを法律で決めて、2015年の10月から残り2%引き上げる、これは法律でそう書いてあります。その法律どおりにいくための条件をということになると例の附則18条3項でいろいろな条件がつけられますので、それを満たしているか満たしていないかというのは景気の、7-9月期の分が7月、8月の雨で遅れたのは間違いない事実だと思いますけれども、9月、10月、11月の数字が、どんな数字で上がってくるか。間違いなく上がってきていますし、来年度の景気が今年より悪くなると言っている人は、私の知っている範囲では学者・経営者含めて1人もおられない。今年より悪くなると言っている人は1人もおられませんので、そういった意味ではきちんと予定どおりに上げていった方がいいのだと私はそう思っていますけれども、いろいろの目先、足元の景気等で考えなければいけないという御意見の方もいらっしゃることも知っていますから、そういった意味では最後の判断というものをするまでの間にいろいろな指標を集めてきちんと対応しなければいけないということだと思います。

問)

先月末の日銀の緩和から円安が進行しております。今日も115円台をつけて7年ぶりの水準でございます。水準についていつも大臣はおっしゃられないというお話なのですけれども、1週間で5円以上のペースということは若干早いのかなという気もいたしまして、あまり急過ぎると円安のメリットよりもデメリットの方を気にする方も多いのかと思います。大臣御自身はこの為替の円安のペースについて懸念されておられるのかどうか。もう1つは円安で、これから寒くなるので寒冷地の方々でありますとか、一部業界の方がエネルギー高で苦しむということも想定されるわけですけれども、その辺の手当について大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

答)

為替の水準はいつも申し上げますように、常に変動する、変動相場制なのですから変動するのは当たり前です。ただ、それが急激に上がったり下がったりするのは経済にいろいろな影響を与えるということは確かなのだと思いますので、そこのところが一番大事なのだと思っています。一般論として、円安の動きで輸出は良くなってくるのは当たり前で、自動車産業でトヨタが2兆円の利益というのが報道されているとおりなので、そういったようなものは、円安によるところが極めて大きいということだと思います。それは税収増につながっていくことになるのだと思いますが、傍ら円安によって原材料の輸入の価格が高くなってくるということもあります。安倍内閣がスタートする前の、野田内閣の最後のあの解散すると言った日が79円、今115円ということになると、かれこれ4割上がっていることになっていますから、そういった意味ではかなり急激に上がっているという表現は決して間違っていないとは思いますけれども、石油は逆に、あの頃WTIで80何ドル、ドバイも100何ドルを超えていましたけれども、今日なんか見ているとWTIは80ドルを切った、ドバイも80ドルというところまで、原油の値段も下がってきています。そういった意味では石油というのはこれからまた、今まで高く買った分じゃない、安く買ってきた部分の方が還元されてきます。石油・ガソリンの値段というのはかつてほど高くなくて、170円なんていうものは消えましたけれども、地域によってまだまだ場所によって差があるのが1つ。もう1つは、東京の場合は鉄道の利用率が高いと思いますけれども、地方にいくと鉄道の利用率が低くて、その分だけ自動車で通勤ということになる人の比率が高いものですから、その分だけ家族で使う消費支出の中に占める燃料費の割合が、軽油やディーゼル、ガソリンの比率が高くなりますので、その分の手当というのが消費対策とか不況対策とかというもので考えていかなければいけないところです。いわゆる追加的緩和というようなものをやる場合、デフレ不況からの脱却というのが我々の主たる目的ですから、ここだけははっきりしておかないと。デフレ不況からいくとマイナスになっていくところ、スパイラルに落ちていくところが問題と思っていましたので、少なくとも今の分でいけばデフレを止めていることだけは間違いないと思いますので、そういった点も勘案して我々としては、いわゆる対策をするなら全体で対策をするのではなくて、地域によってガソリンの値段も違いますし、所得によっても痛みが違いますので、そういったところを配慮する対策というのを考える必要があるかなと思いますね。

(以上)

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